セルカーク

和名:セルカーク

英名:Selkirk

1988年生

栗毛

父:シャーペンアップ

母:アニーエッジ

母父:ネビオロ

GⅠ競走はクイーンエリザベスⅡ世Sの1勝ながらも2年連続で欧州マイル部門のトップにランクされたエタン直系の名種牡馬

競走成績:2~4歳時に英仏米で走り通算成績15戦6勝2着2回3着3回

誕生からデビュー前まで

米国の歴史家・投資家・慈善家で、馬主としても米国競馬の殿堂入りを果たした名障害競走馬カフェプリンスなどを所有していたジョージ・W・ストローブリッジ・ジュニア氏が、米国ペンシルヴァニア州に設立したオーガスティンステーブルにおいて生産・所有した馬で、英国ハンプシャー州のイアン・ボールディング調教師に預けられた。ボールディング師はかつて名馬ミルリーフを手掛けた人物なのだが、本馬のことを、かつて見た中でも最も素晴らしい馬だとまで評価していた。本馬はいたってのんびりした性格の持ち主だったという。

競走生活(3歳前半まで)

2歳9月にグッドウッド競馬場で行われたリステッド競走スターダムS(T8F)で、主戦となるジョン・リード騎手を鞍上にデビュー。単勝オッズ21倍で5頭立ての4番人気という低評価だったが、残り3ハロン地点で早めに先頭に立ち、そのまま2着バラートに4馬身差をつけて圧勝した。その勢いを駆って渡仏し、仏グランクリテリウム(仏GⅠ・T1600m)に参戦。しかしここでは直線入り口で5頭立ての4番手から順位を上げられず、モルニ賞・サラマンドル賞・カブール賞など5戦全勝だったヘクタープロテクターの5馬身3/4差4着に敗退。2歳時の成績は2戦1勝に終わった。

3歳時は3月にケンプトンパーク競走場で行われたリステッド競走イースターS(T8F)から始動した。レーシングポストトロフィー3着(と言っても4頭立て)のマーチャム、後のエクリプスSの勝ち馬エンヴァイロンメントフレンドなどが対戦相手となった。本馬とマーチャムが並んで単勝オッズ3.75倍の1番人気に支持され、エンヴァイロンメントフレンドが単勝オッズ4倍の3番人気となった。ここでは残り2ハロン地点で先頭に立つも、そこからもたついてしまい、残り1ハロン地点で単勝オッズ21倍の7番人気馬コラプトに差されて、2馬身差の2着に敗れた。それでも、3着エンヴァイロンメントフレンドには3馬身半差をつけており、まずまずの内容だった。

次走のリングフィールドダービートライアルS(英GⅢ・T11F106Y)では、コラプト、グラデュエーションS2着馬ヤングバスター、ニューマーケットSを勝ってきたワリムなどが対戦相手となった。ヤングバスターが単勝オッズ3.25倍の1番人気、ワリムが単勝オッズ4.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ5倍の3番人気、コラプトが単勝オッズ5.5倍の4番人気となった。しかしこのレースで本馬は折り合いを欠いてしまい、リード騎手が必死になって抑える場面が見られた。その結果、直線入り口4番手から伸びず、勝ったコラプトから5馬身差、2着ヤングバスターから1馬身差をつけられた3着に終わった。

10日後にはグッドウッド競馬場でリステッド競走プレドミネートS(T10F)に出走した。ロイヤルロッジS2着・サンダウンクラシックトライアルS3着のジャハフィル、メイS2着馬アダムスミス、チェスターヴァーズ2着馬ルキロヴェルテなどが対戦相手となった。ジャハフィルが単勝オッズ3.25倍の1番人気、アダムスミスと他の出走全馬より3ポンド斤量が重かった本馬が並んで単勝オッズ4.5倍の2番人気、ルキロヴェルテが単勝オッズ5.5倍の4番人気となった。ここでは普通に後方を追走し、直線入り口5番手から残り2ハロン地点で先頭に立った。しかしゴール前で単勝オッズ11倍の5番人気馬マンフロムエルドラドとルキロヴェルテの2頭に差されて、マンフロムエルドラドの1馬身差3着に敗退した。

