ケープクロス

和名:ケープクロス

英名:Cape Cross

1994年生

黒鹿

父:グリーンデザート

母:パークアピール

母父:アホヌーラ

現役時代のGⅠ競走勝ちはペースメーカー役だったロッキンジSのみだが種牡馬としてはカルティエ賞年度代表馬を3頭も輩出する大活躍を見せる

競走成績:2~5歳時に英首仏米加で走り通算成績19戦5勝2着3回3着3回

誕生からデビュー前まで

ドバイのシェイク・モハメド殿下により愛国キルダンガンスタッドにおいて生産され、ゴドルフィンの所有馬として英国ジョン・ゴスデン調教師に預けられた。

競走生活(2・3歳時)

2歳8月にニューマーケット競馬場で行われた芝7ハロンの未勝利ステークスで、レイ・コクレーン騎手を鞍上にデビューした。単勝オッズ15倍で4番人気の評価であり、レースでも後方から差を詰めただけで、勝ち馬ヤライエタニーの5馬身半差4着に敗れた。

翌月にドンカスター競馬場で行われた芝8ハロンの未勝利ステークスでは、主戦となるランフランコ・デットーリ騎手とコンビを組み、単勝オッズ4倍の2番人気となった。今回は残り1ハロン地点できっちりと差し切って、2着シャヤに1馬身1/4差で勝ち上がり、2歳時の成績は2戦1勝となった。

3歳時は4月のクレイヴンS(英GⅢ・T8F)から始動した。ホーリスヒルSの勝ち馬でロイヤルロッジS2着のデザートストーリー、ソマーヴィルタタソールSの勝ち馬でヴィンテージS2着のグレープショット、コンデ賞で1位入線2着降着のモンツァ、デューハーストS3着馬エアエクスプレスなどが相手となった。デザートストーリーが単勝オッズ3.5倍の1番人気で、グレープショットが単勝オッズ4.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ5倍の3番人気となった。本馬はスタートが良すぎて、デットーリ騎手が強く抑えて控える形となってしまい、それが影響したのかゴール前でもう一伸びが足りず、上位人気2頭に敗れて、デザートストーリーの1馬身差3着に終わった。

次走の英2000ギニー(英GⅠ・T8F)では、仏グランクリテリウム・サラマンドル賞などを勝って前年のカルティエ賞最優秀2歳馬に選ばれたリヴォーク、モーリスドギース賞勝ち馬イクスクルシヴオーダーの息子である期待馬アントレプレナー、ヨーロピアンフリーHを勝ってきたヒドゥンメドウ、チェシャムSの勝ち馬シャミク、レーシングポストトロフィー2着馬ポティーン、名馬ザフォニックの全弟であるモルニ賞2着馬ザミンダール(後に凱旋門賞馬ザルカヴァの父となる)、デザートストーリー、ヴィンテージS勝ち馬プトゥラ、デューハーストS2着馬ミュージカルパースート、後のジャンプラ賞・セントジェームズパレスSの勝ち馬スターボローなどが相手となった。デットーリ騎手が人気馬の一角シャミクに騎乗したためにオリビエ・ペリエ騎手とコンビを組んだ本馬は、単勝オッズ21倍で9番人気の低評価だった。そしてレースでも先行して失速し、やはり先行して押し切って勝利したアントレプレナーから10馬身半差の8着と完敗を喫した(折り合いを欠いて14着に終わったシャミクには一応先着している)。

その後はグループ競走路線から離れて、下級条件ステークス競走路線を進んだ。6月にアスコット競馬場で行われたシャージャハーンダイアモンド条件S(T8F)では、女性騎手L・ピアース騎手を鞍上に、単勝オッズ2.875倍の1番人気に支持された。しかしスタートから逃げを打ったものの、ゴール寸前で単勝オッズ11倍の3番人気馬ブレスドスピリットに捕まって首差2着に敗れた。

