ビッグストーン

和名:ビッグストーン

英名:Bigstone

1990年生

鹿毛

父:ラストタイクーン

母:バタヴ

母父:ポッセ

仏国調教馬として史上初めて英国古馬混合マイル競走の最高峰サセックスS・クイーンエリザベスⅡ世Sを両方制したメイショウドトウの父

競走成績:2~4歳時に仏英米で走り通算成績17戦6勝2着5回3着2回

誕生からデビュー前まで

仏国の画商で馬主としても大きな成功を収めたダニエル・ウィルデンシュタイン氏が所有する馬産団体デイトン社により生産された愛国産馬で、ウィルデンシュタイン氏の所有馬として、当時ウィルデンシュタイン氏の専属調教師だった仏国エリー・ルルーシュ師に預けられた。

競走生活(3歳前半まで)

2歳9月にサンクルー競馬場で行われたマラヴェディス賞(T1600m)で、主戦となるドミニク・ブフ騎手を鞍上にデビューしたが、ダルドジニの2馬身半差の2着に敗れた。翌10月にはメゾンラフィット競馬場で行われたメディウム賞(T1600m)に出たが、ヴァルソバージュの首差2着に惜敗。2歳時は2戦未勝利に終わった。

3歳時は3月にメゾンラフィット競馬場で行われたエタンプ賞(T1600m)から始動して、後に米国に移籍してGⅢ競走ハリウッドターフエクスプレスHを勝つシラノストームを2馬身半差の2着に破って初勝利を挙げた。同月にはサンクルー競馬場でリステッド競走オムニウムⅡ賞(T1600m)に出走して、2着ルバラフルに2馬身差で勝利した。

そのまま仏2000ギニーに進むかと思われたが、陣営は仏ダービーを目標としたようで、本馬をグレフュール賞(仏GⅡ・T2100m)に向かわせた。名馬インザウイングスの全弟である期待馬ハンティングホークが単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持されており、後に米国のGⅠ競走ハリウッドターフCで2着するタロワールが単勝オッズ3.8倍の2番人気で、本馬は単勝オッズ4.5倍の3番人気だった。そしてレースでもハンティングホークが勝利を収め、本馬は1馬身半差の2着に敗れた。後にハンティングホークは日本に種牡馬として輸入されて名長距離馬ホットシークレットを出し、ホットシークレットは本馬の代表産駒メイショウドトウが宝塚記念を勝ったときに3着と好走することになる。

2週間後の仏2000ギニーは見送り、仏ダービーも諦めて、仏ダービー前週のジャンプラ賞(仏GⅠ・T1850m)に向かった。サンダウンクラシックトライアルSで2着してきたプレサーヴィル、モンテニカ賞を勝ってきたカエスール、マッチェム賞を勝ってきたルバラフルなどが対戦相手となった。本馬は単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持されたのだが、結果は単勝オッズ6.7倍の4番人気馬ルバラフルの首差2着に惜敗した。

その後はパリ大賞(仏GⅠ・T2000m)に出走した。仏ダービー2着・リュパン賞3着のデルニエアンプルール、ルバラフル、ノアイユ賞の勝ち馬フォートウッド、ジョンシェール賞を勝ってきたシャーマン、プリンスオブウェールズSでジャンプラ賞5着馬プレサーヴィルの3着してきたクレイヴンSの勝ち馬エンペラージョーンズなどが出走してきた。デルニエアンプルールが単勝オッズ2.8倍の1番人気、ルバラフルが単勝オッズ4.5倍の2番人気、本馬は単勝オッズ4.6倍の3番人気となった。しかし結果は単勝オッズ6.5倍の4番人気馬フォートウッドが勝利を収め、本馬は鼻差2着とまたも惜敗した。

競走生活(3歳後半)