6月にニューカッスル競馬場で出走したロイヤルメールS(T8F)では、リード騎手に代わって主戦となったレイ・コクレーン騎手と初コンビを組んだ。特筆できる成績を有する他馬はおらず、本馬が単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。今回はスタートから先頭に立って馬群を牽引。しかし残り1ハロン地点で失速して、勝った単勝オッズ6.5倍の3番人気馬ラドウェルから2馬身半差の4着に敗れた。

この時期の本馬は身体の不調を訴えるようになっており、獣医のサイモン・ナップ博士の診察により、睾丸に異常があることが判明。生殖能力に影響を及ぼすものではなかったが、外科的手術が行われたため、夏場は休養に充てた。

競走生活(3歳後半)

9月にケンプトンパーク競走場で行われたリステッド競走テンプルフォーチュンS(T8F)でレースに復帰。ここでは単勝オッズ7.5倍で14頭立て4番人気の評価だったが、直線入り口5番手から残り1ハロンで先頭に立つとそのまま突き抜けて、2着となった単勝オッズ6倍の1番人気馬スーサレイションに5馬身差をつける圧勝劇を演じた。勝ちタイム1分36秒43は、コースレコードを約3秒も更新する素晴らしいものだった。

このレース内容を見た陣営は、本馬は以前の競走能力を取り戻したどころか、より一層強くなっていると判断した。そしてそれから22日後にアスコット競馬場で行われた英国マイル王決定戦のクイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ・T8F)に本馬を参戦させた。

対戦相手の層の厚さはさすがに今までとは段違いであり、前年の仏グランクリテリウムで本馬を一蹴した後に仏2000ギニー・ジャックルマロワ賞・フォンテーヌブロー賞を勝っていたヘクタープロテクター、サセックスSの勝ち馬でセントジェームズパレスS2着のセカンドセット、愛1000ギニー・コロネーションS・メイトロンSと3連勝中だった英1000ギニー2着馬クーヨンガ、伊グランクリテリウム・伊2000ギニー・ヴィットリオディカプア賞・伊共和国大統領賞・リボー賞・クイーンアンSの勝ち馬サイクストン、愛国際S・ヴィンテージSの勝ち馬で前走ムーランドロンシャン賞2着のムカダーマ、英1000ギニー・マルセルブサック賞の勝ち馬でコロネーションS・サセックスS2着・英オークス・スプリントC3着と距離万能の活躍を見せていたシャダイード、サンフランシスコマイルH・オールアメリカンH・ゴールデンゲートHとグレード競走3勝を挙げて遠征してきた米国調教馬フォーティーナイナーデイズなどの有力馬が顔を連ねた。

セカンドセットが単勝オッズ4倍の1番人気、クーヨンガが単勝オッズ4.5倍の2番人気、前走ムーランドロンシャン賞で惨敗していたヘクタープロテクターが単勝オッズ6.5倍の3番人気、サイクストンとムカダーマが並んで単勝オッズ8.5倍の4番人気、シャダイードが単勝オッズ10倍の6番人気と続いていた。前走をレコードタイムで圧勝したとはいえ、グループ競走勝ちがない本馬の評価は当然低く、単勝オッズ11倍で9頭立ての7番人気だった。

スタートが切られるとシャダイードが先頭に立ち、クーヨンガ、セカンドセットなどがそれに続いた。本馬は馬群の中団につけていた。そして直線に入ってくると残り2ハロン地点でスパートを開始。残り1ハロン地点で先頭に立つと、そのまま押し切って2着クーヨンガに1馬身半差をつけて勝利した。

