プライヴェートアカウント

和名:プライヴェートアカウント

英名:Private Account

1976年生

鹿毛

父:ダマスカス

母:ナンバードアカウント

母父:バックパサー

競走馬としてはマイナーGⅠ競走を2勝した程度に終わったが種牡馬として超大物牝馬を次々輩出したダマスカス直子の良血馬

競走成績:3・4歳時に米で走り通算成績13戦6勝2着4回3着1回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州クレイボーンファームの所有者オグデン・フィップス氏の生産・所有馬で、仏国で名牝アレフランスを手掛けた後に米国に戻ってきたサー・エンジェル・ペンナ調教師に預けられた。クレイボーンファームで種牡馬入りしていた米国の歴史的名馬ダマスカスを父に、やはりフィップス氏の生産・所有馬だった1971年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬ナンバードアカウントを母に持つ良血馬であり、陣営の期待はかなり大きかったものと推察される。

競走生活(3歳時)

しかしデビューは遅くなってしまい、3歳5月、米国三冠競走第2戦のプリークネスSの翌週にベルモントパーク競馬場で行われたダート7ハロンの未勝利戦だった。主戦となるジェフリー・フェル騎手を鞍上に、2着モンアミガスに5馬身3/4差をつける圧勝でこのデビュー戦を飾った。8日後にはベルモントパーク競馬場ダート8ハロンの一般競走に出走し、2着セービングスアンドローンに1馬身差をつけて勝利した。そのまた7日後のベルモントS出走は自重して、ベルモントSから9日後のベルモントパーク競馬場ダート8.5ハロンの一般競走に出走。2着ブロニントンに9馬身半差をつける圧勝でデビュー3連勝とした。

その後は19日後のドワイヤーS(GⅡ・D9F)に出走した。前走ベルモントSでスペクタキュラービッドを破って優勝したピーターパンSの勝ち馬コースタル、前走ランプライターHを勝ってきたクワイエットクロッシングなどが対戦相手となった。結果は勝ったコースタルに4馬身差をつけられて2着に敗退した。その14日後に出走したアーリントンクラシックS(GⅡ・D10F)では、3週間前の加国最大の競走クイーンズプレートを勝ってきたスタディーグロースに頭差で敗れて2着だった。

さらに15日後にはジムダンディS(GⅢ・D9F)に出走。ここではウッドメモリアルSの勝ち馬インストルメントランディングを3馬身1/4差の2着に破って快勝した。さらに13日後にはトラヴァーズS(GⅠ・D10F)に出走した。ホープフルS・サラトガスペシャルS・ゴーサムSの勝ち馬でケンタッキーダービー・シャンペンS・ローレルフューチュリティ2着のジェネラルアセンブリー、ウッドローンS・イリノイダービー・ペンシルヴァニアダービー・オハイオダービー・アメリカンダービー・メリーランダーHと6連勝中のスマーテン、スウィフトS・オマハ金杯の勝ち馬でウッドメモリアルS2着・プリークネスS3着のスクリーンキングなどに加えて、ケンタッキーオークス・エイコーンS・マザーグースS・CCAオークス・ファンタジーS・ブラックアイドスーザンSを勝っていたニューヨーク牝馬三冠馬ダヴォナデイルまで出走してきた。しかしレースは不良馬場となってしまい、実力よりも重馬場適性が勝敗を分ける状況となった。結果はジェネラルアセンブリーが2着スマーテンに15馬身差をつける大圧勝劇を収め、本馬はスマーテンからさらに11馬身差をつけられた3着。3歳時はこれが最後のレースで、この年の成績は7戦4勝となった。

競走生活(4歳時)

4歳2月にフロリダ州ハイアリアパーク競馬場で行われたダート9ハロンの一般競走で復帰。このレースでは休み明けの影響か、2馬身差4着と凡走した。それから8日後に出走したセミノールH(GⅡ・D9F)では、ローマーHの勝ち馬でガルフストリームパークH・エイモリーLハスケルH3着のサイレントカルの首差2着に敗れた。

