ラグストゥリッチズ

和名:ラグストゥリッチズ

英名:Rags to Riches

2004年生

栗毛

父:エーピーインディ

母:ベターザンオナー

母父:デピュティミニスター

ケンタッキーオークスを勝った後に果敢に参戦したベルモントSで名馬カーリンとの一騎打ちを制して102年ぶり史上3頭目の牝馬制覇を達成する

競走成績:2・3歳時に米で走り通算成績7戦5勝2着1回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州スカラグレンステーブルスの生産馬で、1歳時のキーンランド9月セールにおいて、クールモアグループの盟友として知られるマイケル・テイバー氏とデリック・スミス氏の両名により190万ドル(当時の為替レートで約1億9460万円)で購入され、米国トッド・プレッチャー調教師に預けられた。

競走生活(3歳初期まで)

2歳6月にチャーチルダウンズ競馬場で行われたダート5.5ハロンの未勝利戦で、ブライス・ブラン騎手を鞍上にデビューした。後に2歳GⅢ競走ポカホンタスSを勝つチェンジアップが単勝オッズ2.3倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.2倍の2番人気、テイルトゥビートールドが単勝オッズ5.7倍の3番人気と続き、後にGⅡ競走ファンタジーSを勝つハイヒールズが単勝オッズ41.6倍の9番人気になるほどのレベルだった。スタートが切られると、テイルトゥビートールドが先頭に立ち、チェンジアップが2~3番手を追走。他の人気馬2頭が好スタートを切ったのとは対照的に、本馬はスタートで大きく出遅れて最後方からの競馬となっていた。レースは四角で先頭に立って直線を独走したチェンジアップが6馬身差で圧勝し、7番手で直線に入ってきた本馬は、シーツ、ハイヒールズの2頭にも届かずに、チェンジアップの6馬身1/4差4着に敗れた。

この後に長期休養に入ったため、2歳時の出走はこの1戦のみとなった。なお、この休養中に、一時的に米国西海岸のマイケル・W・マッカーシー厩舎に転厩している。

3歳時は1月にサンタアニタパーク競馬場で行われたダート7ハロンの未勝利戦から始動した。ここではアイアンバタフライという馬が単勝オッズ2.6倍の1番人気で、ギャレット・ゴメス騎手が騎乗した本馬は単勝オッズ3.3倍の2番人気だった。レースが始まると好スタートを切ったアイアンバタフライは先行せずに控え、フライトトゥキャッシュ、オウト、本馬、オールセットなどが挙って進出していった。そのまま馬群が一団となって四角に入ってくると、ここで抜け出したのは本馬だった。そして本馬が先頭、アイアンバタフライが2番手で直線に入ってきたが、ここから2頭の差がどんどん開き、最後は本馬が2位入線のアイアンバタフライに6馬身差をつけて圧勝した。なお、3位入線のフライトトゥキャッシュに6馬身1/4差をつけたアイアンバタフライだったが、道中の進路妨害により7着最下位に降着となっている。

初勝利から5週間後に出走した次走はラスヴァージネスS(GⅠ・D8F)だった。オークリーフBCSを4馬身3/4差で圧勝していたキャッシュインクルーデッド、ハリウッドスターレットSを勝ってきたロマンスイズダイアン、サンタイネスSを勝ってきたジャンプオンイン、サンタイサベルSを勝ってきたバロネスサッチャーといったGⅠ~GⅢ競走の勝ち馬4頭が出走してきた。グレード競走未勝利の他の対戦相手3頭も、カリフォルニアブリーダーズチャンピオンSを勝ってきたスイスディーヴァ、シャープキャットSの勝ち馬で前走サンタイサベルS2着のランウェイロージー、バレッツデビュータントS・モカシンSの勝ち馬でハリウッドスターレットS・サンタイネスS2着・オークリーフBCS3着のクイックリトルミスと実力馬揃いだった。しかし単勝オッズ3.7倍の1番人気に支持されたのは引き続きゴメス騎手が騎乗した本馬であり、キャッシュインクルーデッドが単勝オッズ4.8倍の2番人気、ジャンプオンインが単勝オッズ5.4倍の3番人気、ロマンスイズダイアンが単勝オッズ5.8倍の4番人気、スイスディーヴァが単勝オッズ9.3倍の5番人気、バロネスサッチャーが単勝オッズ10.1倍の6番人気と続いた。

