和名:ウッドマン |
英名:Woodman |
1983年生 |
牡 |
栗毛 |
父:ミスタープロスペクター |
母:プレイメイト |
母父:バックパサー |
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競走馬としては単なる早熟馬だったが種牡馬としては同じ早熟ながら一流の競走馬を続出させたミスタープロスペクター最良の後継種牡馬 |
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競走成績:2・3歳時に愛英で走り通算成績5戦3勝3着1回 |
誕生からデビュー前まで
米国ケンタッキー州において、エルミタージュファームの牧場主ワーナー・L・ジョーンズ・ジュニア氏とエドワード・A・コックス・ジュニア氏の両名により生産された。1歳7月のキーンランドセールに出品され、ミスタープロスペクター産駒としては当時の史上最高額となる300万ドルで英国の名物馬主ロバート・サングスター氏に購入され、愛国ヴィンセント・オブライエン調教師に預けられた。
競走生活
2歳時は期待に応える活躍を示し、カラー競馬場で行われた芝6ハロンの未勝利戦でデビューして勝ち上がると、次走のアングルシーS(愛GⅢ・T6F63Y)も1馬身半差で勝利した。さらに愛フューチュリティS(愛GⅢ・T8F)も3/4馬身差で勝って3連勝。その後は仏国に渡ってサラマンドル賞に出走する予定だったが、航空会社のストライキのために断念した。
代わりに英国に渡って出走したデューハーストS(英GⅠ・T7F)では、ハンティングデールの2馬身半差5着に敗退。2歳時の成績は4戦3勝となったが、英タイムフォーム社のレーティングでは126ポンドの評価を得た。これは愛国調教の2歳馬としてはこの年の最高値で、同世代の2歳馬全体でも第6位タイ(1位はハンティングデールの132ポンド)だった。
しかし3歳になると順調さを欠き、4月にカラー競馬場で行われたミルリッジS(T6F)でヤングブレードの3着したのみ。結局3歳時は僅か1戦のみで現役を引退した。
血統
Mr. Prospector | Raise a Native | Native Dancer | Polynesian | Unbreakable |
Black Polly | ||||
Geisha | Discovery | |||
Miyako | ||||
Raise You | Case Ace | Teddy | ||
Sweetheart | ||||
Lady Glory | American Flag | |||
Beloved | ||||
Gold Digger | Nashua | Nasrullah | Nearco | |
Mumtaz Begum | ||||
Segula | Johnstown | |||
Sekhmet | ||||
Sequence | Count Fleet | Reigh Count | ||
Quickly | ||||
Miss Dogwood | Bull Dog | |||
Myrtlewood | ||||
プレイメイト | Buckpasser | Tom Fool | Menow | Pharamond |
Alcibiades | ||||
Gaga | Bull Dog | |||
Alpoise | ||||
Busanda | War Admiral | Man o'War | ||
Brushup | ||||
Businesslike | Blue Larkspur | |||
La Troienne | ||||
Intriguing | Swaps | Khaled | Hyperion | |
Eclair | ||||
Iron Reward | Beau Pere | |||
Iron Maiden | ||||
Glamour | Nasrullah | Nearco | ||
Mumtaz Begum | ||||
Striking | War Admiral | |||
Baby League |
父ミスタープロスペクターは当馬の項を参照。
母プレイメイトは現役成績5戦未勝利。米国の名馬産家オグデン・フィップス氏の生産馬で、競走馬引退後に本馬の生産者ジョーンズ氏とコックス氏に購入されて繁殖入りしていた。1993年に日本に繁殖牝馬として輸入されているが、輸入時に既に18歳と高齢だった影響もあったのか、日本では不成功に終わった。また、本馬の4歳年下の全弟ガダボートも現役成績6戦1勝ながら血統が買われて、最初は愛国で、後に日本で種牡馬入りしているが、種牡馬として成功は出来なかった。プレイメイトの他の子には、本馬やガダボートの半妹で、繁殖牝馬として日本に輸入されたクラウンフォレスト(父チーフズクラウン)がいる。クラウンフォレストの子には、競走馬としては7戦4勝で重賞勝ちも無かったが種牡馬として複数の重賞勝ち馬を出しているニューイングランドが、孫にはハンソデバンド【共同通信杯(GⅢ)】がいる。