それから14日後に出走したワイドナーH(GⅠ・D10F)では、サイレントカル、クラークH・ケンタッキージョッキークラブSの勝ち馬でフロリダダービー・ブルーグラスS2着のロットオゴールド、前走セミノールHで3着だったルイジアナダービー2着馬リヴァレロなどとの対戦となった。今回は本馬が2着ロットオゴールドに鼻差で勝利を収め、GⅠ競走初勝利を飾った。

さらに21日後に出走したガルフストリームパークH(GⅠ・D10F)では、ワイドナーH2着後にドンHを勝ってきたロットオゴールド、ワイドナーHでは4着だったサイレントカルなどとの対戦となったが、本馬が2着ロットオゴールドに半馬身差で勝利を収め、GⅠ競走を連勝した。その後の活躍が期待されたが、再度長期休養に入ってしまった。

復帰戦となったのは10月にメドウランズ競馬場で行われたダート8.5ハロンの一般競走だったが、クイーンズカウンティHの勝ち馬デュワンキーズの2馬身差2着に敗退。次走のメドウランズC(GⅡ・D10F)では、パターソンHを勝ってきたテューナラップ、ヴォスバーグHの勝ち馬でメトロポリタンH2着のドクターパッチェス、デュワンキーズなどに屈して、勝ったテューナラップから14馬身3/4差の5着と惨敗。そのまま4歳時6戦2勝の成績で競走馬引退となった。GⅠ競走を2勝しているが、不完全燃焼のような、はたまた実力的にはGⅡ競走レベルだったような印象を拭えない競走生活であった。

血統

Damascus Sword Dancer Sunglow Sun Again Sun Teddy
Hug Again
Rosern  Mad Hatter
Rosedrop
Highland Fling By Jimminy Pharamond
Buginarug
Swing Time Royal Minstrel
Speed Boat
Kerala My Babu Djebel Tourbillon
Loika
Perfume Badruddin
Lavendula
Blade of Time Sickle Phalaris
Selene
Bar Nothing Blue Larkspur
Beaming Beauty
Numbered Account Buckpasser Tom Fool Menow Pharamond
Alcibiades
Gaga Bull Dog
Alpoise
Busanda War Admiral Man o'War
Brushup
Businesslike Blue Larkspur
La Troienne
Intriguing Swaps Khaled Hyperion
Eclair
Iron Reward Beau Pere
Iron Maiden
Glamour Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Striking War Admiral
Baby League

ダマスカスは当馬の項を参照。

ナンバードアカウントは当馬の項を参照。→牝系:F1号族②

母父バックパサーは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、生まれ故郷のクレイボーンファームで種牡馬入りした。1986年に2年目産駒のクラシーキャシーとファイターフォックス、3年目産駒のパーソナルエンスンがGⅠ競走の勝ち馬となって注目を集めると、翌1987年にはパーソナルエンスンの全兄である2年目産駒パーソナルフラッグもGⅠ競走の勝ち馬となった。そして翌1988年にパーソナルエンスンが13戦全勝でBCディスタフを制覇するに至って名種牡馬としての地位を確立した。1990年にはマイルの女王ミエスクの繁殖入り2年目の交配相手に指名されてイーストオブザムーンを輩出。さらにはインサイドインフォメーションという超大物も送り出した。産駒のステークスウイナーは61頭。牡駒の活躍馬も少なくないが、やはり牝駒の活躍が目立つ。1995年に授精率低下のため種牡馬を引退。2004年11月に繋養先のクレイボーンファームにおいて老衰のため28歳で他界し、クレイボーンファームに埋葬された。

後継種牡馬としてはプライヴェイトタームズが一定の活躍を示したが、現在直系はかなり衰退している。繁殖牝馬として成功している牝駒が多く、母系に入っての活躍の方に期待がかかっている。繁殖牝馬の父としては、BCジュヴェナイルフィリーズ等の勝ち馬マイフラッグ、2003年のエクリプス賞最優秀短距離馬アルデバラン、2005年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬スマッグラー、シガーマイルHの勝ち馬ディスクリートキャットなどを出している。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1982

