サーパーシー

和名:サーパーシー

英名:Sir Percy

2003年生

鹿毛

父:マークオブエスティーム

母:パーシーズラス

母父:ブレイクニー

名マイラーのマークオブエスティームの子でありながらゴール前4頭横一線の大接戦となった英ダービーを勝利したが負傷のためその後は活躍できなかった

競走成績:2~4歳時に英首で走り通算成績9戦5勝2着1回

誕生からデビュー前まで

英国サフォーク州にあるジオールドサフォークスタッドにおいて、ハリー・オーメシャー氏により生産された。当歳11月にタタソールズ社が実施したセリに出品され、アンソニー・パケナム氏の代理人としてセリに参加していたウィルエドミーズブラッドストック社により2万ギニーで落札され、パケナム氏の所有馬となった。

パケナム氏は平地競走馬よりも障害競走馬を所有する事が多い馬主だったが、本馬に関しては平地競走に向かわせる事を決め、英国バークシャー州ランボーンに厩舎を構えていたマーカス・トレゴニング調教師に預けた。トレゴニング師は名伯楽として名高いディック・ハーン師の元で修行をして1997年に開業していたが、特筆できる成績を挙げていなかった中堅以下の調教師だった。

競走生活(2歳時)

2歳5月にグッドウッド競馬場で行われた芝6ハロンの未勝利ステークスで、主戦として全競走に騎乗する事になるマーティン・ドワイヤー騎手を鞍上にデビューした。単勝オッズ9倍で11頭立ての4番人気という評価だった。スタートが切られると同時に本馬は右側によれてしまい、加速がつかずに馬群の後方を進むことになった。しかし残り2ハロン地点でスパートすると、前の馬達を右に左にかわしながら進出し、残り50ヤード地点で先頭に立ち、先行して2着に入った単勝オッズ21倍の6番人気馬ライトアゲインに1馬身3/4差をつけて勝利した。

次走は翌6月にソールスベリー競馬場で行われたシャンペンS(T6F)となった。このシャンペンSは、ドンカスター競馬場で行われる同名のGⅡ競走とは無関係のマイナーステークス競走である。よって対戦相手のレベルもそれほど高くなく、本馬が単勝オッズ2.75倍で8頭立ての1番人気に支持された。今回は普通にスタートを切った本馬は、逃げる単勝オッズ3.25倍の2番人気馬クロコダイルベイを追って先行。残り1ハロン地点でスタミナが切れたクロコダイルベイがよれた際に進路を塞がれる場面があったが、失速していったクロコダイルベイを尻目に体勢を立て直して再加速し、2着に追い込んできた単勝オッズ17倍の6番人気馬ドントディリダリに1馬身1/4差をつけて勝利した。

次走は翌7月にグッドウッド競馬場で行われたヴィンテージS(英GⅡ・T7F)となった。対戦相手の中には、ナッソーS・サンチャリオットSを勝ったアルルカバの息子であるデインヒル産駒のオージールールズという期待馬がおり、この馬が単勝オッズ2.875倍の1番人気。本馬と、アングルシーS2着・ジュライS3着のブラックチャーマーの2頭が並んで単勝オッズ5倍の2番人気、スーパーレイティヴS3着馬ヤスードが単勝オッズ6倍の4番人気で、他の出走馬3頭は全て単勝オッズ15倍の人気薄だった。

スタートが切られるとブラックチャーマーが先頭に立ち、本馬はそれを追って先行。注目のオージールールズは後方からレースを進めた。快調に逃げるブラックチャーマーに残り1ハロン地点で本馬が並びかけたところに、後方から2頭の争いに割って入ってきたのはオージールールズではなく、人気薄の1頭クールクリークだった。3頭の激しい叩き合いはゴールまで続いたが、最後に本馬が僅かに抜け出して勝利を収め、クールクリークが首差の2着、ブラックチャーマーがさらに短頭差の3着で、オージールールズはさらに1馬身半差の4着だった。

その後はしばらくレースに出ず、次走は10月のデューハーストS(英GⅠ・T7F)だった。本馬が休んでいる間に、オージールールズがGⅢ競走タタソールSを勝つ活躍を見せた(翌年には仏2000ギニー・シャドウェルターフマイルSとGⅠ競走を2勝)事もあり、本馬の評価は上昇していた。

