アレミロード

和名:アレミロード

英名:Allez Milord

1983年生

鹿毛

父:トムロルフ

母:ホワイミーロード

母父:ボールドリーズニング

独国と米国でGⅠ競走を1勝ずつしたがそれよりジャパンCにおけるジュピターアイランドとの叩き合いが印象に残る個性豊かな産駒を出した本邦輸入種牡馬

競走成績:2~4歳時に英独日米で走り通算成績17戦7勝2着2回3着1回

誕生からデビュー前まで

米国の馬産団体ギャラガーズファームにより生産された米国産馬だが、誕生したのは米国馬産の中心地ケンタッキー州ではなくニューヨーク州だった。ギャラガーズファームは本馬を欧州で走らせることにして、英国ガイ・ハーウッド調教師に預けた。

競走生活(3歳前半まで)

2歳10月にニューマーケット競馬場で行われた芝8ハロンの未勝利ステークスでデビュー。主戦となるグレヴィル・スターキー騎手を鞍上に、デビュー戦勝利を収めた。2歳時はこの1戦のみで終え、3歳時は英ダービーを目標とした計画が組まれた。

まずは5月にニューマーケット競馬場で行われたメイS(T9F)から始動。132ポンドという厳しい斤量が課せられたが、2着オールヘイストに頭差で勝利した。同月にはグッドウッド競馬場でプレドミネートS(T12F)に出走して、タタソールS3着馬バダーバクを5馬身差の2着に下して圧勝した。

そして英ダービー(英GⅠ・T12F)に出走したのだが、ここで騎手の乗り代わりが発生した。本馬と同じハーウッド厩舎からは、英2000ギニー・クレイヴンSなど4戦全勝のダンシングブレーヴという超大物も英ダービーに参戦する事になっており、スターキー騎手がダンシングブレーヴの主戦でもあったからである。本馬にはキャッシュ・アスムッセン騎手が騎乗する事になった。他の主な出走馬は、サンダウンクラシックトライアルS・ダンテSを連勝してきたシャーラスタニ、ディーSの勝ち馬でクレイヴンS2着のファラウェイダンサー、リングフィールドダービートライアルSの勝ち馬マシュクール、ソラリオSの勝ち馬で仏グランクリテリウム・ケンタッキーダービー2着のボールドアレンジメント、デリンズタウンスタッドダービートライアルS2着馬ワイズカウンセラー、グレフュール賞・サンロマン賞の勝ち馬でリュパン賞2着のアロカー、チェスターヴァーズの勝ち馬でウィリアムヒルフューチュリティS2着のノムルード、愛2000ギニー・ベレスフォードS・テトラークSなど5連勝中のフラッシュオブスティール、愛2000ギニー3着馬シャルードなどだった。ダンシングブレーヴが単勝オッズ3倍の1番人気、シャーラスタニが単勝オッズ6.5倍の2番人気で、本馬は単勝オッズ9倍の3番人気に推された。

スタートが切られるとノムルードが先頭に立ち、本馬はシャーラスタニなどと一緒に先行した。一方のダンシングブレーヴは後方待機策を採った。レースはスローペースで推移したため、先行した本馬にとっては有利な展開のはずだった。しかし直線に入ると今ひとつ伸びを欠き、勝ったシャーラスタニから6馬身半差の10着に敗退。ダンシングブレーヴは直線で豪脚を繰り出したが半馬身差の2着に敗れてしまった。そのために消極的な騎乗をしたとして鞍上のスターキー騎手が世間から轟轟たる非難にさらされた事や、スターキー騎手はダンシングブレーヴの次走エクリプスSでは的確に騎乗して勝利を収めたが、そのまた次走のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSで負傷のため騎乗出来なかったのをきっかけに主戦の座から降りる事になったのは、ダンシングブレーヴの項に記載したとおりである。しかし本馬には引き続き騎乗し続けることになった。

競走生活(3歳後半)

まずは英ダービーから8週間後のゴードンS(英GⅢ・T12F)に出走した。ここでは単勝オッズ2.1倍の1番人気に応えて、ロイヤルロッジS・キングエドワードⅦ世Sの勝ち馬で愛ダービーではシャーラスタニの2着だったボノミーを半馬身差の2着に抑えて勝利を収めた。