8月にグッドウッド競馬場で行われたボーダフォン条件S(T8F)では、後のプリンスオブウェールズS勝ち馬フェイスフルサンが単勝オッズ1.73倍の1番人気に支持されており、本馬は単勝オッズ4倍の2番人気だった。しかしデットーリ騎手を鞍上に先行して押し切り、2着ドラゴナーダに2馬身半差で勝利した(フェイスフルサンは5着)。

それから11日後にサンダウンパーク競馬場で出走したバークレーグループ条件S(T8F14Y)では、後のデュッセルドルフ大賞・リボー賞・セプテンバーSの勝ち馬クリムゾンタイドなどを抑えて単勝オッズ1.73倍の1番人気に支持された。ここでは好位追走から残り2ハロン地点で抜け出したが、単勝オッズ21倍の最低人気馬ヒラサーに差されて首差2着だった。

さらに10日後にはセレブレーションマイル(英GⅡ・T8F)に出走した。単勝オッズ4.5倍で4頭立ての3番人気だった。ここでは単勝オッズ1.73倍の1番人気に推されていたジャージーSの勝ち馬アマングメンがスタートから先頭に立ち、本馬もそれを追って先行。そして残り1ハロン地点で先頭に立ち、2位入線のアマングメンに2馬身半差をつけてトップゴールした。ところが、道中で他馬に激しく衝突する場面があり、レース後の審議で4着最下位に降着となってしまった。

秋以降は全休し、この間にドバイのサイード・ビン・スルール厩舎に転厩。3歳時の成績は6戦1勝止まりだった。

競走生活(4歳時)

4歳時は2月にドバイのナドアルシバ競馬場で行われたマクトゥームチャレンジR2(D1800m)から始動。初ダートにも関わらず、前走マクトゥームチャレンジR1を勝ってきたワシックの1馬身半差2着に入り、マクトゥームチャレンジR1で2着してきたフライトゥザスターズ(3着)に4馬身半先着する好走を見せた。しかし次走のナドアルシバマイル(D1600m)では、クイーンアンS・ペガサスHなどの勝ち馬アライドフォーシズの8馬身差5着に敗れた。

その後は欧州に戻り、5月のロッキンジS(英GⅠ・T8F)に出走した。前年のクイーンエリザベスⅡ世S・伊2000ギニー・独2000ギニーを勝っていたエアエクスプレス、前年のセレブレーションマイルで本馬の降着により繰り上がって勝利馬となって以来の実戦となるアマングメン、サンダウンマイルを勝ってきたアルムシュタラク、チャレンジSの勝ち馬でジャージーSではアマングメンの2着だった同厩馬カハル、前年の英2000ギニーで3着だったポティーン、レーシングポストトロフィー・クレイヴンSの勝ち馬ビーチャムキング、サンダウンマイルで2着してきたフランクフルトトロフィー勝ち馬クリスタルハーテッド、クイーンアンS2着馬セントルストールズ、ドンカスターマイルを勝ってきたホーンビームなど9頭が対戦相手となった。エアエクスプレスが単勝オッズ4.33倍の1番人気、アマングメンが単勝オッズ4.5倍の2番人気となる一方で、そのアマングメンをセレブレーションマイルで曲がりなりにも一蹴したはずの本馬は単勝オッズ21倍の9番人気の低評価だった。陣営が期待していたのもカハルのほうであり、本馬はそのペースメーカー役としての出走だった。