その後は渡英してサセックスS(英GⅠ・T8F)に出走した。前走の英2000ギニーをコースレコードで圧勝してきた前年のモルニ賞・サラマンドル賞・デューハーストSの勝ち馬でカルティエ賞最優秀2歳牡馬のザフォニック、グリーナムS・クリテリオンSの勝ち馬でデューハーストSではザフォニックの2着だったインチナー、英1000ギニー・モイグレアスタッドS・チェヴァリーパークS・チェリーヒントンSの勝ち馬サイエダティ、クイーンアンS2着・クリテリオンS3着してきたインナーシティ、ジャージーSを勝ってきたアードキングラス、クイーンアンSの勝ち馬で愛国際Sでも1位入線するも2着降着となっていた愛チャンピオンS3着馬アルフローラ、伊グランクリテリウム・伊2000ギニー・ヴィットリオディカプア賞・マーチャントマイルの勝ち馬でローマ賞2着のアルヒジャズ、フィリーズマイル・マルセルブサック賞・仏1000ギニー・ロウザーS・エミリオトゥラティ賞・クイーンメアリーSを勝ちコロネーションSで2着していた一昨年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬カルチャーヴァルチャーといったマイル路線の強豪馬達が対戦相手となった。ザフォニックが単勝オッズ1.83倍という断然の1番人気に支持され、インチナーが単勝オッズ6倍の2番人気、サイエダティとインナーシティが並んで単勝オッズ12倍の3番人気、アードキングラスが単勝オッズ13倍の5番人気と続き、本馬は単勝オッズ15倍の6番人気という伏兵だった。ルルーシュ師も、本馬がここでザフォニックに勝てるとは思っていなかったという。

スタートが切られると、後に米国でパシフィッククラシックS2連覇などGⅠ競走を3勝する単勝オッズ67倍の最低人気馬ティナーズウェイが先頭に立ち、本馬は中団好位を追走、ザフォニックは後方につけた。残り2ハロン地点で本馬が馬群の間から飛び出して、残り1ハロン地点で先頭に立った。後方から本馬を追ってきたのはザフォニックではなく、最後方に陣取っていたサイエダティだった。しかしサイエダティを寄せ付けず、最後は1馬身半差をつけた本馬がGⅠ競走初勝利を挙げた。一方でレース中に鼻出血を起こして7着に敗れたザフォニックはそのまま引退となった。鞍上のブフ騎手にとっては英国における初勝利であり、ゴール後に彼は興奮しすぎて落馬してしまった。レース前は自信が無かったルルーシュ師は「未来を恐れていては何も出来ません」と語った。この勝利により、陣営は本馬をマイル路線に専念させる事に決めたようである。

帰国して出走したムーランドロンシャン賞(仏GⅠ・T1600m)では、仏2000ギニー・セントジェームズパレスSの勝ち馬でサラマンドル賞2着・ジャックルマロワ賞3着のキングマンボ、仏1000ギニー・ジャックルマロワ賞で2着していたアスタルテ賞・サンドリンガム賞の勝ち馬スキーパラダイス、英2000ギニーではザフォニックの2着だった愛2000ギニー馬バラシア、前走4着のカルチャーヴァルチャー、マルセルブサック賞・コロネーションSの勝ち馬で仏1000ギニー3着のゴールドスプラッシュ、ダフニ賞の勝ち馬アステア、ジョンシェール賞・メシドール賞・エドモンブラン賞の勝ち馬テイクリスクス、セントジェームズパレスS3着馬ヴェンティクアトロフィグリなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ2.5倍の1番人気、キングマンボとスキーパラダイスが並んで単勝オッズ3.7倍の2番人気、バラシアが単勝オッズ9.1倍の4番人気となった。スタートが切られるとキングマンボ陣営が用意したペースメーカー役のヒュードーが先頭に立ち、バラシア陣営がペースメーカー役のフィツカラルドがそれを追って先行。キングマンボとスキーパラダイスが3~4番手につけ、本馬は馬群の中団後方につけた。そして直線入り口7番手から追い上げてきた。そして好位から抜け出して叩き合いを演じていたキングマンボとスキーパラダイスの2頭に襲い掛かり、3頭が殆ど並んでゴールインした。しかしキングマンボが勝ち、スキーパラダイスが頭差の2着、本馬はさらに鼻差の3着に惜敗した。

次走のクイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ・T8F)では、キングマンボ、サセックスS2着後にジャックルマロワ賞を勝ってきたサイエダティ、ロッキンジS・セレブレーションマイル・キヴトンパークSなどを勝っていたスウィングロウ、前走4着のバラシア、セレブレーションマイル2着馬ミスルキャットなどが相手となった。キングマンボが単勝オッズ3.5倍の1番人気、サイエダティが単勝オッズ4倍の2番人気で、ブフ騎手に代わってパット・エデリー騎手が騎乗した本馬が単勝オッズ4.33倍の3番人気、スウィングロウが単勝オッズ8.5倍の4番人気、バラシアが単勝オッズ10倍の5番人気となった。

スタートが切られると単勝オッズ34倍の8番人気馬アルヒジャズが先頭に立ち、本馬はキングマンボやサイエダティなどと共に馬群の後方につけた。そして直線に入ると、他2頭を置き去りにして末脚を伸ばした。先に抜け出していたバラシアを残り1ハロン地点でかわすと、そのまま1馬身半差をつけて勝利。これで本馬は英国の古馬混合マイル競走の最高峰であるサセックスS・クイーンエリザベスⅡ世Sを両方制した事になったが、これは仏国調教馬としては史上初の快挙だった。なお、キングマンボはバラシアから2馬身半差の3着に敗れ、そのまま現役引退となった。