スタートが切られるとバロネスサッチャーが先頭に立ち、本馬は8頭立ての後方2番手を追走した。四角から少し位置取りを上げて5番手で直線に入ると、前を行く馬達を次々と抜き去り、最後は逃げ粘ったバロネスサッチャーも捕らえて、3/4馬身差で勝利した。もっとも、別定重量戦のこのレースで、出走馬中唯一のステークス競走未勝利馬だった本馬は斤量面で恵まれており(他の全出走馬より4~6ポンド軽い116ポンド)、それで3/4馬身差であるから、まだ本馬がその真価を発揮したとは言い難かった。

マッカーシー厩舎からプレッチャー厩舎に戻った本馬の次走はサンタアニタオークス(GⅠ・D8.5F)となった。このレースは定量戦のため全馬同斤量であり、本馬の真価が試される一戦となった。対戦相手は前走2着のバロネスサッチャー、同3着だったランウェイロージー、同4着だったキャッシュインクルーデッド、未勝利戦を勝ち上がってきたばかりのシルヴァースワローの4頭だった。本馬が単勝オッズ1.4倍の1番人気、前走で本馬より4ポンド重い斤量を背負いながら3/4馬身差の2着だったバロネスサッチャーが単勝オッズ6倍の2番人気、キャッシュインクルーデッドが単勝オッズ6.4倍の3番人気、シルヴァースワローが単勝オッズ9倍の4番人気、ランウェイロージーが単勝オッズ16.4倍の5番人気となった。

スタートが切られるとバロネスサッチャーが先頭に立ち、相変わらずスタートがあまり良くなかった本馬は最後方につけた。もっとも、出走馬が少ないために縦長の展開にはならず、全馬が概ね固まって進んだ。そして三角に入ったところで本馬が馬群から抜け出してきた。そのまま直線に入ると、後続との差を少しずつ着実に広げていき、2着シルヴァースワローに5馬身半差をつけて圧勝した。

そして出走したケンタッキーオークス(GⅠ・D9F)では、前年のBCジュヴェナイルフィリーズ・サマーSを制してエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選ばれたドリーミングオブアンナ、デビュー戦で本馬に鼻差先着する3着だったファンタジーSの勝ち馬ハイヒールズ、アディロンダックBCSの勝ち馬でBCジュヴェナイルフィリーズ・メイトロンS・アッシュランドSと3度のGⅠ競走2着があったオクターヴ、フロリダオークス・スカイラヴィルSの勝ち馬でスピナウェイS・ファンタジーS2着・BCジュヴェナイルフィリーズ3着のコットンブロッサム、サンコーストSの勝ち馬オートバーンガール、ボニーミスSの勝ち馬でダヴォナデイルS2着のハイアゲイン、ウィンスターオークスを勝ってきたタフティズシス、フェアグラウンズSの勝ち馬ミスティカルプラン、アッシュランドS3着馬ドーンアフタードーン、サンタアニタオークス3着後にファンタジーSでも3着してきたキャッシュインクルーデッド、ファンタジーS4着馬スウィフトテンパーなどが対戦相手となった。このメンバー構成の中で中心視されたのはゴメス騎手騎乗の本馬で単勝オッズ2.5倍の1番人気、2歳時は4戦全勝だったが3歳になってゲイリーゲイリーS2着など2連敗中のドリーミングオブアンナが単勝オッズ6.8倍の2番人気、本馬に先着した経験があるハイヒールズが単勝オッズ7.2倍の3番人気、オクターヴが単勝オッズ7.4倍の4番人気、コットンブロッサムが単勝オッズ14.6倍の5番人気と、本馬の1強ムードだった。

スタートが切られるとドリーミングオブアンナが先頭に立ち、ミスティカルプラン、コットンブロッサムなども先行。普通のスタートを切った本馬はコットンブロッサムの直後、4~5番手の好位につけた。そのまま三角に入ってくると本馬が仕掛けて、直線に入ってすぐに先頭に立った。本馬以外の先行馬勢は直線で揃って伸びを欠き、後方待機馬勢に飲み込まれていったが、本馬のみは悠々と先頭を走り続けた。そして2着オクターヴに4馬身1/4差をつけて完勝した。