デットーリ騎手が当然のようにカハルを選択したため、本馬には初コンビとなるダラ・オドノヒュー騎手が騎乗した。レースでは単勝オッズ13倍の人気薄だったクリスタルハーテッドを抑えて逃げを打ち、この2頭以外の馬は一団となって後方を追走した。所詮はペースメーカー役であり、そのうち失速すると思われたが、残り2ハロン地点を過ぎても手応えが良く、オドノヒュー騎手が追い始めると二の脚を使って後続を引き離した。残り1ハロン地点手前で後方を振り返ったオドノヒュー騎手が勝てると思ってさらに追うとさらに伸び、ゴール前で強襲してきたポティーンを首差抑えてまんまと逃げ切り優勝した。ポティーンから2馬身半差の3着にセントルストールズが入り、カハルはさらに首差の4着、アマングメンはさらに2馬身差の6着、エアエクスプレスはさらに3/4馬身差の7着に敗れ去った。

続くクイーンアンS(英GⅡ・T8F)では、ポティーン、セントルストールズ、前走5着のアルムシュタラク、アマングメンに加えて、前走ダイオメドSを5馬身差で圧勝してきた同厩馬インティカブ、未勝利ステークスを7馬身差、ビッカーショウ条件Sを13馬身差で連勝してきた、後の愛国際S勝ち馬グレートデインなどが出走してきた。本馬は前走をフロック視された事もあり、単勝オッズ13倍で9頭立ての7番人気だった。ここでも陣営が期待していたのはデットーリ騎手騎乗のインティカブのほうであり、オドノヒュー騎手騎乗の本馬はやはりペースメーカーとしての役割を強いられた。スタートから先頭をひた走ったが、残り2ハロン地点でインティカブにかわされるとそのまま失速。2着アマングメンに8馬身差をつけて圧勝したインティカブから11馬身差の5着に終わった。

次走のジャックルマロワ賞(仏GⅠ・T1600m)では、当初出走予定だったインティカブが負傷で回避したため、鞍上はデットーリ騎手に戻った。対戦相手は、前走サセックスSを勝ってきたアマングメン、イスパーン賞で3着してきたミュゲ賞・クインシー賞・エドモンブラン賞の勝ち馬マラソン、伊グランクリテリウム勝ち馬で英2000ギニー2着・サセックスS3着のレンドアハンド、前週のモーリスドギース賞をシーキングザパールで勝利した武豊騎手が騎乗するアスタルテ賞の勝ち馬ミスベルベール、エミリオトゥラティ賞・ベルリンブランデンブルクトロフィーなど3連勝中のウェイキーナオ、そして日本から参戦してきた、ユニコーンS・スワンS・マイルCS・スプリンターズS・京王杯スプリングC・安田記念と目下6連勝中のタイキシャトルなど7頭だった。シーキングザパールが惨敗した安田記念を完勝していたタイキシャトルが、シーキングザパールのモーリスドギース賞勝利の後押しも受けて単勝オッズ1.3倍という圧倒的な1番人気に支持された。アマングメンが単勝オッズ5.9倍の2番人気、マラソンが単勝オッズ8.9倍の3番人気、本馬とレンドアハンドのカップリングが単勝オッズ9.2倍の4番人気となった。スタートが切られると、岡部幸雄騎手騎乗のタイキシャトルが先頭を伺ったが、本馬がそれをかわして先頭に立ち、そのままレースを先導。タイキシャトルは道中で余所見をしながら好位を進んでいた。本馬の手応えは良く、そのまま本馬が押し切るかと思われたゴール前、猛然とスパートしてきたタイキシャトルが本馬を半馬身かわして勝利。本馬は後方待機策を採っていたアマングメンにも短頭差抜かれて3着だった。

次走のクイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ・T8F)では、愛2000ギニー・ムーランドロンシャン賞を勝ってきたデザートプリンス、セントジェームズパレスS・ユジェーヌアダム賞を連勝してきたドクターフォング、アマングメン、ハンガーフォードS・セレブレーションマイルを連勝してきた仏2000ギニー2着馬ムータティール、ムーランドロンシャン賞で3着してきた仏グランクリテリウムの勝ち馬セカンドエンパイア、クイーンアンS4着後にサセックスSとセレブレーションマイルで2着していたアルムシュタラクの計6頭が相手となった。デットーリ騎手騎乗の本馬は単勝オッズ8.5倍の6番人気だった。ここではムータティールが逃げを打ったため、本馬はその後ろを先行した。そして残り3ハロン地点から内側を突いて仕掛けようとしたが、進路が塞がって抜け出せなかった。結局、勝ったデザートプリンスから4馬身1/4差の4着という消化不良の競馬に終わった。