しかしこのデューハーストSにおける大本命は、ジャンリュックラガルデール賞・愛フューチュリティS・スーパーレイティヴSとグループ競走3勝を含む4戦全勝のホレーショネルソンを置いて他にはいなかった。父が大種牡馬デインヒル、母が英オークス・愛1000ギニー馬イマジン、伯父が1990年代欧州を代表する名馬ジェネラスというその豪華な血統背景から、所有するクールモアグループが将来の英ダービー馬の候補として絶大な期待を寄せていた馬だった。そのホレーショネルソンが単勝オッズ1.73倍の1番人気に支持され、本馬が単勝オッズ5.5倍の2番人気、ソラリオSの勝ち馬でジャンリュックラガルデール賞2着のオペラケープが単勝オッズ8.5倍の3番人気、コヴェントリーSの勝ち馬でミドルパークS・ジムクラックS2着・愛フェニックスS3着のレッドクラブスが単勝オッズ13倍の4番人気、2戦2勝のプライマリーが単勝オッズ15倍の5番人気、GⅡ競走の英シャンペンSを勝ってきたクローズトゥユーが単勝オッズ21倍の6番人気となっていた。

スタートが切られると単勝オッズ34倍の最低人気馬ヒュマンガスが先頭に立ち、オペラケープや単勝オッズ26倍の7番人気だったロイヤルロッジS3着馬パレスエピソードなどがそれを追っていった。ホレーショネルソンは馬群の好位につけており、本馬もそれをマークしたのか過去2戦のような先行策では無く中団待機策を採っていた。残り1ハロン地点でヒュマンガスが失速してオペラケープとパレスエピソードの2頭が先頭に代わると、本馬がホレーショネルソンより先にスパートして、先頭に立っていた2頭を一気に抜き去って先頭を奪取。そこへワンテンポ遅れて仕掛けたホレーショネルソンがやってきて、2頭がほぼ同時にゴールインした。結果は本馬が首差で勝利を収めており、ホレーショネルソンの無敗記録を4で止めた。

2歳時の成績は4戦全勝で、カルティエ賞最優秀2歳牡馬の座こそホレーショネルソンと同馬主同厩の愛フェニックスS・愛ナショナルS・レイルウェイSの勝ち馬ジョージワシントンに譲ったものの、翌年の英2000ギニーの有力候補として認知された。

競走生活(3歳時)

3歳時はその英2000ギニー(英GⅠ・T8F)から始動した。対戦相手は、本馬と同じくこれがシーズン初戦だったジョージワシントンとホレーショネルソン、これまたシーズン初戦だったミドルパークS・ジムクラックSの勝ち馬でコヴェントリーS3着のアマデウスウルフ、リステッド競走イースターSを勝ってきたソラリオS3着馬アセット、クレイヴンSを勝ってきたタタソールS2着・英シャンペンS3着のキリーベッグス、デューハーストSで本馬から1馬身3/4差の3着だったオペラケープ、デューハーストSでは4着に終わるも前哨戦グリーナムSを勝ってきたレッドクラブス、ロートシルト賞・フォレ賞とGⅠ競走2勝の名牝フィールドオブホープとサドラーズウェルズの間に産まれた良血馬オリンピアンオデッセイ、ホーリスヒルS2着馬ファイナルヴァース、キラヴーランSの勝ち馬フロストジャイアント、ホーリスヒルS3着馬アラーファなどだった。ジョージワシントンが単勝オッズ2.5倍の1番人気、本馬が単勝オッズ5倍の2番人気、ホレーショネルソンが単勝オッズ7倍の3番人気、アマデウスウルフが単勝オッズ10倍の4番人気と、ほぼ2歳戦における実績順の人気となった。