次走のグレートヴォルティジュールS(英GⅡ・T12F)では、英ダービーでダンシングブレーヴから2馬身半差の3着だったマシュクール、スコティッシュクラシックなど5連勝中のムーンマッドネス、キングエドワードⅦ世S3着馬ニスナスなどが対戦相手となった。しかしこのレースはかなりごちゃつく展開となり、マシュクールが2位入線のニスナスを頭差抑えてトップゴールするも進路妨害を咎められて2着に降着。ムーンマッドネスがニスナスから頭差の3着に入り、本馬はムーンマッドネスからさらに1馬身半差の5着に敗れた。

それでも着順ほど大きく負けていたわけでは無かったため、そのまま英セントレジャー(英GⅠ・T14F127Y)に出走した。対戦相手は、前走で繰り上がって勝者となったニスナス、ムーンマッドネス、ヨークシャーオークス・フィリーズマイルの勝ち馬で英オークス2着のアントールド、パリ大賞の勝ち馬スウィンク、後のプリンセスオブウェールズSの勝ち馬セレスティアルストームなどだった。アントールドが単勝オッズ3.5倍の1番人気、本馬が単勝オッズ5倍の2番人気、ムーンマッドネスが単勝オッズ5.5倍の3番人気となった。スタートが切られると最低人気馬ファミリーフレンドが先頭に立ち、本馬は2番手を追走した。しかし直線に入るとファミリーフレンドより先に失速。勝ったムーンマッドネスから20馬身半差をつけられた8着最下位に沈んでしまった。ムーンマッドネスに騎乗していたのは、スターキー騎手に代わってダンシングブレーヴの主戦となったパット・エデリー騎手であり、スターキー騎手はおそらく内心穏やかでは無かったと思われる。

次走は独国のオイロパ賞(独GⅠ・T2400m)となった。このレースにもムーンマッドネスがエデリー騎手とコンビを組んで参戦してきた。本馬は単勝オッズ13.2倍と評価を下げていたが、ここではスターキー騎手が渾身の騎乗を見せた。ムーンマッドネス、ドーヴィル大賞・エドヴィル賞の勝ち馬ベイビータークの2頭とのゴール前の接戦を制して、2着ベイビータークに半馬身差、3着ムーンマッドネスにはさらに3/4馬身差をつけて勝利。本馬にGⅠ競走初制覇をもたらすとともに、過去の鬱憤を少しは晴らした。

その後本馬は来日して、ジャパンC(日GⅠ・T2400m)に出走した。日本からの出走馬は、天皇賞秋・毎日王冠を連続レコード勝ちしてきた大阪杯・共同通信杯四歳Sの勝ち馬サクラユタカオー、前年の皐月賞・菊花賞・スプリングS・京都新聞杯の勝ち馬で有馬記念2着・天皇賞秋3着のミホシンザン、オールカマー・ダイヤモンド特別・東海桜花賞・ゴールド争覇など目下9連勝中の公営東海の強豪ジュサブロー、NHK杯・高松宮杯の勝ち馬で前走菊花賞3着のラグビーボール、天皇賞秋・安田記念・東京新聞杯の勝ち馬ギャロップダイナ、天皇賞春・中山記念・中山金杯の勝ち馬クシロキング、アメリカジョッキークラブC・京都記念・弥生賞の勝ち馬で東京優駿・菊花賞2着のスダホークの計7頭。海外からの本馬以外の出走馬は、新国のGⅡ競走TVニュージーランドSの勝ち馬で前哨戦の富士Sを勝ってきたアワウェイバリースター、マルセルブサック賞・愛2000ギニー・英チャンピオンS・ラクープの勝ち馬で英オークス・コロネーションC・エクリプスS・英国際S2着・ベンソン&ヘッジズ金杯・加国際S・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS・愛チャンピオンS・凱旋門賞3着のトリプティク、ハリウッドパーク招待ターフH・WLマックナイトH2回・ブーゲンヴィリアH2回の勝ち馬でハイアリアターフカップH・ボーリンググリーンH2着・アーリントンミリオン・パンアメリカンH・サンセットH3着のフライングピジョン、ハードウィックS・コンセイユドパリ賞・セントサイモンS2回・ジョンポーターSの勝ち馬でワシントンDC国際S・サンフアンカピストラーノ招待H3着のジュピターアイランド、加国三冠競走最終戦ブリーダーズSの勝ち馬でイエローリボンS3着のキャロティーン、伊ダービー・ミラノ大賞・ハンザ賞の勝ち馬でイタリア大賞2着のトミーウェイの計6頭だった。サクラユタカオーが単勝オッズ4.1倍の1番人気、アワウェイバリースターが単勝オッズ4.5倍の2番人気、トリプティクが単勝オッズ7倍の3番人気、ミホシンザンが単勝オッズ7.5倍の4番人気、ジュサブローが単勝オッズ8.6倍の5番人気で、本馬は単勝オッズ9.7倍の6番人気だった。

