スキャン

和名:スキャン

英名:Scan

1988年生

鹿毛

父:ミスタープロスペクター

母:ヴィデオ

母父:ニジンスキー

名種牡馬カーリアンの全妹を母に持つ米国GⅠ競走2勝の良血馬は日本でも種牡馬としてダート巧者を多く輩出して活躍する

競走成績:2・3歳時に米で走り通算成績16戦5勝2着6回3着2回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州において、名門牧場クレイボーンファームと馬産団体ザ・ゲイムリー・コーポレーションにより共同生産された。ザ・ゲイムリー・コーポレーションの代表者であるウィリアム・ハギン・ペリー氏の所有馬となり、名牝タウィーなどを手掛けたフリント・スコッティ・シュルホファー調教師に預けられた。

競走生活(2歳時)

2歳6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート5ハロンの未勝利戦で、主戦となるジェリー・ベイリー騎手を鞍上にデビュー。ここでは後のトレモントBCS2着馬バーモントの3馬身半差2着に敗れた。その後はしばらく間隔を空け、8月にベルモントパーク競馬場で行われたダート6ハロンの未勝利戦が2戦目となった。結果はサボーディネイティドデットの首差2着と惜敗。しかし翌月のベルモントパーク競馬場ダート7ハロンの未勝利戦では、ホセ・サントス騎手とコンビを組んで、2着ゼロフォーコンダクトに10馬身半差をつけて初勝利を挙げた。

鞍上がベイリー騎手に戻ったカウディンS(GⅡ・D7F)では、サンフォードSの勝ち馬フォーマルディナーを抑えて1番人気に支持され、期待どおりに2着フォーマルディナーに3馬身半差をつけて完勝した。

次走のレムセンS(GⅡ・D9F)では、シャンペンSとヤングアメリカSで連続3着してきたサボーディネイティドデットと2度目の顔合わせとなった。今回は本馬がサボーディネイティドデットを鼻差の2着に抑えて勝利した。

2歳時は5戦3勝2着2回の優秀な成績を挙げた。2歳時フリーハンデ(エクスペリメンタルフリーハンデ)では4位だったが、ケンタッキーダービーの最有力候補に挙げる人もいた。

競走生活(3歳前半)

3歳時は2月に米国西海岸のサンタアニタパーク競馬場で行われたサンヴィンセントBCS(D7F)から始動。ロスフェリスSを6馬身差で圧勝してきたディナール、ロスフェリスSで2着してきたハリウッドプレビューBCSの勝ち馬オリンピオの2頭が強敵だった。東海岸では評判が高かった本馬も西海岸における知名度はいま一つであり、他馬より3~10ポンド重い123ポンドの斤量だった事もあって、単勝オッズ6.6倍で6頭立て4番人気止まりだった。そしてレースでも、中団の本馬をマークするように追走してきたディナールとオリンピオの2頭に四角でかわされるとそのまま引き離され、2着ディナールを鼻差抑えて勝ったオリンピオから9馬身差をつけられた3着に敗れ去った。

次走のサンフェリペS(GⅡ・D8.5F)では、1か月前の一般競走を12馬身差で勝ってきたスプリットラン、エルカミノリアルダービーを勝ってきたシーカデットなどが対戦相手となった。スプリットランが単勝オッズ1.7倍の1番人気、本馬が単勝オッズ5.3倍の2番人気、シーカデットが単勝オッズ6.3倍の3番人気となった。レースではシーカデットが先頭に立って逃げ、本馬は後方2番手を進んだ。そして三角から四角にかけて位置取りを上げて、先頭のシーカデットに詰め寄っていった。しかし直線ではシーカデットとの差を縮めるどころか逆に差を広げられてしまい、3馬身差の2着に敗退した。

次走のサンタアニタダービー(GⅠ・D9F)では、ノーフォークS・ハリウッドフューチュリティ・デルマーフューチュリティなどを勝っていたベストパル、そのベストパルを前走サンラファエルSで破ってきたディナール、シーカデットなどが対戦相手となった。人気は上記3頭に集中し、本馬は単勝オッズ8.5倍の4番人気だった。ここでも本馬は後方2番手を追走したが、サンフェリペSと違って四角でも前との差を詰められなかった。そして直線ではさらに引き離され、勝ったディナールから11馬身1/4差の5着と完敗。これでケンタッキーダービーは断念となった。