その後は米国に向かい、チャーチルダウンズ競馬場で行われたBCマイル(米GⅠ・T8F)に参加した。地元米国からは、2歳にして前年のエクリプス賞年度代表馬に選ばれていたフェイヴァリットトリック、ハリウッドダービー・ウッドバインマイル・シューメーカーBCマイルSの勝ち馬ラビーブ、2年前のBCマイル勝利後に故障して2年間もの空白を経てきたダホス、ターフクラシックSの勝ち馬ジョユーダンスール、アーケイディアH・エルリンコンH・サンフランシスコマイルHなどの勝ち馬ホークスリーヒルなどが、欧州からもデザートプリンス、アマングメン、セカンドエンパイア、ロンポワン賞を勝ってきたフライトゥザスターズなどが参戦してきた。ジェリー・ベイリー騎手騎乗の本馬は単勝オッズ15.4倍の9番人気だった。そして最内枠発走から好位につけようとするも掛かり気味に進出してしまい向こう正面で先頭に立つというちぐはぐなレースぶりで、直線で伸びずに、ダホスの11馬身差9着に終わった。上位3頭は米国調教馬が占め、欧州勢は本馬だけでなくアマングメン(11着)やデザートプリンス(14着最下位)も惨敗と、いいところなしだった。4歳時の成績は7戦1勝だった。

競走生活(5歳時)

翌5歳時もドバイから始動し、まずはナドアルシバマイル(D1600m)に出走した。ゲイリー・スティーヴンス騎手騎乗の本馬は、スタートから押して先行したが、直線に入ると力尽き、勝ったレンドアハンドから7馬身1/4差の3着に敗れた。

その後は欧州に戻ってクイーンアンS(英GⅡ・T8F)に出走した。前年の愛2000ギニー2着だった同厩馬ファエク、BCマイルでは5着だったが前走のロッキンジSを勝ってきたフライトゥザスターズ、クレジットスイス個人銀行マイルSで2着してきたオンザリッジ、この年の香港マイルを勝つドックサイダー、香港国際C・クレジットスイス個人銀行マイルS・ロッキンジSと3戦連続3着中のアルムシュタラク、セントジェームズパレスS3着馬ソービータワー、クインシー賞の勝ち馬パーフェクトヴィンテージの計7頭が相手となった。デットーリ騎手が単勝オッズ3倍の1番人気に推されていたファエクに騎乗したため、単勝オッズ8倍の4番人気だった本馬にはスティーヴンス騎手が騎乗した。そして結果は前年のロッキンジSとほぼ同様だった。スタートから快調に逃げた本馬が、残り2ハロン地点でドックサイダーに並びかけられた後も二の脚を使って伸び、2着ドックサイダーを短頭差抑えて勝利を収め、ファエクは本馬から2馬身1/4差の4着に終わったのだった。

次走は、2年前にトップゴールしながら降着となった因縁のセレブレーションマイル(英GⅡ・T8F)となった。ジムクラックSを勝ってきた同厩馬ヨスルアルガルード、クイーンアンS3着後にサセックスS3着・英国際S4着と相変わらず堅実に走っていたアルムシュタラクなど4頭が対戦相手だった。デットーリ騎手が単勝オッズ1.73倍の1番人気馬ヨスルアルガルードに騎乗したため、単勝オッズ3.5倍の2番人気だった本馬はジョン・リード騎手とコンビを組んだ。本馬はもはや常套手段となっていた逃げ戦法を採った。そしてそのまま2着ヨスルアルガルードに1馬身半差をつけて逃げ切り、2年前の雪辱を果たした。

