スクワートルスクワート

和名:スクワートルスクワート

英名:Squirtle Squirt

1998年生

黒鹿

父:マーケトリー

母:ロストザコード

母父:ロストコード

2歳時から素質を垣間見せていたが3歳時に本格化して暮れのBCスプリントを制覇してエクリプス賞最優秀短距離馬に選ばれた本邦輸入種牡馬

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績16戦8勝2着4回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州において、オードリー・ナルドゥッチ博士により生産された。1歳11月のキーンランドセールに出品され、ドンナ・ワームザー女史により3万ドルで購入された。しかし膝が悪い本馬に見切りをつけたワームザー女史は、2歳になった本馬を3月のバレットセールに出品した。そしてロサンゼルス住宅ローン会社の社長であるデヴィッド・J・ランツマン氏により2万5千ドルで購入され、ホセ・ガルシア・ジュニア調教師に預けられた。デビューから一貫して短距離路線を進み、7ハロンを超える距離のレースには一度も出走しなかった。

競走生活(2歳時)

2歳4月にサンタアニタパーク競馬場で行われたダート2ハロンの未勝利戦で、主戦となるラフィット・ピンカイ・ジュニア騎手を鞍上にデビューした。単勝オッズ13.6倍で10頭立て5番人気の人気薄だった。さすがに距離2ハロンとなると戦法も何もあったものではなく、全馬がスタートから全力疾走した。そしてスタート後の加速が悪かった本馬は後方からの競馬となり、ゴール前でばてた馬をかわしただけで、勝った単勝オッズ3倍の1番人気馬トレイルザフォックスから2馬身差4着という結果だった。

翌月に出たハリウッドパーク競馬場ダート4.5ハロンの未勝利戦では、単勝オッズ8.8倍で10頭立ての4番人気だった。前走ではスタート後の加速が悪かった本馬だが、ここでは好スタートから即座に先頭に立った。そしてそのまま終始先頭を走り続けて、2着となった単勝オッズ7.2倍の2番人気馬ボールドウィンカウンティに1馬身半差をつけて勝利を収めた。

そのままハリウッドパーク競馬場に留まって出走した次走のウィラードLプロクター記念S(D4.5F)では、単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持された。ここでは単勝オッズ43.7倍の最低人気馬アワーマジストレイトなど人気薄の馬2頭がハナを叩いたために、本馬は3番手につけた。そのまま直線に入るとあっさりと抜け出して、2着に粘ったアワーマジストレイトに1馬身半差をつけて勝利した。

6月のハギンS(D5.5F)では、単勝オッズ2.3倍の1番人気に支持された。ここにもアワーマジストレイトが出走していたが、今回は本馬がアワーマジストレイトの前を走り、先頭を引っ張った。そして四角では後続を突き放し、2着となった単勝オッズ3.1倍の2番人気馬ペインテッドアベニューに6馬身差をつけて圧勝した。

次走のハリウッドジュヴェナイルCSS(GⅢ・D6F)では、単勝オッズ1.4倍という圧倒的な1番人気に支持された。ここでも好スタートからすぐに先頭に立つと、そのまま後続との2~3馬身差を維持しながらゴールまで走り抜け、2着となった単勝オッズ8倍の3番人気馬レジェンダリーウェーブに2馬身差をつけて逃げ切った。

次走のベストパルS(GⅢ・D6.5F)では、イードバイ(後にドワイヤーS・サバーバンHを勝ちトラヴァーズSやスーパーダービーで2着している。2012年のBCクラシックを勝ったフォートラーンドの父でもある)、レジェンダリーウェーブ、未勝利戦で本馬を破った後にブルページSを勝ってきたトレイルザフォックスなどを抑えて、単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。しかしスタート後の先行争いで、フレイムスローワー、イードバイ、トレイルザフォックスに後れを取って4番手を進むことになった。そのまま直線でも伸びずに、勝った単勝オッズ5.3倍の3番人気馬フレイムスローワーから13馬身3/4差の4着と大敗してしまった。

次走のデルマーフューチュリティ(GⅡ・D7F)では、フレイムスローワー、未勝利戦を7馬身差で勝ってきたストリートクライ(後のドバイワールドC勝ち馬)、グラデュエーションSを勝ってきたアラビアンライト(後のブリーダーズフューチュリティS勝ち馬)の3頭から離された4番人気(単勝オッズ8.8倍)まで評価が落ちた。そして今回もフレイムスローワーやアラビアンライトに先手を取られて逃げられなかった本馬は、そのまま伸びずに、単勝オッズ2倍の1番人気に応えて勝ったフレイムスローワーから11馬身1/4差をつけられた7着と惨敗を喫した。