3歳時はこれが最後のレースで、この年の成績は6戦2勝だったが、国際クラシフィケーションの評価は128ポンド、英タイムフォーム社のレーティングは129ポンドで、この年の欧州マイル部門においてはいずれにおいても最上位にランクされた(2歳馬のアラジを除く)。

競走生活(4歳前半)

4歳時は5月のロッキンジS(英GⅡ・T8F)から始動した。対戦相手は、前年の英2000ギニー・チャレンジSの勝ち馬ミスティコ、前年のワシントンDC国際S・アスタルテ賞・エクスビュリ賞を勝っていたリアリヴァ、本馬と同父の名種牡馬クリスダイイシスの半弟である前走トラストハウスフォルテマイルの勝ち馬ルディメンタリー、トラストハウスフォルテマイルで3着してきたクレイヴンS2着馬デザートサン、前年のクイーンエリザベスⅡ世Sで9着最下位に沈んでいたムカダーマなどだった。ルディメンタリーが単勝オッズ3.25倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.5倍の2番人気、デザートサンが単勝オッズ5.5倍の3番人気、ミスティコが単勝オッズ6倍の4番人気となった。

スタートが切られるとルディメンタリーやデザートサンが先手を取り、本馬はやはり後方からレースを進めた。そして残り3ハロン地点でスパートを開始すると、残り1ハロン地点で先頭に立ち、2着となった単勝オッズ17倍の8番人気馬ラヒブに2馬身半差をつけて完勝した。

その後は渡仏してイスパーン賞(仏GⅠ・T1850m)に出走した。エドモンブラン賞・ミュゲ賞を連勝してきたイグジットトゥノーウェア、前年の仏オークス馬カーリーナ、前年のヴェルメイユ賞の勝ち馬で凱旋門賞・ジャパンC・仏オークス2着のマジックナイト、英チャンピオンSの勝ち馬テルクウェル、愛国際S・ロンポワン賞・ロジャーズ金杯などの勝ち馬ゾーマン、ユジェーヌアダム賞の勝ち馬で後にBCクラシックなどを勝つアルカング、前走で7着だったリアリヴァなど、かなりハイレベルなメンバー構成となった。本馬が単勝オッズ2.5倍の1番人気、イグジットトゥノーウェアが単勝オッズ5.3倍の2番人気、カーリーナが単勝オッズ6.8倍の3番人気、マジックナイトが単勝オッズ7.3倍の4番人気と続いた。

本馬はここでは馬群の中団につけて、11頭立ての6番手で直線に入ってきた。そして残り300m地点で仕掛けたが、ここから普段の伸びがまるで見られず、勝った単勝オッズ13.3倍の6番人気馬ゾーマンから6馬身差をつけられた6着に敗れた。やや距離が長かった事に加え、スタミナを要する重馬場となった事が影響したかとも思われたが、レース後に風邪を引いていることが判明したため、2か月ほど休養した。

休養明け初戦は7月のサセックスS(英GⅠ・T8F)となった。対戦相手は、チェヴァリーパークS・愛1000ギニー・コロネーションS・クイーンメアリーSの勝ち馬で英1000ギニー2着のマーリング、前年のクイーンエリザベスⅡ世Sでは4着に終わるも前走クイーンアンSで2着して巻き返してきたセカンドセット、BCスプリント・ナンソープS・キングズスタンドSを勝ちスプリントC・アベイドロンシャン賞2着の前年のカルティエ賞最優秀短距離馬シェイクアルバドゥ、前年のクイーンエリザベスⅡ世Sでは7着に終わるもこの年の伊共和国大統領賞・愛国際Sを勝ってきたサイクストン、ロッキンジSで3着だったルディメンタリー、デューハーストS3着馬トウリオス、ケルソHの勝ち馬で前年のBCマイル3着のスターオブコジーンの計7頭だった。マーリングが単勝オッズ2.1倍の1番人気、本馬とセカンドセットが並んで単勝オッズ4.5倍の2番人気、シェイクアルバドゥが単勝オッズ12倍の4番人気となった。

