オリエンテート

和名:オリエンテート

英名:Orientate

1998年生

黒鹿

父:マウントリヴァーモア

母:ドリームチーム

母父:コックスリッジ

3歳時はGⅠ競走では全く通用しなかったが4歳夏に急上昇し暮れのBCスプリントを制覇したレッドゴッド直系の名短距離馬

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績19戦10勝2着3回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州ゲインズウェイファームの生産馬で、ティンバーカントリーセレナズソングシルバーチャームカリズマティックなどの有力馬を所有して1990年代の米国競馬界をリードした名馬主ロバート・ボブ・ルイス氏と妻のビバリー夫人の所有馬となり、この夫妻の専属調教師だった米国の名伯楽ダレル・ウェイン・ルーカス調教師に預けられた。

競走生活(2・3歳時)

2歳11月にハリウッドパーク競馬場で行われたダート7ハロンの未勝利戦で、ビクター・エスピノーザ騎手を鞍上にデビューした。ケンタッキーダービー・BCクラシックの勝ち馬アンブライドルドの甥に当たるディシジョン、マルレ賞やウィルシャーHなどを勝ったギャルンペの息子エシュロン、ケンタッキーダービー・プリークネスSの勝ち馬カリズマティックの半弟で後のブルーグラスS勝ち馬ミレニアムウインドといった有力馬に混ざって、単勝オッズ5.9倍の3番人気となった。単勝オッズ1.9倍の1番人気馬ディシジョンなどと共にスタートから先頭争いを演じ、直線でも粘ったが、単勝オッズ12.7倍の5番人気馬ミレニアムウインドに差されて3馬身差の2着に敗れた。

次走は大晦日にサンタアニタパーク競馬場で行われたダート8.5ハロンの未勝利戦となった。今回もエスピノーザ騎手とコンビを組み、単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。ここでは距離を意識したのか控える競馬を試みたものの、直線でまったく伸びを欠いてしまい、勝った単勝オッズ2.6倍の2番人気馬インディリードから7馬身半差の4着に敗れ、2歳時の成績は2戦未勝利に終わった。

3歳時はまず1月にデビュー戦と同コースの未勝利戦に出走した。後にビングクロスビーBCHを勝つケラが単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、コーリー・ナカタニ騎手が騎乗する本馬が単勝オッズ4.8倍の2番人気となった。前走の反省から今回は抑えるような事はせず、スタートから先頭をひた走った。そして直線でも粘ったが、本馬をマークするように追走してきたケラに差されて1馬身差の2着に敗退。その後は6か月間の長期休養に入った。

7月にサラトガ競馬場で行われたダート6ハロンの未勝利戦で復帰した。ジェリー・ベイリー騎手を鞍上に、単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持されると、スタートからがんがん飛ばして直線入り口では既に勝負を決定付けてしまい、2着チェロキービューに6馬身半差をつける圧勝でようやく未勝利を脱出した。

2週間後に同コースで行われた一般競走でもベイリー騎手とコンビを組んで、単勝オッズ1.65倍の1番人気に支持された。ここでは単勝オッズ12.1倍の4番人気馬プロバブリーズデヴィルが無理矢理に本馬の前に出たために2番手を走り、中盤で先頭に立つと後続を引き離し、ゴール前では流して、2着マウントイントレピッドに3馬身3/4差で勝利した。

さらに2週間後にはキングズビショップS(GⅠ・D7F)に果敢に挑戦した。前走トリプルベンドBC招待Hで2着してきたハリウッドジュヴェナイルCSS勝ち馬スクワートルスクワート、サンフォードS・サラトガスペシャルS・ホープフルSなどを勝っていたシティジップ、一般競走を2連勝してきたベイヘッドキング、キャリーバックSを勝ってきたイリュージョンドなどが対戦相手となった。ベイリー騎手が初騎乗したスクワートルスクワートが単勝オッズ2.5倍の1番人気に支持され、マーク・ガイドリー騎手騎乗の本馬は単勝オッズ10.1倍の5番人気だった。スタートからスクワートルスクワートが先頭を飛ばし、本馬は好位を追走するだけで精一杯だった。そして直線に入る前に脱落し、完璧な逃げ切り勝ちを決めたスクワートルスクワートから19馬身差の7着と大敗した。