その後にフレイムスローワーはノーフォークSを勝利してBCジュヴェナイルに向かったが、本馬はその路線には進まず、デルマーフューチュリティから11日後にロサンゼルスの娯楽施設フェアプレックスパークの競馬場で行われたバレッツジュヴェナイルS(D6.5F)に出走した。本馬には他馬勢よりも6~10ポンド重い123ポンドの斤量が課せられたが、単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持された、レースではスタート後の加速が悪く、3番手からの競馬となった。それでも三角では先頭に立って後続を引き離し、8ポンドのハンデを与えた2着キングジョージズウェイに6馬身半差をつけて圧勝した。

その2か月後の11月に、名獣医として名高かったリック・アーサー博士の執刀により右膝の骨片を除去する手術が行われたために長期休養に入り、2歳時を8戦5勝で終えた。休養中に父マーケトリーも手掛けたロバート・“ボビー”・フランケル厩舎に転厩した。

競走生活(3歳時)

3歳5月にハリウッドパーク競馬場ダート6ハロンの一般競走で復帰した。ドーバーS・ゴールデンベアS・サンペドロS・アザートンSとステークス競走を4勝していたビヨンドブリリアントという馬が単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持され、本馬は単勝オッズ2.7倍の2番人気となった。レースではスタートから先頭を走り続けた本馬が、追いかけてきたビヨンドブリリアントを1馬身半差の2着に退けて勝利した。

次走のラサロバレラ記念S(GⅢ・D7F)では、サンヴィンセントSの勝ち馬でサンミゲルS・カリフォルニアダービー2着・サンラファエルS3着のアーリーフライヤー、ボールドウインS・ベイショアSの勝ち馬スキップトゥザストーン、ベストパルS2着後にアーリントンワシントンフューチュリティを勝っていたトレイルザフォックスなどが対戦相手となった。アーリーフライヤーが単勝オッズ2.2倍の1番人気、本馬が単勝オッズ2.7倍の2番人気、スキップトゥザストーンが単勝オッズ6.5倍の3番人気となった。今回も本馬はスタートから先頭に立って逃げたが、スキップトゥザストーンに絡まれて単騎では逃げられなかった。それでもスキップトゥザストーンを振り切って先頭で直線に入ってきたが、ここで本馬の直後まで進出していたアーリーフライヤーにゴール前で捕まり、3/4馬身差の2着に敗れた。

次走のトリプルベンドBC招待H(GⅡ・D7F)では、前年の同競走の勝ち馬エラボレイト、ハリウッドプレビューSの勝ち馬グレイメモ、ポトレログランデBCHの2着馬エクスプリシット、ブラジルのGⅠ競走ブラジル共和国大統領大賞の勝ち馬で米国に移籍して前走サンフランシスコBCマイルHを勝ってきたリダットーレ(後にエディリードH・シューメーカーマイルSとGⅠ競走を2勝)、ロサンゼルスHで2着してきたストーミージャック、亜国のGⅠ競走エストレージャス大賞ジュヴェナイルの勝ち馬で米国に移籍してマリブSを勝っていたロードグリロなど、なかなかの好メンバーが顔を揃えた。114ポンドと比較的斤量に恵まれた本馬が単勝オッズ3.1倍の1番人気に支持され、115ポンドのストーミージャックが単勝オッズ3.5倍の2番人気、118ポンドのエラボレイトが単勝オッズ5.4倍の3番人気、116ポンドのエクスプリシットが単勝オッズ8.3倍の4番人気となった。レースでは絶好のスタートからすぐに先頭に立ったが、エクスプリシットに競りかけられて、最初の2ハロンを21秒61という猛烈なペースで逃げる羽目になった。それでも四角でエクスプリシットを振り切って単独先頭に立ったが、110ポンドの最軽量を利して追い上げてきた単勝オッズ45.9倍の9番人気馬シーバンドにゴール直前で捕まり、半馬身差の2着に敗れた。