代わりに裏開催のウィザーズS(GⅡ・D8F)に出走した。ナシュアS・ゴーサムSの勝ち馬だがウッドメモリアルSで6着に敗れてケンタッキーダービーを断念していたカイルズアワーマン(前年のレムセンSでは本馬の3着だった)、ファウンテンブユースS・ジムビームS・アーカンソーダービーを3連敗してやはりケンタッキーダービーを断念していたサボーディネイティドデット、ベストターンSを勝ってきたドッジなどを抑えて、単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。ここでは馬群の中団につけ、向こう正面で早くも仕掛けて先頭に立つという積極的な走りを見せた。しかし3番手を先行して、本馬に抜かれた後も離れずに付いてきた単勝オッズ8.9倍の4番人気馬サボーディネイティドデットに直線で差されて、3/4馬身差の2着に敗れた(3着カイルズアワーマンは8馬身後方だった)。

次走のピーターパンS(GⅡ・D9F)では、ケンタッキーダービーで6着だったレベルSの勝ち馬クインターナ、ウッドメモリアルSで2着してケンタッキーダービーに挑んだが12着に沈んでいたロストマウンテン、フォアランナーSの勝ち馬ベウレイ、前走の一般競走を9馬身1/4差で勝ってきたスターオブコジーン、前走の一般競走を7馬身3/4差で勝ってきたマンアルライトの5頭を抑えて、単勝オッズ2.5倍の1番人気に支持された。しかし本馬の斤量は126ポンドで、他馬勢より3~12ポンド重かった。レースはその斤量差がまともに影響する結果となり、最後方から追い込んだ114ポンドのロストマウンテンが、逃げた114ポンドのマンアルライトを頭差捕らえて勝利。マンアルライトと共に先頭を走るという今までにない積極策に出た本馬は直線で力尽き、ロストマウンテンから1馬身半差の3着に終わった。

それでも斤量差を考慮すると内容は悪くなかったし、スタートから先行して粘るという新境地を開拓した事もあり、米国三冠競走最終戦のベルモントS(GⅠ・D12F)には出走することになった。対戦相手は、ケンタッキーダービー・ブルーグラスSの勝ち馬ストライクザゴールド、プリークネスS・アーリントンワシントンフューチュリティ・ジムビームS・レキシントンSの勝ち馬ハンセル、カリフォルニアダービーの勝ち馬でケンタッキーダービー4着のグリーンアリゲーター、プリークネスSで2着してきたコーポレートリポート、ケンタッキーダービーとプリークネスSで連続3着してきたメインミニスター、ロストマウンテン、ウィザーズS勝利後にジャージーダービーで2着してきたザボーディネィテッドデブ、前走4着のクインターナなどだった。本馬は単勝オッズ11.3倍で11頭立ての6番人気止まりだった。ベイリー騎手がハンセルに騎乗したためにクリス・マッキャロン騎手とコンビを組んだ本馬は、好スタートから3~4番手を追走。そのまま3番手で直線に入ってきたが伸びを欠き、逃げるハンセルと後方から来たストライクザゴールドの頭差の接戦を後方から眺めるだけだった。結局、勝ったハンセルから7馬身3/4差の5着と完敗を喫してしまった。

競走生活(3歳後半)

その後は一息入れて、8月にサラトガ競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走に出走した。これといった対戦相手もおらず、斤量の不利もなかったため、単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された。ここでは後方2番手を進むという後方待機策に戻し、四角で位置取りを上げて追い上げていったが、逃げたニンフィストに届かずに1馬身3/4差の2着に敗退。ニンフィストは単勝オッズ5.2倍の2番人気馬ではあったが、後にも先にもステークス競走の入着が無い平凡な馬であり、しかも本馬はニンフィストよりも5ポンド斤量が軽かったのに敗れたため、ここでベイリー騎手は本馬の主戦を降板することになり、以降は本馬を初勝利に導いたサントス騎手が主戦として固定された。

新コンビ初戦は翌月のジェロームH(GⅠ・D8F)となった。対戦相手は、前年のBCジュヴェナイルで2着した後は長期休養していたが復帰後に一般競走とキングズビショップSを連勝してきたテイクミーアウト、ベルモントS7着後にドワイヤーS・ハスケル招待Hを連勝していたロストマウンテン、ジムダンディSで2着してきたアップオンマイソウルなどだった。118ポンドのテイクミーアウトが単勝オッズ3.2倍の1番人気、117ポンドの本馬が単勝オッズ3.4倍の2番人気、121ポンドのロストマウンテンが単勝オッズ4.3倍の3番人気、113ポンドのアップオンマイソウルが単勝オッズ4.8倍の4番人気と、かなり人気は割れていた。

