ウォーレリック

和名:ウォーレリック

英名:War Relic

1938年生

栗毛

父:マンノウォー

母:フライアーズカース

母父:フライアーロック

父マンノウォーの後継種牡馬の1頭として活躍し、マンノウォーの直系を唯一21世紀に伝えることに成功する

競走成績:2~5歳時に米で走り通算成績20戦9勝2着4回3着2回

誕生からデビュー前まで

マンノウォーの所有者だったサミュエル・ドイル・リドル氏により生産・所有された。デビュー前の本馬を預かったのはマンノウォーの代表産駒である米国三冠馬ウォーアドミラルを手掛けたジョージ・コンウェイ師だったが、彼は本馬が1歳時の1939年6月に死去ししたため、ウォルター・A・カーター調教師が代わりに管理する事になった。

競走生活

2歳時は特にこれといった成績は残していない(実はレースに出たかどうかも定かではない)。3歳時も当初は目立たず、ケンタッキーダービーには出走していない。3歳夏頃になってから活躍を開始。マサチューセッツH(D9F)では、英国でミドルパークSを勝った後に生国である米国に戻ってきていたフォックスボロー(米国三冠馬ギャラントフォックスの全弟)を2着に破って勝利した。ガヴァナーズH(D9F)では、2着となったアーリントンH勝ち馬エクワフォックスに1馬身差ながらも、楽勝と評される内容で勝利した。同世代の米国三冠馬ワーラウェイとの対戦となった8月のサラナクH(D8F)では、勝ったワーラウェイに鼻差まで迫る2着と好走。翌月のナラガンセットスペシャル(D9.5F)では、本馬が2着ワーラウェイに4馬身半差をつけて圧勝した。この年は他にケナーS(D9.5F)を勝っている。しかしその後は特に活躍できないまま競走馬を引退している。

本馬は極めて気性が激しい馬で、厩務員を蹴り殺したという話が伝わっており、本馬の背後に回る事は死を意味すると言われた。父マンノウォーは気性が激しくてもそれを自ら律する意志の強さを有していたが、本馬は気性難の代名詞と言われた祖父フェアプレイや曽祖父ヘイスティングスの気性そのままの馬だったようである。

血統

Man o'War Fair Play Hastings Spendthrift Australian
Aerolite
Cinderella Tomahawk
Manna
Fairy Gold Bend Or Doncaster
Rouge Rose
Dame Masham Galliard
Pauline
Mahubah Rock Sand Sainfoin Springfield
Sanda
Roquebrune St. Simon
St. Marguerite
Merry Token Merry Hampton Hampton
Doll Tearsheet
Mizpah Macgregor
Underhand Mare
Friar's Carse Friar Rock Rock Sand Sainfoin Springfield
Sanda
Roquebrune St. Simon
St. Marguerite
Fairy Gold Bend Or Doncaster
Rouge Rose
Dame Masham Galliard
Pauline
Problem Superman Commando Domino
Emma C.
Anomaly Bend Or
Blue Rose
Query Voter Friar's Balsam
Mavourneen
Quesal Himyar
Queen Ban

マンノウォーは当馬の項を参照。

母フライアーズカースもリドル氏の生産・所有馬で、現役成績は7戦5勝。ファッションS・キーン記念S・クローバーSを勝ち、ジュヴェナイルSで2着して、1925年の米最優秀2歳牝馬に選ばれた。しかし3歳以降には1戦もする事無く引退となっている。繁殖牝馬としても活躍し、本馬の全姉スピードボート【テストS・アディロンダックS】、全妹ウォーキルト【デモワゼルS】を産んだ。