その後は再度北米大陸に遠征し、加国のウッドバイン競馬場で行われたアットマイルS(加GⅠ・T8F)に出走した。ETターフクラシックSで2着してきたガルブ、前年のBCマイルで2着だったホークスリーヒル、シューメーカーBCマイルSを勝ってきたシリック、香港国際ボウル・クイーンエリザベスⅡ世Cの勝ち馬で、モーリスドギース賞でシーキングザパールの2着だったジムアンドトニック、ポティーンなどが対戦相手となった。久々にデットーリ騎手が騎乗した本馬は、単勝オッズ8.1倍の4番人気だった。レースではロブズジンが単騎の逃げに持ち込み、本馬はガルブと共に2~3番手を追走。そのままの態勢で直線に入ると、逃げるロブズジンを必死に追撃。しかし最後は力尽きて後続馬に飲み込まれ、大外を追い込んで1位入線したホークスリーヒルから2馬身3/4差の6着に敗れた(ホークスリーヒルはジムアンドトニックの進路を妨害したとして4着に降着となり、クワイエットリゾルヴが繰り上がって勝利馬となっている)。

本馬はこれを最後に、5歳時4戦2勝の成績で競走馬引退となった。本馬の19戦中10戦にデットーリ騎手が騎乗しているのだが、本馬が勝利したグループ競走3勝は全て彼以外の騎手によるものであり、結果だけ見るとデットーリ騎手とは合わなかったようにも思えるのだが、真相は闇の中である。

血統

Green Desert Danzig Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Pas de Nom Admiral's Voyage Crafty Admiral
Olympia Lou
Petitioner Petition
Steady Aim
Foreign Courier Sir Ivor Sir Gaylord Turn-to
Somethingroyal
Attica Mr. Trouble
Athenia
Courtly Dee Never Bend Nasrullah
Lalun
Tulle War Admiral
Judy-Rae
Park Appeal Ahonoora Lorenzaccio Klairon Clarion
Kalmia
Phoenissa The Phoenix
Erica Fragrans
Helen Nichols Martial Hill Gail
Discipliner
Quaker Girl Whistler
Mayflower
Balidaress Balidar Will Somers Tudor Minstrel
クヰーンスジェスト
Violet Bank The Phoenix
Leinster
Innocence シーホーク Herbager
Sea Nymph
Novitiate Fair Trial
The Veil

グリーンデザートは当馬の項を参照。

母パークアピールは現役成績8戦5勝、チェヴァリーパークS(英GⅠ)・モイグレアスタッドS(愛GⅠ)を勝ち、英愛両国で最優秀2歳牝馬に選出された名牝。本馬の半姉パストラル(父ヌレイエフ)の子にカレイマー【カルヴァドス賞(仏GⅢ)】、イフラージ【パークS(英GⅡ)2回・レノックスS(英GⅡ)】、ファラージ【ウインターダービー(英GⅢ)】が、半姉アルヴォラ(父サドラーズウェルズ)の子に安田記念2着馬ディクタット【モーリスドギース賞(仏GⅠ)・スプリントC(英GⅠ)・ジャージーS(英GⅢ)・クリテリオンS(英GⅢ)】がいる。