スタートが切られると、テイクミーアウトが先頭に立ち、アップオンマイソウルが中団、本馬が後方2番手、ロストマウンテンが大きく離れた最後方につけた。向こう正面でアップオンマイソウルが進出していくと、本馬も徐々に加速。そして三角から四角にかけて一気にまくり、直線入り口で先頭に踊り出た。あとはゴールまで走りきるだけで、2着に追い上げてきたエクセレントティッパーに4馬身差をつける完勝を収め、GⅠ競走勝ち馬となった。

次走のペガサスH(GⅠ・D9F)では、かつてサンフェリペSで本馬を破って勝った後にサンタアニタダービーで3着したがその後はケンタッキーダービー8着などもう一息だったシーカデット、本馬が2着したウィザーズSで7着した時点では無名馬だったがその後にハスケル招待H4着・ギャラントマンS2着・セクレタリアトS3着など着実に伸びてきたサルトリーソング、ペンシルヴァニアダービーを勝ってきたヴァレークロッシングなどが対戦相手だった。本馬とシーカデットが並んで119ポンドのトップハンデで、本馬が単勝オッズ2.5倍の1番人気、シーカデットが単勝オッズ2.9倍の2番人気となった。

スタートが切られるとシーカデットが先頭を伺ったが、前走では後方待機策を採った本馬がすぐに進出してシーカデットに並びかけ、この2頭が先頭を引っ張る展開となった。本馬とシーカデットが競り合ったために、最初の2ハロン通過が22秒65、半マイルの通過は45秒18という、かなり速いペースとなった。しかし3番手サルトリーソング以下は前2頭を捕らえるだけの末脚を発揮できず、直線ではそのまま本馬とシーカデットの一騎打ちとなった。そして本馬が突き抜けて、2着シーカデットに1馬身3/4差をつけ、14年ぶりにコースレコードを更新する1分46秒53の好タイムで勝利した。ここでシーカデットから4馬身差の3着に敗れたサルトリーソングは翌年に本格化して、ハリウッド金杯・ホイットニーH・ウッドワードSとGⅠ競走を3勝することになるし、サルトリーソングからさらに5馬身差の4着に敗れたヴァレークロッシングも、後にフィリップHアイズリンHを制してGⅠ競走勝ち馬となり、メドウランズCH・ブルックリンH・ピムリコスペシャルH・ナッソーカウンティH・サバーバンH・フィリップHアイズリンHと6度のGⅠ競走2着がある活躍馬となっている。

次走のメドウランズCH(GⅠ・D9F)では、シーカデットに加えて、愛国から移籍してきてベルエアH・サンディエゴH・デルマーBCHを勝ちパシフィッククラシックSで2着していた4歳馬トワイライトアジェンダが対戦相手となった。GⅠ競走3連勝を狙った本馬だったが、次走のBCクラシックでブラックタイアフェアーの2着するトワイライトアジェンダには僅かに及ばず、惜しくも首差2着だった。なお、このレースで3着だったシーカデットも翌年に本格化し、ドンH・ガルフストリームパークH・メドウランズCHとGⅠ競走で3勝をマークする事になる。

一方の本馬はチャーチルダウンズ競馬場で行われるブリーダーズカップに向かった。本馬の適距離はマイル前後というのがほぼ確定的となっていたが、当時のブリーダーズカップにはマイルのダート競走が無く、そのために芝競走のBCマイル(GⅠ・T8F)に出走した。この年のBCマイルは中心馬不在であり、単勝オッズ3.2倍の1番人気に推されたインエクセスはメトロポリタンH・サバーバンH・ホイットニーH・ウッドワードSとダートGⅠ競走を4連勝しながらBCクラシックではなくBCマイルに向かってきた馬であり、単勝オッズ3.8倍の2番人気馬タイトスポットもエディリードH・アーリントンミリオンなど8連勝中だったが芝のマイル戦における勝ち星は無かった。ムーランドロンシャン賞を勝ってきたプリオロ、スプリントCを勝ってきたポーラーファルコン、愛1000ギニー・コロネーションSの勝ち馬クーヨンガと、3番人気から5番人気までは欧州調教馬が占め、単勝オッズ16倍の6番人気にようやく本馬の名が出てくる状況だった。