今回も本馬は後方待機策を採り、直線入り口6番手から追い上げてきた。そして残り1ハロン地点からは先に抜け出していたマーリングとの叩き合いとなった。結果はマーリングに頭差及ばず2着惜敗だったが、ゴール前の激戦は名勝負として語り草になっている。ボールディング師によると、この頃の本馬はやや体調が優れなかったという。

競走生活(4歳後半)

次走のセレブレーションマイル(英GⅡ・T8F)では、前走で7着に終わったルディメンタリー、ロッキンジSで5着だったミスティコ、ロシェット賞・ダフニ賞の勝ち馬スタインベック、伊グランクリテリウム・伊2000ギニーの勝ち馬アルヒジャズなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.5倍の1番人気、スタインベックが単勝オッズ6倍の2番人気、ルディメンタリーが単勝オッズ8倍の3番人気、ミスティコが単勝オッズ11倍の4番人気となった。スタートが切られると、ミスティコとルディメンタリーが先頭を引っ張り、本馬は馬群の後方に陣取った。そして残り2ハロン地点でスパートを開始すると、残り1ハロン地点では既に先頭に立っていた。後は馬なりのまま走り、2着スタインベックに2馬身半差をつけて楽勝した。

そしてブリガディアジェラード以来の連覇を目指して、クイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ・T8F)に参戦した。出走馬は前年に引けを取らない層の厚さであり、サセックスSから直行してきたマーリング、前走ムーランドロンシャン賞を勝ってきた英オークス・ナッソーS・英国際S2着のオールアトシー、セントジェームズパレスS・ガリニュールSの勝ち馬で前走ムーランドロンシャン賞2着のブリーフトゥルース、ロッキンジSで本馬の2着に入った後にクイーンアンSを勝ちジャックルマロワ賞2着と急上昇していたラヒブ、サセックスS3着後に米国遠征してアーリントンミリオンに出走したが惨敗していたセカンドセット、前走6着のミスティコ、後のジュライCの勝ち馬ハマスなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ2.25倍の1番人気、オールアトシーが単勝オッズ5倍の2番人気、マーリングが単勝オッズ5.5倍の3番人気、ブリーフトゥルースが単勝オッズ8倍の4番人気、ラヒブが単勝オッズ9倍の5番人気となった。

しかし主戦のコクレーン騎手が騎乗停止処分を受けたために本馬に乗れないという事態が発生。そのため本馬はリード騎手と久々のコンビを組んだ。騎手の乗り代わりに加えて、この日のアスコット競馬場は本馬にとって不得手な重馬場。そのために本馬は馬群の中団後方を進む普段どおりの走りを見せるも、重馬場に脚を取られていつもより進出が遅れて、後方2番手で直線を向くことになった。さらには直線で前が塞がり横に持ち出すというロスが重なり、ラヒブとブリーフトゥルースの2頭に届かず、勝ったラヒブから3馬身半差の3着に敗れた。

次走のチャレンジS(英GⅡ・T7F)ではコクレーン騎手が鞍上に復帰した。主な対戦相手は、前走5着のセカンドセット、同6着のミスティコ、ジャージーSの勝ち馬プリンスファーディナンド、サセックスSで8着最下位だったトウリオスなどだった。本馬が単勝オッズ1.83倍という断然の1番人気に支持され、セカンドセットが単勝オッズ4.5倍の2番人気、プリンスファーディナンドが単勝オッズ9倍の3番人気、ミスティコが単勝オッズ10倍の4番人気となった。スタートが切られるとミスティコがハイペースの逃げを演出し、本馬は例によって馬群の後方に陣取った。そして残り2ハロン地点で外側に持ち出してスパートを開始。残り1ハロン地点で先頭に立つと、2着に突っ込んできた単勝オッズ34倍の最低人気馬トウリオスに2馬身半差をつけて完勝した。