キングズビショップSから17日後に米国同時多発テロ事件が発生し、ニューヨーク州は大混乱に陥った。そのためか本馬の次走は、10月に米国中西部のインディアナ州アンダーソンにあるフージャーパーク競馬場というローカル競馬場で行われたインディアナダービー(D8.5F)だった。距離に不安があったためか、単勝オッズ16.3倍で7番人気の低評価だった。しかしスタートから順調に先頭を走り続け、直線でも失速する事は無く、2着サラトガゲームズに3馬身1/4差で快勝した。

続いて出走したのは、米国同時多発テロ事件の余韻冷めやらぬベルモントパーク競馬場で行われたBCクラシック(GⅠ・D10F)だった。地元米国からは、ハリウッド金杯・サラトガBCH・ジョッキークラブ金杯と3連勝中のアプティテュード、前年のBCクラシックを筆頭にサンタアニタH・スーパーダービー・グッドウッドBCH・サンフェルナンドBCSなどを勝っていた前年のエクリプス賞年度代表馬ティズナウ、ピムリコスペシャルH・ニューオーリンズH・マサチューセッツHの勝ち馬インクルード、ジョッキークラブ金杯・ドワイヤーS・ブルックリンH・サバーバンHなどの勝ち馬アルバートザグレート、サンアントニオH・スティーヴンフォスターH・ワシントンパークH・ケンタッキーカップクラシックHの勝ち馬ガイデッドツアー、前年のBCジュヴェナイル・グレイBCSを勝ってエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選ばれたマッチョウノなどが、国外からは英ダービー・愛ダービー・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSの勝ち馬ガリレオ、英国際Sと凱旋門賞を続けて圧勝してきたサキー、愛2000ギニー・セントジェームズパレスSの勝ち馬ブラックミナルーシュが出走してきた。このメンバー構成の中では名手パット・デイ騎手が騎乗したと言っても本馬の評価が高くなるわけも無く、単勝オッズ35.25倍で13頭立ての9番人気だった。最内枠発走の本馬はアルバートザグレートやティズナウを従えて果敢に先頭を飛ばすが、レースが半ばに差し掛かった頃には既に脚色が怪しくなり、勝ったティズナウから29馬身3/4差、11着馬アフリーツダンサーからも18馬身半差をつけられた12着と惨敗。一線級との力の違いを見せ付けられた。

その後は米国西海岸に戻り、暮れのサーボウフォートS(T8F)に出走。初芝という事もあってか、単勝オッズ5.6倍で3番人気の評価だった。しかしクリス・マッキャロン騎手と初コンビを組んだ本馬がスタートからゴールまで一度も先頭を譲ることなく、2着シグフレトに2馬身差で勝利し、3歳時の成績を7戦4勝とした。

競走生活(4歳時)

4歳時はまず1月のサンフェルナンドBCS(GⅡ・D8.5F)に出走した。前年暮れのネイティヴダイヴァーHを勝っていたモーメンタム、カナディアンダービー・ブリティッシュコロンビアダービーの勝ち馬ファンシーアズ、オハイオダービー・コールダーダービーの勝ち馬ウエスタンプライドなどが対戦相手となり、本馬は単勝オッズ9倍の4番人気だった。再びマッキャロン騎手が騎乗した本馬は、スタートから先頭に立った。向こう正面でウエスタンプライドが上がってきて先頭を奪ったが、本馬も負けずに食らいついていった。そのまま2頭が争いながら直線に入ってきたが、結局ウエスタンプライドが勝ち、本馬は1馬身差の2着に敗れた。

次走のストラブS(GⅡ・D9F)では、ウエスタンプライド、前走3着のファンシーアズ、同5着のモーメンタムの他に、仏国でパリ大賞2着などの成績を残した後に米国に移籍して前年暮れのマリブSを勝っていたミズンマスト、マリブSで2着してきたジャイアントジェントルマン、マリブSで3着してきたアイラヴシルヴァーなどが出走してきて、本馬は単勝オッズ13.3倍の7番人気に留まった。今回もマッキャロン騎手が騎乗した本馬はスタートから逃げを打ったが、ウエスタンプライドやジャイアントジェントルマンが圧力をかけてきて、単騎逃げに持ち込めなかった。そして直線で失速して、勝ったミズンマストから9馬身3/4差の6着と大敗した(7着ウエスタンプライドには11馬身差をつけていた)。

