インサイドインフォメーション

和名:インサイドインフォメーション

英名:Inside Information

1991年生

鹿毛

父:プライヴェートアカウント

母:ピュアプロフィット

母父:キートゥザミント

BCディスタフをブリーダーズカップ史上最大着差の13馬身半差で圧勝するなど米国牝馬路線で圧勝を続けた1990年代米国最強名牝

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績17戦14勝2着1回3着2回

誕生からデビュー前まで

米国の名馬産家オグデン・ミルズ・フィップス氏により米国ケンタッキー州において生産・所有された馬で、クロード・R・“シャグ”・マゴーヒーⅢ世調教師に預けられた。主戦はマイク・スミス騎手で、本馬の17戦中16戦に騎乗した。

競走生活(2歳時)

2歳9月にベルモントパーク競馬場で行われたダート6ハロンの未勝利戦でデビューした。未勝利戦ではあったが、ミスアプローズ、ジェイドフラッシュといった期待馬も出走しており、未勝利戦としてはかなりレベルが高かった。本馬は単勝オッズ2.9倍の2番人気だったが、4番手の好位追走から三角で先頭に立つと、そのまま2着ジェイドフラッシュに7馬身半差をつけて圧勝した。ちなみに同日同コースで行われた別の未勝利戦で、本馬とは同世代で馬主も調教師も同じだったヘヴンリープライズがやはり圧勝でデビュー戦を飾っている。本馬とヘヴンリープライズは陣営の意向でレースを使い分けられたため、2頭の直接対決が見られる機会は、本馬の現役最後のレースとなるBCディスタフまでお預けとなる。

本馬の次走は、アケダクト競馬場で行われたダート8ハロンの一般競走となった。これも並の一般競走以上のレベルであり、後のコティリオンH・テンプテッドS勝ち馬ソヴリンキティ、本馬と同じプライヴェートアカウント産駒の素質馬バンティングなどが出走していた。前走の圧勝ぶりが評価された本馬は、単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持された。しかしスタート時にゲートにぶつかって出遅れるアクシデントがあった。それでもすぐさま3番手まで押し上げてきたのだが、前半の無理が祟ったのか、直線では前を行くソヴリンキティとバンティングの2頭を捕らえる事が出来ず、ソヴリンキティの3馬身差3着に敗退した。

デビュー当時の本馬は脚部不安を抱えていたようで、この年は無理にレースを使われる事はなく、2歳時の成績は2戦1勝となった。

競走生活(3歳時)

3歳時は2月にガルフストリームパーク競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走から始動して、単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。レース前半は2番手につけ、三角で先頭に立つと、そのまま2着ブラッシングブロンドに7馬身差をつけて圧勝した。

2週間後にガルフストリームパーク競馬場で行われたダート8.5ハロンの一般競走では、未勝利戦と一般競走を連勝してきたシナモンシュガーとの顔合わせとなった。本馬が単勝オッズ1.6倍の1番人気で、シナモンシュガーが単勝オッズ2.6倍の2番人気と、完全な一騎打ちムードとなった。スタートが切られると、先頭を伺ったシナモンシュガーをかわして本馬が先頭を奪い、シナモンシュガーを引き連れて逃げ続けた。直線に入るとシナモンシュガーが着実に差を詰めてきたが、凌ぎきって首差で勝利した(3着馬は11馬身後方だった)。

さらに2週間後のボニーミスS(GⅡ・D8.5F)では、ダヴォナデイルSを勝ってきたカットザチャーム、シナモンシュガー、ダヴォナデイルS2着馬シーライズトゥナイト、前走の一般競走を圧勝してきたジェイドフラッシュなどが対戦相手となった。カットザチャームが単勝オッズ2.4倍の1番人気に支持され、本馬が単勝オッズ4倍の2番人気、シナモンシュガーが単勝オッズ4.2倍の3番人気となった。今回はシナモンシュガーが先頭に立ち、本馬は4~5番手の好位を追走、カットザチャームは後方待機策を採った。しかし本馬より5ポンド重い119ポンドのトップハンデだったカットザチャームには伸びが無く、レースは直線入り口で並んで先頭に立った本馬と、本馬より1ポンド斤量が軽いシナモンシュガーの対決となった。しかし本馬がシナモンシュガーを突き放して2馬身3/4差で勝利した。