スタートが切られると、クシロキングが押し出されるように先頭に立ち、スターキー騎手騎乗の本馬はクシロキングの直後2番手を追走した。そして本馬から少し離れて、ミホシンザン、ジュサブロー、サクラユタカオーといった日本の有力馬が追走してきた。直線に入ると、失速するクシロキングをかわして本馬が先頭に立った。しかしここで1頭の馬が外側から本馬に並びかけてきた。道中は14頭立ての13番手を追走し、四角でまくって一気に上がってきた単勝オッズ14.9倍の8番人気馬ジュピターアイランドだった。ジュピターアイランドの鞍上はエデリー騎手だった。直線では本馬とジュピターアイランドの壮絶な一騎打ちとなった。スターキー騎手もエデリー騎手も腰を低くした独特のヨーロピアンスタイルで、渾身の力で馬を追い、鞭を連打するという迫力満点の息詰まる攻防戦は12秒間にも及んだ。そして2頭が殆ど同時にゴールイン。写真判定の結果、ジュピターアイランドが勝利を収め、本馬は頭差の2着に敗退。前走オイロパ賞で一矢報いていたとはいえ、またもエデリー騎手に敗れたスターキー騎手の心中は察するに余りある。しかし本馬の立場からすればこの好走で日本における評価が上がり、後に日本に種牡馬として輸入される理由となるわけだから、悪くない結果だった。なおこれは余談だが、スターキー騎手は騎手引退後にピルサドスキーの担当厩務員としてジャパンCを優勝している。3歳時の成績は8戦4勝で、この年の独最優秀3歳牡馬に選出された。

競走生活(4歳時)

4歳時は、4月のゴードンリチャーズS(英GⅢ・T10F)から始動した。ここでは単勝オッズ2.875倍の1番人気に応えて、6ポンドのハンデを与えた同月のアールオブセフトンSの勝ち馬ケーバッテリーを2馬身半差の2着に破って完勝した。

次走のブリガディアジェラードS(英GⅢ・T10F)では、これがシーズン初戦だった本馬とは4度目の対戦となるムーンマッドネス、前年のメイSで本馬の頭差2着に迫ったオールヘイストなどが対戦相手となった。しかし勝ったのは、単勝オッズ17倍の伏兵だったムトト。本馬は4着ムーンマッドネスには先着したものの、ムトトから2馬身半差の2着に敗れた。しかし斤量は本馬の129ポンドに対してムトトは122ポンドだったし、ムトトがこの勝利をきっかけに欧州最強古馬の座へと上り詰めていく事を考えると、恥ずかしい敗戦では無かった。

その後はしばらくレースに出ず、8月の英国際S(英GⅠ・T10F110Y)で復帰した。主な対戦相手は、前年のジャパンC11着後にガネー賞・コロネーションCを勝ちエクリプスSでムトトの3着・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSでも3着していたトリプティク、この年の愛ダービー・ディーSの勝ち馬サーハリールイスなどだった。しかしここでは本馬は凡走。勝ったトリプティクから優に20馬身以上の差をつけられた7着と惨敗した。次走のセレクトS(英GⅢ・T10F)では、134ポンドの斤量が効いたようで、斤量118ポンドの英ダービー2着馬モストウェルカムの2馬身半差3着に敗退。

その後は活躍の場を米国に求め、セレクトSから僅か15日後にはベルモントパーク競馬場に姿を現して、ターフクラシックS(米GⅠ・T12F)に参戦。ハイアリアターフC・ボーリンググリーンH・ソードダンサーH・デリンズタウンスタッドダービートライアルS・レッドスミスHの勝ち馬で愛ダービー・BCターフ・ベルリン大賞・オークツリー招待H2着のシアトリカル、モーリスドニュイユ賞・ポモーヌ賞の勝ち馬リヴァーメモリーズ、サンルイオビスポH・セネカH・バーナードバルークHの勝ち馬で前走マンハッタンH2着のタラケノなどが対戦相手となった。結果はシアトリカルが勝ち、本馬は6着最下位に終わった。