ベルモントS

次走はニューヨーク牝馬三冠競走第1戦のエイコーンSではなく、エイコーンSと同日に同じベルモントパーク競馬場で施行される米国三冠競走最終戦ベルモントS(GⅠ・D12F)となる事が、レース4日前に発表された。本馬の半兄ジャジルが前年のベルモントSを勝っていた事(さらに言えば本馬の父エーピーインディもベルモントSの勝ち馬である)に加え、過去米国三冠競走に28回挑戦して未勝利だったプレッチャー師が米国三冠競走の勝利を渇望していた事も理由の1つとして挙げられている。

本馬にとってはこれが牡馬と走る初めての競走だった。牡馬だけの争いになる事が大半であるベルモントSだが、それでも牝馬が出走する事例は時折あり、比較的最近では1999年のシルヴァービュレットデイ(7着)、その前は1996年のマイフラッグ(3着)の例があった。しかし牝馬が勝った例は殆ど無く、1867年の第1回競走を勝ったルースレスと、1905年に勝ったターニャの2例しか無かった。1980年にはジェニュインリスク、1988年にはウイニングカラーズと、いずれもケンタッキーダービーを勝った歴史的名牝が挑戦していたが、前者は惜しくも2着、後者は6着最下位に終わっていた。

BCジュヴェナイルとケンタッキーダービーを制した現役3歳最強牡馬ストリートセンスはプリークネスSで2着に敗れて米国三冠馬の資格が無くなったために不在だったが、ケンタッキーダービー3着後にプリークネスSを勝ってきたアーカンソーダービー・レベルSの勝ち馬カーリン、レーンズエンドS・ルコントSの勝ち馬でケンタッキーダービー2着・プリークネスS3着のハードスパン、サンタアニタダービーの勝ち馬ティアゴ、ベルモントフューチュリティS・ウィザーズS2着・プリークネスS4着のシーピーウエスト、ケンタッキーダービー4着馬アイムアワイルドアンドクレイジーガイ、レキシントンS・ローンスターダービーを連勝してきたスルーズティジーが出走しており、ストリートセンスを除くケンタッキーダービー・プリークネスS4着以内馬は全て参戦してきた。

このレースでゴメス騎手はハードスパンに騎乗する先約があったので、本馬には米国三冠競走で過去20戦未勝利だったジョン・ヴェラスケス騎手が騎乗した。ヴェラスケス騎手は、ホープフルS・ルイジアナダービーの勝ち馬でBCジュヴェナイル2着のサーキュラーキーに騎乗してケンタッキーダービーとプリークネスSに参戦していたのだが、前者は6着で後者は5着に敗れたサーキュラーキーはここに出てこなかったために手が空いていたのだった。

カーリンが単勝オッズ2.1倍の1番人気、本馬が単勝オッズ5.3倍の2番人気、ハードスパンが単勝オッズ5.9倍の3番人気、ティアゴが単勝オッズ7.8倍の4番人気、アイムアワイルドアンドクレイジーガイが単勝オッズ10.3倍の5番人気となった。

スタートが来られるとシーピーウエストとスルーズティジーの人気薄2頭が先頭を伺い、ハードスパンが3番手、カーリンが4番手の好位につけた。一方の本馬はスタートで躓いて出遅れており、しかも大外枠発走だったために外側を回らされ、序盤でかなりのロスを蒙った。それでもヴェラスケス騎手は慌てずに後方2~3番手からレースを進め、内側のカーリンをマークするように本馬を走らせた。三角に入ったところで外側のハードスパンが仕掛けると本馬もそれを追って進出。カーリンも仕掛けて内側を突いて上がっていき、さらに後方からティアゴもやって来て、逃げたシーピーウエストとスルーズティジーを含めた6頭が三角で団子状態となった。スルーズティジーは四角で失速し、最内のシーピーウエストも伸びを欠く中で、四角では内側から順番にカーリン、ハードスパン、本馬の3頭が横一線となった。そして直線入り口手前でカーリンと本馬の2頭が抜け出し、直線では外側の本馬と内側のカーリンによる完全なる一騎打ちとなった。この一騎打ちの様子は、実況担当のトム・ダーキン氏の台詞をそのまま引用させてもらう。「牝馬がベルモントSの最終直線入り口で先頭に立ちました!しかしカーリンが彼女に並びかけてきた!ベルモントSは性別が違う2頭による戦いとなりました!内側のカーリンと外側のラグストゥリッチズ! ラグストゥリッチズとカーリンの壮絶な戦い!大接戦のままゴールを通過!そして・・・牝馬がベルモントSを勝ちました!ラグストゥリッチズがカーリンを破りました!100年、1世紀以上ぶりに牝馬がベルモントSを勝ちました!」