3連勝でフロリダ州を後にした本馬は、ケンタッキー州に移動してアッシュランドS(GⅠ・D8.5F)に出走。ここではシナモンシュガー、バーボネットSなど3連勝中のプライヴェートステータスが強敵だった。121ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持され、113ポンドのシナモンシュガーが単勝オッズ4倍の2番人気、118ポンドのプライヴェートステータスが単勝オッズ4.7倍の3番人気となった。スタートからプライヴェートステータスが逃げを打ち、本馬は2番手を追走。本馬に連敗中のシナモンシュガーは後方待機策に作戦変更した。しかし本馬が三角でプライヴェートステータスをかわして先頭に立つと、そのまま後続馬を引き離し、直線で追い込んできた単勝オッズ25.6倍の最低人気馬バンティングを5馬身半差の2着に下して圧勝した(プライヴェートステータスは3着、シナモンシュガーは4着だった)。

通常ならば次走はケンタッキーオークスになるところだが、この年はケンタッキーオークスとニューヨーク牝馬三冠競走第1戦エイコーンSの日程差が2日しかなく(前年は8日の間隔があった)、両方に出走するのは困難だった。

陣営はニューヨーク牝馬三冠競走を優先したようで、次走はアッシュランドSの2週間後のエイコーンS(GⅠ・D8F)となった。ラスヴァージネスS・サンタアニタオークスなど4戦無敗のレイクウェイや、ハリウッドスターレットS勝ち馬でBCジュヴェナイルフィリーズ2着のサーデュラといった有力馬がケンタッキーオークスに向かったため、出走馬はやや手薄となり、ソヴリンキティやシナモンシュガーくらいしか目立つ対戦相手がいなかった。そのために本馬が単勝オッズ1.5倍という圧倒的な1番人気に支持されたのだが、レースではそれでもオッズが高く思えるほどの圧巻のパフォーマンスを披露。2番手追走からレース中盤で先頭に立つと、あとはひたすら後続との差を広げ続け、単勝オッズ7.3倍の3番人気だった2着シナモンシュガーに11馬身差をつけて圧勝してしまった。このレースは重馬場で行われており、本馬がこうした馬場を得意とする事が証明される形となった。

続いてマザーグースS(GⅠ・D9F)に出走。このレースにはシナモンシュガーの他に、ケンタッキーオークスでサーデュラの2着だったレイクウェイの姿もあった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、レイクウェイは単勝オッズ2.3倍の2番人気、もう本馬に敵う余地は無いと判断されたシナモンシュガーは単勝オッズ28.7倍の5番人気まで評価が落ちていた。スタートから本馬が逃げを打ち、レイクウェイとシナモンシュガーが直後を追いかけてくる展開となった。しかし三角に入る手前辺りで本馬の手応えが悪くなり、レイクウェイとシナモンシュガーの2頭にかわされた。そしてそのまま引き離されてしまい、勝ったレイクウェイから10馬身差、2着シナモンシュガーから6馬身差をつけられて3着に敗れた。

初対戦のレイクウェイに敗れたのはともかく、過去に4戦全勝だったシナモンシュガーに屈したのは不可解であり、陣営も敗戦の理由が分からず首を捻ったという。しかし本馬がレース後に腰部の異常を訴えたため、専門家を呼んで検査したところ、どうやら神経に炎症を起こしているらしい事が判明したため、専門家の提案によりジメチルスルホキシド溶液(米国で競走馬の炎症治療のために使用される皮膚への浸透性が大きい薬剤。人間の膀胱炎治療にも使用される)を1か月間患部に塗布する治療が行われた。

治療終了後もしばらくレースには出ず、復帰したのは11月にアケダクト競馬場で行われたダート6.5ハロンの一般競走だった。他馬より3~8ポンド重い120ポンドのトップハンデだったが、単勝オッズ1.15倍の圧倒的1番人気に支持された。そして2番手追走からレース中盤で先頭に立つと、そのまま後続を引き離し、2着リトルバックルズに8馬身差をつけて、1分16秒19のコースレコードを樹立して圧勝した。この走りに陣営も一安心したのか、その後は再び休養入りし、3歳時の成績は7戦6勝となった。

競走生活(4歳時)

4歳時は4月にキーンランド競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走から始動して、単勝オッズ1.3倍の1番人気に支持された。今回はスタートから先頭に立ち、そのまま2着トラヴァーズシティに4馬身差をつけて快勝した。

