オーストラリア

和名:オーストラリア

英名:Australia

2011年生

栗毛

父:ガリレオ

母:ウィジャボード

母父:ケープクロス

英ダービー馬と英オークス馬の子として史上2例目の英ダービー制覇と、愛ダービー馬と愛オークス馬の子として史上初の愛ダービー制覇を果たした超良血馬

競走成績:2・3歳時に愛英で走り通算成績8戦5勝2着2回3着1回

誕生からデビュー前まで

ウィジャボードの所有者である第19代ダービー伯爵エドワード・スタンリー卿により、英国ニューマーケットのスタンリーハウススタッドにおいて生産された。ウィジャボードの項に記載したとおり、スタンリーハウススタッドは小規模牧場のため繋養できる馬の数は限られており、スタンリー卿は牝馬のみを所有し、牡馬は全て売却するというスタンスを取っていた。

本馬も1歳10月にタタソールズ社が実施したセリに出され、目利きとして知られるクールモアグループの代理人ダーモット・“デミ”・オバイアン氏により、52万5千ギニーで購入された。もっとも本馬は、父が名競走馬にして大種牡馬のガリレオで、母はカルティエ賞年度代表馬に史上初めて2度選ばれたウィジャボードという、おそらく世界中を見回しても滅多にいないほどの超良血馬であり、目利きのオバイアン氏でなくても注目される存在だった。クールモアの所有馬として、愛国エイダン・オブライエン調教師に預けられた。

本馬の馬名は言うまでもなく国名のオーストラリア(豪州)そのままである。よく知られているように、クールモアグループは所有する種牡馬を豪州にシャトルする事が多い。そのために、クールモア所有馬の命名を夫のクールモア総裁ジョン・マグナー氏から一任されていたスーザン・マグナー夫人は、競走馬として活躍していずれは豪州を代表する種牡馬になると確信できるような馬が現れたら、その馬にこの名前を与えるべく長年に渡りあたためていたそうである。

競走生活(2歳時)

2歳6月にカラー競馬場で行われた芝7ハロンの未勝利戦で、主戦として全競走に騎乗する事になるオブライエン師の息子ジョセフ・オブライエン騎手を鞍上にデビューした。血統的な期待が大きかった本馬は、単勝オッズ2倍で9頭立ての1番人気に支持された。ところがデビュー戦ではありがちな事だが、スタートで本馬は大きく出遅れてしまい、最後方からの競馬となってしまった。それでも徐々に前との差を詰めていったが、残り1ハロン半地点でもまだ6番手。しかしここから猛然と脚を伸ばして、2番手から先に抜け出していた単勝オッズ11倍の5番人気馬ルネッサンスアートとほぼ同時にゴールインした。結果は首差及ばずに2着惜敗だったが、あれだけ出遅れて首差まで来たのだから、次は勝てるだろうという雰囲気となった。

次走はそれから3週間後にカラー競馬場で行われた芝7ハロンの未勝利戦となった。前走と全く同じコースと距離のレースであり、ここでは当然のように単勝オッズ1.3倍で11頭立ての1番人気に支持された。今回は普通にスタートを切り、逃げる単勝オッズ34倍の7番人気馬ビルボードを追って2番手を進んだ。レース中盤でビルボードに並びかけると、残り2ハロン地点でビルボードを置き去りにして単独先頭に立って抜け出した。そのまま楽勝かと思われたのだが、好位を追走してきた単勝オッズ15倍の5番人気馬カルラビアンカが猛追してきて、みるみる本馬との差が縮まった。それでもなんとかしのぎ切り、カルラビアンカを3/4馬身差の2着に抑えて勝利した。

カルラビアンカも後に愛国のGⅢ競走を2勝する馬であり決して弱い馬では無かったのだが、この時点ではそんな事は分からないから、出遅れて惜敗した前走よりも普通に走って辛勝した今回のほうが内容的には劣るとも思われた。