こうして本馬が頭差で勝利を収め(3着ティアゴは5馬身半後方、4着ハードスパンもさらに5馬身半後方)、1905年のターニャ以来102年ぶり史上3頭目の牝馬のベルモントS勝ち馬が誕生したのだった。また、前2頭が勝った時は現在とは異なる距離(ルースレスの時は13ハロン、ターニャの時は10ハロン)でレースが施行されており、ベルモントSが現在の距離になった1926年以降においては、本馬が牝馬初優勝だった。

競走生活(ベルモントS以降)

その後は激戦による疲労が影響したのか体調を崩し、ニューヨーク牝馬三冠競走の残り2戦にも参戦しなかった(CCAオークスを経由してトラヴァーズSで再び牡馬と対戦する計画だったらしい)。なお、本馬不在のニューヨーク牝馬三冠競走は、エイコーンSを、ケンタッキーオークス9着のコットンブロッサムが、マザーグースSとCCAオークスを、ケンタッキーオークス2着のオクターヴが勝利している。

復帰戦は9月のガゼルS(GⅠ・D9F)となった。対戦相手はCCAオークスとアラバマSで2着のリアズプリンセス、ケンタッキーオークス7着後にハリウッドBCオークスを勝っていたタフティズシス、ヒードSを勝ってきたドームフィーヴァーなど4頭だった。今回もヴェラスケス騎手が騎乗した本馬が122ポンドのトップハンデながらも単勝オッズ1.45倍の1番人気で、115ポンドのリアズプリンセスが単勝オッズ3.1倍の2番人気、119ポンドのタフティズシスが単勝オッズ11.8倍の3番人気、115ポンドのドームフィーヴァーが単勝オッズ15.9倍の4番人気となった。

スタートが切られると、ゴメス騎手騎乗のドームフィーヴァーが先頭に立ち、タフティズシスが2番手、本馬が3番手、リアズプリンセスが4番手を追走した。三角に入ったところでドームフィーヴァーは失速して、本馬、タフティズシス、リアズプリンセスの3頭による勝負となった。直線ではいったん本馬が先頭に立ったのだが、外側からリアズプリンセスに並びかけられると、ベルモントSのような粘りを発揮する事が出来ずに競り負けて、リアズプリンセスの半馬身差2着に敗れた。

そしてこのレース翌日に右前脚の骨折が判明したため、次走に予定されていたBCディスタフは回避し、3歳時の出走はこれが最後となった。

しかし3歳時6戦5勝の成績で、エクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出された。また、米国のティーンエイジャーの投票により、映画・テレビ・音楽・スポーツの各分野で最も活躍した人物等が選ばれるティーン・チョイス賞の女性アスリート部門においても最終候補5人等の中にノミネートされた。結局この年は四大大会優勝が無かったテニスのマリア・シャラポワ選手に敗れて次点だったが、後の2009年にプリークネスSを勝ったレイチェルアレクサンドラや同年のBCクラシックを勝ったゼニヤッタはノミネートもされなかったから、栄誉である事は確かである。

4歳時も現役を続行して調整が続けられていたが、3月に右前脚の骨折が再発したため、結局4歳時はレースに出る事なく、そのまま引退となった。

本馬の競走馬経歴は短かったため、少し評価が難しい部分がある。しかしベルモントSにおいて真っ向勝負で負かしたカーリンの後の大活躍や、ケンタッキーオークスで圧倒した牝馬勢から後にGⅠ競走勝ち馬が5頭(7勝)も出た事を考慮すると、相当な名牝であった事に間違いは無いだろう。