フライアーズカースの牝系子孫はかなり発展している。本馬の半姉ブラックカース(父ブラックトニー)の玄孫には、現時点における最後のニューヨークハンデキャップ三冠馬フィットトゥファイト【メトロポリタンH(米GⅠ)・サバーバンH(米GⅠ)・ブルックリンH(米GⅠ)】がいる。スピードボートの子にはレヴェルベスト【CCAオークス・デモワゼルS・トップフライトH】が、曾孫にはソードダンサー【ベルモントS・メトロポリタンH・トラヴァーズS・ウッドワードS2回・ジョッキークラブ金杯・サバーバンH】、チックトック【ヴォスバーグH】、玄孫にはヘイルトゥオール【ベルモントS・トラヴァーズS】、牝系子孫には、ハニーライダー【EPテイラーS(加GⅠ)・フラワーボウル招待S(米GⅠ)】、レイチェルアレクサンドラ【プリークネスS(米GⅠ)・ケンタッキーオークス(米GⅠ)・マザーグースS(米GⅠ)・ハスケル招待S(米GⅠ)・ウッドワードS(米GⅠ)】などがいる。

本馬の全妹アンカーズアヘッドの子にはプライスレヴェル【スピナウェイS】、曾孫にはセッテベロ【ワイドナーH】、フリットトゥ【ユナイテッドネーションズH】、牝系子孫には、ストームソング【BCジュヴェナイルフィリーズ(米GⅠ)・フリゼットS(米GⅠ)】、セテワヨ【ソードダンサー招待H(米GⅠ)・ガルフストリームパークBCターフS(米GⅠ)】、ダイナフォース【フラワーボウル招待S(米GⅠ)・ビヴァリーDS(米GⅠ)】、カウンティタイローン【クイーンズランドダービー(豪GⅠ)・ザメトロポリタン(豪GⅠ)・シドニーC(豪GⅠ)】、デイアットザスパ【BCフィリー&メアターフ(米GⅠ)・クイーンエリザベスⅡ世CCS(米GⅠ)・ファーストレディS(米GⅠ)】、それに日本で活躍したハットトリック【マイルCS(GⅠ)・香港マイル(香GⅠ)】、コパノリッキー【フェブラリーS(GⅠ)2回・かしわ記念(GⅠ)2回・JBCクラシック(GⅠ)2回】などがいる。

ウォーキルトの孫にはプルーデント【モルニ賞・サラマンドル賞】、曾孫にはシルヴァークラウド【仏グランクリテリウム】、ロヴィングボーイ【ノーフォークS(米GⅠ)】、玄孫にはアワイルドライド【シュヴィーH(米GⅠ)・ヘンプステッドH(米GⅠ)】などがいる。→牝系:F1号族③

母父フライアーロックはロックサンド産駒で、現役成績は21戦9勝。3歳時にベルモントS・ブルックリンH・サバーバンH・サラトガCを勝利して1916年の米年度代表馬に選ばれた。フライアーロックは本馬の父方の祖父フェアプレイの半弟である上に、マンノウォーの母父はロックサンドであるから、本馬の血統構成はかなりの近親交配である。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、父マンノウォーと同じくケンタッキー州ファラウェイファームで種牡馬入りした。種牡馬としてはなかなかの成功を収め、父の後継種牡馬の1頭として活躍した。産駒のステークスウイナーは14頭で、ステークスウイナー率は4.7%だった。1963年に25歳で他界し、遺体はファラウェイファームに埋葬されたが、後にマンノウォーやウォーアドミラルと同じくケンタッキーホースパークに改葬された。レリックが後継種牡馬として成功しており、マンノウォーの直系は本馬とレリックを経由するもののみが21世紀に受け継がれている。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1945

Relic

ホープフルS

1948

Battlefield

トラヴァーズS・サプリングS・サラトガスペシャルS・ベルモントフューチュリティS・ホープフルS・ウィザーズS・ドワイヤーS・ニューヨークH・ウエストチェスターH

1948

Intent

サンタアニタマチュリティS・サンフアンカピストラーノ招待H2回

1954

I Offbeat

プライオレスS

1954

Missile

ピムリコフューチュリティ

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