現役最後のレースは米国フロリダ州ガルフストリームパーク競馬場で行われたBCマイル(米GⅠ・T8F)となった。対戦相手は、前年にBCジュヴェナイル・モルニ賞・サラマンドル賞・仏グランクリテリウム・ロベールパパン賞を勝って2歳にしてカルティエ賞年度代表馬に選ばれたアラジ、ゴーサムSの勝ち馬で前走ケルソH2着のルアー、クイーンエリザベスⅡ世S2着から直行してきたブリーフトゥルース、シーオーエリンH・キーンランドBCSの勝ち馬ロータスプール、本馬が惨敗したイスパーン賞3着後にジャックルマロワ賞を勝っていたイグジットトゥノーウェア、ギシュ賞・フォルス賞・エドモンブラン賞・ミュゲ賞の勝ち馬で前年のBCマイル2着のヴァルデボワ、エディリードH2着馬リュティエアンシャントゥール、前年のクイーンエリザベスⅡ世Sで本馬の5着に敗れるも前走ベイメドウズHを勝って臨んできたフォーティーナイナーデイズ、米国競馬名誉の殿堂博物館Sの勝ち馬でセクレタリアトS2着のパラダイスクリーク、クリテリウムドメゾンラフィットなどの勝ち馬カルドゥン、ロンポワン賞・ベイメドウズダービーの勝ち馬ビストロガーデン、愛2000ギニー・エルクホーンS・バーナードバルークHの勝ち馬フォースターズオールスターなどだった。

3歳時は不振が続いていたが前走ロンポワン賞を圧勝して復活をアピールしたアラジが単勝オッズ2.5倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.8倍の2番人気、ルアーが単勝オッズ6.4倍の3番人気、ブリーフトゥルースが単勝オッズ9.2倍の4番人気、ロータスプールが単勝オッズ10.8倍の5番人気、イグジットトゥノーウェアが単勝オッズ13.9倍の6番人気で、全体的に欧州調教馬優勢という前評判だった。

スタートが切られるとルアーが先頭に立ち、アラジは好位を追走。一方の本馬はスタートがあまりよくなく、後方からの競馬となってしまった。三角手前で先頭のルアーにアラジを始めとする後続馬が詰め寄っていき、本馬も馬群の間を縫うように進出を開始した。しかしルアーは四角で再び後続との差を広げてそのまま直線に突入した。直線に入ってすぐにアラジは失速。本馬もそれなりに伸びてきたものの、ルアーに迫るどころか、後方から来たブリーフトゥルースにかわされる始末で、勝ったルアーから5馬身差の5着に敗れてしまった。敗因は出遅れと小回りコースだとされているが、その出遅れた原因は、フロリダ州の暑さと湿気だとされている。この3年前のBCマイルでも1番人気の欧州マイル王者ジルザルが同じ理由で出遅れて惨敗している。この年のブリーダーズカップがフロリダ州開催でなかったら、もう少し違う結果になったかもしれない。

4歳時の成績は7戦3勝で、この年のGⅠ競走勝ちは無かったが、国際クラシフィケーションでは128ポンドで欧州マイル部門における最上位、英タイムフォーム社のレーティングは129ポンドで3歳馬ロドリゴデトリアーノに次ぐ第2位にランクされた。

血統

Sharpen Up エタン Native Dancer Polynesian Unbreakable
Black Polly
Geisha Discovery
Miyako
Mixed Marriage Tudor Minstrel Owen Tudor
Sansonnet
Persian Maid Tehran
Aroma
Rocchetta Rockefella Hyperion Gainsborough
Selene
Rockfel Felstead
Rockliffe
Chambiges Majano Deiri
Madgi Moto
Chanterelle Gris Perle
Shah Bibi
Annie Edge Nebbiolo イエローゴッド Red God Nasrullah
Spring Run
Sally Deans Fun Fair
Cora Deans
Novara Birkhahn Alchimist
Bramouse
Norbelle Norman
Mirabelle
Friendly Court Be Friendly スカイマスター Golden Cloud
Discipliner
Lady Sliptic Preciptic
Persian Slipper
No Court Court Harwell Prince Chevalier
Neutron
Tiger's Bay Nosegay
Tiger's Lair