次走は翌月のシュヴィーH(GⅠ・D8F)となった。このレースは米国東海岸におけるダート牝馬最強マイラー決定戦であるが、この年は僅か4頭立てのレースとなった。しかし他馬3頭のうち1頭は、一昨年のニューヨーク牝馬三冠馬で、前年にもシュヴィーH・ヘンプステッドH・ゴーフォーワンドS・ラフィアンHとGⅠ競走を4連勝してエクリプス賞最優秀古馬牝馬に選ばれたスカイビューティであり、相手にとって不足は無かった。126ポンドを課せられたスカイビューティがそれでも単勝オッズ1.35倍の1番人気に支持され、119ポンドの本馬は同馬主同厩のリーガルソリューションとのカップリングで単勝オッズ3.25倍の2番人気となった。

スタートが切られると、レアトリートH・ネクストムーヴBCHの勝ち馬リスタードホープ(単勝オッズ5.5倍の3番人気)が逃げを打ち、このレースだけ騎乗したホセ・サントス騎手鞍上の本馬が直後の2番手、少し離れた3番手をスカイビューティが追走した。三角で本馬が先頭に立つと、スカイビューティも差を詰めてきた。しかし四角からは本馬が逆にスカイビューティとの差を広げ始めた。そして最後は本馬が2着スカイビューティに5馬身半差をつけて圧勝した(3着リスタードホープはスカイビューティから16馬身後方だった)。もっとも、このレースでスカイビューティと本馬の斤量差は7ポンドあったから、この結果が果たして実力どおりと言えるかどうかは断定できなかった。しかしスカイビューティは次走のヘンプステッドHでヘヴンリープライズに大差をつけられて敗れたのを最後に引退してしまったため、2頭の完全な決着はつけられなかった。

翌月のバドワイザーBCH(GⅢ・D8F70Y)では、ブラックアイドスーザンS・リーヴシュライジュニアS勝ち馬カリファなどを抑えて、単勝オッズ1.3倍の1番人気に支持された。ここでは5頭立ての3番手を追走すると、四角で先頭に立って押し切り、8ポンドのハンデを与えた2着モーニングメドウに2馬身1/4差で勝利した。

7月に出走したモリーピッチャーH(GⅡ・D8.5F)では、後のアップルブロッサムH勝ち馬ヘイローアメリカ、レアパフュームSを勝っていたジェイドフラッシュなどを抑えて、単勝オッズ1.3倍の1番人気に支持された。本馬には124ポンドが課せられ、他馬とは6~14ポンドの斤量差があった。しかし前走と同じく5頭立ての3番手を追走すると、三角で先頭に立って後続を引き離し、9ポンドのハンデを与えた2着ジェイドフラッシュに6馬身3/4差をつけて圧勝した。

続いて出走したのは、夏のダート牝馬最強短距離馬決定戦であるバレリーナH(GⅠ・D7F)だった。本馬の斤量は、他馬より7~16ポンド重い126ポンドだったが、プライオレスS・ディスタフH・ベッドオローゼズH・ジェニュインリスクHの勝ち馬クラッシーミラージュ、シカゴBCHの勝ち馬ロウキーアフェアーなどを抑えて、単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された。ところがスタート直後に大きく躓いて、最後方からの競馬となってしまった。向こう正面で2番手まで押し上げると、先頭を走るクラッシーミラージュを追撃したが、7ポンドの斤量差も響いたのかその差は縮まらなかった。そして直線では逆に引き離されてしまい、勝ったクラッシーミラージュから6馬身差をつけられて2着に敗退してしまった。

次走のラフィアンH(GⅠ・D8.5F)では、シナモンシュガーとマザーグースS以来の顔合わせとなった。他にもベッドオローゼズH勝ち馬インシネレート、ジェイドフラッシュなどが出走していた。しかも本馬の斤量125ポンドは、2番目に斤量が重いシナモンシュガーの113ポンドより12ポンドも重かった。それでも本馬は単勝オッズ1.1倍という圧倒的な1番人気に支持された(2番人気のシナモンシュガーは単勝オッズ11.2倍だった)。スタートから単勝オッズ49.75倍の最低人気馬アンローフルビヘイビアと先頭争いを演じた本馬は、向こう正面で単独先頭に立つと、そのまま後続馬を引き離し続け、最後は2着に粘ったアンローフルビヘイビアに11馬身差をつけて圧勝。シナモンシュガーは本馬から17馬身後方の5着に終わった。

