レモンドロップキッド

和名:レモンドロップキッド

英名:Lemon Drop Kid

1996年生

鹿毛

父:キングマンボ

母:チャーミングラッシー

母父:シアトルスルー

カリズマティックの米国三冠達成を阻止してベルモントSを制した時点では評価があまり高くなかったが古馬になって活躍し米国最強古馬の座に君臨する

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績24戦10勝2着3回3着3回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州レーンズエンドファームにおいて、同牧場の所有者ウィリアム・スタンプス・ファリッシュⅢ世氏とウィリアム・S・キルロイ氏の両名により生産された。この2人は本馬の従兄弟に当たるサマースコールエーピーインディ兄弟の生産者でもあった。

本馬を20万ドルで購入したのはミルトン・ジェンキンス・ダンス・ジュニア氏だった。骨董品の鑑定やオークション事業をしていた父親の後を継いだダンス・ジュニア氏は、1950年代の初め頃になって米国最古の競走馬競売会社ファシグ・ティプトン社の競売人に就任し、その甘美な声とエレガントな服装を武器に、45年間もの長きに渡って数々の馬の落札を決定してきた名物競売人だった。ダンス・ジュニア氏は晩年になって故郷メリーランド州に牧場を買い、自身でも馬主業を営むようになっていた。2002年に76歳で死去する彼にとって最大の大物が本馬となった。

本馬はダンス・ジュニア氏と妻ジャンヌ・ギルクリスト・ヴァンス夫人の名義で競走馬となり、名牝タウィーを筆頭にBCスプリントの勝ち馬スマイルやベルモントSの勝ち馬コロニアルアッフェアーなどを手掛けていたフリント・スコッティ・シュルホファー調教師に預けられた。

競走生活(2歳時)

2歳7月にベルモントパーク競馬場で行われたダート6.5ハロンの未勝利戦で、ホセ・サントス騎手を鞍上にデビューした。単勝オッズ4.25倍で9頭立ての2番人気に推されると、3~4番手を先行したが、逃げた単勝オッズ7.5倍の4番人気馬トレジャーアイランドを捕まえるのに失敗して、鼻差の2着に敗れた。

次走は8月のサラトガ競馬場ダート6ハロンの未勝利戦だった。今回もサントス騎手とコンビを組んだ本馬は単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。レースでは逃げた単勝オッズ4.5倍の2番人気馬アレステッドを2~3番手で追走。三角から四角にかけてアレステッドと本馬の2頭が後続馬を引き離していき、直線では一騎打ちとなった。そして激しい叩き合いを本馬が首差で制して勝ち上がった。

続いてサラトガ競馬場ダート7ハロンの一般競走に出走した。対戦相手は僅か4頭だったが、前走のサンフォードSで僅差4着してきたノットイージービーイングリーン、未勝利戦を6馬身差で圧勝してきたキャットシーフ、未勝利戦を3馬身半差で快勝してきたメニフィーの3頭がその中に含まれており、後から見ればGⅠ競走級のメンバー構成となっていた。ノットイージービーイングリーンが単勝オッズ2.45倍の1番人気、サントス騎手騎乗の本馬が単勝オッズ3.75倍の2番人気、キャットシーフが単勝オッズ4.15倍の3番人気、メニフィーが単勝オッズ4.7倍の4番人気と続いていた。しかし結果はこの4頭の人気と着順が全く逆になり、2番手を進んだメニフィーが逃げたキャットシーフを直線でかわして3馬身差で快勝し、どんどん前2頭との差を広げられてしまった本馬は、キャットシーフから10馬身半差をつけられた3着に敗れた。

次走はベルモントフューチュリティS(GⅠ・D8F)となった。ハリウッドジュヴェナイルCSSを6馬身差、サプリングSを7馬身1/4差で連続圧勝してきたイェスイッツトゥルーが単勝オッズ1.2倍という圧倒的な1番人気に支持されており、ジョン・ヴェラスケス騎手に乗り代わった本馬と、前走の未勝利戦でアレステッドを2着に下して勝ち上がって来たメディエヴィルヒーローの2頭が並んで単勝オッズ7.4倍の2番人気となった。レースはイェスイッツトゥルーが逃げて、他の出走馬がそれを一団となって追いかける展開となった。そして三角から四角にかけてイェスイッツトゥルーと本馬の2頭が後続馬を引き離し始め、直線に入ると完全な一騎打ちとなった。そして本馬が競り勝って半馬身差で勝利を収め、GⅠ競走初勝利を挙げた。3着メディエヴィルヒーローはイェスイッツトゥルーからさらに9馬身後方だった。これでしばらくはヴェラスケス騎手が本馬の主戦を務める事になった。

次走のシャンペンS(GⅠ・D8.5F)では、ホープフルSで2着してきたトレモントSの勝ち馬タクティカルキャット、サラトガスペシャルSの勝ち馬でサンフォードS2着のプライムディレクティヴ、未勝利戦と一般競走を連勝してきたザグルームイズレッド、ケンタッキーカップジュヴェナイルSを勝ってきたアリーズアレイ、メディエヴィルヒーローなどが対戦相手となった。タクティカルキャットが単勝オッズ2.3倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.55倍の2番人気、プライムディレクティヴが同厩のウィークエンドマネーとのカップリングで単勝オッズ6.5倍の3番人気、ザグルームイズレッドが単勝オッズ7.5倍の4番人気となった。レースはウィークエンドマネーが同厩馬プライムディレクティヴのペースメーカー役となって逃げ、タクティカルキャットが2番手、本馬は3~4番手を進んだ。レースは泥だらけの不良馬場で行われていたが、その中を最初の2ハロン22秒49という速いペースで逃げたウィークエンドマネーは予想以上に粘り、タクティカルキャットは早々に失速。そして本馬が直線入り口でウィークエンドマネーに並びかけて突き抜けようとしたが、そこへ道中は他馬から10馬身も後方をてくてくと走っていたザグルームイズレッドが凄まじい勢いで突っ込んできて、瞬く間にかわされた本馬は2馬身3/4差の2着に敗れた。