パークアピールの母バリダレスは優れた繁殖牝馬で、パークアピールの半姉デザイラブル(父ロードゲイル)【チェヴァリーパークS(英GⅠ)】、全弟ナシャマ【バリーマコイS(愛GⅢ)】、半妹アリダレス(父アリダー)【愛オークス(愛GⅠ)・リブルスデールS(英GⅡ)】も産んでいる。パークアピールの半姉サリダー(父サルスト)の子にはビンアジワード【デズモンドS(愛GⅢ)・グラッドネスS(愛GⅢ)】が、デザイラブルの子にはシャダイード【英1000ギニー(英GⅠ)・マルセルブサック賞(仏GⅠ)・フレッドダーリンS(英GⅢ)】、ドゥマーニ【京王杯スプリングC(日GⅡ)・キーンランドBCマイルS(米GⅢ)2回】、ファス【レノックスS(英GⅢ)】が、アリダレスの子にはアルアメント【クレオパトル賞(仏GⅢ)】が、パークアピールの半妹バリストロイカ(父ニジンスキー)の子にはルシアンリズム【英1000ギニー(英GⅠ)・コロネーションS(英GⅠ)・ナッソーS(英GⅠ)・ロッキンジS(英GⅠ)・ロウザーS(英GⅡ)・プリンセスマーガレットS(英GⅢ)】、パーフェクトパフォーマンス【ロイヤルロッジS(英GⅡ)】が、パークアピールの半妹フレイムオブパリ(父ブラッシンググルーム)の子にはホットスニッツェル【BTCカップ(豪GⅠ)・サイアーズプロデュースS(豪GⅡ)・ロイヤルソブリンS(豪GⅡ)】がいる。母系を遡ると、チェヴァリーパークSの勝ち馬モリーデズモンドを経て、その母である20世紀初頭の歴史的名牝プリティポリーに行きつく名門牝系である。→牝系:F14号族①

母父アホヌーラは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は愛国キルダンガンスタッドで種牡馬入りした。新国にもシャトルされている。種牡馬としてはウィジャボードシーザスターズゴールデンホーンと3頭ものカルティエ賞年度代表馬を輩出し、2009年には英国と仏国でダブル首位種牡馬に輝く(英国単独ではなく英愛両国の種牡馬ランキングではデインヒルダンサーに次ぐ2位)など、大きな成功を収めている。産駒の成績にばらつきがあるためか、種牡馬実績の割には種付け料は安く、2015年現在では2万ユーロとなっている。自身はマイル路線で活躍したが、産駒は10~12ハロンの距離に強い傾向がある。母父としてはロジユニヴァースを出している。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2001

Hazyview

ダイオメドS(英GⅢ)

2001

Mac Love

スプリームS(英GⅢ)・ダイオメドS(英GⅢ)・ソヴリンS(英GⅢ)・セレクトS(英GⅢ)

2001

Mazuna

プリンセスロイヤルS(英GⅢ)

2001

Mikki Street

ザビールクラシック(新GⅠ)

2001

Mokabra

モーリスラクロアトロフィー(独GⅡ)

2001

Ouija Board

英オークス(英GⅠ)・愛オークス(愛GⅠ)・BCフィリー&メアターフ(米GⅠ)2回・香港ヴァーズ(香GⅠ)・プリンスオブウェールズS(英GⅠ)・ナッソーS(英GⅠ)・プリンセスロイヤルS(英GⅢ)

2002

Able One

チャンピオンズマイル(香GⅠ)2回・香港マイル(香GⅠ)・ジョッキークラブマイル(香GⅡ)

2002

Cape North

ウエストオーストラリアンギニー(豪GⅡ)

2002

Capecover

SAJCアデレードC(豪GⅡ)・メトロポリタンH(新GⅢ)・VRCクイーンエリザベスS(豪GⅢ)

2002

Crossing the Line

デルマーマイルH(米GⅡ)

2002

Gaze

ARCニュージーランドS(新GⅠ)

2002

Kindacross

マナワツサイアーズプロデュースS(新GⅠ)

2002

Seachange

新1000ギニー(新GⅠ)・マッジウェイパーツワールドS(新GⅠ)・ストーニーブリッジS(新GⅠ)・マッジウェイパーツワールドS(新GⅠ)・ストーニーブリッジS(新GⅠ)・WRCテレグラフH(新GⅠ)・ワイカトドラフトスプリント(新GⅠ)

2003

Rising Cross

パークヒルS(英GⅡ)