その後は米国に向かい、サンタアニタパーク競馬場で行われたBCマイル(米GⅠ・T8F)に参戦した。対戦相手は、前年のBCマイルを筆頭にゴーサムS・ETターフクラシックH・ETディキシーH・ダリルズジョイS・ケルソHを勝っていたルアー、メイトリアークS2回・ビヴァリーヒルズH2回・ラモナH2回・ビヴァリーDSとGⅠ競走7勝の名牝フローレスリー、前年のBCマイル2着馬でもあるハリウッドダービー・米国競馬名誉の殿堂博物館Sの勝ち馬でセクレタリアトS2着のパラダイスクリーク、ウィルシャーH・ゲイムリーH・アメリカンH・クリテリオンSを勝っていたトゥソード、リュパン賞・カーネルFWケスターHの勝ち馬でアーリントンミリオン3着のヨハンクアッツ、米国調教馬でありながら一昨年の愛2000ギニーを勝っていたエルクホーンS・バーナードバルークH・ニューハンプシャースウィープS・サラトガバドワイザーBCHの勝ち馬フォースターズオールスターといった地元米国馬勢や、バラシア、ムーランドロンシャン賞2着後にフォレ賞でも2着してきたスキーパラダイス、フォレ賞・スプリントC・ダイアデムSの勝ち馬ウルフハウンド、チャレンジS・ダイアデムSの勝ち馬でスプリントC2着のキャットレイルなどの欧州からの遠征組だった。しかし上位人気は米国馬勢が占め、欧州馬勢は総じて低評価。エデリー騎手騎乗の本馬も単勝オッズ13.2倍の8番人気に留まった。レースではルアーがスキーパラダイスに絡まれながらも先頭をひた走り、そのまま逃げ切って2連覇を達成。馬群の中団後方を進んだ本馬は、直線で少し差を詰めただけで、ルアーから5馬身差の6着に終わった。3歳時の成績は9戦4勝だった。

競走生活(4歳時)

この時期、ウィルデンシュタイン氏とルルーシュ師の専属契約は解除され、ルルーシュ師はしばらくウィルデンシュタイン氏の元を離れる事になった(8年後に復帰)が、本馬は引き続きルルーシュ師の管理の元、オリビエ・ペリエ騎手を主戦として現役を続けた。

まずは5月のイスパーン賞(仏GⅠ・T1850m)に出走した。英1000ギニー・EPテイラーS・英チャンピオンS・オペラ賞・ミュゲ賞・ラクープドメゾンラフィットの勝ち馬でマルセルブサック賞2着・ムーランドロンシャン賞3着のハトゥーフ、愛チャンピオンS・伊共和国大統領賞の勝ち馬ムータラム、ガネー賞・アルクール賞・ヴィシー大賞・アンドレバボワン賞の勝ち馬マリルド、ギョームドルナノ賞勝ち馬で仏ダービー2着・リュパン賞・英チャンピオンS3着のデルニエアンプルール、エドモンブラン賞を勝ってきたフラッグダウン、後に独国のGⅠ競走ダルマイヤー大賞に勝つビンチェンツォの6頭が出走してきて、なかなかの好メンバーとなった。ハトゥーフが単勝オッズ3.5倍の1番人気、ムータラムが単勝オッズ4.1倍の2番人気で、本馬は単勝オッズ4.5倍の3番人気だったが、2着ムータラムを首差抑えて勝利した。

その後は連覇を目指してサセックスS(英GⅠ・T8F)に出走。BCマイルでは5着だったが前走クイーンアンSを勝ってきたバラシア、前年のクイーンエリザベスⅡ世Sでは4着、前走の安田記念では7着だったサイエダティといった既対戦組の他に、英2000ギニー・ロイヤルロッジS・ヴィンテージSの勝ち馬ミスターベイリーズ、セントジェームズパレスS・デューハーストSの勝ち馬で英2000ギニー2着のグランドロッジ、セントジェームズパレスS2着馬ディスタントヴュー、ミドルパークS・リッチモンドS・ジュライSの勝ち馬ファーストトランプといった新顔の3歳馬勢も出走してきた。ミスターベイリーズが単勝オッズ4.5倍の1番人気、ディスタントヴューが単勝オッズ5倍の2番人気と3歳馬勢が上位人気となり、本馬は単勝オッズ6倍の3番人気だった。レースではミスターベイリーズが逃げを打ち、本馬は最後方を追走した。しかし直線に入っても伸びなかった本馬は、勝ったディスタントヴューから8馬身差をつけられた8着と大敗した。