スタートが切られると単勝オッズ34倍の9番人気馬オリンピアンオデッセイが先頭に立ち、本馬、ホレーショネルソン、アマデウスウルフなども先行。有力馬の中でジョージワシントンだけは中団待機策を採った。人気薄のオリンピアンオデッセイだったが予想外に粘り、ホレーショネルソンやアマデウスウルフのほうが先に息切れ。しかし本馬には余力があり、残り1ハロン地点でオリンピアンオデッセイをかわしにかかった。しかしここで後方からジョージワシントンが追い上げてきて、本馬とオリンピアンオデッセイの2頭をまとめて抜き去っていった。そしてジョージワシントンが勝利を収め、本馬が2馬身半差の2着、オリンピアンオデッセイがさらに1馬身半差の3着という結果となった。

本馬の次走に関しては、英ダービーと仏ダービーの2競走が選択肢として挙がった。本馬は英2000ギニー後の調教で軽い肉離れを起こしていた上に、父がマイラーのマークオブエスティームという血統からしても、距離が長い英ダービーよりも距離が短めの仏ダービーのほうが適しているという判断もあったようである。

しかしトレゴニング師は熟考の末に、師匠のハーン師が3勝していた憧れの英ダービー(英GⅠ・T12F10Y)参戦を決断した。マイル路線に向かったジョージワシントンは不参戦であり、対戦相手は、前走8着のホレーショネルソン、前走グレフュール賞を4馬身差で圧勝してきた3戦無敗のヴィシンダー、前走ダンテSを8馬身差で圧勝してきたベレスフォードSの勝ち馬でレーシングポストトロフィー3着のセプティマス、クリテリウムドサンクルー・コンデ賞・リングフィールドダービートライアルSの勝ち馬でシェーヌ賞2着のリンダズラッド、ゴドルフィンが送り込んできた1戦1勝の期待馬ハラベック、チェスターヴァーズを勝ってきたペイパルブル、チェシャムS・プレドミネートSの勝ち馬チャンピオンシップポイント、デリンズタウンスタッドダービートライアルSを勝ってきたオータムS2着馬ディラントーマス、フェイルデンSを勝ってきたアトランティックウェーヴス、ダンテS2着馬ベストアリバイ、デリンズタウンスタッドダービートライアルS2着馬マウンテン、チェスターヴァーズ2着馬ドラゴンダンサー、英ダービー馬ガリレオと英オークス馬ラヴディヴァインの間に産まれた良血馬シックスティーズアイコンなど17頭だった。

ヴィシンダーが単勝オッズ3倍の1番人気、ホレーショネルソンが単勝オッズ6.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ7倍の3番人気、セプティマスが単勝オッズ9.5倍の4番人気、リンダズラッドとハラベックが並んで単勝オッズ10倍の5番人気となった。

スタートが切られると単勝オッズ26倍の9番人気馬アトランティックウェーヴスが先頭に立ち、ホレーショネルソンやハラベックなどが先行集団を形成。本馬は馬群の中団後方、ヴィシンダーやセプティマスはさらにその後方につけた。坂を上る途中で先行集団にいた単勝オッズ26倍の9番人気馬ディラントーマスが先頭に立ち、単勝オッズ67倍の13番人気馬ドラゴンダンサーがそれを追いかけていった。そして坂の頂上を越えると、タッテナムコーナーを回って直線へと雪崩れ込んでいった。さらに6番手で直線に入ってきたハラベックと10番手で直線に入ってきたヴィシンダーが叩き合いながら前2頭を追撃。さらに後方の11番手で直線に入ってきた本馬も、途中で少し進路確保に手間取る場面がありながらも、内側を突いて追い上げていった。残り1ハロン地点でハラベックに競り負けたヴィシンダーが脱落したが、叩き合うディラントーマスとドラゴンダンサーはまだ先頭で粘っていた。そこに本馬と、外側によれながらも脚を伸ばしたハラベックの2頭が差を縮めてきて、ゴール前では4頭が横一線となる大接戦となった。4頭がほぼ同時にゴールラインを通過し、結果は写真判定に持ち込まれた。結果は本馬が勝利を収め、ドラゴンダンサーが短頭差の2着、ディラントーマスがさらに頭差の3着、ハラベックがさらに短頭差の4着だった。1番人気のヴィシンダーはさらに2馬身差の5着。そして2番人気のホレーショネルソンは直線途中で故障して競走を中止し、予後不良となってしまった。