Don's Choice

ジャマイカH(米GⅢ)

1982

Graecia Magna

ランカシャーオークス(英GⅢ)

1982

Sir Leon

セミノールH(米GⅡ)2回

1983

Classy Cathy

アッシュランドS(米GⅠ)・アラバマS(米GⅠ)・ガゼルH(米GⅠ)

1983

Fighter Fox

モンマスオークス(米GⅠ)

1983

Personal Flag

ワイドナーH(米GⅠ)・サバーバンH(米GⅠ)・ナッソーカウンティH(米GⅡ)・クイーンズカウンティH(米GⅢ)

1983

Silent Account

アルキビアデスS(米GⅡ)

1983

Social Business

アクサーベンクイーンズH(米GⅢ)

1984

Our Account

アンドレバボワン賞(仏GⅢ)

1984

Personal Ensign

BCディスタフ(米GⅠ)・フリゼットS(米GⅠ)・ベルデイムS(米GⅠ)2回・シュヴィーH(米GⅠ)・ヘンプステッドH(米GⅠ)・ホイットニーH(米GⅠ)・マスケットS(米GⅠ)・レアパフュームS(米GⅡ)・モリーピッチャーH(米GⅡ)

1985

Classic Account

ベンアリH(米GⅢ)

1985

Crackedbell

スタイミーH(米GⅢ)

1985

Private Terms

ウッドメモリアルS(米GⅠ)・ゴーサムS(米GⅡ)・マサチューセッツH(米GⅡ)・フェデリコテシオS(米GⅢ)

1985

Public Account

マイアミBCH(米GⅢ)

1985

Topicount

レアパフュームS(米GⅡ)・モンマスパークBCH(米GⅢ)

1986

Miserden

クリテリウムドサンクルー(仏GⅠ)・カブリロH(米GⅢ)

1986

Personal Business

ジョンAモリスH(米GⅠ)

1987

Chimes of Freedom

モイグレアスタッドS(愛GⅠ)・コロネーションS(英GⅠ)・チャイルドS(英GⅡ)・チェリーヒントンS(英GⅢ)

1987

Secret Hello

アーリントンワシントンフューチュリティ(米GⅠ)・セントポールダービー(米GⅡ)・クラークH(米GⅢ)・カンタベリーCH(米GⅢ)

1988

Corporate Report

トラヴァーズS(米GⅠ)

1988

Private Man

オハイオダービー(米GⅡ)

1988

Tong Po

フェデリコテシオS(米GⅢ)

1988

Valley Crossing

フィリップHアイズリンH(米GⅠ)・ペンシルヴァニアダービー(米GⅢ)

1989

Brunswick

ホイットニーH(米GⅠ)

1990

Private Light

カムリーS(米GⅡ)

1991

East of the Moon

仏1000ギニー(仏GⅠ)・仏オークス(仏GⅠ)・ジャックルマロワ賞(仏GⅠ)

1991

Inside Information

BCディスタフ(米GⅠ)・アッシュランドS(米GⅠ)・エイコーンS(米GⅠ)・シュヴィーH(米GⅠ)・ラフィアンH(米GⅠ)・スピンスターS(米GⅠ)・ボニーミスS(米GⅡ)・モリーピッチャーH(米GⅡ)・モンマスパークBCH(米GⅢ)

1991

Party Manners

ワイドナーH(米GⅢ)

1991

Unaccounted For

ホイットニーH(米GⅠ)・ジムダンディS(米GⅡ)

1991

Zindari

サンロマン賞(仏GⅢ)

1992

Cairo Express

サラトガBCH(米GⅢ)

1992

Pretty Discreet

アラバマS(米GⅠ)

1992

Privity

マルレ賞(仏GⅡ)

1992

Top Account

キングズビショップS(米GⅡ)

1993

Profit Column

カラセルS(米GⅢ)

1994

Public Purse

モーリスドニュイユ賞(仏GⅡ)・ジャンドショードネイ賞(仏GⅡ)・サンマルコスH(米GⅡ)・ラクープ(仏GⅢ)・カールトンFバークH(米GⅢ)

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