イブンベイ

和名:イブンベイ

英名:Ibn Bey

1984年生

栗毛

父:ミルリーフ

母:ロージアベイ

母父:ハイトップ

豊富なスタミナを武器に芝とダートを問わずに活躍し、日本では1989年のジャパンCで見せた伝説的大逃げで知られる実力馬

競走成績:2~6歳時に英伊愛仏独日米で走り通算成績29戦10勝2着3回3着4回

誕生からデビュー前まで

英国エリザベスⅡ世女王陛下の競馬マネージャーも務めたロード・ポーチェスターこと第7代カーナボン伯爵ヘンリー・ハーバート卿により生産された英国産馬で、サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アル・サウード皇太子の息子であるファハド・ビン・サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アル・サウード氏に購入され、英国ポール・F・I・コール調教師に預けられた。主戦はT・クィン騎手が務めた。

競走生活(2・3歳時)

2歳8月にニューマーケット競馬場で行われたリステッド競走ベーコンS(T8F)でデビュー。このデビュー戦はラックアスタイルの5馬身半差4着だったが、ヘイドックパーク競馬場で行われた芝8ハロン40ヤードの未勝利ステークスを頭差で勝ち上がった。2歳時の成績は2戦1勝だった。

3歳時は英ダービーを目標とし、5月のリングフィールドダービートライアルS(英GⅢ・T12F)から始動した。しかし後のキングエドワードⅦ世S2着馬リーガルビッドや後のヨークシャーC勝ち馬マウンテンキングダムに全く歯が立たず、2着マウンテンキングダムに2馬身差で勝利したリーガルビッドから17馬身差をつけられた5着と惨敗した。その11日後に出走したリステッド競走プレドミネートS(T12F)では、2着アルワスミに2馬身差で勝利。そしてさらに2週間後に英ダービー(英GⅠ・T12F)に参戦した。しかし19頭立ての13番人気という低評価で、結果もリファレンスポイントの9着と冴えなかった。

夏場も休み無く走り、リステッド競走グロリアスS(T12F)に出走したが、ノッカンドゥの3馬身1/4差4着に敗退。次走のジェフリーフリアS(英GⅡ・T13F60Y)では、英セントレジャー・サンクルー大賞の勝ち馬ムーンマッドネス、リングフィールドダービートライアルSで本馬を破ったリーガルビッドの2頭に屈して、ムーンマッドネスの2馬身1/4差3着だった。

秋には伊国に遠征してイタリア大賞(伊GⅠ・2400m)に出走。ここでは単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持されると、2着ユングに10馬身差をつけて2分25秒8のコースレコードで圧勝した。その後は愛セントレジャー(愛GⅠ・T14F)に出走したが、ブランドフォードSを勝って臨んできた牝馬ユーロバードが勝利を収め、本馬は11馬身半以上の差をつけられて6着に完敗した。3歳時の成績は7戦2勝だったが、イタリア大賞の勝ち方が評価されて、伊最優秀3歳牡馬に選出された。

競走生活(4歳時)

4歳時は5月にニューベリー競馬場で行われたリステッド競走アストンパークS(T13F60Y)から始動した。単勝オッズ4.33倍の2番人気に推されたが、好位から直線で伸びを欠き、マースカニングハムの1馬身1/4差3着に敗退した。次走のハードウィックS(英GⅡ・T12F)では、サンチャリオットS・ゴードンリチャーズSの勝ち馬インファミー、ヨークシャーCを勝ってきたムーンマッドネス、前年のロスマンズ国際S勝ち馬リヴァーメモリーズ、ジョッキークラブS勝ち馬で後に豪州に移籍してコックスプレートなどを勝つアルマーラド、後に英ダービー馬サーパーシーの母となるパーシーズラスといった強豪馬勢と顔を合わせたため、単勝オッズ13倍で6番人気の低評価だった。ここでは先頭に立って逃げたが、ゴール前で差されてアルマーラドの3馬身半差4着に敗れた。