このレース後に本馬は、英国出身ながらもこの当時は米国カリフォルニア州を拠点としていたジョン・ゴスデン調教師の元に転厩。米国に腰を据えることになったため、ここでスターキー騎手とはお別れとなった。

まずは前走から5週間後、11月のオークツリー招待H(米GⅠ・T12F)に出走した。対戦相手は、ハリウッド招待ターフH・カールトンFバークH・ゴールデンゲートH・エスペランス賞の勝ち馬でサンフアンカピストラーノ招待H・サンセットH3着のリヴリア、カールトンFバークH・サンルイオビスポH・フォルス賞の勝ち馬でサンルイレイS2着のルイルグランといった地元米国芝路線のGⅠ競走勝ち馬達だった。しかしクリス・マッキャロン騎手とコンビを組んだ本馬が、2着ルイルグランに2馬身半差、3着リヴリアにはさらに3/4馬身差をつけて勝利を収め、GⅠ競走2勝目を挙げた。

引き続き、ハリウッドパーク競馬場で行われたBCターフ(米GⅠ・T12F)に参戦。対戦相手は、ターフクラシックSの次走マンノウォーSも勝ってきたシアトリカル、ルイルグラン、リヴリア、本馬が惨敗した英国際Sで3着だったサーハリールイス、本馬が惨敗した英セントレジャー4着後すぐに米国に移籍してサンセットH・デルマー招待Hを勝っていたスウィンク、凱旋門賞・ニエル賞の勝ち馬でリュパン賞・仏ダービー2着のトランポリノ、ヨークシャーオークス・ヴェルメイユ賞・プリティポリーSの勝ち馬ビントパシャ、コンセイユドパリ賞の勝ち馬ヴィレッジスター、ワシントンDC国際Sで2着してきた翌年のBCターフ勝ち馬グレートコミュニケーター、ラスパルマスHを勝ってきたオータムグリッター、ローレルターフカップS・ロイヤルパームHの勝ち馬ストームオンザルースなどだった。シアトリカルとルイルグランのカップリングが単勝オッズ2.8倍の1番人気、トランポリノが単勝オッズ3.6倍の2番人気、リヴリアとスウィンクのカップリングが単勝オッズ5.2倍の3番人気、本馬が単勝オッズ8.3倍の4番人気となった。スタートが切られるとグレートコミュニケーターが先頭に立ち、本馬は馬群の中団を追走した。グレートコミュニケーターが快調に先頭を飛ばしたためにかなり縦長の展開となったが、向こう正面でグレートコミュニケーターが失速すると後方各馬の差が一斉に縮まった。本馬も内側を上手く通って5番手で直線に入ってきた。しかし直線に入ってからの伸びが無く、勝ったシアトリカルから5馬身3/4差の8着に敗れた。

その後はハリウッドターフC(米GⅠ・T12F)に出走した。しかし前走BCターフで単勝オッズ148.3倍の最低人気ながら4着と健闘していたヴィルザクがグレード競走初勝利を挙げ、本馬は11着に惨敗。このレースを最後に、4歳時8戦2勝の成績で競走馬を引退した。

血統

Tom Rolfe Ribot Tenerani Bellini Cavaliere d'Arpino
Bella Minna
Tofanella Apelle
Try Try Again
Romanella El Greco Pharos
Gay Gamp
Barbara Burrini Papyrus
Bucolic
Pocahontas Roman Sir Gallahad Teddy
Plucky Liege
Buckup Buchan
Look Up
How Princequillo Prince Rose
Cosquilla
The Squaw Sickle
Minnewaska
Why Me Lord Bold Reasoning Boldnesian Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Alanesian Polynesian
Alablue
Reason to Earn Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Sailing Home Wait a Bit
Marching Home
Tomorrowland Pappa Fourway Pappageno Prince Rose
Kassala
Oola Hills Denturius
Chikoo
Gleam Tournoi Tourbillon
Eroica
Flaring Top Menow
Flaming Top