続いてチャーチルダウンズ競馬場に向かい、BCジュヴェナイル(GⅠ・D8.5F)に参戦した。ザグルームイズレッド、前走5着のタクティカルキャット、同6着のアリーズアレイ、ブリーダーズフューチュリティを勝ってきたキャットシーフ、同2着だったアンサーライヴリー、同3着だったイェスイッツトゥルー、ノーフォークSを勝ってきたバックトラウト、欧州から遠征してきた仏グランクリテリウム2着馬レッドシー、デルマーフューチュリティ2着馬ダリングジェネラル、本馬と戦った一般競走4着後にカウディンSで2着してきたノットイージービーイングリーン、バッシュフォードマナーS・サンフォードSの勝ち馬でホープフルS3着のタイムバンディットなどが出走してきたが、中心になるような馬はいなかった。アンサーライヴリーが単勝オッズ3.7倍の1番人気に押し出され、キャットシーフやタクティカルキャットなど3頭のカップリングと、ザグルームイズレッドが並んで単勝オッズ4.2倍の2番人気、本馬が単勝オッズ4.7倍の4番人気、イェスイッツトゥルーとタイムバンディットのカップリングが単勝オッズ11.1倍の5番人気となった。スタートが切られるとイェスイッツトゥルーが逃げて、アンサーライヴリーが3番手、本馬は馬群の中団につけた。そして先頭との差を縮めて6番手で直線に入ってきたが、ここから末脚不発。勝ったアンサーライヴリーから6馬身半差の5着に敗退した。アリーズアレイが2着に突っ込み、キャットシーフが3着、イェスイッツトゥルーやタイムバンディットは大惨敗と、この年の米国2歳牡馬路線の混戦模様を象徴するレースとなった。2歳時の成績は6戦2勝だった。

競走生活(3歳前半)

3歳時は2月にガルフストリームパーク競馬場で行われたダート8.5ハロンの一般競走から始動した。単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持されると、2~3番手追走から直線入り口で抜け出す競馬で、2着となった単勝オッズ5.1倍の3番人気馬クリプトディプロマシーに3馬身半差をつけて快勝した。

その後はケンタッキー州に向かい、ブルーグラスS(GⅠ・D9F)に出走。キャットシーフやメニフィーの姿もあったのだが、ハッチソンS・ファウンテンオブユースS・フロリダダービーと3戦連続2・3着だったキャットシーフと、前走タンパベイダービーで2着に負けていたメニフィーは評価を下げていた。フロリダダービーで2着してきたワンダートロスが単勝オッズ2.9倍の1番人気で、ファウンテンオブユースS・フロリダダービーを連勝してきたヴィカーが単勝オッズ3.8倍の2番人気、本馬が単勝オッズ5.3倍の3番人気、キャットシーフが単勝オッズ6.9倍の4番人気、メニフィーが単勝オッズ8.7倍の5番人気だった。しかしレースは逃げたヴィカーやキャットシーフを直線で鮮やかに差し切ったメニフィーが勝ち、馬群の中団後方を進んだ本馬は今回も末脚が不発に終わり、メニフィーから5馬身3/4差の5着に敗れた。

それでもケンタッキーダービー(GⅠ・D10F)には参戦した。ここからヴェラスケス騎手に代わってサントス騎手が本馬の主戦に返り咲いた。メニフィー、前走2着のキャットシーフ、同3着のヴィカー、前年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選ばれるも3歳時はルイジアナダービー2着が目立つ程度だったアンサーライヴリーといった既対戦馬に加えて、サンタアニタダービー・サンタカタリナSの勝ち馬ジェネラルチャレンジ、デルマーデビュータントS・オークリーフS・ハリウッドスターレットS・ラスヴァージネスS・サンタアニタオークス・ファンタジーSの勝ち馬でBCジュヴェナイルフィリーズ2着の牝馬エクセレントミーティング、ギャラリーファーニチャードットコムSを勝ってきたスティーヴンガットイーヴン、サンタアニタダービー2着馬プライムティンバー、同3着馬デザートヒーロー、デルマーフューチュリティ・ベストパルSの勝ち馬ワールドリーマナー、ウッドメモリアルSを勝ってきたアドニス、ダヴォナデイルS・ボニーミスSの勝ち馬で後にエイコーンSを勝つスリーリング、フラミンゴSを勝ってきたファーストアメリカン、レキシントンSを勝ってきたカリズマティック、ルイジアナダービーの勝ち馬キンバーライトパイプ、リズンスターSの勝ち馬エクトンパーク、ギャラリーファーニチャードットコムS2着馬ケイワンキングなどが出走してきた。ジェネラルチャレンジとエクセレントミーティングのカップリングが単勝オッズ5.8倍の1番人気に支持される一方で、19頭立ての19番枠と致命的な大外枠を引いてしまった本馬は、キンバーライトパイプ、ケイワンキング、エクトンパーク、ヴァルホルの4頭と無理矢理カップリングされてようやく単勝オッズ12.6倍の7番人気となった。