次走はBCディスタフの前哨戦であるスピンスターS(GⅠ・D9F)となった。僅か4頭立てのレースだったが、本馬の前には新たな強敵が出現した。マライアズストームという名前のその馬は本馬とは同世代だったが、2歳時に通常ならば予後不良確実という脚の怪我を負ってしまった。それでも関係者の尽力により奇跡的に競走生活に復帰し、アーリントンメイトロンH・ターフウェイパークBCSなど4連勝でこのレースに臨んでいた。特に前走ターフウェイパークBCSでは、この年の最強3歳牝馬セレナズソング相手に圧勝しており、致命的な故障から復活した逸話も相まって人気が急上昇していた。なお、このマライアズストームは、映画「夢駆ける馬ドリーマー」のモデルとなった事や、後にカルティエ賞年度代表馬ジャイアンツコーズウェイの母となる事などでも有名である。このレースは定量戦で各馬の斤量差は無かったのだが、本馬が単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持される一方で、同斤量のマライアズストームも単勝オッズ2.5倍の2番人気となっており、完全な一騎打ちムードだった。

スタートが切られるとジェイドフラッシュが先頭に立ち、マライアズストームが少し離れた2番手、本馬がその直後3番手を追走した。三角に入ったところで本馬がマライアズストームに並びかけ、2頭揃って先頭のジェイドフラッシュを追撃。先にジェイドフラッシュに追いついたのは本馬のほうだった。ところがここからジェイドフラッシュが想定外の粘りを発揮し、直線では本馬との叩き合いとなった。しかし最後は本馬が頭差で勝利を収めた(マライアズストームは4馬身差の3着だった)。

BCディスタフ

次走は、ベルモントパーク競馬場で行われたBCディスタフ(GⅠ・D9F)となった。このレースには、本馬と同じ日に同じベルモントパーク競馬場で競走馬デビューした同馬主同厩のヘヴンリープライズの姿があった。フリゼットS・アラバマS・ガゼルH・ベルデイムS・アップルブロッサムH・ヘンプステッドH・ゴーフォーワンドH・ジョンAモリスHとGⅠ競走8勝(ちなみに本馬はこの時点でGⅠ競走5勝)を挙げ前年のBCディスタフで2着していたヘヴンリープライズは、陣営の意向により本馬とは使い分けられており、ここで本馬と最初で最後の対戦となったのだった。さらには、牡馬相手のハスケル招待Hを筆頭に、オークリーフS・ハリウッドスターレットS・ラスヴァージネスS・サンタアニタオークス・マザーグースS・ガゼルH・ベルデイムSとGⅠ競走で8勝を挙げていた3歳馬セレナズソングも参戦しており、この年の米国競馬を代表する名牝3頭が一堂に会する事となった。他にも、前走スピンスターSの敗戦から巻き返しを図るマライアズストーム、前年のマザーグースS以来の本馬との対戦となるレイクウェイ、チュラヴィスタH・レディーズシークレットHを勝って勢いに乗るボロディスルーなども虎視眈々と優勝を狙っていた。

本馬とヘヴンリープライズのカップリングが単勝オッズ1.8倍の1番人気、セレナズソングが単勝オッズ3.5倍の2番人気、マライアズストームが単勝オッズ9倍の3番人気での出走となった。陣営は、前走スピンスターSで勝ったとはいえ辛勝だった本馬より、前走ベルデイムSでセレナズソングの僅差2着だったヘヴンリープライズの方に期待を寄せていたようである。

しかしこのレースは本馬にとっては得意で、ヘヴンリープライズにとってはあまり得意でなかった重馬場で行われた。スタートからレイクウェイが先頭を奪い、最内1番枠からの発走となった本馬は4番手につけた。しかし三角に入る手前で早くもレイクウェイをかわして先頭に立った。そして後続を引き離しながら最終コーナーを回って直線を向いた。直線でも後続馬を引き離す一方で、最後は内側を追い上げて2着に上がったヘヴンリープライズに13馬身半という大差をつけて圧勝。重馬場だったにも関わらず、勝ちタイム1分46秒15はBCディスタフの距離が9ハロンになって以降では最速であり、現在においてもやはり同競走史上最速のままである(2位が2008年にゼニヤッタが計時した1分46秒85だが、このときはダートではなくオールウェザーである)。また、13馬身半という着差は現在でもブリーダーズカップ史上最大着差である。