その後はケンタッキー州に向かい、コモンウェルスBCS(GⅡ・D7F)に出走。ここではハリウッドダービー3着の実績があったミスタープロスペクター産駒の良血馬アルデバランが単勝オッズ2.8倍の1番人気に支持されており、本馬が単勝オッズ3.6倍の2番人気、スウェイルSの勝ち馬ドワイルドキャットが単勝オッズ4.1倍の3番人気だった。デイ騎手が騎乗した本馬は、スタートから問答無用で先頭を飛ばした。そして後方から追い込んできた2着アルデバランに1馬身1/4差をつけて勝利を収めた。

次走は2度目の芝競走となるイーゴンターフスプリントS(GⅢ・T5F)だった。単勝オッズ3.4倍の1番人気に支持された本馬だったが、スタートから先手を取る事が出来ずに2番手追走から失速して、テスティファイの4馬身差9着に終わった。

その後いったん西海岸に戻ってシューメーカーBCマイルS(GⅠ・T8F)に出走。エディリードH・デルマーダービー・オークツリーダービー・サンフランシスコBCマイルHの勝ち馬レディーズディン、クリテリウムドメゾンラフィット・メイカーズマークマイルSの勝ち馬タッチオブザブルース、サンガブリエルH2回・ファイアクラッカーBCH・サンマルコスSも勝っていた前年の同競走勝ち馬アイリッシュプライズ、ブラジルのGⅠ競走共和国大統領大賞を勝った後に米国に移籍してエディリードH・サンフランシスコBCマイルH・サンアントニオHを勝っていたリダットーレ、オークツリーBCマイルS2着馬サディークイル、後にエディリードHを2連覇するスペシャルリングといった有力馬の姿があり、アレックス・ソリス騎手とコンビを組んだ本馬は単勝オッズ15.9倍の8番人気だった。スタートから先頭に立った本馬だったが、スペシャルリングが猛然と競りかけてきて、この2頭が一時は3番手以下に8馬身以上の差をつける展開となった。それでも直線ではかなりの粘りを見せた。結果はレディーズディンの4馬身差4着だったが、芝のマイル戦でこの結果ならよく走ったほうであろう。

その後は再度東上して、アリスティデスH(GⅢ・D6.5F)に出走した。ここでは、ロサンゼルスHで2着してきたノーアーミスティス、同競走2連覇中のベットオンサンシャインなどが対戦相手となった。ノーアーミスティスが単勝オッズ2.5倍の1番人気で、本馬が単勝オッズ2.7倍の2番人気だった。スタートから本馬が先頭に立ち、それにノーアーミスティスが絡んで、この2頭が一時は3番手以下を10馬身も引き離す展開となった。展開としては前走のシューメーカーBCマイルSに近かったが、ダートの短距離戦であれば、これだけの大逃げでも本馬にとってはマイペース。直線でノーアーミスティスを振り払うと、2着ビンザベストに4馬身半差をつけて圧勝した。

次走のスマイルスプリントH(D6F)では、サンラファエルSの勝ち馬クラフティシーティー、ドバイゴールデンシャヒーン2着馬エコーエディとの顔合わせとなった。クラフティシーティーが単勝オッズ1.9倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.1倍の2番人気、エコーエディが単勝オッズ4.1倍の3番人気だった。スタートから先頭に立った本馬にエコーエディが競りかけ、少し離れた好位をクラフティシーティーが走る展開となった。しかしエコーエディもクラフティシーティーも徐々に本馬のスピードについていけなくなり、直線に入ると本馬の独走状態となり、2着エコーエディに6馬身差をつけて圧勝した。

続くアルフレッドGヴァンダービルトH(GⅡ・D6F)では、初勝利と2勝目で共に手綱を取ったベイリー騎手とちょうど1年ぶりにコンビを組み、デビューから8戦6勝2着2回のボウズタウン(後のビングクロスビーBCH勝ち馬)、トゥルーノースHなどの勝ち馬セイフロリダサンディなどを抑えて、単勝オッズ1.45倍の1番人気に支持された。他馬より5~9ポンド重い121ポンドのトップハンデを課されていた本馬だったが、そのレースぶりはいつもと変わることは無く、スタートからセイフロリダサンディやボウズタウンに競りかけられながらも先頭を走り続け、そのまま2着セイフロリダサンディに2馬身差で勝利した。