スタートが切られると、単勝オッズ38倍の最低人気まで評価を下げていたアンサーライヴリーが先頭に立ち、それを他馬が一団となって追いかけた。大外枠発走の本馬は馬群の中団後方につけていたが、終始外側を走らされたためにコースロスが多すぎて道中で位置取りを上げる事も出来ず、さらに四角では大きく外側に膨らんでしまった。そして直線入り口18番手からそれなりに末脚を伸ばすも、勝った単勝オッズ32.3倍の12番人気馬カリズマティックから5馬身半差の8着に敗れた。もっとも、レース内容を詳細に吟味すると、この着差でゴールインしたというのは誉められるべきであろう。

プリークネスSには出走せず、代わりにピーターパンS(GⅡ・D9F)に出走した。ウッドメモリアルS・ウィザーズSで連続2着してきたベストオブラック、一般競走を5馬身差で圧勝してきたアンブライドルドジェット、BCジュヴェナイル6着後は絶不調に陥っていたザグルームイズレッド、カウディンS・ウィザーズSの勝ち馬サクセスフルアピール、デビュー戦で本馬を破ったウィザーズS3着馬トレジャーアイランドといったケンタッキーダービー不参加組が対戦相手だった。120ポンドの本馬と113ポンドのベストオブラックが並んで単勝オッズ4.6倍の1番人気に支持され、118ポンドのアンブライドルドジェットが単勝オッズ4.75倍の3番人気、120ポンドのザグルームイズレッドが単勝オッズ5倍の4番人気となった。レースはデヴィッドとトレジャーアイランドの人気薄2頭が逃げを打ち、本馬は4番手を進んだ。しかし直線に入っても重馬場に脚を取られたのか伸びを欠き、その間に後方から追い込んできたベストオブラックに差されてしまった。トレジャーアイランドを捕まえることにも失敗した本馬は、ベストオブラックから2馬身半差の3着に終わった。もっとも、上位2頭より本馬のほうが斤量は6~7ポンド重かった事には留意するべきであろう。

裏路線でも負けてしまった本馬だが、それでも再び米国三冠路線に戻って、ベルモントS(GⅠ・D12F)に出走した。対戦相手は、プリークネスSも勝利して米国三冠馬に王手を掛けていたカリズマティック、ケンタッキーダービーとプリークネスSでいずれも2着だったメニフィー、BCジュヴェナイルフィリーズ・ケンタッキーオークス・アッシュランドS・ソレントS・アルキビアデスS・ブラックアイドスーザンS・デビュータントS・ゴールデンロッドS・ダヴォナデイルS・フェアグラウンズオークス勝ちなど12戦11勝の成績を挙げていた前年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬シルヴァービュレットデイ、ベストオブラック、ケンタッキーダービー14着・プリークネスS4着のスティーヴンガットイーヴン、ケンタッキーダービー17着・プリークネスS6着のアドニス、ダービートライアルSの勝ち馬でプリークネスS5着のペイシャンスゲーム、イリノイダービーを勝ってきたヴィジョンアンドヴァース、タンパベイダービーの勝ち馬パインアフ、ダービートライアルS・イリノイダービーと連続2着してきたプライムディレクティヴ、3歳2月の未勝利戦を5馬身半差で圧勝して以来の実戦となるテレテーブルの計11頭だった。カリズマティックが単勝オッズ2.6倍の1番人気、メニフィーが単勝オッズ3.6倍の2番人気、シルヴァービュレットデイが単勝オッズ6.1倍の3番人気と続く一方で、本馬は単勝オッズ30.75倍の7番人気とほとんど評価されていなかった。

スタートが切られるとシルヴァービュレットデイが先頭に立ち、カリズマティックや単勝オッズ55.75倍の9番人気馬ヴィジョンアンドヴァースがそれを追って先行。本馬は馬群の中団につけていたが、向こう正面で位置取りを上げてカリズマティックの直後まで押し上げてきた。四角でカリズマティックが先頭に立つと本馬もそれに並びかけていき、直線入り口で外側からかわして先頭に立った。そこへ3番手で直線に入ってきたヴィジョンアンドヴァースが内側から追撃してきて、最後はこの2頭の勝負となった。しかし過去のレースで叩き合いに負けた事が無い本馬はここで本領を発揮し、頭差で競り勝って優勝。ヴィジョンアンドヴァースから1馬身半差の3着に敗れたカリズマティックは直後に脚の骨折が判明してそのまま引退に追い込まれてしまった。

競走生活(3歳後半)

カリズマティックの故障はレース中に負っていたものだった事や、本馬とヴィジョンアンドヴァースは共に人気薄だった事で、故障さえ無ければカリズマティックが米国三冠馬になっていたと言われてしまい、本馬の評価はあまり上がらなかった。そんなわけで、今後の本馬にはその低評価を覆す活躍をすることが求められることになった。