次走のムーランドロンシャン賞(仏GⅠ・T1600m)では、キングマンボの半妹である仏1000ギニー・仏オークス・ジャックルマロワ賞の勝ち馬イーストオブザムーン、サセックスS4着後に出走したジャックルマロワ賞で2着だったサイエダティ、仏2000ギニー馬グリーンチューン、遠征先の日本で京王杯スプリングCを勝っていた前年のBCマイル2着馬スキーパラダイス、イスパーン賞で3着だったマリルドなどが対戦相手となった。イーストオブザムーンが単勝オッズ1.4倍の1番人気、サイエダティが単勝オッズ8.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ8.8倍の3番人気となった。結果は武豊騎手が騎乗する単勝オッズ10.2倍の5番人気馬スキーパラダイスが念願のGⅠ競走初勝利を収め、本馬はスキーパラダイスから2馬身1/4差の4着と今ひとつだった。

次走はやはり連覇がかかるクイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ・T8F)となった。対戦相手の層はこの年の過去3戦よりも厚く、サセックスSから直行してきたディスタントヴュー、スキーパラダイス、ムーランドロンシャン賞で2着だったイーストオブザムーン、同5着だったサイエダティ、サセックスS2着後に出走したジャックルマロワ賞では6着だったバラシアに加えて、愛2000ギニーを15馬身差で圧勝していた愛フェニックスS・ジムクラックS・ノーフォークS・グリーナムSの勝ち馬タートルアイランド、愛1000ギニー・セレブレーションマイル・ネルグウィンSの勝ち馬メサーフなども出走してきた。そのため、最初で最後の騎乗となるランフランコ・デットーリ騎手鞍上の本馬は単勝オッズ11倍の6番人気まで評価を下げた。スタートが切られると出走9頭中唯一のGⅠ競走未勝利馬だった単勝オッズ67倍の最低人気馬マルーフが逃げを打ち、本馬は馬群の中団後方を進んだ。そして直線入り口6番手から末脚を伸ばしてきたが、逃げ切ったマルーフと、本馬のさらに後方から追い込んできたバラシアの2頭に後れを取り、勝ったマルーフから2馬身1/4差の3着に敗れた。これで3戦連続して前年の着順を下回ってしまうという結果となった。

次走のフォレ賞(仏GⅠ・T1400m)では、クイーンエリザベスⅡ世Sで4着だったスキーパラダイス、この年のスプリントCを勝っていたラヴィニアフォンタナ、この年の英1000ギニーの勝ち馬で愛フェニックスS・愛1000ギニー2着のラスメニナス、ハンデ競走を中心に走ってこの年8戦5勝のウィザードキング、英シャンペンS・ポルトマイヨ賞の勝ち馬アンブレスト、ロンポワン賞を勝ってきたミストフライト、モイグレアスタッドS・ファルマスS・チェリーヒントンSの勝ち馬でチェヴァリーパークS3着のレモンスフレ、パレロワイヤル賞・ハンガーフォードSの勝ち馬ヤングアーン、グラッドネスSの勝ち馬で愛2000ギニー3着のリッジウッドベンなどが対戦相手となった。スキーパラダイスが単勝オッズ2.1倍の1番人気、再びペリエ騎手が鞍上に戻った本馬が単勝オッズ4.2倍の2番人気、当時はグループ競走出走経験が無かったウィザードキングが単勝オッズ8.4倍の3番人気、アンブレストが単勝オッズ11倍の4番人気、ミストフライトが単勝オッズ12倍の5番人気となった。スタートが切られると単勝オッズ13倍の6番人気馬ネヴァーネイエフが逃げを打ち、本馬は4番手の好位、スキーパラダイスは最後方からの競馬を選択した。そのままの態勢で直線に入った本馬は残り200m地点で内側を突いてスパートして先頭に立った。ゴール前では好位から差してきたミストフライトとの接戦となったが、短首差で勝利を収めた。