シャーペンアップは当馬の項を参照。

母アニーエッジは、ニューヨークH(米GⅡ)・リグスH(米GⅢ)・キヴトンパークS・ワルツソングHなどに勝ち、愛1000ギニー(愛GⅠ)で3着するなど、欧米を股にかけて23戦6勝の成績を残した活躍馬。繁殖牝馬としてもなかなか優秀であり、本馬の半弟ロリークリーク(父シルヴァーホーク)【バドワイザーエンデュランスS(米GⅢ)】、半妹シービー(父ダンチヒ)【プリンセスマーガレットS(英GⅢ)・スワニーリヴァーH(米GⅢ)】なども産んでいる。この牝系は19世紀まで遡っても他に活躍馬は皆無という状態であり、アニーエッジのみが繁殖牝馬として孤軍奮闘している牝系である。→牝系:F15号族

母父ネビオロは日本に輸入されたイエローゴッドが欧州に残してきた代表産駒の1頭で、現役成績は12戦6勝。英2000ギニー(英GⅠ)・ジムクラックS(英GⅡ)を勝っている。種牡馬としても優秀だったが、6歳の若さで早世したため産駒数は少ない。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、カースティン・ロージング氏が所有する英国ニューマーケットのランウェイズスタッドで種牡馬入りした。本馬は種牡馬としてかなりの成功を収め、1997年の英愛新種牡馬ランキングで1位、2002年の英国供用種牡馬ランキングでも1位になった。初年度の種付け料は2万ポンドに設定されていたが、産駒の活躍に伴い種付け料は上昇し、2005年には4万ポンドとなった。987頭の産駒のうち92頭がステークスウイナーとなっている。ステークスウイナー率は9.3%とかなり高い部類である。

紛れもなく英国を代表する名種牡馬として長年にわたり活躍したのだが、日本における知名度が極めて低いのは、自身がGⅠ競走1勝馬の上に、GⅠ競走を何勝もするような超大物は出していないからであろう。血統も渋いし、玄人好みの種牡馬であると言える。2009年に受精率低下のため公式には種牡馬を引退したが、2011年まで少頭数ながらも種付けを続けた。2013年1月3日に老衰のためランウェイズスタッドにおいて25歳で他界した。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1994

Hidden Meadow

パレロワイヤル賞(仏GⅢ)

1994

Kirkwall

ユジェーヌアダム賞(仏GⅡ)・キーンランドターフマイルS(米GⅡ)・ギシュ賞(仏GⅢ)・タンフォランH(米GⅢ)・ベイメドウズH(米GⅢ)

1994

Orford Ness

サンドランガン賞(仏GⅢ)

1994

Squeak

ビヴァリーヒルズH(米GⅠ)・メイトリアークS(米GⅠ)・ランカシャーオークス(英GⅢ)

1995

Border Arrow

ブリガディアジェラードS(英GⅢ)

1995

Country Garden

ハネムーンH(米GⅡ)

1995

Field of Hope

ロートシルト賞(仏GⅠ)・フォレ賞(仏GⅠ)・シュマンドフェルデュノール賞(仏GⅢ)

1995

Trans Island

ロンポワン賞(仏GⅡ)・ダイオメドS(英GⅢ)

1996

Keen Winner

香港ダービー

1996

Wince

英1000ギニー(英GⅠ)・フレッドダーリンS(英GⅢ)

1997

Harbour Island

カブール賞(仏GⅢ)

1997

Sign of Hope

オークツリーダービー(米GⅡ)