2003

Sabana Perdida

ウィンザーフォレストS(英GⅡ)・パン賞(仏GⅢ)・チャートウェルフィリーズS(英GⅢ)

2004

Charlie Farnsbarns

ニューマーケットダーレーS(英GⅢ)

2004

Confuchias

キラヴーランS(愛GⅢ)・チップチェイスS(英GⅢ)

2004

Crossthestart

ブリスベンC(豪GⅡ)・チェアマンズH(豪GⅢ)

2004

Halicarnassus

スーパーレイティヴS(英GⅡ)・ローズオブランカスターS(英GⅢ)・アークトライアル(英GⅢ)

2005

Crystal Capella

プライドS(英GⅡ)2回・プリンセスオブウェールズS(英GⅡ)・ミドルトンS(英GⅢ)

2005

Hatta Fort

スーパーレイティヴS(英GⅡ)・ペリーヴィルS(米GⅢ)

2005

Mekong Melody

ダンススマートリーS(加GⅡ)・ロングアイランドH(米GⅢ)

2005

Russian Cross

ギョームドルナノ賞(仏GⅡ)

2005

Treat Gently

マルレ賞(仏GⅡ)・シープスヘッドベイS(米GⅡ)・ロバートGディック記念H(米GⅢ)

2006

Laaheb

セプテンバーS(英GⅢ)・カンバーランドロッジS(英GⅢ)

2006

Recharge

レパーズタウン2000ギニートライアルS(愛GⅢ)

2006

Sea The Stars

英2000ギニー(英GⅠ)・英ダービー(英GⅠ)・エクリプスS(英GⅠ)・英国際S(英GⅠ)・愛チャンピオンS(愛GⅠ)・凱旋門賞(仏GⅠ)・ベレスフォードS(愛GⅡ)

2007

Behkabad

パリ大賞(仏GⅠ)・ニエル賞(仏GⅡ)・シェーヌ賞(仏GⅢ)・ギシュ賞(仏GⅢ)

2007

Corsica

バーレーントロフィー(英GⅢ)

2007

Jet Away

イースターC(豪GⅢ)

2007

Julienas

コリンステファンS(豪GⅢ)・ロイヤルハントC

2007

Sea Lord

ソヴリンS(英GⅢ)

2008

Cape Dollar

ロックフェルS(英GⅡ)

2008

Joviality

ムシドラS(英GⅢ)・ウィンザーフォレストS(英GⅢ)

2008

Khawlah

UAEダービー(首GⅡ)・UAEオークス(首GⅢ)

2008

Namibian

クイーンズヴァーズ(英GⅢ)・ゴードンS(英GⅢ)

2009

Balty Boys

スペリオールマイル(英GⅢ)

2009

Guest of Honour

サマーマイル(英GⅡ)

2009

He's Your Man

ザスターエプソム(豪GⅠ)・キングストンタウンS(豪GⅢ)

2009

Nayarra

伊グランクリテリウム(伊GⅠ)

2009

Ruscello

レクサスS(豪GⅢ)

2009

Star Lahib

ポモーヌ賞(仏GⅡ)

2010

Maputo

ロイヤルホイップS(愛GⅢ)

2010

Moohaajim

ミルリーフS(英GⅡ)

2010

Windhoek

アナトリアトロフィー(土GⅡ)

2011

Agent Murphy

ジェフリーフリアS(英GⅢ)

2011

Lesstalk in Paris

オマール賞(仏GⅢ)・グロット賞(仏GⅢ)

2012

Golden Horn

英ダービー(英GⅠ)・凱旋門賞(仏GⅠ)・エクリプスS(英GⅠ)・愛チャンピオンS(愛GⅠ)・ダンテS(英GⅡ)・バリーコーラスS(愛GⅢ)

2012

Karpino

独2000ギニー(独GⅡ)・ドクトルブッシュ記念(独GⅢ)

TOP