次走のプリンセスオブウェールズS(英GⅡ・T12F)では、前走2着のインファミー、同6着のパーシーズラスに加えて、前走の英ダービー惨敗からの巻き返しを図る素質馬アンフワインとの対戦となった。単勝オッズ13倍で5頭立ての最低人気だった本馬はレースでも逃げて失速。圧倒的な走りを見せたアンフワインから26馬身もの大差をつけられて4着に敗れた。続くジェフリーフリアS(英GⅡ・T13F60Y)では、モーリスドニュイユ賞を勝ってきたマースカニンガム、ハードウィックSで3着だったムーンマッドネス、伊オークス・愛オークス勝ち馬メロディストなどが対戦相手となった。やはり本馬の評価は低く、単勝オッズ15倍の4番人気だった。レースでは3番手の好位を追走したが、逃げた単勝オッズ21倍の最低人気馬トップクラスを捕らえるよりも先に失速し、トップクラスの5馬身差4着に敗退した。しかし仏国に移動して出走したドーヴィル大賞(仏GⅡ・T2700m)では、2番手追走から残り400m地点で抜け出して、2着サドンヴィクトリーに2馬身差で勝利。4歳時の成績は5戦1勝となった。

競走生活(5歳時)

5歳時は前年と同じくアストンパークS(T13F60Y)から始動。単勝オッズ7倍の4番人気だった。レースでは後方3番手を追走して追い上げ、単勝オッズ3倍の1番人気馬アルバドルの1馬身差2着に入った。次走のヘンリーⅡ世S(英GⅡ・T16F)では、ヨークシャーCで2着してきたザファラン、アスコット金杯・グッドウッドCなどを勝っていたサディームなどと顔を合わせた。単勝オッズ5.5倍の2番人気に推されたが、3番手追走から直線で失速して、サディームの13馬身差5着と大敗した。

次走のリステッド競走シルヴァーC(T14F)は、僅か3頭立てのレースとなった。かつてリングフィールドダービートライアルSで本馬に先着する2着だったオーモンドS・ヨークシャーC勝ち馬マウンテンキングダムが単勝オッズ1.44倍という断然の1番人気に支持され、本馬は単勝オッズ3倍の2番人気だった。レースでは逃げるマウンテンキングダムを見るように2番手を走り、残り2ハロン地点で先頭を奪うと、そのまま2着マウンテンキングダムに2馬身差で勝利した。

次走のモーリスドニュイユ賞(仏GⅡ・T2500m)では、2着マルドニオスに短首差で勝利した。3度目の出走となったジェフリーフリアS(英GⅡ・T13F60Y)では、フレッドアーチャーSを勝ってきたアパッチ、ゴードンSで2着してきたアルファベルとの対戦となった。本馬は単勝オッズ5.5倍の3番人気だったが、2番手追走から残り3ハロン地点で仕掛けて先頭に立って粘り切り、2着アパッチに頭差で勝利を収めた。

その後は独国に遠征してオイロパ賞(独GⅠ・T2400m)に出走。独ダービー・ベルリン銀行大賞・アラルポカル・バーデン大賞とこの年だけで独国GⅠ競走を4勝していたモンドリアンという強豪馬が出走していたため、本馬は単勝オッズ8.4倍の対抗馬扱いだった。しかしスタートしてすぐに逃げを打つと、残り200m地点から後続馬をさらに引き離し、モンドリアンを6馬身差の2着に下して圧勝した。

その後は地球の裏側に回ってジャパンC(日GⅠ・T2400m)に出走した。ノーフォークS・セクレタリアトS・オークツリー招待Hと米国GⅠ競走3勝を挙げていたホークスター、伊ジョッキークラブ大賞・ハードウィックS・セプテンバーSなどを勝ってきたアサティス、前年のジャパンC優勝馬ペイザバトラー、愛チャンピオンSと凱旋門賞を連勝してきたキャロルハウス、豪州のGⅠ競走マッキノンSを勝って臨んできたオセアニア最強馬ホーリックスなどの海外馬勢や、菊花賞・天皇賞秋などの勝ち馬スーパークリーク、有馬記念・マイルCSなどの勝ち馬オグリキャップ、天皇賞春・宝塚記念などの勝ち馬イナリワン、いずれも安田記念を勝っていたフレッシュボイスとバンブーメモリーなどの日本馬勢と、非常に強力なメンバー構成となった。4連勝の勢いが買われた本馬は単勝オッズ7.3倍で、単勝オッズ4.6倍のスーパークリーク、単勝オッズ5.3倍のオグリキャップ、単勝オッズ5.6倍のホークスターに次ぐ4番人気に推された。