次走のフォアゴーH(GⅠ・D6.5F)では、前年のキングズビショップSを勝った後にBCスプリントも勝利してエクリプス賞最優秀短距離馬に選ばれていたスクワートルスクワート、コモンウェルスBCS2着後にメトロポリタンHでも2着していたアルデバランとの対戦となった。今回もベイリー騎手とコンビを組んだ本馬が単勝オッズ2.8倍の1番人気、長期休養明けだったスクワートルスクワートが単勝オッズ4.4倍の3番人気、この2頭より7ポンド軽い115ポンドの斤量だったアルデバランが単勝オッズ2.95倍の2番人気となっていた。

スタートが切られるとスクワートルスクワートが真っ先に先頭に立ち、本馬がそれに絡んで2頭がハイペースの先頭争いを演じた。1年前のキングズビショップSで本馬はスクワートルスクワートに全く敵わなかったが、既に本馬はその当時と同じ馬ではなかった。直線に入ったところで遂にスクワートルスクワートを突き放すと、追い上げてきた2着アルデバランに2馬身1/4差をつけて勝利。これでようやくGⅠ競走勝ち馬まで昇りつめた。

次走はアーリントンパーク競馬場で行われたBCスプリント(GⅠ・D6F)となった。アルデバランはBCマイルに向かい、スクワートルスクワートは日本中央競馬会に購入されて種牡馬入りと競走馬引退が決まったために、いずれも不在であり、対戦相手は、ヴォスバーグS・阪神カップHなど3連勝中のボナポウ、エインシェントタイトルBCH・メトロポリタンHの勝ち馬で前年の同競走4着馬スウェプトオーヴァーボード、プライオレスSなどステークス競走23勝を挙げていた短距離戦では着外無しの前年の同競走2着馬エクストラヒート、一昨年のBCスプリントを筆頭にサンカルロスH・パロスヴェルデスH・ポトレログランデBCH2回・ビングクロスビーBCH2回・エインシャントタイトルHを勝っていたコナゴールド、サンタモニカH・エインシェントタイトルBCHなどの勝ち馬カルーカンクイーン、トリプルベンドBCH・ビングクロスビーBCH・パットオブライエンHの勝ち馬ディスタービングザピース、スマイルスプリントH3着後にエインシェントタイトルBCHで2着していたクラフティシーティー、プライオレスSの勝ち馬カーソンホロー、ケンタッキーカップスプリントSを勝ってきたデイトレーダー、ハスケル招待H2着馬タッチトーン、グレード競走初出走ながらデビューから5戦3勝2着2回と底を見せていなかったサンダレロ、ハイランダーS2回・ヴィジャルHなど加国の重要な短距離戦を勝利してこの年のソヴリン賞年度代表馬・最優秀短距離馬・最優秀古馬牡馬を同時受賞するウェイクアットヌーンの計12頭だった。

今回もベイリー騎手とコンビを組んだ本馬が単勝オッズ3.7倍の1番人気に支持され、ボナポウが単勝オッズ5.6倍の2番人気、スウェプトオーヴァーボードが単勝オッズ6.4倍の3番人気、エクストラヒートが単勝オッズ7.4倍の4番人気、コナゴールドが単勝オッズ8.3倍の5番人気となった。

スタートから単勝オッズ19.4倍の9番人気馬カーソンホローと単勝オッズ49.7倍の12番人気馬サンダレロの伏兵2頭が激しく先頭を争い、エクストラヒートがそれを追う展開となり、本馬はエクストラヒートを見るように4番手を追走した。そして三角から四角にかけて外側から先頭のサンダレロに接近していき、2番手で直線を向いた。サンダレロが内側で粘りに粘っていたが、外側から並び掛けた本馬がゴール前でサンダレロを差し切り、半馬身差で優勝。米国ダート短距離界の頂点に立った。

余談だが、本馬に食い下がったサンダレロはこのレースで通算6戦3勝2着3回となり、その後の飛躍が期待されたが、1番人気に推された次走のフランクJドフランシス記念ダッシュSで競走中止となり、生命は取り留めたがそのまま引退に追い込まれてしまった。