血統

A. P. Indy Seattle Slew Bold Reasoning Boldnesian Bold Ruler
Alanesian
Reason to Earn Hail to Reason
Sailing Home
My Charmer Poker Round Table
Glamour
Fair Charmer Jet Action
Myrtle Charm
Weekend Surprise Secretariat Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Somethingroyal Princequillo
Imperatrice
Lassie Dear Buckpasser Tom Fool
Busanda
Gay Missile Sir Gaylord
Missy Baba
Better Than Honour Deputy Minister Vice Regent Northern Dancer Nearctic
Natalma
Victoria Regina Menetrier
Victoriana
Mint Copy Bunty's Flight Bunty Lawless
Broomflight
Shakney Jabneh
Grass Shack
Blush With Pride Blushing Groom Red God Nasrullah
Spring Run
Runaway Bride Wild Risk
Aimee
Best in Show Traffic Judge Alibhai
Traffic Court
Stolen Hour Mr. Busher
Late Date

エーピーインディは当馬の項を参照。

母ベターザンオナーは現役成績8戦2勝。デモワゼルS(米GⅡ)を勝ち、エイコーンS(米GⅠ)で2着、マザーグースS(米GⅠ)で3着している。繁殖牝馬としても優秀で、本馬の1歳年上の半兄ジャジル(父シーキングザゴールド)【ベルモントS(米GⅠ)】、1歳年下の半弟で日本調教馬として史上初めて米国ダートグレード競走を勝利したカジノドライヴ(父マインシャフト)【ピーターパンS(米GⅡ)】、半弟マンオブアイアン(父ジャイアンツコーズウェイ)【BCマラソン】などを産んでいる。また、本馬の半姉チーミング(父ストームキャット)の子にストリーミング【ハリウッドスターレットS(米GⅠ)】がいる。

ベターザンオナーの母ブラッシュウィズプライドは、ケンタッキーオークス(米GⅠ)・サンタスサナS(米GⅠ)・アッシュランドS(米GⅡ)・ゴールデンハーヴェストH(米GⅢ)を勝った名牝。繁殖牝馬としても優れており、ベターザンオナーの半姉スモレンスク(父ダンチヒ)【アスタルテ賞(仏GⅡ)・サンドランガン賞(仏GⅢ)】、全弟ターンベリーアイル【ベレスフォードS(愛GⅢ)】を産んだ。ベターザンオナーの半姉ゴールドマイネス(父ミスタープロスペクター)の孫に日本で走ったキモンエンジェル【鞆の浦賞】、曾孫にゴオリイ【知床賞】が、スモレンスクの子にキャンザマン【アファームドS(米GⅢ)】が、ベターザンオナーの半妹マリインスキー(父サドラーズウェルズ)の子にピーピングフォーン【プリティポリーS(愛GⅠ)・愛オークス(愛GⅠ)・ナッソーS(英GⅠ)・ヨークシャーオークス(英GⅠ)】、ザウェイユーアー【クリテリウム国際(仏GⅠ)・トーマブリョン賞(仏GⅢ)】がいる。ベターザンオナーの従兄弟にはザール【サラマンドル賞(仏GⅠ)・デューハーストS(英GⅠ)】、ヤグリ【ガルフストリームパークBCターフS(米GⅠ)・マンハッタンH(米GⅠ)・ユナイテッドネーションズH(米GⅠ)】がおり、他にも近親にはエルグランセニョールスピニングワールド、ドームドライヴァー、アルデバラン、リダウツチョイスなど多くの活躍馬がいる。→牝系:F8号族②

母父デピュティミニスターは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は米国ケンタッキー州アッシュフォードスタッドで繁殖入りした。ジャイアンツコーズウェイヘンリーザナヴィゲーターガリレオ、フロストジャイアントなどの有力種牡馬と交配されているが、現在のところ活躍馬は出ておらず、セルビアで走って4勝を挙げた3番子の牡駒レットバトラー(父ガリレオ)が出世頭という状況である。

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