戦前の予想では前走オークツリー招待Hで芝12ハロンの世界レコード2分22秒8を樹立したホークスターが逃げると思われていたが、そのハナを叩いて逃げに逃げたのは本馬だった。1000m通過は58秒5、1600m通過が1分34秒1、2000m通過は1分58秒0という超ハイペースで逃げる本馬。さすがに直線に入ると脚色が衰えたが、最終的には15頭立てで7馬身半差6着に粘り込んだ。このハイペースが功を奏したようで、勝ったホーリックスの勝ちタイムは2分22秒2の驚異的世界レコードとなった。5歳時は7戦4勝の成績を残し、オイロパ賞の勝ち方が評価されて、独最優秀古馬牡馬に選出された。

競走生活(6歳時)

6歳時はガネー賞(仏GⅠ・T2100m)から始動して、前年の凱旋門賞で1番人気に推されたプランスドランジュ賞勝ち馬インザウイングス、ギョームドルナノ賞・ドラール賞・アルクール賞と3連勝中のクリエイター、ヴェルメイユ賞勝ち馬ヤングマザーなどの強豪馬と激突した。ここでもスタートから逃げを打ったが、残り200m地点で失速してクリエイターの5馬身差3着に敗れた。

次走のコロネーションC(英GⅠ・T12F)には、前走2着のインザウイングスに加えて、本馬の半妹であるヨークシャーオークス勝ち馬ロジートターンも出走してきて、比較的珍しい兄妹対戦となった。インザウイングスが単勝オッズ2.875倍の1番人気で、ロジートターンが単勝オッズ3.5倍の2番人気、本馬は単勝オッズ6倍の3番人気だった。ここでも本馬はスタートから逃げを打ったが、残り2ハロン地点で脚色が衰え、インザウイングスの3馬身差3着に敗れた(ロジートターンは本馬から15馬身後方の4着だった)。

続いて伊国に遠征してミラノ大賞(伊GⅠ・T2400m)に参戦。しかし前走から10日後という強行軍が影響したのか、伊ダービー馬ティスランドの12馬身差4着と完敗を喫した。しかし1か月以上の間隔を空けて出走したベルリン銀行大賞(独GⅠ・T2400m)では単勝オッズ2.7倍の高評価に応えて、2連覇を狙ったモンドリアンを4馬身差の2着に破って圧勝した。次走のバーデン大賞(独GⅠ・T2400m)では、ベルリン銀行大賞後にアラルポカルを勝ってきたモンドリアンの雪辱を許したが、1馬身差の2着と好走した。

その3週間後に出走した愛セントレジャー(愛GⅠ・T14F)では、前年の英セントレジャー馬ミケロッツォが単勝オッズ2.25倍の1番人気に支持されており、本馬は単勝オッズ6倍の2番人気だった。ここでは2番手を追走し、残り2ハロン地点で先頭に立った。そして好位から全く伸びてこないミケロッツォを尻目に末脚を伸ばし、2着に入った単勝オッズ26倍の伏兵ミスターピンティップスに1馬身差で勝利した。

