和名:ロイヤルチャージャー |
英名:Royal Charger |
1942年生 |
牡 |
栗毛 |
父:ネアルコ |
母:サンプリンセス |
母父:ソラリオ |
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叔父のナスルーラ、ニアークティックと共に父ネアルコの三代主流血脈を構築し、日本競馬界を制圧しているヘイルトゥリーズン系の始祖となる |
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競走成績:2~4歳時に英で走り通算成績20戦6勝2着7回3着2回 |
誕生からデビュー前まで
ジョン・ジャービス卿により生産・所有された英国産馬で、英国ニューマーケットに厩舎を構えていたジャック・ジャービス調教師(本名はジョン・ジャービス氏だが本馬の生産者とは同名の別人で血縁関係も無い。ブルーピーターの管理調教師として知られる)に預けられた。
競走生活
2歳時にデビューしたが、2着が2回あるだけで2歳戦では未勝利に終わった。3歳時には英2000ギニー(T8F)に参戦しており、勝ったコートマーシャルと後の英ダービー馬ダンテの首差接戦から2馬身差の3着と好走した。英2000ギニーと同じ月にはケンプトンパーク競馬場でデュークオブヨークS(T10F)に出走して、ハイステークスの2着となっている。10月にはニューマーケット競馬場でチャレンジS(T6F)に出走して、同年のナンソープS勝ち馬ゴールデンクラウドを2着に破って勝利した。4歳時にはクイーンアンS(T8F)に出走して勝利。次走のキングズスタンドS(T5F)では、3歳馬ヴィルモラン、ゴールデンクラウドの2頭に続く3着だった。7月のスチュワーズC(T6F)では、コミッサールの頭差2着だった。9月のエアー金杯(T6F)では133ポンドを背負いながらも勝利した。連覇を狙ったチャレンジS(T6F)では、3歳牝馬デイリーダブルの2着に敗れた。この年を最後に競走馬を引退している。
血統
Nearco | Pharos | Phalaris | Polymelus | Cyllene |
Maid Marian | ||||
Bromus | Sainfoin | |||
Cheery | ||||
Scapa Flow | Chaucer | St. Simon | ||
Canterbury Pilgrim | ||||
Anchora | Love Wisely | |||
Eryholme | ||||
Nogara | Havresac | Rabelais | St. Simon | |
Satirical | ||||
Hors Concours | Ajax | |||
Simona | ||||
Catnip | Spearmint | Carbine | ||
Maid of the Mint | ||||
Sibola | The Sailor Prince | |||
Saluda | ||||
Sun Princess | Solario | Gainsborough | Bayardo | Bay Ronald |
Galicia | ||||
Rosedrop | St. Frusquin | |||
Rosaline | ||||
Sun Worship | Sundridge | Amphion | ||
Sierra | ||||
Doctrine | Ayrshire | |||
Axiom | ||||
Mumtaz Begum | Blenheim | Blandford | Swynford | |
Blanche | ||||
Malva | Charles O'Malley | |||
Wild Arum | ||||
Mumtaz Mahal | The Tetrarch | Roi Herode | ||
Vahren | ||||
Lady Josephine | Sundridge | |||
Americus Girl |
父ネアルコは当馬の項を参照。
母サンプリンセスは不出走馬だが、繁殖牝馬としては13頭の産駒を産み、うち11頭が競走馬となり、うち9頭が勝ち上がる優秀な成績を収めた。本馬以外にも、本馬の半弟ラッキーバッグ(父ウインザースリッパー)【アールオブチェスターS2回・ヨークファルマスS】、半妹アラッシオ(父ダンテ)【コンヴィヴィアルS】、全妹テッサギリアン【モールコームS】、半弟フラヌール(父プリンスシュヴァリエ)【リリーアグネスフォールS・ニューハムフォールS】の4頭がステークス競走を勝っている。
アラッシオの牝系子孫には、インヴァーマーク【カドラン賞(仏GⅠ)】、スウィートストリーム【ヴェルメイユ賞(仏GⅠ)】、ブラックステアマウンテン【中山グランドジャンプ(日JGⅠ)】が、テッサギリアンの孫にはダーバーヴィル【ノーフォークS・テンプルS・キングズスタンドS】、曾孫にはオンザハウス【英1000ギニー(英GⅠ)・サセックスS(英GⅠ)】、ハビブティ【ジュライC(英GⅠ)・アベイドロンシャン賞(仏GⅠ)・キングズスタンドS(英GⅠ)】、玄孫にはオクタゴナル【コックスプレート(豪GⅠ)・AJCサイアーズプロデュースS(豪GⅠ)・カンタベリーギニー(豪GⅠ)・ローズヒルギニー(豪GⅠ)・メルセデスクラシック(豪GⅠ)2回・AJCダービー(豪GⅠ)・アンダーウッドS(豪GⅠ)・チッピングノートンS(豪GⅠ)・オーストラリアンC(豪GⅠ)】、ムアワド【オーストラリアンギニー(豪GⅠ)・豪フューチュリティS(豪GⅠ)・ジョージライダーS(豪GⅠ)】、牝系子孫には、デーンウイン【スプリングチャンピオンS(豪GⅠ)・ローズヒルギニー(豪GⅠ)・ドゥーンベンC(豪GⅠ)・コーフィールドS(豪GⅠ)・マッキノンS(豪GⅠ)】、レベッカシャープ【コロネーションS(英GⅠ)】、ヴァイカウント【AJCサイアーズプロデュースS(豪GⅠ)・豪シャンペンS(豪GⅠ)・ジョージメインS(豪GⅠ)】、モルシュディ【伊ダービー(伊GⅠ)・バーデン大賞(独GⅠ)】、ゴールデンホーン【英ダービー(英GⅠ)・凱旋門賞(仏GⅠ)・エクリプスS(英GⅠ)・愛チャンピオンS(愛GⅠ)】などがいる。