生涯最高のパフォーマンスを見せたこのレースを最後に本馬は4歳時8戦7勝の成績を残して現役を引退し、この年のエクリプス賞最優秀古馬牝馬を受賞した。

血統

Private Account Damascus Sword Dancer Sunglow Sun Again
Rosern 
Highland Fling By Jimminy
Swing Time
Kerala My Babu Djebel
Perfume
Blade of Time Sickle
Bar Nothing
Numbered Account Buckpasser Tom Fool Menow
Gaga
Busanda War Admiral
Businesslike
Intriguing Swaps Khaled
Iron Reward
Glamour Nasrullah
Striking
Pure Profit Key to the Mint Graustark Ribot Tenerani
Romanella
Flower Bowl Alibhai
Flower Bed
Key Bridge Princequillo Prince Rose
Cosquilla
Blue Banner War Admiral
Risque Blue
Clear Ceiling Bold Ruler Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Miss Disco Discovery
Outdone
Grey Flight Mahmoud Blenheim
Mah Mahal
Planetoid Ariel
La Chica

プライヴェートアカウントは当馬の項を参照。

母ピュアプロフィットは本馬と同じくオグデン・ミルズ・フィップス氏の生産・所有馬で、現役成績は5戦4勝。母としては本馬の1歳年上の半姉エデュケイティドリスク(父ミスタープロスペクター)【フリゼットS(米GⅠ)・トップフライトH(米GⅠ)・チャーチルダウンズディスタフH(米GⅡ)・ランパートH(米GⅡ)・ヴァージニアH(米GⅢ)・シャーリージョーンズH(米GⅢ)】も産んでいる。エデュケイティドリスクの孫娘リアクトは亜国に繁殖牝馬として輸入され、エヴィラシオ【エストレージャス大賞マイル(亜GⅠ)】の母となった。エデュケイティドリスクの牝系子孫は日本にもいるが目立つ活躍馬はいない。また、本馬の半妹ヒドゥンリザーブ(父ミスタープロスペクター)の子には、フィランスロピスト【クイーンズカウンティH(米GⅢ)】、ディファー【ローレルフューチュリティ(米GⅢ)】、リロード【カナディアンターフS(米GⅢ)】の3兄弟がいる。

ピュアプロフィットの半姉にはクイックアズライトニング(父バックパサー)【英1000ギニー(英GⅠ)・フィリーズマイル(英GⅢ)】とストラトスフェリク(父マジェスティックライト)【カンデラブラS(英GⅢ)】がいる他、ピュアプロフィットの半姉インフィニット(父マジェスティックライト)の曾孫にはホットチャチャ【クイーンエリザベスⅡ世CCS(米GⅠ)】、ピュアプロフィットの半妹ハウハイザムーン(父マジェスティックライト)の孫には2000年のエクリプス賞最優秀短距離馬コナゴールド【BCスプリント(米GⅠ)・サンカルロスH(米GⅠ)】がいる。ピュアプロフィットの祖母グレイフライト(ネイティヴダンサーの母ゲイシャの従姉妹)の牝系子孫からは、1975・76年の北米首位種牡馬ワットアプレジャー、1955年の米最優秀3歳牝馬ミスティモーンとその息子でいずれも米最優秀2歳牡馬に選ばれたボールドラッドとサクセッサー、ケンタッキーオークス馬ディスピュート、名マイラーのプリオロなど活躍馬が多数出ている。→牝系:F5号族③

母父キートゥザミントは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はオグデン・ミルズ・フィップス氏所有のもと、米国で繁殖入りした。1998年に産んだシーキングザゴールドとの牡駒が生後すぐに他界するなど、当初はなかなか活躍馬を産む事が出来なかった。しかし2002年に産んだアンブライドルドとの牝駒であるスマッグラーが、母が勝てなかったマザーグースS(米GⅠ)に加えてCCAオークス(米GⅠ)を勝ちエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選ばれる活躍を見せ、本馬が繁殖牝馬としても優秀である事を証明してみせた。しかし、2006年に産んだアンブライドルズソングとの牡駒がウォブラー症候群(「腰麻痺」とも言われる。椎骨の変形により脊髄が圧迫される病気で、運動障害、痙攣、左右対称性の後脚麻痺などの症状が出る。馬の場合、原因は脳脊髄に進入した寄生虫である事が多いという。重度であれば致命的であり、軽度でも競走能力に大きな影響を及ぼす)のため名前が付けられる前に他界するなど、本馬の産駒には不幸が多く、スマッグラー以外の産駒成績は振るわない。2008年に米国競馬の殿堂入りを果たした。

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