その後は再び米国に向かい、チャーチルダウンズ競馬場で行われたBCマイル(米GⅠ・T8F)に参戦。この年のシーザーズ国際H・エルコーンS・バーナードバルークHを勝っていた同競走3連覇を目指すルアー、アーケイディアH・シューメーカーHの勝ち馬ミーガンズインターコ、前年のBCマイルでは7着だったヨハンクアッツといった米国馬勢や、ミストフライト、フォレ賞で5着だったスキーパラダイス、クイーンエリザベスⅡ世Sから直行してきたバラシア、同5着から直行してきたディスタントヴュー、同7着から直行してきたイーストオブザムーンといった欧州馬勢との対戦となった。ルアーが単勝オッズ1.9倍という圧倒的な1番人気に支持される一方で、本馬は単勝オッズ17倍の7番人気止まりだった。レースでは直線で失速したルアーは9着と大敗したが、馬群の中団からレースを進めた本馬もゴール直前でルアーを頭差かわしただけの8着と完敗。勝ったのはバラシアで、本馬との差は9馬身3/4差もあった。そしてこれが現役最後のレースとなった。4歳時の成績は6戦2勝だった。

本馬は基本的に湿って柔らかくなった馬場状態のほうが好走する傾向が強く、勝ったサセックスSとクイーンエリザベスⅡ世Sは共に稍重馬場だった。逆に堅すぎる馬場は苦手だったようで、大敗したサセックスSと2度のBCマイルはいずれも堅良馬場だった。

血統

ラストタイクーン トライマイベスト Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Sex Appeal Buckpasser Tom Fool
Busanda
Best in Show Traffic Judge
Stolen Hour
Mill Princess Mill Reef Never Bend Nasrullah
Lalun
Milan Mill Princequillo
Virginia Water
Irish Lass Sayajirao Nearco
Rosy Legend
Scollata Niccolo Dell'Arca
Cutaway
Batave ポッセ Forli Aristophanes Hyperion
Commotion
Trevisa Advocate
Veneta
In Hot Pursuit Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Lady Be Good Better Self
Past Eight
Bon Appetit Major Portion Court Martial Fair Trial
Instantaneous
Better Half Mieuxce
Malay Bride
Sweet Solera ソロナウェー Solferino
Anyway
Miss Gammon Grandmaster
Rasher

ラストタイクーンは当馬の項を参照。

母バタヴは現役成績7戦3勝。プリンスシュヴァリエ賞・ストレッチワースSに勝ち、モートリー賞(仏GⅢ)・サンジョルジュ賞(仏GⅢ)で2着している。ちなみに、バタヴが2着した時のサンジョルジュ賞の勝ち馬はラストタイクーンである。バタヴの直子で活躍したのは本馬くらいだが、本馬の全姉バグブルーの孫にはリトルトレジャー【サンクレメンテH(米GⅡ)・パッカーアップS(米GⅢ)】、曾孫にはモアチョコレート【ラカナダS(米GⅡ)】、リズムオブライト【ゴルディコヴァS(米GⅡ)】が、本馬の半妹ブルークラウド(父ナシュワン)の子にはエムパワリング【レパーズタウン1000ギニートライアル(愛GⅢ)】がいる。バタヴの母ボンアペティットは現役成績8戦2勝、ヴァントー賞の勝ち馬。ボンアペティットの母スウィートソレラは英1000ギニー・英オークスを勝った名牝。スウィートソレラのの半妹グッドテーブルの孫にはクワイエットリトルテーブル【サバーバンH(米GⅠ)・カーターH(米GⅡ)】、曾孫には日本で走ったキョウワホウセキ【オークストライアル四歳牝馬特別(GⅡ)・東京新聞杯(GⅢ)】、玄孫世代以降にはハーチバルド【ファイティングフィフスハードル(英GⅠ)2回・クリスマスハードル(英GⅠ)2回】、エトワールドロゼ【加賀友禅賞・読売レディス杯】、ウォータープライド【ゴールドウィング賞・新春ペガサスC・東海クイーンC・東海ダービー・若草賞】などがいる。→牝系:F11号族①

母父ポッセはシェリフズスターの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は愛国クールモア牧場で種牡馬入りして、新国にもシャトルされていた。1999年に中国の実業家Y・P・チェン氏に購入されて中国で種牡馬入りしたが、現況は伝わってこない。日本で本馬の名を有名にしたのは、なんと言っても愛国産馬メイショウドトウの活躍による。自身は典型的なマイラーだったが、豪州などで走っている産駒は距離の長短を問わない活躍を見せる。メイショウドトウが距離をこなしたのも、本馬の特徴をよく表現していると言える。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1996

メイショウドトウ

宝塚記念(GⅠ)・金鯱賞(GⅡ)・オールカマー(GⅡ)・日経賞(GⅡ)・中京記念(GⅢ)

1999

Meteor Storm

マンハッタンH(米GⅠ)・サンルイレイH(米GⅡ)・サンフアンカピストラーノ招待H(米GⅡ)・WLマックナイトH(米GⅡ)

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