サンプリンセスの母はムムタズビガムで、その母は名牝ムムタズマハル。サンプリンセスの半弟には大種牡馬ナスルーラがいるという世界的名牝系であり、近親には数々の活躍馬がいるが、その詳細はムムタズマハルやナスルーラなどの項を参照してほしい。→牝系:F9号族③
母父ソラリオは当馬の項を参照。
競走馬引退後
競走馬を引退した本馬は愛国ナショナルスタッドによって5万2千ポンドで購入されて同牧場で種牡馬入りした。本馬が種牡馬生活を開始した1947年は、当時同じく愛国で種牡馬生活を送っていた叔父ナスルーラの初年度産駒がまだ2歳の時だった。そのため本馬の種牡馬生活初期においてはナスルーラの種牡馬成績の威光はあまり無かったが、それでも早い段階からロイヤルセレナーデなどの活躍馬を送り出した。
後にナスルーラが種牡馬として成功して1950年に米国に輸出されると、本馬もまた後を追うように、1953年に米国の馬産家ジョージ・ダントン・ワイドナー・ジュニア氏に購入されて、彼が所有していた米国ケンタッキー州オールドケニーファーム(別名エルデンハイムファーム)へと移動した。欧州繋養時代に出した産駒の中にはロイヤルチャレンヂャーやターントゥもいた。米国における本馬は、当時最高級の種付け料1万ドルを誇る人気種牡馬となった。本馬は最終的には55頭のステークスウイナーを出した。繁殖牝馬の父としてもマジェスティックプリンスなど70頭以上のステークスウイナーを出している。1961年11月に19歳で他界し、遺体はオールドケニーファームに埋葬された。なお、オールドケニーファームの墓地は後にスペンドスリフトファームの区画拡張に伴い同牧場の敷地となっている。
本馬の後継種牡馬としてはターントゥが成功を収めた。ターントゥの後継種牡馬であるサーゲイロードやヘイルトゥリーズンが直系を伸ばし、本馬はナスルーラ、ニアークティックと共にネアルコ産駒三代主流血脈の一つの祖と言われるようになった。特にヘイルトゥリーズンの直系からはブライアンズタイムやサンデーサイレンスなどが登場し、現在の日本競馬界は本馬の直系により席巻されている。ターントゥ以外の後継種牡馬としては、日本に輸入されたロイヤルチャレンヂャーが挙げられ、名馬スピードシンボリ、その娘スイートルナの子のシンボリルドルフに血が受け継がれている。
主な産駒一覧
生年 |
産駒名 |
勝ち鞍 |
1948 |
Royal Serenade |
ナンソープS2回・コーク&オラリーS・キングジョージS・ハリウッド金杯・アメリカンH |
1949 |
Mab's Choice |
ディスタフH |
1950 |
Happy Laughter |
英1000ギニー・コロネーションS・ナッソーS・チャイルドS |
1950 |
Royal Duchy |
愛フェニックスS・ロウザーS |
1950 |
Sea Charger |
ナショナルS・愛2000ギニー・愛セントレジャー |
1951 |
Royal Challenger |
ミドルパークS |
1951 |
サラトガスペシャルS・フラミンゴS・ガーデンステートS |
|
1952 |
My Kingdom |
サセックスS |
1952 |
Royal Palm |
ナンソープS・ホーリスヒルS・チャレンジS |
1953 |
Gilles de Retz |
英2000ギニー |
1954 |
Royal Rasher |
デルマーオークス |
1954 |
Seaneen |
サンカルロスH・カリフォルニアンS |
1954 |
Sun Charger |
ロイヤルS |
1955 |
Idun |
メイトロンS・フリゼットS・マザーグースS・ガゼルH・マスケットH |
1956 |
Finnegan |
サンフェリペS・カリフォルニアダービー・ロサンゼルスH |
1956 |
Royal Native |
モンマスオークス・スピンスターS・トップフライトH・スワニーリヴァーH・ブラックヘレンH・モリーピッチャーH・アーリントンメイトロンH・ヴァインランドH |
1956 |
Royal Orbit |
プリークネスS |
1957 |
Francis S. |
ウッドメモリアルS・ドワイヤーH・ベイショアH |
1957 |
Irish Lancer |
サラトガスペシャルS・ランプライターH |
1959 |
Mongo |
ワシントンDC国際S・ユナイテッドネーションズH2回・ワイドナーH・モンマスH・ベルモントレキシントンH・トレントンH2回・ジョンBキャンベルH |
1959 |
Rainy Lake |
パームビーチS |
1959 |
Royal Attack |
サンタアニタダービー |
1959 |
Royal Patrice |
レディーズH・パッカーアップS・ベッドオローゼズH |
1959 |
Table Mate |
サンタモニカH・ヴァニティH |
1962 |
Royal Gunner |
コーンハスカーH |