次走は9月にレパーズタウン競馬場で行われたBCジュヴェナイルターフトライアルS(愛GⅢ・T8F)となった。対戦相手は、デビュー戦を5馬身半差で圧勝してきたフリーイーグル、未勝利戦を9馬身差で圧勝してきた同厩馬キングフィッシャー、デビュー戦でフリーイーグルから6馬身3/4差の3着だったウェクスフォードタウンの計3頭だった。フリーイーグルは近親に多くの活躍馬がいる名門牝系の出身であり、前走の勝ち方も評価されて、単勝オッズ1.4倍という圧倒的な1番人気に支持された。一方の本馬は前走の内容が今ひとつだったものの、この1週間前にカルラビアンカがGⅢ競走ダンスデザインSを勝った事で間接的に評価を持ち直し、単勝オッズ3.5倍の2番人気。キングフィッシャーが単勝オッズ9倍の3番人気で、ウェクスフォードタウンが単勝オッズ26倍の最低人気となった。

スタートが切られるとキングフィッシャーが先頭に立ち、フリーイーグルが2番手、本馬が3番手を進んだ。残り2ハロン地点でフリーイーグルが先頭に立ったが、さらに後方から来た本馬が残り1ハロン地点で並ぶ間もなくフリーイーグルを抜き去り、そのまま差を広げていった。最後はフリーイーグルを6馬身差の2着に破って勝利を収め、血統だけの馬では無いことをここで証明してみせた。

本馬が勝ったBCジュヴェナイルターフトライアルSは、2007年にゴールデンフリースSの名称で創設された競走で、同年に創設された米国のBCジュヴェナイルターフのトライアル競走として2012年に改名されていた。しかし実際には2015年現在、同競走の勝ち馬がBCジュヴェナイルターフに参戦した事例は無く、トライアル競走とは名ばかりとなっている。本馬も米国に遠征するような事は無く、2歳時を3戦2勝の成績で終えた。

競走生活(3歳前半)

3歳時はぶっつけ本番で英2000ギニー(英GⅠ・T8F)に出走した。対戦相手は、ソラリオS・グリーナムSなど3戦無敗のキングマン、愛ナショナルS・ヴィンテージS・クレイヴンSの勝ち馬トーモア、デューハーストS・コヴェントリーS・愛フューチュリティSの勝ち馬で愛フェニックスS3着のウォーコマンド、レーシングポストトロフィー・オータムSなど3戦無敗の前年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬キングストンヒル、ジャンリュックラガルデール賞2着馬ノーゾーカナリアス、BCジュヴェナイルターフ・英シャンペンSの勝ち馬でヴィンテージS2着・デューハーストS3着のアウトストリップ、ジェベル賞の勝ち馬でジャンリュックラガルデール賞3着のチャームスピリット、3連勝で臨んできたアーティジャール、ヨーロピアンフリーHを勝ってきたシフティングパワー、英シャンペンS・クレイヴンS・エイコムS2着のザグレイギャッツビー、ドンカスターSの勝ち馬でグリーナムS2着のナイトオブサンダーなどだった。キングマンが単勝オッズ2.5倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.5倍の2番人気、トーモアが単勝オッズ8.5倍の3番人気、ウォーコマンドが単勝オッズ9倍の4番人気、キングストンヒルが単勝オッズ11倍の5番人気となった。

直線コースの他頭数のため、スタート後しばらくして馬群がスタンド側、中央、反対側の3つに分かれた。本馬は中央馬群にいたが、しばらくしてこの馬群はスタンド側馬群に吸収されたため、本馬はスタンド側馬群の好位を進んだ。このスタンド側馬群はトーモアが先頭を引っ張っていた。本命のキングマンがいたのは反対側馬群で、こちらは単勝オッズ34倍の8番人気馬チャームスピリットが先頭を引っ張っていた。残り1ハロン地点で本馬がスタンド側馬群から飛び出して先頭に立った。ほぼ同時にキングマンも反対側馬群から飛び出して先頭に立った。馬群が2つに分かれていたため分かりづらかったが、反対側馬群のほうがスタンド側馬群より前目だったようで、本馬よりもキングマンのほうが位置取りとしては前で、本馬は実際には先頭では無く2番手だった。そこへキングマンと同じ反対側馬群の中からもう1頭の馬が飛び出してきた。単勝オッズ41倍の11番人気馬ナイトオブサンダーだった。ナイトオブサンダーは馬群から飛び出してくると、いきなりスタンド側目掛けて大斜行してきた。そしてコースをほぼ完全に横断したナイトオブサンダーは本馬の横まで来てしまったが、このコースロスを差し引いてもナイトオブサンダーは本馬よりも前に出ており、そしてキングマンよりも前だった。非常識極まりない走りを見せたナイトオブサンダーが優勝を攫ってしまい、キングマンは半馬身差の2着、本馬はさらに頭差の3着に敗れた。本馬が敗れたのは展開の綾といった雰囲気が強く、ナイトオブサンダーやキングマンと同じ馬群で走っていたら違う結果になっていた可能性が高そうだった。