一方の本馬はこのBCスプリントを最後に競走馬を引退。4歳時10戦6勝の成績で、この年のエクリプス賞最優秀短距離馬に選出された。ベイリー騎手とのコンビでは5戦全勝だった。

血統

Mt. Livermore Blushing Groom Red God Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Spring Run Menow
Boola Brook
Runaway Bride Wild Risk Rialto
Wild Violet
Aimee Tudor Minstrel
Emali
Flama Ardiente Crimson Satan Spy Song Balladier
Mata Hari
Papila Requiebro
Papalona
Royal Rafale Reneged Revoked
White Samite
Questar Requested
Albania
Dream Team Cox's Ridge Best Turn Turn-to Royal Charger
Source Sucree
Sweet Clementine Swaps
Miz Clementine
Our Martha Ballydonnell Ballyogan
O'Donnell
Corday Carrier Pigeon
Galleon Gold
Likely Double Nodouble Noholme Star Kingdom
Oceana
Abla-Jay Double Jay
Ablamucha
Likely Lark T. V. Lark Indian Hemp
Miss Larksfly
Chadwick War Admiral
O Play

マウントリヴァーモアは当馬の項を参照。

母ドリームチームは現役成績6戦3勝。1歳時の1986年9月に出品されたキーンランドセールにおいて同セール中3番目の高額である50万ドルで落札された期待馬で、オークリーフS(米GⅠ)・アノアキアS(米GⅢ)を勝ち、BCジュヴナイルフィリーズ(米GⅠ)で3着するなど期待に違わない活躍を見せた。ドリームチームの9代母リジーアグネスは、無敗の英国三冠馬オーモンドの母リリーアグネスの全姉で、世界的名牝系を構築している。しかしドリームチームや本馬の近親には殆ど活躍馬がおらず、いかにリリーアグネスの系統と言っても、優れた牝系とは言い難い。そのため、ドリームチームの落札額が高額だったのは、血統背景よりもドリームチーム自身の魅力によるものだったと思われる。→牝系:F16号族②

母父コックスリッジは現役成績28戦16勝。メトロポリタンH(米GⅠ)・オークローンH(米GⅡ)・エクセルシオールH(米GⅡ)・ミニッツマンH(米GⅢ)・メリーランドガヴァナーズCH(米GⅢ)・ディスカヴァリーH(米GⅢ)・スタイヴァサントH(米GⅢ)・クイーンズカウンティH(米GⅢ)・レイザーバックH(米GⅢ)などを勝った活躍馬で、種牡馬としても53頭のステークスウイナーを出して成功した。コックスリッジの父ベストターンはターントゥ産駒で、現役成績28戦15勝、ヴォスバーグS・サラナクH・ジョンBキャンベルH・ポーモノクH・クイーンズカウンティHの勝ち馬。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、生産者であるゲインズウェイファームと豪州アローフィールドスタッドにより共同で購入されて、米国と豪州を行き来するシャトルサイヤーとなった。大物競走馬は少ないが勝ち上がり率は高く、輩出したステークスウイナーも2013年時点で35頭と、今のところ一定の成功を収めている。2013年からはメリーランド州チェサピークシティにあるノースビュースタリオンステーションで供用されている。血統内にノーザンダンサーもミスタープロスペクターも入っていないために交配相手を選ばない強みがあり、メリーランド州供用種牡馬のエース格となる事が期待されているという。種付け料は5千ドルと安価だが、産駒は平均12万ドル強で購買されており、生産者にとってはお得感が強そうである。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2004

Intangaroo

サンタモニカH(米GⅠ)・ヒューマナディスタフS(米GⅠ)・バレリーナS(米GⅠ)

2004

Lady Joanne

アラバマS(米GⅠ)・ゴールデンロッドS(米GⅡ)・ドッグウッドS(米GⅢ)

2004

Lady Sprinter

マイプ大賞(亜GⅠ)・ブエノスアイレス市大賞(亜GⅠ)

2004

Successful Outlook

テンプテッドS(米GⅢ)

2005

Greenspring

ジェネラルジョージH(米GⅡ)

2007

Kara's Orientation

スカイクラシックS(加GⅡ)

2008

Great Hot

レイヴンランS(米GⅡ)・サンタマリアS(米GⅡ)

2010

Declassify

トリプルベンドS(米GⅠ)

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