まずはジムダンディS(GⅡ・D9F)に出走。対戦相手は、ヴィジョンアンドヴァース、前走4着のベストオブラック、ケンタッキーダービー12着後に一般競走を勝ちオハイオダービーで2着していたエクトンパーク、ケンタッキーダービー18着・プリークネスS10着だったヴィカーなどだった。GⅠ競走未勝利の分だけ斤量がやや軽かった121ポンドのヴィジョンアンドヴァースが単勝オッズ3.3倍の1番人気、同じく121ポンドのベストオブラックが単勝オッズ4倍の2番人気で、この2頭より3ポンド重い124ポンドの本馬が単勝オッズ4.25倍の3番人気、124ポンドのヴィカーが単勝オッズ5倍の4番人気、116ポンドのエクトンパークが単勝オッズ7.5倍の5番人気だった。不良馬場で行われたレースでは、単勝オッズ36倍の最低人気馬バッジャーゴールドが先頭を引っ張り、本馬は馬群の中団後方をエクトンパークと共に進んだ。そして先に仕掛けて上がっていったエクトンパークを直線で追撃しようとした。しかし本馬とエクトンパークの斤量差は8ポンドであり、差を縮めるどころか差を広げられてしまった本馬は5馬身1/4差の2着に敗れた。

次走のトラヴァーズS(GⅠ・D10F)では、エクトンパーク、前走3着のバッジャーゴールド、同4着のベストオブラック、同6着のヴィジョンアンドヴァースに加えて、ベルモントS8着後にハスケル招待Hを勝ってきたメニフィー、ケンタッキーダービー3着・プリークネスS7着後にスワップスSを勝ちハスケル招待Hで2着してきたキャットシーフ、ピーターパンS5着・ハスケル招待H4着だったアンブライドルドジェットが出走してきた。メニフィーが単勝オッズ2.6倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.65倍の2番人気、キャットシーフが単勝オッズ5.6倍の3番人気、アンブライドルドジェットが単勝オッズ6.3倍の4番人気、エクトンパークが単勝オッズ8.5倍の5番人気となった。レースではキャットシーフとヴィジョンアンドヴァースの2頭が先頭を引っ張り、本馬は彼等を見るように好位につけた。そして直線入り口で先頭のヴィジョンアンドヴァースに外側から並びかけると、得意の叩き合いに持ち込んだ。2頭の叩き合いはゴールまで延々と続いたが、競り合いになれば本馬はやはり強く、ヴィジョンアンドヴァースを3/4馬身差の2着に下して勝利した。これでGⅠ競走3勝目であり、同世代の牡馬勢ではトップに立った。

次走のジョッキークラブ金杯(GⅠ・D10F)は古馬相手のレースとなった。対戦相手は、ガルフストリームパークH・オークローンH・ドワイヤーS・ペガサスH・マサチューセッツH・サバーバンHの勝ち馬でトラヴァーズS・ドンH・ホイットニーH2着のベーレンズ、前年のジャンプラ賞とこの年のドバイワールドCを勝ちパリ大賞・ウッドワードSで2着していたアルムタワケル、ベルモントS5着後にウッドワードSで3着していたスティーヴンガットイーヴン、前走ウッドワードSでアルムタワケルを2着に破って勝っていたカリフォルニアンS・ベルエアHの勝ち馬でパシフィッククラシックS2着のリヴァーキーン、サバーバンH2着・ホイットニーH3着のカティーナス、ブラジルでパラナ大賞・ベントゴンサルヴェス大賞とGⅠ競走を2勝して米国に移籍してきたジャックグランディなどだった。ベーレンズが単勝オッズ1.85倍の1番人気、アルムタワケルが単勝オッズ4.55倍の2番人気で、本馬は単勝オッズ6.3倍の3番人気に留まった。本馬の評価がそれほど上がらなかったのは、馬場状態が極悪不良馬場だったためだと思われる。本馬は重・不良馬場で過去3戦全敗だったからである。そしてレースでも本馬は本領をまったく発揮できず、スタートからゴールまで馬群の中団のままで、逃げ切って勝った単勝オッズ13倍の5番人気馬リヴァーキーンから9馬身1/4差の5着と完敗した。

その後はガルフストリームパーク競馬場で行われたBCクラシック(GⅠ・D10F)に参戦した。リヴァーキーン、前走2着のベーレンズ、同3着のアルムタワケル、ケンタッキーダービーでは11着に終わるもその後はパシフィッククラシックS・アファームドHを勝ちスワップスS・グッドウッドBCH2着など安定して活躍していたジェネラルチャレンジ、トラヴァーズS4着後のスーパーダービーでメニフィーを2着に破ってGⅠ競走勝ち馬となったエクトンパーク、トラヴァーズS2着後にメドウランズCHで3着していたヴィジョンアンドヴァース、トラヴァーズSで7着に終わっていたキャットシーフ、サンバーナーディノH・マーヴィンルロイH・グッドウッドBCH・ロングエイカーズマイルHの勝ち馬でハリウッド金杯2着のバドロワイヤル、スワップスS・デルマーBCH・カリフォルニアンS・アファームドHの勝ち馬オールドトリエステ、ワイドナーHの勝ち馬ゴールデンミサイルなどが対戦相手となった。ベーレンズが単勝オッズ3.3倍の1番人気、ジェネラルチャレンジが単勝オッズ6.3倍の2番人気、本馬が単勝オッズ7.3倍の3番人気、リヴァーキーンが単勝オッズ7.5倍の4番人気、アルムタワケルが単勝オッズ7.6倍の5番人気となった。スタートが切られるとオールドトリエステとキャットシーフの2頭が先頭を引っ張り、本馬は馬群の中団後方につけた。三角から四角にかけて位置取りを上げていったが、前残りの展開となってしまい、直線に入ると逆に差を広げられて、4馬身半差の6着に敗退。勝ったのは単勝オッズ20.6倍の8番人気まで評価を落としていたキャットシーフだった。