続いて本馬が出走したのはベルモントパーク競馬場で行われたBCクラシック(米GⅠ・D10F)だった。対戦相手は、BCジュヴェナイル・トラヴァーズSを勝っていた前年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬リズム、チャールズHストラブS・ジョッキークラブ金杯・サンフェルナンドSの勝ち馬フライングコンチネンタル、クイーンズプレート・プリンスオブウェールズS・ブリーダーズSの加国三冠競走を含む8連勝を記録していた加国三冠馬イズヴェスティア、ケンタッキーダービー・フロリダダービーの勝ち馬でプリークネスS・セクレタリアトS・スーパーダービー2着のアンブライドルド、スーパーダービー・レキシントンSの勝ち馬ホームアットラスト、ベルモントS・ローレルフューチュリティの勝ち馬ゴーアンドゴー、ウッドワードS・コーンハスカーH・カンタベリーカップHなど5連勝中のディスパーサル、オークローンH・サバーバンH・ジョッキークラブ金杯とこの年にGⅠ競走2着が3回あった前年のジェロームH勝ち馬ドローシュ、スワップスS・グッドウッドHなどの勝ち馬ライブリーワン、欧州から移籍してきてオークローンH・レイザーバックHを勝っていた後のBCマイル勝ち馬オープニングヴァーズ、ウッドメモリアルS・ゴーサムS勝ち馬でベルモントS2着のサーティシックスレッドなどで、どれもこれも北米ダート路線の実力馬ばかりだった。そんな中にあって、ダート競走を走るのが初めてという本馬では、いくら前走GⅠ競走勝ちと言っても評価されるはずもなく、単勝オッズ39倍で14頭中12番人気の低評価だった。リズムが単勝オッズ3.6倍の1番人気、フライングコンチネンタルが単勝オッズ5.8倍の2番人気、イズヴェスティアが単勝オッズ6.1倍の3番人気、アンブライドルドとホームアットラストが並んで単勝オッズ7.6倍の4番人気と続いていた。

スタートが切られるとライブリーワンが逃げを打ち、本馬はそれを見るように4番手の好位を追走した。そして三角で後続馬が押し寄せてきたのを見計らったクィン騎手が何度も鞭を大きく振るって猛然と仕掛けると、切れは無いながらもじわじわと伸びる末脚を発揮。直線で逃げ粘るライブリーワンを着実に追い詰めていった。しかしここで後方からアンブライドルドがやって来て、残り1ハロンを切った地点でライブリーワンとの合間を突かれてかわされてしまった。その後にライブリーワンは失速して4着に落ちたが、本馬は最後まで粘り、アンブライドルドの1馬身差2着と大健闘を見せた。

BCクラシックの前に日本馬主協会連合会の第8代会長を務めた相馬恵胤氏に購入され、日本で種牡馬入りする事が決まっていたため、引退レースとしてジャパンC(日GⅠ・T2400m)に参戦した。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS勝ち馬として史上初めてジャパンCに参戦したベルメッツ、コックスプレート・マッキノンSを連勝してきた豪州GⅠ競走6勝のベタールースンアップ、ターフクラシックSの勝ち馬でキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS2着のカコイーシーズ、愛セントレジャー・ゴールデンゲートH・サンセットHの勝ち馬プティットイル、伊共和国大統領賞・ミラノ大賞・カールトンFバークHの勝ち馬アルワウーシュ、エヴリ大賞の勝ち馬オードなどの海外馬勢や、前年のジャパンCで2着だったオグリキャップ、菊花賞で2着してきたセントライト記念勝ち馬ホワイトストーン、皐月賞・天皇賞秋などの勝ち馬ヤエノムテキ、宝塚記念などの勝ち馬オサイチジョージなどの日本馬勢が対戦相手となった。しかし穴人気となった前年と異なり、単勝オッズ18.1倍で15頭立ての11番人気とあまり評価されなかった。前年はスタートから猛然と逃げたが、今回は馬群の中団後方につけた。しかし直線に入ってもあまり伸びずに、ベタールースンアップの5馬身差8着に終わった。この年はGⅠ競走のみに出走して8戦2勝2着2回の成績を残し、独最優秀古馬牡馬だけでなく愛最優秀古馬牡馬にも選出されている。

