ゼダーン

和名:ゼダーン

英名:Zeddaan

1965年生

芦毛

父:グレイソヴリン

母:ヴァレタ

母父:ヴィルモリン

仏2000ギニー・イスパーン賞などを勝った名マイラーにして、産駒に優秀なスピードと芦毛の毛色を伝えた名種牡馬

競走成績:2・3歳時に仏で走り通算成績13戦8勝2着3回

誕生からデビュー前まで

アガ・カーンⅣ世殿下により生産・所有された仏国産馬で、仏国フランソワ・マテ調教師に預けられた。主戦はイヴ・サンマルタン騎手が務めた。

競走生活

2歳時にデビューすると早くから優れたスピード能力を披露。まずはボワ賞(T1000m)に勝利。ロベールパパン賞(T1100m)では2着ダーバヴィルに4馬身差、3着ロレンザッチオにはさらに半馬身差をつけて圧勝。ダーバヴィルは後のノーフォークS・テンプルS・キングズスタンドS勝ち馬であるし、ロレンザッチオは後の英チャンピオンSでニジンスキーに黒星をつける馬なのだが、この段階では本馬に全く歯が立たなかった。

さらにアランベール賞(T1000m)を勝って臨んだアベイドロンシャン賞(T1000m)では年上の馬に混じって、3歳馬ペンタスロンの3/4馬身差2着と健闘した。次走のプティクヴェール賞(T1000m)では、アベイドロンシャン賞で本馬から2馬身差の3着だった6歳馬ユアーズに屈して2着だった。

2歳時は徹底して短距離路線を進んだ本馬だが、3歳時はマイル以上の距離に進出。仏2000ギニー(T1600m)では2着キミストアンバーに2馬身差で優勝。

古馬相手となったイスパーン賞(T1850m)では、2着となった同世代馬ティミーマイボーイ(フォンテーヌブロー賞を勝ち、仏ダービーでは2着だった)に8馬身差をつけるという圧勝劇を演じた。勝ちタイム1分48秒1はコースレコードだった。しかしユジェーヌアダム賞(T2000m)では、そのティミーマイボーイに雪辱されて、1馬身半差の2着に敗れた。シャンティ賞(T2200m)ではこの年の凱旋門賞馬ヴェイグリーノーブルの着外に敗退。

その後は短距離路線に戻り、セーネワーズ賞(T1200m)を勝利。3歳限りで競走馬を引退した。

血統

Grey Sovereign Nasrullah Nearco Pharos Phalaris
Scapa Flow
Nogara Havresac
Catnip
Mumtaz Begum Blenheim Blandford
Malva
Mumtaz Mahal The Tetrarch
Lady Josephine
Kong Baytown Achtoi Santoi
Achray
Princess Herodias Poor Boy
Queen Herodias
Clang Hainault Swynford
Bromus
Vibration Black Jester
Radiancy
Vareta Vilmorin Gold Bridge Golden Boss The Boss
Golden Hen
Flying Diadem Diadumenos
Flying Bridge
Queen of the Meadows Fairway Phalaris
Scapa Flow
Queen of the Blues Bachelor's Double
Blue Fairy
Veronique Mon Talisman Craig an Eran Sunstar
Maid of the Mist
Ruthene Lemberg
Karenza
Volubilis Alcantara Perth
Toison d'or
Polyflora Polymelus
Flora

グレイソヴリンは当馬の項を参照。

母ヴァレタは現役成績13戦5勝、フォレ賞・エクリプス賞を勝っている。繁殖牝馬としては本馬の半姉グニラ(父プリンスビオ)【2着仏1000ギニー】も産んでいる。また、本馬の半姉エフェルヴェソンス(父シャルロットヴィル)の曾孫にはディックターピン【ジャンプラ賞(仏GⅠ)・ヴィットーリオディカープア賞(伊GⅠ)】が、本馬の半妹アシャラズ(父シカンブル)の子にはシャファラズ【カドラン賞(仏GⅠ)・ケルゴルレイ賞(仏GⅡ)・バルブヴィル賞(仏GⅢ)】、孫にはアシュカラニ【仏2000ギニー(仏GⅠ)・ムーランドロンシャン賞(仏GⅠ)】が、本馬の半妹ザヒーン(父シルバーシャーク)の曾孫にはザライーカ【仏1000ギニー(仏GⅠ)】がいる。ヴァレタの半妹ケアレスラブ(父シカンブル)はアスタルテ賞の勝ち馬。ヴァレタの半姉フリーガール(父ブラックデヴィル)の子にはフリーモデル【プリティポリーS】がいる。→牝系:F11号族①

母父ヴィルモリンは現役成績8戦5勝。キングズスタンドSを制した短距離馬だった。ヴィルモリンの父ゴールドブリッジもキングズスタンドSを2連覇するなど22戦9勝の成績を残した短距離馬だった。ゴールドブリッジの父ゴールデンボスはオービーの後継種牡馬ザボス産駒で、やはりキングズスタンドSを2連覇するなど11戦8勝の成績を残した短距離馬だった。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は4歳時から仏国で種牡馬入りした。そして複数のGⅠ競走勝ち馬を出して成功を収めた。1979年に日本に輸入され、日本でも一定の成功を収めたが、1984年に19歳で他界した。日本で出した産駒から直系を伸ばすことは出来なかったが、仏国で出した代表産駒カラムーンの直子カンパラが輩出した凱旋門賞馬トニービンが日本で大きな成功を収め、現在でも直系を堅持している。日本だけでなく、仏国、豪州でも本馬の直系は残っている。なお、本馬は芦毛の遺伝子がホモ接合型のため、産駒は全て芦毛馬になっている。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1970

Kalamoun

仏2000ギニー(仏GⅠ)・リュパン賞(仏GⅠ)・ジャックルマロワ賞(仏GⅠ)

1974

Conglomerat

クリテリウムドサンクルー(仏GⅡ)

1975

Lady Jane Grey

カルヴァドス賞(仏GⅢ)

1975

Nishapour

仏2000ギニー(仏GⅠ)

1976

Nadjar

イスパーン賞(仏GⅠ)・ジャックルマロワ賞(仏GⅠ)・リゾランジ賞(仏GⅢ)

1976

Standaan

パレスハウスS(英GⅢ)・スチュワーズC

1977

Adraan

アランベール賞(仏GⅢ)・サンジョルジュ賞(仏GⅢ)・グロシェーヌ賞(仏GⅢ)

1978

Nasseem

チェリーヒントンS(英GⅢ)

1979

Dom Cimarosa

スウォーンズサンH(米GⅢ)

1979

Phebis

エリントン賞(伊GⅢ)

1981

キョウワサンダー

エリザベス女王杯(GⅠ)

1981

クラウンエクシード

ウインターS(GⅢ)

1983

タニノスイセイ

朝日チャレンジC(GⅢ)・北九州記念(GⅢ)

1983

パッシングパワー

金鯱賞(GⅢ)

1983

ヤマニンアピール

中山大障害秋・阪神障害S春・京都大障害春・京都大障害秋

1984

ニッポーヒーロ

中津ダービー(中津)

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