3歳時の成績は9戦3勝(うちGⅠ競走2勝)で、エクリプス賞最優秀3歳牡馬の座はカリズマティック(年度代表馬も受賞)に譲ることになった。

競走生活(4歳前半)

4歳時も現役を続け、まずは3月にガルフストリームパーク競馬場で行われたワイドナーH(GⅢ・D9F)から始動した。対戦相手は僅か3頭しかおらず、本馬が他馬より6~8ポンド重い119ポンドでも単勝オッズ1.6倍の1番人気に支持され、前走ガルフストリームパークHでベーレンズの3着してきたウィズアンティシペーションが111ポンドの最軽量を評価されて単勝オッズ2.5倍の2番人気となった。レースは本馬の大嫌いな不良馬場で行われたが、逃げるウィズアンティシペーションを見るように3番手を進むと、直線入り口で先頭に立ち、最後方から追い込んできた単勝オッズ10.4倍の最低人気馬ブレイジングソードに2馬身差をつけて1位入線。ところが直線入り口でカーリーズハーリー(4位入線)の進路を妨害したとの裁定が下り、ブレイジングソードが繰り上がって勝利馬となり、本馬は4着最下位に降着となってしまった。せっかく不得手な不良馬場を克服して勝利したかに思えたが、ついていない結果に終わった。

次走は4月のアケダクト競馬場ダート9ハロンの一般競走となり、単勝オッズ1.65倍の1番人気に支持された。レースでは5頭立ての後方2番手を進み、向こう正面で位置取りを上げて直線入り口では先頭に立った。しかしここで本馬より9ポンド斤量が軽い単勝オッズ18.2倍の4番人気馬エンドオブザロードが後方から襲い掛かってきて、大激戦となった。そして2頭が並んでゴールインし、写真判定でも差を判別できずに1着同着となった。負けなかっただけまだ良かったが、斤量差があったとは言え、特筆できる実績も無いエンドオブザロードに詰め寄られた結果は誉められたものではなかった。

それが影響したのか、このレースを最後にサントス騎手は本馬の鞍上を去り、代わりにエドガー・プラード騎手が主戦として迎え入れられることになった。

新コンビ初戦は5月のピムリコスペシャルH(GⅠ・D9.5F)となった。対戦相手は、前年のBCクラシック勝利後はマリブS・オークローンH3着がある程度で未勝利だったキャットシーフ、前年のBCクラシック2着後にサンアントニオHを勝ちサンタアニタHで2着していたバドロワイヤル、前年のBCクラシック3着後にドンHで2着していたゴールデンミサイル、前年のBCクラシック5着後にオークローンHで2着していたアルムタワケル、前年のケンタッキーダービー8着後に長期休養に入るも復帰後に一般競走・オークローンHを連勝してきたケイワンキング、メドウランズCHの勝ち馬プレザントブリーズなどだった。オークローンHでアルムタワケル、キャットシーフ、バドロワイヤル、プレザントブリーズ達を撫で斬りにしたケイワンキングが115ポンドの斤量も評価されて単勝オッズ2.9倍の1番人気となり、120ポンドのトップハンデだった本馬が単勝オッズ5.1倍の2番人気、118ポンドのキャットシーフが単勝オッズ5.5倍の3番人気、116ポンドのゴールデンミサイルが単勝オッズ5.7倍の4番人気、117ポンドのアルムタワケルが単勝オッズ6.3倍の5番人気、119ポンドのバドロワイヤルが単勝オッズ8.8倍の6番人気という混戦模様だった。レースはやはりキャットシーフが逃げて、バドロワイヤルやケイワンキングがそれを追いかける展開となった。本馬は好スタートを切りながらもあえて下げて馬群の中団後方に控えた。そして4番手で直線に入ると末脚を伸ばしたが、4ポンドのハンデを与えたゴールデンミサイルと、9ポンドのハンデを与えたプレザントブリーズの2頭に届かず、勝ったゴールデンミサイルから2馬身差の3着に敗れた。

次走のブルックリンH(GⅡ・D9F)では、世界中を股に掛けて走り一昨年のゴントービロン賞・前年のブルックリンHとサラトガBCH・前走のマサチューセッツHを勝ち香港C2着・ウッドワードS3着の実績もあったランニングスタッグ、前走4着のアルムタワケル、ディスカヴァリーH・クイーンズカウンティH・ギャラントフォックスHの勝ち馬アーリーウォーニング、ブーゲンヴィリアHの勝ち馬で加国際S2着のダウンジアイル(次走のユナイテッドネーションズHを勝ってGⅠ競走の勝ち馬となっている)、前走エクセルシオールBCHを勝ってきたラガーなどが対戦相手となった。121ポンドのランニングスタッグが単勝オッズ2.45倍の1番人気、120ポンドの本馬が単勝オッズ3.1倍の2番人気、116ポンドのアルムタワケルが単勝オッズ4.65倍の3番人気、115ポンドのアーリーウォーニングが単勝オッズ8.1倍の4番人気だった。レースはランニングスタッグとアーリーウォーニングの2頭が先頭を引っ張り、本馬はその直後3番手につけた。そして前2頭が失速すると代わりに四角で先頭に立ち、直線に入ると独走。追い込んで2着に入った単勝オッズ24.1倍の6番人気馬ラガーに7馬身1/4差をつけて圧勝した。