血統

Mill Reef Never Bend Nasrullah Nearco Pharos
Nogara
Mumtaz Begum Blenheim
Mumtaz Mahal
Lalun Djeddah Djebel
Djezima
Be Faithful Bimelech
Bloodroot
Milan Mill Princequillo Prince Rose Rose Prince
Indolence
Cosquilla Papyrus
Quick Thought
Virginia Water Count Fleet Reigh Count
Quickly
Red Ray Hyperion
Infra Red
Rosia Bay High Top Derring-Do Darius Dante
Yasna
Sipsey Bridge Abernant
Claudette
Camenae ヴィミー Wild Risk
Mimi
Madrilene Court Martial
Marmite
Ouija Silly Season Tom Fool Menow
Gaga
Double Deal Straight Deal
Nonats
Samanda Alycidon Donatello
Aurora
Gradisca Goya
Phebe

ミルリーフは当馬の項を参照。

母ロージアベイは英国で8戦2勝の競走馬で、母としては本馬の半妹ロジートターン(父ブレイクニー)【ヨークシャーオークス(英GⅠ)・ジョッキークラブS(英GⅡ)・ランカシャーオークス(英GⅢ)】も産んでいる。また、本馬の半姉スリーズブーケ(父マミーズペット)の子にレッドカメリア【プレステージS(英GⅢ)】がおり、レッドカメリアの子にはレッドブルーム【フィリーズマイル(英GⅠ)・ブランドフォードS(英GⅡ)2回・ストレンソールS(英GⅢ)】がいる。ロージアベイの半弟にはテレプロンプター(父ウェルシュページェント)【バドワイザーミリオンS(米GⅠ)・クイーンエリザベスⅡ世S(英GⅡ)・愛国際S(愛GⅢ)2回・デズモンドS(愛GⅢ)・クインシー賞(仏GⅢ)】とシェトイアント(父レインボークエスト)【ブリガディアジェラードS(英GⅢ)】がいる他、ロージアベイの半妹セレクションボード(父ウェルシュページェント)の子にはカルティエ賞年度代表馬に2回輝いたウィジャボード【英オークス(英GⅠ)・愛オークス(愛GⅠ)・BCフィリー&メアターフ(米GⅠ)2回・香港ヴァーズ(香GⅠ)・プリンスオブウェールズS(英GⅠ)・ナッソーS(英GⅠ)・プリンセスロイヤルS(英GⅢ)】、ウィジャボードの息子にはオーストラリア【英ダービー(英GⅠ)・愛ダービー(愛GⅠ)・英国際S(英GⅠ)】がいる。豪州の歴史的名馬キングストンタウンも同じ牝系であり、世界的に活躍馬が多く出ている優れた母系である。→牝系:F12号族①

母父ハイトップはトップヴィルの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は北海道新冠郡新冠町にあるビッグレッドファームで種牡馬入りした。牧場スタッフによると、のんびりしていて扱いやすい馬だったらしい。初年度の1991年は91頭、2年目は87頭、3年目は73頭と交配数は確保された。4年目の交配数は47頭まで減少したが、この年にデビューした初年度産駒が一定の活躍を見せたため、翌1995年の交配数は70頭まで回復した。しかしその後は種牡馬人気が低迷し、6年目の交配数は20頭、7年目は19頭、8年目は7頭、代表産駒タイキヘラクレスがダービーグランプリを勝った9年目の1999年は15頭、10年目は9頭、11年目は4頭、12年目は1頭、13年目は2頭、14年目は5頭、15年目は4頭、16年目の2007年は1頭だった。全日本種牡馬ランキングは1999年の53位、地方競馬の種牡馬ランキングも同年の22位が最高だった。

2007年に種牡馬を引退し、以降はビッグレッドファームにおいて功労馬として余生を送った。晩年は左後脚を痛めていたが、牧場スタッフのケアにより長命を保ち、2012年12月に老衰のためビッグレッドファームにおいて28歳で他界した。母父としては根岸Sを勝ったビッググラスなどを出している。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1992

スイートイブン

北海道三歳優駿(帯広)・北斗盃(旭川)

1994

コウジンプリンセス

白菊賞(金沢)

1996

タイキヘラクレス

ダービーグランプリ(GⅠ)・名古屋優駿(GⅢ)

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