1998

Altieri

伊共和国大統領賞(伊GⅠ)2回・リボー賞(伊GⅡ)・メシドール賞(仏GⅢ)

1998

Independence

サンチャリオットS(英GⅡ)・愛メイトロンS(愛GⅢ)

1998

The Trader

グロシェーヌ賞(仏GⅡ)・サンジョルジュ賞(仏GⅢ)・リゾランジ賞(仏GⅢ)

1999

Highdown

ギョームドルナノ賞(仏GⅡ)

1999

Highest

ドバイシティオブゴールド(首GⅢ)

1999

Leadership

ミラノ大賞(伊GⅠ)

1999

Sulk

マルセルブサック賞(仏GⅠ)

1999

Welsh Diva

セルジオクマニ賞(伊GⅢ)

2000

Blythe Knight

ダイオメドS(英GⅢ)2回

2000

Favourable Terms

ナッソーS(英GⅠ)・愛メイトロンS(愛GⅡ)・ウィンザーフォレストS(英GⅡ)

2000

Prince Kirk

イスパーン賞(仏GⅠ)

2000

Sublimity

英チャンピオンハードル(英GⅠ)

2001

Etendard Indien

リューテス賞(仏GⅢ)

2001

Jedburgh

ミンストレスS(愛GⅢ)

2001

Kastoria

愛セントレジャー(愛GⅠ)・カラーC(愛GⅢ)

2001

Red Bloom

フィリーズマイル(英GⅠ)・ブランドフォードS(愛GⅡ)2回・ストレンソールS(英GⅢ)

2002

Etlaala

英シャンペンS(英GⅡ)

2002

Freedonia

ポモーヌ賞(仏GⅡ)

2002

Icelandic

キウスーラ賞(伊GⅢ)

2003

Tam Lin

ケルソH(米GⅡ)・ウインターヒルS(英GⅢ)

2004

Pipedreamer

ヨークS(英GⅡ)・ドラール賞(仏GⅡ)・ケンブリッジシャーH

2004

Selmis

伊共和国大統領賞(伊GⅠ)・アンブロシアノ賞(伊GⅢ)

2004

Tranquil Tiger

ウインターダービー(英GⅢ)

2004

Worldly

ラホヤH(米GⅡ)・ウィルロジャーズS(米GⅢ)・シネマBCH(米GⅢ)

2005

Moyenne Corniche

エボアH

2006

Akmal

ヘンリーⅡ世S(英GⅡ)・ジョッキークラブC(英GⅢ)

2006

Border Patrol

ソロナウェイS(愛GⅢ)

2006

Cityscape

ドバイデューティーフリー(首GⅠ)・ジョエルS(英GⅢ)・ソロナウェイS(愛GⅢ)・パース賞(仏GⅢ)

2006

Daryakana

香港ヴァーズ(香GⅠ)・ロワイヤリュー賞(仏GⅡ)

2006

Forte Dei Marmi

ノーザンダンサーターフS(加GⅠ)・スカイクラシックS(加GⅡ)2回・シングスピールS(加GⅢ)

2007

Announce

ジャンロマネ賞(仏GⅠ)・ミネルヴ賞(仏GⅢ)・アレフランス賞(仏GⅢ)

2008

Aiken

シャンティ大賞(仏GⅡ)

2008

Glaswegian

フォンテーヌブロー賞(仏GⅢ)

2008

Nahrain

オペラ賞(仏GⅠ)・フラワーボウル招待S(米GⅠ)

2008

Thistle Bird

プリティポリーS(愛GⅠ)・プリンセスエリザベスS(英GⅢ)2回

2009

Cubanita

セントサイモンS(英GⅢ)・ジョンポーターS(英GⅢ)

2011

Good Old Boy Lukey

スーパーレイティヴS(英GⅡ)

2011

Tested

フェアリーブリッジS(愛GⅢ)2回

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