次走のサバーバンH(GⅡ・D10F)では、ラガー、前走4着のアルムタワケルに加えて、前年のBCクラシックで7着に終わるも、この年はガルフストリームパークHを5馬身差で圧勝し、ドバイワールドCでは勝ったドバイミレニアムに6馬身離されながらも2着に入ったベーレンズも参戦してきた。122ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気、同じく122ポンドのベーレンズが単勝オッズ2.4倍の2番人気、114ポンドのアルムタワケルは単勝オッズ8.9倍の3番人気、113ポンドのラガーは単勝オッズ18.8倍の4番人気であり、完全な2強対決となった。レースでは本馬とベーレンズが互いをマークするかのように2~3番手を進んでいたが、三角手前で本馬が外側から先に仕掛けて先頭に立った。後方内側からベーレンズも追ってきたが、直線でその差はまったく縮まらなかった。そして本馬が2着ベーレンズに2馬身半差をつけて完勝した。

競走生活(4歳後半)

次走のホイットニーH(GⅠ・D9F)では、ベーレンズに加えて、本馬を破ったピムリコスペシャルHの次に出走したスティーヴンフォスターHを快勝していたゴールデンミサイル、ブルックリンH6着から直行してきたランニングスタッグ、ピムリコスペシャルHで5着に終わるなど連敗街道から抜け出せないでいたキャットシーフも参戦してきた。本馬が123ポンドのトップハンデながらも単勝オッズ3.05倍の1番人気に支持され、122ポンドのベーレンズが単勝オッズ3.2倍の2番人気、121ポンドのゴールデンミサイルが単勝オッズ3.3倍の3番人気、117ポンドのキャットシーフが単勝オッズ10.4倍の4番人気、120ポンドのランニングスタッグが単勝オッズ11.4倍の5番人気と、今回は3強対決ムードだった。

スタートが切られると単勝オッズ17.5倍の最低人気馬デヴィッドが先頭に立ち、キャットシーフが2番手、ゴールデンミサイルが3番手で、本馬とベーレンズは今回も互いをマークするように4~5番手を併走した。そして今回も本馬が先に仕掛けると、直線入り口でキャットシーフをかわして先頭に立った。ベーレンズには伸びが無く、キャットシーフにも本馬を差し返すような力は残っていなかった。本馬が2着キャットシーフに2馬身差、3着ベーレンズにはさらに4馬身1/4差をつけて勝利。トップハンデで1番人気に応えて完勝した事で、ようやく本馬は現役米国最強古馬の地位を手にするに至った。

次走のウッドワードS(GⅠ・D9F)が、現役最強古馬の地位防衛戦となった。対戦相手は、ベーレンズ、パシフィッククラシックS・サンディエゴHを連勝してきた上がり馬スキミング、BCクラシック12着後はドバイワールドC5着・パシフィッククラシックS3着など今ひとつ成績が伸びていなかったエクトンパーク、サラトガBCHで3着してきたガンダーの古馬4頭だった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気、スキミングが単勝オッズ4.1倍の2番人気、ベーレンズが単勝オッズ4.15倍の3番人気、エクトンパークが単勝オッズ11.7倍の4番人気、ガンダーが単勝オッズ42.15倍の最低人気となった。

スタートが切られるとスキミングが先頭を伺ったが、今回は本馬の前で競馬すると決めていたらしいベーレンズもそれに絡んで2頭が先頭を牽引した。一方の本馬は最後方にいたが、5頭立てで馬群が密集していたために、先頭との差はそれほど無かった。そして向こう正面で仕掛けて三角途中で先頭に踊り出た。本馬に付いてくることが出来たのはベーレンズのみだった。この2頭が並んで直線に入り、そして内側のベーレンズと外側の本馬による激しい叩き合いが展開された。しかし本馬の競り合い不敗伝説は生きており、ここでも競り勝って、3/4馬身差で勝利した。

次走のジョッキークラブ金杯(GⅠ・D10F)は、現役最強古馬の地位防衛戦第2ラウンドとなった。3戦連続で本馬に屈したベーレンズ、前走3着のガンダー、同4着のスキミング、前年のBCクラシック9着後は一般競走の勝ちしか無かったヴィジョンアンドヴァース、仏国でゴントービロン賞とラクープドメゾンラフィットを連勝して遠征してきたアゴルラックの古馬5頭と、ドワイヤーSの勝ち馬でトラヴァーズS2着の3歳馬アルバートザグレートが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.95倍の1番人気、ベーレンズが単勝オッズ4.1倍の2番人気、アルバートザグレートが単勝オッズ6.5倍の3番人気、スキミングが単勝オッズ8.8倍の4番人気、アゴルラックが単勝オッズ14.7倍の5番人気となった。スタートが切られると最内枠から好スタートを切ったアルバートザグレートが先頭に立ち、2番手のガンダーと共に先頭を引っ張った。しかしこの2頭以外の馬の大半はスタート時に躓いたり接触したりで出遅れていた。その中でも一番の被害を蒙ってプラード騎手が立ち上がるほど出遅れたのは本馬だった。大外枠からまともなスタートを切ったスキミングと出遅れて上がっていったヴィジョンアンドヴァースが3~4番手、本馬はそのまま最後方を走っていた。しかし出遅れた馬達は軒並み伸びを欠いてしまい、一方で先頭のアルバートザグレートの走りは実に伸び伸びとしていた。結局アルバートザグレートが2着ガンダーに6馬身差をつけて圧勝してしまい、末脚不発に終わった本馬はガンダーから3馬身半差、アルバートザグレートから9馬身半差をつけられて5着に敗退。6着ベーレンズに4戦連続で先着したのが唯一の慰めだった。