死んだ好敵手ホレーショネルソンの分まで活躍する必要が生じた本馬だったが、この激走の反動か、この後に故障してしまい、秋の最大目標だった凱旋門賞にも出走できなかった。

凱旋門賞の13日後の英チャンピオンS(英GⅠ・T10F)で実戦に復帰した。対戦相手は、前年の凱旋門賞を筆頭に愛ダービー・タタソールズ金杯・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS・オカール賞・ニエル賞を勝ち仏ダービー・サンクルー大賞で2着・前走凱旋門賞で3着(正確には4位入線の繰り上がり)だったハリケーンラン、サンクルー大賞・コンセイユドパリ賞・ジャンロマネ賞・フォワ賞・コリーダ賞・アレフランス賞の勝ち馬で英チャンピオンS・香港C・前走の凱旋門賞2着のプライド、英国際S・アールオブセフトンS・ブリガディアジェラードSの勝ち馬でエクリプスS2着のノットナウケイト、ハードウィックS・ゴードンS・ハクスレイS2回の勝ち馬で英国際S2着・英チャンピオンS・英国際S3着のマラーヘル、仏オークス・カルヴァドス賞の勝ち馬で英1000ギニー2着のコンフィディシャルレディ、ベットフレッドドットコムマイル・ジョエルSの勝ち馬でサセックスS3着のロブロイ、英2000ギニー3着後はあまり活躍していなかったオリンピアンオデッセイの計7頭だった。実績ナンバーワンのハリケーンランが単勝オッズ3.25倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.75倍の2番人気、プライドが単勝オッズ4.5倍の3番人気、ノットナウケイトが単勝オッズ8倍の4番人気、マラーヘルが単勝オッズ12倍の5番人気となった。

レースはハリケーンランとノットナウケイトの2頭が逃げて、本馬がそれを追って先行する展開となった。そして残り2ハロン地点で先頭に並びかけるべくスパートしたが、残り1ハロン地点で左側によれるなど伸びを欠いた。レースは後方から差してきたプライドが突き抜けて勝利を収め、本馬は7馬身3/4差をつけられた7着と完敗した。どうやら英ダービー直後の故障が完治していない状態で出走したようである。3歳時はこれが最後のレースで、この年の成績は3戦1勝だった。

競走生活(4歳時)

4歳時も現役を続け、まずはドバイシーマクラシック(首GⅠ・2400m)から始動した。対戦相手は、前年のBCターフの勝ち馬でパリ大賞2着・英セントレジャー3着のレッドロックス、オイロパ賞・グレートヴォルティジュールSの勝ち馬ユームザイン、クイーンエリザベスⅡ世C・香港C・香港ダービー・香港チャンピオンズ&チャターC・香港金杯の勝ち馬ヴェンジェンスオブレイン、ドバイシティオブゴールドなど10連勝中のキハーノ、イスパーン賞・伊ジョッキークラブ大賞・フォンテーヌブロー賞の勝ち馬でダルマイヤー大賞2着・クリテリウムドサンクルー・サンクルー大賞3着のレイヴロック、EPテイラーS・フラワーボウル招待H・オーキッドH2回・シープスヘッドベイH・ザベリワンH・グレンズフォールズHの勝ち馬でガルフストリームパークターフS2着・BCフィリー&メアターフ3着のハニーライダー、モーリスドニュイユ賞の勝ち馬でロワイヤルオーク賞2着のベラミーケイ、前年の英ダービーで本馬の6着に敗れた後にヨークSを勝ち愛ダービーで3着していたベストアリバイ、チリ2000ギニーの勝ち馬で米国に移籍してターフマイルS・ニッカーボッカーH・トロピカルターフHを勝っていたホスト、日本から遠征してきた目黒記念の勝ち馬でメルボルンC・有馬記念2着のポップロックなどだった。本馬が単勝オッズ5倍の1番人気、レッドロックスとポップロックが並んで単勝オッズ5.5倍の2番人気、ユームザインが単勝オッズ7.5倍の4番人気、ヴェンジェンスオブレインとキハーノが並んで単勝オッズ10倍の5番人気となった。