レースはインエクセスが先頭を引っ張り、本馬は馬群の後方2番手を追走した。最初の2ハロン通過が24秒04、半マイル通過は48秒17と、ラップ自体は際立って速いものではなかったが、有力馬勢の多くが先行したために、後方の馬に有利な展開となった。インエクセスを始めとする先行馬勢は直線に入ると軒並み伸びを欠き、後方からまくった単勝オッズ27.7倍の10番人気馬オープニングヴァースが、直線で差してきた7番人気馬ヴァルデボワと8番人気馬スターオブコジーンを振り切って優勝した。一方の本馬は直線でそれなりに伸びてはきたが、突き抜ける脚は無く、オープニングヴァースから5馬身1/4差の8着に終わった。本馬はこのレースを最後に、3歳時11戦2勝の成績で引退した。

血統

Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer Polynesian Unbreakable
Black Polly
Geisha Discovery
Miyako
Raise You Case Ace Teddy
Sweetheart
Lady Glory American Flag
Beloved 
Gold Digger Nashua Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Segula Johnstown
Sekhmet
Sequence Count Fleet Reigh Count
Quickly
Miss Dogwood Bull Dog
Myrtlewood
Video Nijinsky Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Flaming Page Bull Page Bull Lea
Our Page
Flaring Top Menow
Flaming Top
Foreseer Round Table Princequillo Prince Rose
Cosquilla
Knight's Daughter Sir Cosmo
Feola
Regal Gleam Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Miz Carol Stymie
No Fiddling

ミスタープロスペクターは当馬の項を参照。

母ヴィデオも本馬と同じくクレイボーンファームとザ・ゲイムリー・コーポレーションの共同生産馬で、競走馬としては米国で走り7戦2勝だった。日本に繁殖牝馬として輸入された本馬の全妹レースカムの子にインカム【牛若丸ジャンプS・淀ジャンプS】が、全妹ムーンサファリの子にザレパード【ジェネラスS(米GⅢ)】、ジャストプリテンディング【デリンズタウンスタッド1000ギニートライアル(愛GⅢ)】がいる。ヴィデオの兄弟には、全兄である名種牡馬カーリアン【仏ダービー(仏GⅠ)・ベンソン&ヘッジズ金杯(愛GⅠ)・アングルシーS(愛GⅢ)】、全兄ヴィジョン【セクレタリアトS(米GⅠ)・ピリグリムS(米GⅢ)】、全弟メルセカニンガム【モーリスドニュイユ賞(仏GⅡ)】などがいる。また、ヴィデオの半姉ファー(父フォルリ)の子にヨンダー【レムセンS(米GⅡ)・ジャージーダービー(米GⅡ)】、曾孫に日本で走ったロードプラチナム【函館記念(GⅢ)】がいる。

ヴィデオの母フォアシアーの全弟にはロイヤルグリント【サンタアニタH(米GⅠ)・エイモリーLハスケルH(米GⅠ)】がいる。フォアシアーの母リーガルグリームはセリマS・フリゼットSを勝って1966年の米最優秀2歳牝馬に選ばれた名牝。リーガルグリームの曾祖母ビッグハリーは米国最高の根幹繁殖牝馬ラトロワンヌの5番子で、同じ牝系からは数々の活躍馬が出ているが、その詳細はラトロワンヌの項を参照してほしい。→牝系:F1号族②

母父ニジンスキーは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はすぐに日本に輸入され、日高スタリオンステーションで種牡馬入りした。手頃な種付け料だった上に、日本でも多くの産駒が活躍した名種牡馬カーリアンの甥ということも手伝い、1年目は64頭、2年目は67頭、3年目は95頭、4年目は108頭、5年目は66頭、6年目は79頭と、毎年のように安定した数の繁殖牝馬を集めた。当初の産駒成績はそれほどでもなかったが、徐々に成績を伸ばし、テイエムメガトンがダービーグランプリを勝った1997年には全日本種牡馬ランキング15位、マチカネワラウカドが東海ウインターSを勝った1998年には同7位まで順位を上げた。7年目であるこの1998年には122頭、8年目の1999年には110頭の繁殖牝馬を集めた。この1999年には9位、2000年にも10位と全日本種牡馬ランキング上位の常連となった。そのために人気種牡馬の地位を保ち続け、9年目は81頭、10年目は86頭、11年目は85頭、12年目は97頭、13年目は79頭、14年目は85頭、15年目は95頭、16年目は68頭、17年目は57頭の繁殖牝馬を集めた。21歳になった18年目の2009年から受精率共々交配数は急激に減少し、同年は22頭、19年目は9頭、20年目は2頭、21年目は1頭、22年目は1頭、23年目の2014年は交配数0となり、種牡馬引退となった。