現役最終戦はチャーチルダウンズ競馬場で行われたBCクラシック(GⅠ・D10F)だった。アルバートザグレート、ガンダー、前走3着のヴィジョンアンドヴァース、ホイットニーH2着後に出走したケンタッキーCクラシックHで6着に終わり連敗が10に伸びたキャットシーフ、ホイットニーH5着後にケンタッキーCクラシックHで2着していたゴールデンミサイルといった既対戦組に加えて、ケンタッキーダービー・サンフェリペS・ウッドメモリアルS・ジェロームHの勝ち馬でプリークネスS2着のフサイチペガサス、スーパーダービー・グッドウッドBCH・アファームドHの勝ち馬でスワップスS・パシフィッククラシックS2着のティズナウ、アメリカンダービー・ペンシルヴァニアダービーの勝ち馬パインダンス、ハリウッドフューチュリティ・スワップスS・ブリーダーズフューチュリティ・ケンタッキージョッキークラブS・ケンタッキーCクラシックHの勝ち馬でハスケル招待H2着・サンタアニタダービー3着のキャプテンスティーヴ、セントジェームスパレスS・エクリプスS・サセックスS・英国際S・愛チャンピオンSとGⅠ競走5連勝を達成していた愛国調教馬ジャイアンツコーズウェイといった初顔合わせの3歳馬勢が相手となった。米国3歳馬最強と目されていたフサイチペガサスが単勝オッズ2.2倍の1番人気、古馬最強の地位は維持していた本馬が単勝オッズ7.2倍の2番人気、欧州最強馬ジャイアンツコーズウェイが単勝オッズ8.6倍の3番人気、アルバートザグレートが単勝オッズ10倍の4番人気、ティズナウが単勝オッズ10.2倍の5番人気となった。

スタートが切られるとティズナウが先頭を奪い、アルバートザグレートやジャイアンツコーズウェイが先行。本馬もヴィジョンアンドヴァースと一緒に4~5番手の好位につけた。三角手前では先頭のティズナウの直後まで来る場面もあったのだが、ここから徐々に差を広げられてしまい、ジャイアンツコーズウェイとの壮絶な競り合いを制して勝利したティズナウから5馬身1/4差の5着に敗退。3着キャプテンスティーヴ、4着アルバートザグレートと上位4頭は全て3歳馬であり、古馬勢では一応最先着だったが、有終の美を飾ることは出来なかった。

それでも4歳時は9戦5勝(うちGⅠ競走2勝)の成績を残し、この年のエクリプス賞最優秀古馬牡馬に選出され、前年にあまり評価が高くなかった印象を払拭する事に成功した。

血統

Kingmambo Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Gold Digger Nashua Nasrullah
Segula
Sequence Count Fleet
Miss Dogwood
Miesque Nureyev Northern Dancer Nearctic
Natalma
Special Forli
Thong
Pasadoble Prove Out Graustark
Equal Venture
Santa Quilla Sanctus
Neriad
Charming Lassie Seattle Slew Bold Reasoning Boldnesian Bold Ruler
Alanesian
Reason to Earn Hail to Reason
Sailing Home
My Charmer Poker Round Table
Glamour
Fair Charmer Jet Action
Myrtle Charm
Lassie Dear Buckpasser Tom Fool Menow
Gaga
Busanda War Admiral
Businesslike
Gay Missile Sir Gaylord Turn-to
Somethingroyal
Missy Baba My Babu
Uvira

キングマンボは当馬の項を参照。

母チャーミングラッシーは米で1戦1勝。本馬の半姉ブルレイ(父ルビアノ)【レイルバードS(米GⅡ)】、半弟スタチューオブリバティ(父ストームキャット)【コヴェントリーS(英GⅢ)】も産んでいる。ブルレイの子にはネコベイ【サンパスカルH(米GⅡ)】がいる。