トムロルフは当馬の項を参照。

母ホワイミーロードは現役成績11戦1勝。繁殖牝馬としては4番子の本馬を含めて11頭の子を産んだが、競走馬として活躍したのは本馬くらいである。しかし日本に繁殖牝馬として輸入された本馬の半妹ローズヘレン(父リファール)の孫にカシノヨウスケ【霧島賞】が、日本に外国産馬として輸入された本馬の半妹アドベンチャーオン(父リローンチ)の子にケイアイガード【ラジオたんぱ賞(GⅢ)】が、本馬の半妹ジャワギャル(父ジャワゴールド)の子にゲットシリアス【レッドバンクS(米GⅢ)3回・モンマスS(米GⅢ)・オーシャンポートS(米GⅢ)】がおり、牝系は維持されている。ホワイミーロードは息子の本馬と異なりかなり長生きした馬で、1997年に繁殖牝馬を引退した後もギャラガーズファームで悠々自適の余生を送り、2006年に32歳で大往生した。ホワイミーロードの母トゥモローランドの半姉コズオニジンスキーの子には日本で種牡馬として活躍したロイヤルスキー【ローレルフューチュリティ(米GⅠ)・レムセンS(米GⅡ)・ヘリテージS(米GⅢ)】、曾孫にはホクトロビン【スパーキングレディーC(GⅢ)・エメラルドC】がいる。トゥモローランドの母グリームは、加国最大の競走クイーンズプレートを勝った牝馬フレーミングページの半姉。フレーミングページの息子であるニジンスキー、孫であるザミンストレルは本馬の近親に当たる。→牝系:F8号族②

母父ボールドリーズニングはシアトルスルーの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はすぐに日本に輸入されて種牡馬入りした。初年度の1988年は60頭、2年目は51頭、3年目は62頭、4年目の1991年は50頭の繁殖牝馬を集めた。本馬はその血統背景や競走成績などから、産駒は仕上がりが遅めの中長距離馬に出ると予測されていた。ところが1991年にデビューした初年度産駒は良い意味で予測を裏切った。京成杯三歳を勝ち朝日杯三歳Sでミホノブルボンに鼻差まで迫ったヤマニンミラクルを筆頭に、仕上がり早い快速馬が多かったのである。ヤマニンミラクルの活躍を受けて本馬の種牡馬人気は上昇し、5年目は94頭、6年目は78頭、7年目は85頭、8年目の1995年は89頭の繁殖牝馬を集めた。しかしこの1995年に病気のため12歳で他界した。本馬の死後も産駒は活躍し、1997年にはメイショウモトナリなどの活躍により全日本種牡馬ランキングで9位に食い込み、翌1998年には17位となった。初期の産駒は仕上がり早い芝向きの短距離馬が多かったが、中期以降は、中距離馬、ダート馬、障害競走馬、晩成馬なども出ており、かなりバラエティに富んでいた。母の父としてはバランスオブゲームやフェイムゲームなどを出している。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1989

アレアズマ

NTV盃(船橋)

1989

ヤマニンミラクル

京成杯三歳S(GⅡ)

1990

ハヤテサカエオー

ほくてつニューイヤーC(金沢)・あすなろ賞(金沢)・百万石賞(金沢)・スプリンターズC(金沢)・白山大賞典(金沢)・北國王冠(金沢)

1991

マリーゴッド

函館三歳S(GⅢ)

1991

ヤマニンアビリティ

京成杯三歳S(GⅡ)

1992

ロードミライ

しもつけ弥生賞(宇都宮)

1993

キャロルウインド

サラブレッド大賞典(荒尾)

1993

マダムオリンピア

黒潮乙女賞(高知)

1993

メジロファラオ

中山グランドジャンプ(JGⅠ)

1994

ビンゴビクトリー

北日本新聞杯(金沢)・北陸三県畜産会長賞(金沢)・読売レディス杯(金沢)

1994

メイショウモトナリ

スーパーダートダービー(GⅡ)・北海道スプリントC(GⅢ)・名古屋大賞典(GⅢ)・かきつばた記念(GⅢ)

1996

トッキーステルス

戸塚記念(南関GⅢ)

1996

ベラミロード

東京盃(GⅡ)・TCK女王盃(GⅢ)・しもつけさつき賞(宇都宮)・北関東ダービー(宇都宮)・しもつけ四歳スプリンターズC(宇都宮)・しもつけ菊花賞(宇都宮)・カネユタカオー記念(宇都宮)

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