その後は米国東海岸に遠征して、キングズビショップS(GⅠ・D7F)に出走した。ホープフルS・サンフォードS・サラトガスペシャルS・トレモントS・アムステルダムSなどの勝ち馬で目下3連勝中のシティジップ、未勝利戦と一般競走を連勝してきた上がり馬オリエンテート、キャリーバックSを圧勝してきたイリュージョンド、レキシントンSを勝ってケンタッキーダービーに挑んだが惨敗したため短距離路線に転じてきたキーツなどが対戦相手となった。シティジップとキーツが124ポンドのトップハンデで、GⅠ競走初出走の本馬は121ポンドだった。普通であればシティジップが1番人気に支持されて当然の実績を誇っていたが、しかしファンが単勝オッズ2.5倍の1番人気に支持したのは、ピンカイ・ジュニア騎手から主戦を引き継いだジェリー・ベイリー騎手鞍上の本馬だった。シティジップは単勝オッズ4.3倍の2番人気で、キーツは単勝オッズ14.5倍の6番人気止まりだった。

ここでも本馬のレースは今までと変わらず、好スタートから即座に先頭に立って逃げた。本馬に競りかけてきたのはレキシントンSを逃げ切って勝っていたキーツだったが、結果的に短距離馬とは言い難かったキーツでは本馬の速度についていくのは無理があり、向こう正面で失速。一方の本馬は最初の2ハロン通過が22秒03、半マイル通過は44秒32というかなりのハイペースで逃げ続けたが、直線に入ってもその勢いは衰えず、2着に追い込んできた単勝オッズ9.5倍の4番人気馬イリュージョンドに3馬身1/4差、3着シティジップにはさらに1馬身1/4差をつけて完勝した。

そのまま東海岸に留まり、続いてヴォスバーグS(GⅠ・D7F)に出走した。前走と異なり今回は定量戦であり、本馬の真価が試されるレースとなった。有力な対戦相手は3頭で、フォアゴーHで2着してきたディスカヴァリーHの勝ち馬レフトバンク、キャピタルシティHで2着してきたライマンスプリントCSSの勝ち馬スライオーレバック、メトロポリタンHとフォアゴーHで3着してきたコモンウェルスBCS・チャーチルダウンズHの勝ち馬アラナンだった。本馬が単勝オッズ1.75倍の1番人気、レフトバンクが単勝オッズ4.75倍の2番人気となった。ここでも本馬は先頭をひた走り、少し離れた2番手をレフトバンクが追いかけてきた。そのままの態勢で直線に入ると、本馬にレフトバンクが並びかけて、後続を10馬身近くも大きく引き離す2頭の一騎打ちとなった。しかし最後はレフトバンクが半馬身差で競り勝ち、本馬は2着に敗れた。

BCスプリント

次走は、ベルモントパーク競馬場で行われたBCスプリント(GⅠ・D6F)となった。さすがはBCスプリントだけあって、今までとは対戦相手の層が段違いだった。前年のBCスプリントを筆頭にサンカルロスH・パロスヴェルデスH・ポトレログランデBCH2回・ビングクロスビーBCH2回・エインシャントタイトルHなどに勝っていた前年のエクリプス賞最優秀短距離馬コナゴールド、前走で本馬を破ったレフトバンク(後にシガーマイルH・ホイットニーH・トムフールHなどに勝利して翌年のエクリプス賞最優秀古馬に選ばれる)、シガーマイルH・デルマーBCH2回・パットオブライエンHの勝ち馬エルコレドール、前走エンシェントタイトルBCHでコナゴールドを撃破してGⅠ競走初勝利を果たし勢いに乗るスウェプトオーヴァーボード、フォアゴーH・フォレストヒルズHを連勝してきたデラウェアタウンシップ、ケンタッキーCスプリントS・ドバイゴールデンシャヒーンの勝ち馬コーラーワン、この年のカルティエ賞最優秀短距離馬に選ばれるジュライC・ナンソープSの勝ち馬モーツァルト、3歳牝馬にして既に20戦17勝の成績を誇っていたプライオレスSの勝ち馬エクストラヒート、アリスティデスH2回・フェニックスBCSの勝ち馬ベットオンサンシャイン、フェニックスBCS・アルフレッドGヴァンダービルトHなどの勝ち馬ファイヴスターデイ、カーターH・ジェネラルジョージHの勝ち馬ピーピングトム、ガルフストリームパークBCスプリントCSの勝ち馬フックアンドラダー、ヴォスバーグSで6着だったアラナンの合計13頭が対戦相手となったのである。