健康面では問題無いようで、種牡馬引退後も日高スタリオンステーションで功労馬として余生を満喫していた。しかし2015年に日高スタリオンステーションが閉鎖されることが決定すると、同牧場に繋養されていた馬の多くは他の牧場へ引き取られていったが、海外からの輸入種牡馬である本馬に関しては引き取り先が見つからず、老齢のため米国に戻すことも困難という状況となった。そのためNPO法人引退馬協会において支援と引き取り先の募集をしている状態となっている。追記:2016年1月になって一時的に身を寄せていた北海道新ひだか町の荒木牧場において引退馬協会の所有馬として余生を送る事が正式に決定したそうである。毎年100万円の飼養経費が掛かるため、現在も引退馬協会においては寄付を募集している。筆者も少額ながら寄付を行った。読者の皆さんも協力してあげてほしい。

産駒から超大物が出ることは無かったが、質は平均的に高かった。メイショウカイドウのような芝馬もいたが、大半の子はダート馬だった。そのために中央競馬の芝限定ランキングとダート限定ランキングを比較すると、ほぼ全ての年で後者の方が上位だった。前者は1998年の31位が最高なのに対して、後者は同じ1998年の2位が最高で、それを含めて10位以内が4回あった。当然地方競馬における成績も良好であり、1999年の6位、2000年の4位、2001年の7位、2002年の10位と4度のトップテン入りを果たした。日本におけるミスタープロスペクター直子種牡馬というと、仕上がりが早い快速馬を多く出すという印象が強いが、本馬の場合は全体的に仕上がりが遅く、しかも短距離よりも中距離以上を得意とする産駒が多く、日本におけるミスタープロスペクター直子種牡馬の一般的傾向とは異なっていた。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1994

テイエムメガトン

ダービーグランプリ(GⅠ)・グランシャリオC(GⅢ)

1994

マチカネワラウカド

東海ウインターS(GⅡ)・東海菊花賞(GⅡ)・白山大賞典(GⅢ)

1995

キャニオンビューチ

ひまわり賞(盛岡)

1995

シリアスゲーム

せきれい賞(盛岡)

1995

タマモストロング

マーチS(GⅢ)・白山大賞典(GⅢ)・さくらんぼ記念(GⅢ)・かしわ記念(GⅢ)

1995

ワールドスペクター

九州記念(KG3)

1996

イチコウタマユキ

スーパーCS(南関GⅡ)

1997

フレッシュスキャン

九州クイーン賞(KG2)

1998

マイネルジャパン

函館三歳S(GⅢ)

1998

マルチラブリー

黒潮皐月賞(高知)

1999

テイクファイヤー

いぬ鷲賞(金沢)

1999

ノムラリューオー

京浜盃(南関GⅡ)・黒潮盃(南関GⅡ)・シアンモア記念(水沢)

1999

メイショウカイドウ

小倉記念(GⅢ)2回・小倉大賞典(GⅢ)・北九州記念(GⅢ)・七夕賞(GⅢ)

1999

リンデンスワロー

金の鞍賞(高知)・黒潮皐月賞(高知)・黒潮菊花賞(高知)

2000

サダムサンサン

秋の鞍(SPⅡ)

2001

エーススキャン

太平記特別(北関GⅢ)

2002

オリエントボス

栗駒賞(水沢)

2002

グレートステージ

兵庫ダービー(園田)・菊水賞(園田)・摂津盃(園田)

2002

トウケイファイヤー

ハイセイコー記念(南関GⅡ)

2002

レッドストーン

オグリキャップ記念(SPⅠ)・MRO金賞(金沢)・六甲盃(園田)・オータムC(SPⅡ)・スプリング争覇(SPⅢ)

2003

オクトパス

ゴールドジュニア(SPⅢ)

2003

ポートジェネラル

黒潮スプリンターズC(高知)

2004

アンダーボナンザ

トウケイニセイ記念(水沢)

2004

ケイティラブ

アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

2005

カネショウプルート

日高賞(水沢)・ひまわり賞(水沢)

2005

ナンヨーリバー

兵庫CS(GⅡ)

2006

カラテチョップ

兵庫若駒賞(園田)・菊水賞(園田)・兵庫ダービー(園田)

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