ナイトオブサンダーやキングマンはそのままマイル路線に進んだが、本馬のほうは父が英ダービー馬で母が英オークス馬なのだから、向かうべき道は英ダービー(英GⅠ・T12F10Y)に決まっていた。対戦相手は、英2000ギニーで8着だったキングストンヒル、フェイルデンSを7馬身差で勝っていたダンテS3着馬トゥルーストーリー、サンダウンクラシックトライアルSを勝ってきたウェスタンヒム、ベレスフォードSを勝っていた同厩馬ジェフリーチョーサー、バリサックスS・デリンズタウンスタッドダービートライアルSを連勝してきたファシネイティングロック、デリンズタウンスタッドダービートライアルS2着馬エバノラン、チェスターヴァーズを勝ってきた同厩馬オーケストラ、チェスターヴァーズ2着馬ロムスダル、ダンテS2着馬アロッド、フェアウェイSを勝ってきたピンゾロ、BCジュヴェナイルターフトライアルSで本馬の3着に敗れた後に2連敗したが前走ディーSを勝ってきたキングフィッシャー、サンダウンクラシックトライアルS2着馬インパルシヴモーメント、エプソムダービートライアルSを勝ってきたアワーチャンネル、タタソールズミリオン3歳トロフィーの勝ち馬でリングフィールドダービートライアルS3着のサドンワンダー、リディアテシオ賞の勝ち馬ドバイサプライズの息子である6戦1勝馬レッドガリレオの計15頭だった。

英ダービー馬と英オークス馬の間に産まれた子が英ダービーを勝った事例は過去に1995年のラムタラしかいなかったが、そのラムタラのお陰で200年以上に渡るジンクスはとりあえず消滅しており、本馬が単勝オッズ2.375倍の1番人気に支持された。前走8着と言っても決定的な惨敗では無かった上に英ダービー当日の少し湿った馬場には向いていると見られたキングストンヒル(過去3勝は全て湿った馬場状態で、英2000ギニーは堅良馬場だった)が単勝オッズ8.5倍の2番人気、ゴドルフィンの期待馬として本馬の対抗馬と見られていたがダンテSの内容から評価を落としたトゥルーストーリーが単勝オッズ9倍の3番人気、ウェスタンヒムとジェフリーチョーサーが並んで単勝オッズ11倍の4番人気であり、本馬が抜けた人気となった。

スタートが切られると単勝オッズ51倍の12番人気馬アワーチャンネルが先頭に立ち、キングストンヒル達がそれを追って先行。本馬は馬群の中団を進んだ。そのままの態勢で直線に入ると、逃げ粘るアワーチャンネルを残り2ハロン地点でキングストンヒルがかわして先頭に立った。しかしこの段階で既にキングストンヒルの外側直後には、直線入り口8番手から脚を伸ばしてきた本馬が迫っていた。そして残り1ハロン地点で完全に先頭に立った本馬が、食い下がるキングストンヒルを1馬身1/4差の2着に抑えて優勝。オブライエン師にとっては、一昨年のキャメロット、前年のルーラーオブザワールドに続く3年連続5度目の英ダービー制覇で、オブライエン騎手にとってはキャメロット以来2年ぶり2度目の英ダービー制覇となった。