チャーミングラッシーの母ラッシーディアーはヴィレッジャーS・マリカHの勝ち馬で、本馬の生産者コンビであるファリッシュⅢ世氏とキルロイ氏の共同生産馬の中で初めてのステークス競走勝ち馬でもあった。ラッシーディアーの代表産駒は、チャーミングラッシーの半弟ウルフハウンド(父ヌレイエフ)【フォレ賞(仏GⅠ)・スプリントC(英GⅠ)・ダイアデムS(英GⅢ)】であるが、それ以上に牝系の発展具合が素晴らしい。チャーミングラッシーの半姉ウィークエンドサプライズ(父セクレタリアト)【スカイラヴィルS(米GⅢ)・ゴールデンロッドS(米GⅢ)】は、サマースコール【プリークネスS(米GⅠ)・ホープフルS(米GⅠ)・サラトガスペシャルS(米GⅡ)・ジムビームS(米GⅡ)・ブルーグラスS(米GⅡ)・フェイエットH(米GⅡ)・ペンシルヴァニアダービー(米GⅢ)】と、エーピーインディ【ベルモントS(米GⅠ)・BCクラシック(米GⅠ)・ハリウッドフューチュリティ(米GⅠ)・サンタアニタダービー(米GⅠ)・サンラファエルS(米GⅡ)・ピーターパンS(米GⅡ)】の母、コートヴィジョン【BCマイル(米GⅠ)・ハリウッドダービー(米GⅠ)・シャドウェルターフマイルS(米GⅠ)・ガルフストリームパークターフH(米GⅠ)・ウッドバインマイル(加GⅠ)】の祖母として著名である。また、チャーミングラッシーの半姉ラッシーズレディ(父アリダー)の子にはバイトザビュレット【サンフォードS(米GⅡ)】、孫にはデュークオブマーマレード【キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(英GⅠ)・ガネー賞(仏GⅠ)・タタソールズ金杯(愛GⅠ)・プリンスオブウェールズS(英GⅠ)・英国際S(英GⅠ)】とルーラーオブザワールド【英ダービー(英GⅠ)】の兄弟がいる。ラッシーディアーの半弟にはゲイメセン【サンクルー大賞(仏GⅠ)】が、ラッシーディアーの半妹ギャランタの子にはゲイギャランタ【チェヴァリーパークS(英GⅠ)】がおり、同じ牝系にはスキーパラダイスハヴァードグレイス、ダイコウガルダン、キャプテントゥーレなどの名前も見られる名門牝系。→牝系:F3号族④

母父シアトルスルーは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、生まれ故郷のレーンズエンドファームで種牡馬入りした。初年度の種付け料は3万5千ドルに設定された。種牡馬成績はまずまずと言ったところである。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2002

Cosmonaut

ゴールデンゲートフィールズH(米GⅢ)・アーリントンH(米GⅢ)2回・フォートマーシーS(米GⅢ)

2002

Lemon Maid

ダッチェスS(加GⅢ)

2003

Bear's Kid

サマーS(加GⅡ)

2003

Citronnade

ゲイムリーS(米GⅠ)・サンゴルゴーニオH(米GⅡ)・サンタアナH(米GⅡ)・ビヴァリーヒルズH(米GⅡ)・ダリアH(米GⅡ)

2003

Kiss the Kid

クリフハンガーS(米GⅢ)・アップルトンS(米GⅢ)

2003

Lemons Forever

ケンタッキーオークス(米GⅠ)

2003

Malakoff

マリーンS(加GⅢ)

2004

Alpine Garden

ブリティッシュコロンビアBCオークス(加GⅢ)

2004

Christmas Kid

アッシュランドS(米GⅠ)・ダヴォナデイルS(米GⅡ)

2004

Santa Teresita

サンタマリアH(米GⅠ)

2005

Bronze Cannon

ジョッキークラブS(英GⅡ)・ハードウィックS(英GⅡ)

2005

Richard's Kid

パシフィッククラシックS(米GⅠ)2回・グッドウッドS(米GⅠ)・サンアントニオH(米GⅡ)・クーガーH(米GⅡ)・クーガーH(米GⅢ)

2005

Sweet Hope

エンディンH(米GⅢ)

2006

Break Water Edison

ナシュアS(米GⅢ)

2006

Charitable Man

ベルモントフューチュリティS(米GⅡ)・ピーターパンS(米GⅡ)

2007

Juniper Pass

サンルイレイS(米GⅢ)

2007

Khancord Kid

ヒアカムズザブライドS(米GⅢ)

2008

Dreamy Kid

スワップスS(米GⅡ)

2008

Hangover Kid

ボーリンググリーンH(米GⅡ)

2008

Lake Drop

カルロダレッシオ賞(伊GⅢ)

2008

Pisco Sour

ユジェーヌアダム賞(仏GⅡ)・ターセンテナリーS(英GⅢ)

2008

Wilkinson

アメリカンH(米GⅡ)・ルコントS(米GⅢ)

2009

Customer Base

ロバートJフランケルS(米GⅢ)

2009

Somali Lemonade

ダイアナS(米GⅠ)・ジェサミンS(米GⅢ)・ドクタージェームスペニー記念H(米GⅢ)・ギャロレットH(米GⅢ)

2009

Valiant Girl

マイチャーマーH(米GⅢ)

2010

Balance the Books

ウィズアンティシペーションS(米GⅡ)・バーボンS(米GⅢ)

2010

Code West

マットウィンS(米GⅢ)

2010

Kid Dreams

ホーソーンダービー(米GⅢ)

2010

Lemon Drop Dream

カウントフリートスプリントH(米GⅢ)

2010

Middleburg

クリフハンガーS(米GⅢ)

2010

Rusty Slipper

ヴァイオレットS(米GⅢ)・レッドカーペットH(米GⅢ)

2011

Aurelia's Belle

ブルボネットオークス(米GⅢ)・リグレットS(米GⅢ)・アーリントンオークス(米GⅢ)

2011

Cannock Chase

加国際S(加GⅠ)・ターセンテナリーS(英GⅢ)

2011

Da Big Hoss

ケンタッキーターフCS(米GⅢ)

2011

Kid Cruz

ドワイヤーS(米GⅢ)

2011

Sparkling Review

ミセスリヴィアS(米GⅡ)・ヴァリービューS(米GⅢ)

2011

Unspurned

ウィムジカルS(加GⅢ)

2012

Don't Leave Me

ブルボネットオークス(米GⅢ)・オンタリオコリーンS(加GⅢ)

2012

Itsaknockout

ファウンテンオブユースS(米GⅡ)

2012

Saham

ジェファーソンCS(米GⅢ)

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