プレイメイトの全姉には1972年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選ばれたナンバードアカウント【スピナウェイS・メイトロンS・フリゼットS・セリマS・スカイラヴィルS・プライオレスS・テストS・マスケットH・マッチメイカーS・スピンスターS】、全兄にはカンニングトリック【アーリントンH(米GⅡ)・ギャラントフォックスH(米GⅡ)】がいる。ナンバードアカウントの子にはプライヴェートアカウント【ワイドナーH(米GⅠ)・ガルフストリームパーク(米GⅠ)・ジムダンディS(米GⅢ)】とダンスナンバー【ベルデイムS(米GⅠ)・シュヴィーH(米GⅡ)】、孫にはアサティス【伊ジョッキークラブ大賞(伊GⅠ)】と1989年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬リズム【BCジュヴェナイル(米GⅠ)・トラヴァーズS(米GⅠ)】、曾孫にはジローラモ【ヴォスバーグS(米GⅠ)】、牝系子孫にはブルーグラスキャット【ハスケル招待H(米GⅠ)】、フロストジャイアント【サバーバンH(米GⅠ)】、スーパーセイヴァー【ケンタッキーダービー(米GⅠ)】、イマジニング【マンノウォーS(米GⅠ)】、コールバック【ラスヴァージネスS(米GⅠ)】などがいる。
プレイメイトの全姉ファシネイティングトリックの孫にはリダットーレ【ブラジル共和国大統領大賞(伯GⅠ)・エディリードH(米GⅠ)・シューメーカーマイルS(米GⅠ)】、曾孫にはディスタントウェイ【伊共和国大統領賞(伊GⅠ)2回】がいる。プレイメイトの全姉スペシャルアカウントの曾孫にはヘリテージオブゴールド【アップルブロッサムH(米GⅠ)・ゴーフォーワンドH(米GⅠ)】とアメリカアライヴ【ターフクラシックS(米GⅠ)】がいる。プレイメイトの4代母ベビーリーグは、米国最高の名門牝系の祖ラトロワンヌの後継繁殖牝馬の代表格であり、近親には数え切れないほどの活躍馬がいる。→牝系:F1号族②
母父バックパサーは当馬の項を参照。
競走馬引退後
競走馬を引退した本馬は、クールモアグループが所有する米国ケンタッキー州アッシュフォードスタッドで種牡馬入りした。本馬は競走成績だけ見れば単なる早熟馬であり、種牡馬としても当初の期待はそれほどではなかったが、産駒がデビューすると評価が一変。初年度産駒45頭の中から欧州2歳王者ヘクタープロテクター、プリークネスS・ベルモントS勝ち馬ハンセル、英国2歳王者ムジタヒドなどが出現して、1990年における新種牡馬ランキングトップ、欧米統一2歳首位種牡馬、及び仏2歳首位種牡馬に輝き、一躍人気種牡馬となった。
その後も日本を含む世界各国で一流馬を続出させ、ミスタープロスペクター最良の後継種牡馬としての地位を固めた。1992年には種付け料が10万ドルに達した。1994年には2度目の欧米統一2歳首位種牡馬、1998年には2度目の仏2歳首位種牡馬を獲得。クールモア繋養種牡馬の例として、1997年から南半球にもリースされた(1年だけブラジル、他の年は豪州)。この1997年には北半球で174頭、南半球で137頭もの繁殖牝馬を集め、合計311頭はこの年世界最高の交配数だった(しかし北半球では成功した本馬も南半球ではあまり成功できず、2001年に45頭と交配したのを最後にリースは打ち切られた)。
産駒のステークスウイナーはミスタープロスペクター直子種牡馬として初の快挙となる100頭超えを達成している。産駒の傾向としては、芝・ダートを問わない短距離馬が多く、仕上がりは早いが成長力には欠ける。繁殖牝馬の父としても優秀で、100頭以上のステークスウイナーを出している。2007年7月に老衰による衰弱のためアッシュフォードスタッドにおいて24歳で安楽死の措置が執られた。
後継種牡馬にはそれほど恵まれておらず、ヘクタープロテクターやティンバーカントリーが日本でそれなりの活躍を示し、ハンセル、ムジタヒド、ホークウイングなども海外で一定の実績は残したが、いずれも父に比べると程遠い。母父としてはアストンマーチャン、エイシンデピュティなどを出している。
主な産駒一覧
生年 |
産駒名 |
勝ち鞍 |
1988 |