人気はかなり割れていたが、連覇を狙うコナゴールドが単勝オッズ4.5倍の1番人気に支持され、エルコレドールが単勝オッズ5.4倍の2番人気、スウェプトオーヴァーボードが単勝オッズ5.9倍の3番人気、レフトバンクが単勝オッズ9.9倍の4番人気で、4戦連続の7ハロン戦から6ハロン戦に戻してきた本馬は単勝オッズ10.6倍の5番人気止まりだった。

スタートが切られると単勝オッズ18.5倍の9番人気馬エクストラヒートが先手を取り、単勝オッズ12.2倍の7番人気馬コーラーワンが2番手、本馬が3~4番手を追走した。そのまま好位を維持して直線を向くと、まずはコーラーワンに並びかけて叩き合いに持ち込んだ。そして快調に逃げるエクストラヒートを2頭並んで猛追。残り半ハロン地点でコーラーワンが遅れて、本馬とエクストラヒートの叩き合いになった。そしてゴール前で本馬が前に出て、2着エクストラヒートに半馬身差で勝利した。

フランケル師にとっては、ブリーダーズカップ39回目の管理馬出走でようやく念願の初勝利となった。3歳時の成績は6戦3勝だったが、BCスプリント制覇が決め手となり、この年のエクリプス賞最優秀短距離馬に選ばれた。

競走生活(4歳時)

4歳時は、この年からGⅠ競走に昇格したドバイゴールデンシャヒーンを目標として、1月のパロスヴェルデスH(GⅡ・D6F)から始動した。前年のトリプルベンドBC招待Hで本馬を破った後に着実に実績を残していたシーバンド、前走エルコネホHを勝ってきたケンタッキーカップスプリントSの勝ち馬スノーリッジ、ロサンゼルスH・ヴァーノンOアンダーウッドS2回にも勝っていた前年の同競走勝ち馬メンズイクスクルーシヴ、トリプルベンドBC招待H10着後にエルコネホHで2着してきたエクスプリシットなどが対戦相手となった。他馬勢より5~8ポンド重い122ポンドが課せられた本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気、117ポンドのシーバンドが単勝オッズ5.9倍の2番人気となった。このレースでは本馬を押しのけるように単勝オッズ9.5倍の4番人気馬スノーリッジが先手を取り、本馬は2番手を追走。そして最後まで追いつけずに4馬身差の2着に敗れた。

この後に左前脚の膝を故障してしまい、その手術をするために半年間の休養に入った。

復帰初戦となったのは9月のフォアゴーH(GⅠ・D7F)だった。このレースには、1年前のキングズビショップSで勝った本馬から19馬身差の7着に敗れ去っていたオリエンテートが、コモンウェルスBCS・アリスティデスH・アルフレッドGヴァンダービルトHに勝つなど急上昇して参戦してきた。さらに、コモンウェルスBCS・メトロポリタンHで2着していた良血馬アルデバラン、パロスヴェルデスH5着後にカウントフリートスプリントH・トゥルーノースBCHを勝ってきたエクスプリシットも出走してきた。1年前とは別馬となっていたオリエンテートが122ポンドのトップハンデながらも単勝オッズ2.8倍の1番人気、115ポンドのアルデバランが単勝オッズ2.95倍の2番人気、オリエンテートと同じ122ポンドの本馬は久々が割り引かれて単勝オッズ4.4倍の3番人気、119ポンドのエクスプリシットが単勝オッズ12.9倍の4番人気となった。

スタートが切られるとやはり本馬が先頭に立ったが、オリエンテートも負けずと競りかけてきて、この2頭が先頭争いを展開した。最初の2ハロン通過が21秒45、半マイル通過は44秒36という超ハイペースとなった。先に根を上げたのはオリエンテートではなく本馬だった。直線では完全に失速し、勝ったオリエンテートから8馬身1/4差をつけられた4着に敗れた。

その後はフェニックスBCSを経てBCスプリントに向かう計画が立てられていたが、9月下旬に日本中央競馬会に購入されて日本で種牡馬入りすることが決まり、そのまま4歳時2戦未勝利の成績で競走馬引退となった。