スタートが切られると単勝オッズ15倍の7番人気馬ベストアリバイが先頭に立ち、スタートした直後に少し窮屈な場所に入ってしまった本馬は先行できずに馬群の中団を進んだ。そして直線に入ると残り400m地点から追い上げてきたが、先頭まで突き抜けるだけの脚は無く、勝ったヴェンジェンスオブレインから1馬身3/4差の4着に敗れた。

英国に戻ってきた本馬は、英ダービーと同じコースと距離で行われるコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)に出走した。対戦相手は、前年の英ダービー7着後に英セントレジャー・ジョッキークラブS・ゴードンSを勝っていたシックスティーズアイコン、前年の英ダービー12着後に長期休養に入るも復帰初戦のムーアズブリッジSを勝ってきたセプティマス、前年の英チャンピオンS6着後にジョンポーターS・ハクスレイSを勝っていたマラーヘル、一昨年のパリ大賞・英セントレジャーの勝ち馬で愛ダービー2着のスコーピオン、パークヒルSの勝ち馬で英オークス2着・愛オークス3着のライジングクロス、チェスターヴァーズの勝ち馬でローマ賞2着のハッタンの計6頭だった。シックスティーズアイコンが単勝オッズ2.375倍の1番人気、セプティマスが単勝オッズ4倍の2番人気で、前年の英ダービーでその2頭を破った本馬は単勝オッズ4.5倍の3番人気止まりだった。

スタートが切られると単勝オッズ8倍の4番人気馬マラーヘルが先頭に立ったが、しばらくしてセプティマスが先頭を奪った。本馬はその2頭を見るように3~4番手を進んだ。そして直線に入ってきたが、前2頭を捕らえるどころか後続馬勢にも次々と差され、勝った単勝オッズ9倍の5番人気馬スコーピオンから6馬身差の6着に敗れた。

その後は19日後のプリンスオブウェールズS(英GⅠ・T10F)に向かった。対戦相手は、前年の英ダービー3着後に愛ダービー・愛チャンピオンS・ガネー賞を勝ちタタソールズ金杯で2着していたディラントーマス、ドバイシーマクラシック9着後にゴードンリチャーズSを勝っていたレッドロックス、前年の英チャンピオンSでは8着最下位に終わるも前走タタソールズ金杯を勝ってきたノットナウケイト、イスパーン賞・アルクール賞・アールオブセフトンSなどの勝ち馬でイスパーン賞・ジャックルマロワ賞2着のマンデュロ、伊国のGⅢ競走アンブロシアノ賞の勝ち馬で前走伊共和国大統領賞2着のプレッシングの計5頭だった。マンデュロが単勝オッズ2.875倍の1番人気、ディラントーマスが単勝オッズ3倍の2番人気、レッドロックスが単勝オッズ5倍の3番人気、ノットナウケイトが単勝オッズ7.5倍の4番人気で、本馬は単勝オッズ12倍の5番人気まで評価を落としていた。

スタートが切られると、絶対に行きたい馬がいなかった事もあり、本馬鞍上のドワイヤー騎手は思い切って逃げを打った。そして先頭のまま直線に入ってきたが、残り2ハロン地点から失速。勝ったマンデュロから8馬身1/4差の6着最下位に終わり、これを最後に4歳時3戦未勝利の成績で競走馬引退となった。

血統

Mark of Esteem Darshaan Shirley Heights Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Hardiemma ハーディカヌート
Grand Cross
Delsy Abdos Arbar
Pretty Lady
Kelty ヴェンチア
マリラ
Homage Ajdal Northern Dancer Nearctic
Natalma
Native Partner Raise a Native
Dinner Partner
Home Love Vaguely Noble ヴィエナ
Noble Lassie
Homespun Round Table
Gal I Love
Percy's Lass Blakeney Hethersett Hugh Lupus Djebel
Sakountala
Bride Elect Big Game
Netherton Maid
Windmill Girl Hornbeam Hyperion
Thicket
Chorus Beauty Chanteur
Neberna
Laughing Girl Sassafras Sheshoon Precipitation
Noorani
Ruta ラティフィケイション
Dame d'Atour
Violetta Pinza Chanteur
Pasqua
Urshalim Nasrullah
Horama

