レッドゴッド

和名:レッドゴッド

英名:Red God

1954年生

栗毛

父:ナスルーラ

母:スプリングラン

母父:メノウ

競走馬としても種牡馬としても抜群の成功を収めたわけではないが、代表産駒ブラッシンググルームの活躍により後世に名を残す

競走成績:2~5歳時に英米で走り通算成績14戦5勝2着3回

誕生からデビュー前まで

最初は英国や愛国で種牡馬生活を送っていた父ナスルーラが米国ケンタッキー州クレイボーンファームに移動した後に輩出した産駒である。生産・所有者は本馬が誕生する前年のケンタッキーダービーにおいてネイティヴダンサーに唯一の黒星をつけたダークスターの所有者ハリー・フランク・グッゲンハイム大尉だった。英国セシル・ロッチフォート調教師に預けられ、2歳時に英国でデビューした。

競走生活

リッチモンドS(T6F)では、ニューS勝ち馬スキンドレスホテルやコヴェントリーS勝ち馬メスメイトを破って勝利した。その後の英シャンペンS(T6F)では、ジムクラックS勝ち馬ユデイモンの頭差2着に敗れた。この後、グッゲンハイム氏は本馬をケンタッキーダービーに参戦させる意思を抱き、本馬を米国に連れて行った。米国初戦は勝利したが、このレース中に負傷してしまい、ケンタッキーダービーを始めとする米国三冠競走はおろか、3歳シーズン全てを棒に振ってしまった。

4歳時に復帰すると、ロースベンH(D7F)では同年のブルックリンH・ホイットニーHを勝利するコーホーズを2着に破って勝利。ブランディワインターフH(T8.5F)では、後のマンノウォーS勝ち馬テューダーエラの2着だった。米国では5歳時まで走ったが、ブランディワインターフH以降はステークス競走で入着する事無く競走馬を引退した。

血統

Nasrullah Nearco Pharos Phalaris Polymelus
Bromus
Scapa Flow Chaucer
Anchora
Nogara Havresac Rabelais
Hors Concours
Catnip Spearmint
Sibola
Mumtaz Begum Blenheim Blandford Swynford
Blanche
Malva Charles O'Malley
Wild Arum
Mumtaz Mahal The Tetrarch Roi Herode
Vahren
Lady Josephine Sundridge
Americus Girl
Spring Run Menow Pharamond Phalaris Polymelus
Bromus
Selene Chaucer
Serenissima
Alcibiades Supremus Ultimus
Mandy Hamilton
Regal Roman Roi Herode
Lady Cicero
Boola Brook Bull Dog Teddy Ajax
Rondeau
Plucky Liege Spearmint
Concertina
Brookdale Peter Pan Commando
Cinderella
Sweepaway Wild Mint
Pink Domino

ナスルーラは当馬の項を参照。

母スプリングランは不出走馬。繁殖牝馬としては本馬の全兄レーシングフール(父ジェットパイロット)【ブルーグラスS】、半弟で種牡馬となったアップスピリッツ(父ターントゥ)も産んでいる。本馬の半妹スプリングミューズ(父アンビオリクス)の孫にはイカニミティ【ファンタジーS(米GⅠ)】、牝系子孫にはブラスハット【ドンH(米GⅠ)】がいる。また、本馬の全妹ホイスリングウインドは日本に繁殖牝馬として輸入されて牝系を伸ばし、子にマルブツウイドー【京都大障害春】、孫にダイナブリーズ【ダイヤモンドS(GⅢ)】、曾孫にエイシンサンサン【小倉三歳S(GⅢ)】とエイシンイットオー【小倉三歳S(GⅢ)】の姉弟、玄孫にエイシンニーザン【阪神スプリングジャンプ(JGⅢ)】とエーシンディーエス【京都ハイジャンプ(JGⅡ)】の兄弟を出した。

スプリングランの半姉アドミラルズレディ(父ウォーアドミラル)の子にはクラフティアドミラル【ブルックリンH・パームビーチS・ガルフストリームパークH2回・ワシントンパークH・セミノールH・ニューヨークH】、孫にはボーパープル【ブルックリンH・サバーバンH・マンノウォーS・ワイドナーH】がいる。スプリングランの曾祖母スウィープアウェイは、1910年のベルモントS勝ち馬で種牡馬としても成功したスウィープの半妹である。→牝系:F8号族③

母父メノウはトムフールの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、1960年から愛国キルデア州ロートンスタッドで種牡馬生活を開始した。種牡馬としては2歳戦から活躍する仕上がり早い短距離馬を多く出した。本馬が種牡馬として最も名を馳せたのは晩年になってからだった。13年目産駒のレッドロードが1976年の仏2000ギニーを優勝し、同年には14年目産駒に当たるブラッシンググルームが仏国2歳戦で大活躍した。さらにブラッシンググルームは翌年の仏2000ギニーも制し、本馬の産駒が2年連続で仏2000ギニーを勝った事で、ようやく本馬は一目置かれる存在となった。しかしブラッシンググルームが活躍した時期には既に本馬は老齢に差しかかっており、その後にブラッシンググルームに比肩するような産駒を出すことは無く、1979年に腸捻転のため25歳で他界した。しかし、ブラッシンググルームが後継種牡馬として大きな成功を収めたため、その父である本馬も、ナスルーラの後継種牡馬の一頭として後世に名を残す事となった。ブラッシンググルーム以外の後継種牡馬には、日本で活躍したイエローゴッドがいる。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1961

Ela Marita

フレッドダーリンS・ムシドラS

1961

Red Vagabonde

レゼルヴォワ賞・ラクープドメゾンラフィット

1961

Ruby Laser

パレスハウスS

1962

Regal Pink

モールコームS

1966

Folle Rousse

ロベールパパン賞

1967

Yellow God

ジムクラックS・パレロワイヤル賞

1968

Green God

スプリントC(英GⅡ)

1970

Jacinth

チェヴァリーパークS(英GⅠ)・コロネーションS(英GⅡ)・チャイルドS(英GⅢ)・グッドウッドマイル(英GⅢ)

1971

Bayraan

シェーヌ賞(仏GⅢ)・セーネワーズ賞(仏GⅢ)

1971

Red Alert

スチュワーズC

1973

Red Lord

仏2000ギニー(仏GⅠ)

1974

Blushing Groom

ロベールパパン賞(仏GⅠ)・モルニ賞(仏GⅠ)・サラマンドル賞(仏GⅠ)・仏グランクリテリウム(仏GⅠ)・仏2000ギニー(仏GⅠ)・フォンテーヌブロー賞(仏GⅢ)

1976

Greenland Park

クイーンメアリーS(英GⅢ)・モールコームS(英GⅢ)・コーンウォリスS(英GⅢ)

1976

Stanford

ジムクラックS(英GⅡ)

1979

Naishakar

リゾランジ賞(仏GⅢ)

1979

Red Sunset

コヴェントリーS(英GⅡ)

1979

Valiyar

クイーンアンS(英GⅢ)

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