馬名に関して

本馬の名前は日本のゲーム及びアニメであるポケットモンスターに登場するポケモン「ゼニガメ」の海外名“Squirtle”にちなんでおり、ランツマン氏の息子が「ゼニガメ」を好きだった事に由来する。“Squirtle”という言葉は、英語で「(液体を)噴出する」という意味の“Squirt”に亀の“Turtle”を組み合わせた造語であり、“Squirtle Squirt”で「ゼニガメが水を噴射する」という意味になる(これは「ゼニガメ」の得意技である)。

血統

Marquetry Conquistador Cielo Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
K. D. Princess Bold Commander Bold Ruler
High Voltage
タミーズターン Turn-to
Tammy Twist
Regent's Walk Vice Regent Northern Dancer Nearctic
Natalma
Victoria Regina Menetrier
Victoriana
Lover's Walk Never Bend Nasrullah
Lalun
Honey Lake Spy Song
Miss Grillo
Lost the Code Lost Code Codex Arts and Letters Ribot
All Beautiful
Roundup Rose Minnesota Mac
Minnetonka
Loss or Gain Ack Ack Battle Joined
Fast Turn
Gain or Loss Restless Native
Nevlina
Smarter by the Day Smarten Cyane Turn-to
Your Game
Smartaire Quibu
Art Teacher
Tentamara Tentam Intentionally
Tamerett
Hardy Climber Never Bend
Cherokee Rose

父マーケトリーはアータックスの項を参照。

母ロストザコードはステークス競走勝ちこそ無かったものの、タフに走って60戦13勝の成績を残した。近親に目立つ活躍馬はいないが、ロストザコードの曾祖母ハーディークライマーの母チェロキーローズはCCAオークス馬であり、ハーディークライマーの半姉ファストターンの子に本馬の母父ロストコードの母父でもある米国顕彰馬アクアク【サンタアニタH・ハリウッド金杯・アーリントンクラシックS・サンアントニオH・アメリカンH】が、ハーディークライマーの全姉ショシャーナの子にジャストザタイム【ベルモントフューチュリティS(米GⅠ)】、孫にリラクタントゲスト【ビヴァリーヒルズH(米GⅠ)】、牝系子孫にファーゼストランド【BCダートマイル(米GⅠ)】、日本で走ったゴールドアリュール【ジャパンダートダービー(GⅠ)・ダービーグランプリ(GⅠ)・東京大賞典(GⅠ)・フェブラリーS(GⅠ)】などがいる。→牝系:F9号族①

母父ロストコードは米国で走り27戦15勝。アーリントンクラシックS(米GⅠ)・オークローンH(米GⅠ)・オハイオダービー(米GⅡ)・レイザーバックH(米GⅡ)・マサチューセッツH(米GⅡ)・ミシガンマイル&ワンエイスH(米GⅡ)・イリノイダービー(米GⅢ)・セントポールダービー(米GⅢ)・ナショナルジョッキークラブH(米GⅢ)を勝っている。勝ったレースの大半がダート9ハロンで、この距離では着外無しというスペシャリストだった。ロストコードの父コーデックスは、アーツアンドレターズの代表産駒で、現役成績は15戦6勝。プリークネスS・サンタアニタダービー・ハリウッドダービーとGⅠ競走で3勝を挙げている。種牡馬入り後3年で他界したために産駒は僅か3世代のみだが、ステークスウイナーは10頭、ステークスウイナー率は9%と優秀であり、早世が惜しまれる種牡馬である。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は来日して、日本軽種馬協会胆振種馬場で種牡馬生活を開始した。初年度は88頭の繁殖牝馬を集めたが、2年目は58頭、3年目は19頭、4年目の2006年は6頭まで交配数が下落した。この2006年にデビューした初年度産駒が堅実に走ったためか、5年目の2007年の交配数は35頭まで回復。しかし大物が出なかったため、6年目は14頭、7年目は11頭、8年目は12頭と交配数は再び低迷した。9年目の2011年は九州種馬場で供用され、この年は32頭の繁殖牝馬を集めた。10年目の2012年からは七戸種馬場で繋養されているが、同年は18頭、11年目は11頭、12年目は23頭と交配数は伸び悩んでいる。産駒は堅実に走るが大物は相変わらず登場しておらず、全日本種牡馬ランキングは2009年の63位が最高と、かなり厳しい状況が続いている。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2005

シーアクロス

福山スプリントC(福山)

2012

クリノヤクマン

たんぽぽ賞(S1)

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