プリークネスS(米GⅠ)・ベルモントS(米GⅠ)・アーリントンワシントンフューチュリティ(米GⅡ)・ジムビームS(米GⅡ)・レキシントンS(米GⅡ)・トレモントBCS(米GⅢ) |
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1988 |
モルニ賞(仏GⅠ)・サラマンドル賞(仏GⅠ)・仏グランクリテリウム(仏GⅠ)・仏2000ギニー(仏GⅠ)・ジャックルマロワ賞(仏GⅠ)・カブール賞(仏GⅢ)・フォンテーヌブロー賞(仏GⅢ) |
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1988 |
Mujtahid |
ジムクラックS(英GⅡ)・ジュライS(英GⅢ) |
1990 |
Andromaque |
オペラ賞(仏GⅡ) |
1990 |
Woods of Windsor |
フェデリコテシオS(米GⅢ) |
1990 |
Wootton Rivers |
グイドベラルデリ賞(伊GⅡ) |
1991 |
Bound by Honor |
トロピカルパークH(米GⅢ) |
1991 |
Lahint |
コノートC(加GⅢ) |
1991 |
Mahogany Hall |
ホイットニーH(米GⅠ) |
1991 |
Wood of Binn |
エクリプス賞(仏GⅢ) |
1992 |
Gay Gallanta |
チェヴァリーパークS(英GⅠ)・クイーンメアリーS(英GⅢ) |
1992 |
Genovefa |
ロワイヨモン賞(仏GⅢ) |
1992 |
Kathie's Colleen |
モンマスオークス(米GⅡ) |
1992 |
BCジュヴェナイル(米GⅠ)・プリークネスS(米GⅠ)・シャンペンS(米GⅠ)・バルボアS(米GⅢ) |
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1992 |
ヒシアケボノ |
スプリンターズS(GⅠ)・スワンS(GⅡ) |
1993 |
英1000ギニー(英GⅠ)・英チャンピオンS(英GⅠ)・フィリーズマイル(英GⅠ)・プリンスオブウェールズS(英GⅡ)・フレッドダーリンS(英GⅢ)・ブリガディアジェラードS(英GⅢ) |
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1993 |
Fleur de Nuit |
マッチメイカーS(米GⅢ) |
1993 |
Woodborough |
アングルシーS(愛GⅢ) |
1994 |
Bahhare |
英シャンペンS(英GⅡ) |
1994 |
Shell Ginger |
キラヴーランS(愛GⅢ) |
1994 |
スピードワールド |
京成杯(GⅢ) |
1994 |
レイズスズラン |
浦和記念(GⅡ)・さきたま杯(GⅢ)2回 |
1995 |
Woodland Melody |
カルヴァドス賞(仏GⅢ) |
1995 |
ロードアックス |
ラジオたんぱ杯三歳S(GⅢ) |
1996 |
Hula Angel |
愛1000ギニー(愛GⅠ)・ロックフェルS(英GⅡ) |
1996 |
Major Force |
テトラークS(愛GⅢ)・マクドナボーランドS(愛GⅢ) |
1996 |
Patience Game |
ダービートライアルS(米GⅢ) |
1996 |
Way of Light |
仏グランクリテリウム(仏GⅠ) |
1996 |
Woodcarver |
クイーンズプレート |
1997 |
Ciro |
仏グランクリテリウム(仏GⅠ)・リュパン賞(仏GⅠ)・セクレタリアトS(米GⅠ)・ローレンスリアライゼーションH(米GⅢ) |
1997 |
Runspastum |
オーシャンポートH(米GⅢ) |
1998 |
Illusioned |
アクアクH(米GⅢ) |
1998 |
ロードプリヴェイル |
京都ハイジャンプ(JGⅡ)・小倉サマージャンプ(JGⅢ)・阪神ジャンプS(JGⅢ) |
1999 |
Chiselling |
セクレタリアトS(米GⅠ)・レキシントンS(米GⅢ) |
1999 |
愛ナショナルS(愛GⅠ)・エクリプスS(英GⅠ)・ロッキンジS(英GⅠ)・愛フューチュリティS(愛GⅡ) |
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2000 |
Lismore Knight |
サマーS(加GⅡ)・アーリントンクラシックS(米GⅡ) |
2000 |
Sue's Good News |
シンガポールプレート(米GⅢ) |
2002 |
Fishy Advice |
ニッカボッカーH(米GⅢ) |