マークオブエスティームは当馬の項を参照。

母パーシーズラスは現役成績13戦5勝。セプテンバーS(英GⅢ)を勝った他に、サンチャリオットS(英GⅡ)でインディアンスキマーの3着している。本馬を産んだのは19歳時で、英ダービー馬の母としてはかなりの高齢だった。本馬の半姉リオン(父ダルシャーン)の子にグレイスオマリー【ノーブレスS(愛GⅢ)2回】が、本馬の全姉レディカーの子にミカイルグリンカ【ドバイシティオブゴールド(首GⅡ)・クイーンズヴァーズ(英GⅢ)・バーデン貯蓄銀行賞(独GⅢ)】がいる。パーシーズラスの半妹にはブレイズウィック(父キングオブスペイン)【EPテイラーS(加GⅠ)・サンチャリオットS(英GⅡ)・ローズオブランカスターS(英GⅢ)】がいる。

パーシーズラスの母ラフィングガールの半姉リトルミスの子にはオールドカントリー【伊ダービー(伊GⅠ)・ロワイヤルオーク賞(仏GⅠ)・ローマ賞(伊GⅠ)】、曾孫にはギヴノーティス【カドラン賞(仏GⅠ)】が、ラフィングガールの半姉モスカテラの孫には日本で走ったシンコウアンクレー【中山大障害春】、曾孫にはスガノオージ【毎日王冠(GⅡ)・カブトヤマ記念(GⅢ)】が、ラフィングガールの半姉パーシカの子にはギヴサンクス【愛オークス(愛GⅠ)】、曾孫にはハライール【英1000ギニー(英GⅠ)】、インペリアルダンサー【ローマ賞(伊GⅠ)】が、ラフィングガールの半姉ファヴォレッタ【愛1000ギニー(愛GⅠ)】の曾孫にはルールオブロー【英セントレジャー(英GⅠ)】、玄孫世代以降にはオリンピックグローリー【ジャンリュックラガルデール賞(仏GⅠ)・クイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ)・ロッキンジS(英GⅠ)・フォレ賞(仏GⅠ)】、日本で走っているベルカント【フィリーズレビュー(GⅡ)・ファンタジーS(GⅢ)・アイビスサマーダッシュ(GⅢ)・北九州記念(GⅢ)】が、ラフィングガールの半姉フリオーソの子にはティーノソ【英ダービー(英GⅠ)・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(英GⅠ)・サンクルー大賞(仏GⅠ)】、玄孫世代以降にはプリンスビショップ【ドバイワールドC(首GⅠ)・マクトゥームチャレンジR3(首GⅠ)】、日本で走っているスマートオーディン【東京スポーツ杯2歳S(GⅢ)】が、ラフィングガールの半妹ニコレッタの子にはニコロッテ【ヴィットリオディカプア賞(伊GⅠ)】が、ラフィングガールの半妹グッドラッシーの子にはアシャイール【マルセルブサック賞(仏GⅠ)】、孫にはアカリード【フィリーズマイル(英GⅠ)】がいるなど、近親には活躍馬が多数いる。→牝系:F3号族①

母父ブレイクニーはユーザーフレンドリーの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、スウェーデン出身の実業家カーステン・ラウジング氏に購入され、ラウジング氏が英国ニューマーケットに所有しているランウェイズスタッドで種牡馬入りした。2013年には2歳年上の英ダービー馬ノースライトも同牧場にやってきて、一緒に種牡馬生活を送っている。種牡馬としては複数のグループ競走の勝ち馬を出しているが、GⅠ競走の勝ち馬は出しておらず、それほど成功はしていない。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2009

Alla Speranza

キルターナンS(愛GⅢ)

2010

Lady Pimpernel

ロバートJフランケルS(米GⅢ)

2010

Sir Andrew

ホークスベイギニー(新GⅡ)

2010

Wake Forest

ドイツ統一賞(独GⅢ)・ロットハンブルグ大賞(独GⅢ)

2011

Lady Tiana

ランカシャーオークス(英GⅡ)

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