次走は愛ダービー(愛GⅠ・T12F)となった。このレースは一昨年までオブライエン師の管理馬が7連勝していたのだが、前年に連勝記録が止まってしまっていた。当初は出走予定だったキングストンヒルが堅い馬場状態を嫌がって回避したため、対戦相手は、前走8着のファシネイティングロック、同10着のキングフィッシャー、同12着のオーケストラ、3戦2勝で臨んできたポンフェイの4頭だけだった。このメンバー構成ではアクシデントでもない限りは本馬が負けることは考えられず、単勝オッズ1.125倍という断然の1番人気。ファシネイティングロックが単勝オッズ9倍の2番人気、オーケストラとポンフェイが並んで単勝オッズ13倍の3番人気、キングフィッシャーが単勝オッズ26倍の最低人気となった。

スタートが切られるとペースメーカー役としての出走でもあったキングフィッシャーが先頭に立ち、2馬身ほど離れた2番手がオーケストラで、本馬はさらに離れた3番手を進んだ。道中でオーケストラと本馬の差はかなり広がって6馬身程度になり、そのままの状態で直線に入った。まずは残り1ハロン半地点でオーケストラがキングフィッシャーに並びかけた。しかしこの段階では既に、残り2ハロン地点で満を持してスパートしていた本馬がすぐ後方に迫ってきていた。そして残り1ハロン地点で本馬が一気に前2頭を抜き去った。そのまま突き抜けた本馬が最後は馬なりで走って勝利を収め、2馬身半差の2着がキングフィッシャー、さらに2馬身半差の3着がゴール前でよれて失速したオーケストラだった。

上位3頭は全てオブライエン師の管理馬だったが、これは彼にとって同競走5度目の例であり、珍しくもなんともなかった。むしろ珍しかったのは、愛ダービー馬と愛オークス馬の間に産まれた子が愛ダービーを勝った事のほうで、これは実は史上初の出来事だった。愛オークス馬が愛ダービー馬の母となった例は、1925年の愛ダービー馬ザイオニストの母となった1918年の愛オークス馬ジュディア、1940年の愛ダービー馬ターカンの母となった1930年の愛オークス馬テレジナの2例しか過去に無かったが、ザイオニストの父はスペアミント、ターカンの父はバーラムで、いずれも英ダービー馬ではあるが愛ダービー馬ではなかったのである。この愛ダービーで本馬が見せた走りは「平素の調教より少し真面目に走った程度」だったと評され、他馬との圧倒的な実力差を見せつけた。

競走生活(3歳後半)

その後の選択肢に関しては色々と考えられたが、オブライエン師は「10ハロンに縮めても何の問題も無いと思います」と表明。次走は英国際S(英GⅠ・T10F88Y)となった。このレースで本馬に課された斤量は124ポンドで、これは本馬が今まで出走してきたレースの中で最も軽かった。それで困ったのがオブライエン騎手だった。彼は騎手としては身長がかなり高かった(おそらく180cmはある)ために減量には常々苦労していた。そのためにこのレースで本馬に騎乗できるほどの体重に下げることは困難と思われた。そのため本馬陣営はライアン・ムーア騎手に声を掛けたが、ムーア騎手には先約があったために断られてしまった。そこでオブライエン騎手は必死になって減量して、なんとか本馬に乗れるようになったのだった。

対戦相手は、グレートヴォルティジュールS・ハードウィックSの勝ち馬で前走キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS2着のテレスコープ(ムーア騎手はこの馬に乗る先約があった)、エクリプスS・ヨークS・ブリガディアジェラードSの勝ち馬でドバイワールドC・プリンスオブウェールズS2着・前走キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS・エクリプスS3着のムカドラム、英2000ギニー10着後にダンテSを勝ったが英ダービーではなく仏ダービーに向かって勝利を収めていたザグレイギャッツビー、英ダービー4着後に条件ステークスを勝っていたアロッド、今回も本馬のペースメーカー役として出走したキングフィッシャーの計5頭だった。本馬が単勝オッズ1.62倍の1番人気、テレスコープとムカドラムが並んで単勝オッズ6倍の2番人気、ザグレイギャッツビーが単勝オッズ13倍の4番人気、アロッドが単勝オッズ21倍の5番人気となった。

スタートが切られると最初にムカドラムが先頭を伺ったが、キングフィッシャーがそれをかわして先頭に立った。アロッドとテレスコープが前2頭に続き、本馬とザグレイギャッツビーが並んで最後方という展開となった。そのままの態勢で直線に入ると、ペースメーカーの役割を果たしたキングフィッシャーは失速。代わりにムカドラムが残り2ハロン地点で先頭に立ち、さらにアロッドとテレスコープの2頭もムカドラムに並びかけてきた。しかし後方から追い上げてきた本馬が残り1ハロン地点で一気に他3頭を抜き去っていった。最後は2着に追い上げてきたザグレイギャッツビーに2馬身差をつけて勝利した。

次走は翌9月の愛チャンピオンS(愛GⅠ・T10F)となった。対戦相手は、ザグレイギャッツビー、前走4着のムカドラム、タタソールズ金杯・プリンスオブウェールズS・エクリプスS・ジョッキークラブS・ゴードンリチャーズS・ウィンターヒルSの勝ち馬で前年の愛チャンピオンS2着・英国際S3着のアルカジーム、前年の愛ダービー馬でオータムSを勝ちキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS・英国際S・エクリプスS2着・愛2000ギニー・愛チャンピオンS3着のトレーディングレザー、ペースメーカー役のキングフィッシャーなど6頭だった。本馬が単勝オッズ1.3倍の1番人気、ザグレイギャッツビーが単勝オッズ8倍の2番人気、アルカジームが単勝オッズ11倍の3番人気、ムカドラムが単勝オッズ13倍の4番人気、トレーディングレザーが単勝オッズ21倍の5番人気となった。

スタートが切られると、ムカドラム陣営が用意したペースメーカー役のアルカザールが先頭を奪い、キングフィッシャーは2番手。ムカドラムがその後方を進み、さらに離れた4番手以降にトレーディングレザー、アルカジーム、本馬と続き、最後方がザグレイギャッツビーだった。直線に入る前にアルカザールが失速してキングフィッシャーが先頭に立ったが、直線で粘ることは出来ずに失速。代わりに残り2ハロン地点でムカドラムが先頭に立ったが、それをすぐさま本馬がかわして先頭に立った。そしてそのまま本馬が突き抜けて勝つと思われたのだが、本馬を徹底マークしていたザグレイギャッツビーが残り1ハロン地点で並びかけてきた。2頭の叩き合いはゴールまで続いたが、後方から来た分だけザグレイギャッツビーの脚色が良く、競り勝って勝利。本馬は3着トレーディングレザーには4馬身半差をつけたものの、首差の2着に敗れてしまった。

その後はマイル戦のクイーンエリザベスⅡ世Sや英チャンピオンSへ向かう計画があったが、愛チャンピオンSから4週間後の10月11日、右後脚の蹄に菌が感染して膿瘍を発症したために調教が困難になった事を理由として、競走馬引退が発表された。3歳時の成績は5戦3勝で、カルティエ賞年度代表馬及び最優秀3歳牡馬の座は、英2000ギニー2着後にGⅠ競走を4連勝したキングマンに譲ることになった。

血統

Galileo Sadler's Wells Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Fairy Bridge Bold Reason Hail to Reason
Lalun
Special Forli
Thong
Urban Sea Miswaki Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Hopespringseternal Buckpasser
Rose Bower
Allegretta Lombard Agio
Promised Lady
Anatevka Espresso
Almyra
Ouija Board Cape Cross Green Desert Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Foreign Courier Sir Ivor
Courtly Dee
Park Appeal Ahonoora Lorenzaccio
Helen Nichols
Balidaress Balidar
Innocence
Selection Board Welsh Pageant Tudor Melody Tudor Minstrel
Matelda
Picture Light Court Martial
Queen of Light
Ouija Silly Season Tom Fool
Double Deal
Samanda Alycidon
Gradisca

ガリレオは当馬の項を参照。

ウィジャボードは当馬の項を参照。→牝系:F12号族①

母父ケープクロスは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、父ガリレオも暮らしている愛国クールモアスタッドで種牡馬入りした。初年度の種付け料は5万ユーロで、同時に同牧場で種牡馬生活を開始した1歳年上の同父の英ダービー馬ルーラーオブザワールドの1万ユーロの5倍となっている。

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