マイフラッグ

和名:マイフラッグ

英名:My Flag

1993年生

栗毛

父:イージーゴア

母:パーソナルエンスン

母父:プライヴェートアカウント

母が出走できなかったBCジュヴェナイルフィリーズを制して母子3代ブリーダーズカップ制覇の中継ぎを果たしたクレイボーンファームの結晶

競走成績:2~4歳時に米加で走り通算成績20戦6勝2着3回3着4回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州の名門牧場クレイボーンファームの経営者オグデン・フィップス氏の生産・所有馬である。父イージーゴアと母パーソナルエンスンはいずれもフィップス氏の生産・所有馬であり、両親合わせてGⅠ競走を17勝という良血馬の中の良血馬だった。

別にそれが影響したわけでもないだろうが、本馬はお嬢様のように我が侭な気性の持ち主で、他馬と一緒にいる事を嫌がる孤高の馬だった。その性格は競走馬になってからも変わらず、馬群に包まれる事を非常に嫌がったため、結果的に典型的な追い込み馬となった。

管理調教師は両親共に担当したクロード・マゲイヒーⅢ世師であったが、主戦は両親とは異なりジェリー・ベイリー騎手が務めた(父はパット・デイ騎手、母はランディ・ロメロ騎手が主戦だった。ベイリー騎手は一回だけ母に騎乗経験がある)。

競走生活(2歳時)

2歳6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート5.5ハロンの未勝利戦でデビューした。血統的にデビュー前から期待を受けており、ここでは当然のように単勝オッズ1.85倍の1番人気に支持された。しかしレース自体は前評判どおりに楽勝というわけにはいかず、後方待機策から直線で追い上げ、逃げる単勝オッズ17.9倍の最低人気馬ランチアットドーンをゴール前で辛うじて鼻差かわして勝利するというものだった。

翌月のスカイラヴィルS(米GⅡ・D6F)では、デビュータントSを勝ってきたゴールデンアトラクション、デビュータントSで2着してきたウェスタンドリーマー、未勝利戦を3馬身3/4差で快勝してきたデイライトカム、アストリアBCSを勝ってきたジーレディといった馬達のほうが高評価であり、本馬は単勝オッズ10.5倍の5番人気まで落ちた。レースでは後方待機策から直線で追い上げようとしたが、末脚が不発に終わり、勝ったゴールデンアトラクションから6馬身差の4着に完敗した。

翌月にサラトガ競馬場で出たダート7ハロンの一般競走では、単勝オッズ3.1倍の1番人気に支持された。今回も後方待機策を採り、直線入り口で4番手まで押し上げてきたが、レース前に焦れ込んでいた影響が出たのか、その後は良い走りを見せられず、勝った単勝オッズ4.9倍の2番人気馬サマースクィーズに8馬身差をつけられて3着に敗れた。

翌月のメイトロンS(米GⅠ・D8F)では、スピナウェイSを勝ってきたゴールデンアトラクション、コリーンSの勝ち馬でソロリティS3着のケアレスエリスの2頭に人気が集中。ゴールデンアトラクションが単勝オッズ1.45倍の1番人気、ケアレスエリスが単勝オッズ5.3倍の2番人気、未勝利戦を8馬身半差で勝ち上がってきたラローザが単勝オッズ12.8倍の3番人気、未勝利戦を4馬身半差で勝ち上がってきたカララファエラが単勝オッズ13.1倍の4番人気で、本馬は単勝オッズ14.5倍の5番人気だった。レースでは今まで以上に徹底した後方待機策を採り、一時は他馬から10馬身以上も離された単独最後方を走っていた。直線入り口では8頭立ての6番手で、ここから順位を上げてはきたが、さすがにここから全馬を差し切るのは無理であり、勝ったゴールデンアトラクションと2着カララファエラの首差接戦から5馬身半差の3着までだった。

翌月に出たフリゼットS(米GⅠ・D8.5F)では、ゴールデンアトラクション、アディロンダックSの勝ち馬でスピナウェイS2着のフラットフリートフィートとの対戦となった。ゴールデンアトラクションが単勝オッズ2.8倍の1番人気、フラットフリートフィートが単勝オッズ3.55倍の2番人気、本馬が単勝オッズ4.1倍の3番人気となった。レースでは相変わらずの後方待機策で、前走と同じく1頭だけぽつんと最後方を走っていた。出走馬は5頭しないなかったが、先頭のゴールデンアトラクションが飛ばしたために少頭数の割には縦長の展開となった。本馬は直線入り口3番手から末脚を伸ばし、フラットフリートフィートを置き去りにして逃げるゴールデンアトラクションを追撃。結局は届かずに3/4馬身差の2着に敗れたが、3着フラットフリートフィートには8馬身半差をつけており、実力を徐々につけてきている事をアピールした。

そして迎えたのは、フリゼットSと同じベルモントパーク競馬場で施行されたBCジュヴェナイルフィリーズ(米GⅠ・D8.5F)だった。これは母パーソナルエンスンが故障のために出走できなかったレースでもあった。対戦相手は、ゴールデンアトラクション、フラットフリートフィート、メイトロンS2着後にアルキビアデスSを勝ってきたカララファエラ、メイトロンS7着後に出走した本番と同コースの一般競走を9馬身半差で圧勝してきたラローザ、オークリーフS・ケンタッキーカップジュヴェナイルフィリーズSなど3連勝中のティピカリーアイリッシュ、ジャージージャンパーS・メリーランドミリオンラッシーSなど3連勝中のミスティックリズムズ、オークリーフS3着馬ガストロノミカルの計7頭だった。ゴールデンアトラクションが単勝オッズ2.1倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.5倍の2番人気、カララファエラが単勝オッズ5.7倍の3番人気となった。

スタートが切られると、ゴールデンアトラクションが先手を奪い、それをカララファエラなどが追いかける展開となった。本馬はスタートからしばらくは例によって最後方を進み、レース中盤は8頭立ての7番手を進んだ。直線を向くと逃げるゴールデンアトラクションにカララファエラが並びかけ、2頭の一騎打ちが展開された。そしてカララファエラがゴールデンアトラクションを競り落として残り75ヤード地点で先頭に立った。ところがそこに外側から襲い掛かってきたのは、最終コーナーでインを突いて3番手まで進出していた本馬であった。残り50ヤード地点でゴールデンアトラクションをかわすと、さらにゴール寸前でカララファエラも差し切って、2着カララファエラに半馬身差、3着ゴールデンアトラクションにはさらに1馬身半差をつけて優勝。母パーソナルエンスンが出走できなかったBCジュヴェナイルフィリーズ制覇と、母子2代のブリーダーズカップ制覇を成し遂げた。

2歳時の成績は6戦2勝で、エクリプス賞最優秀2歳牝馬の座はGⅠ競走3勝を含む8戦6勝の成績を挙げたゴールデンアトラクションのものとなったが、BCジュヴェナイルフィリーズで見せた母譲りの豪脚は、翌年の米国3歳牝馬路線は本馬が中心となると思わせるに十分なものであった。

競走生活(3歳時)

ゴールデンアトラクションが3歳時はまともにレースに出られなかったため、翌年の米国3歳牝馬路線は実際に本馬が中心となる。

まずは2月にガルフストリームパーク競馬場で行われたダヴォナデイルS(米GⅢ・D8F70Y)から始動した。このレースにはBCジュヴェナイルフィリーズで本馬から23馬身差の5着に終わった後にデモワゼルSを勝っていたラローザ、BCジュヴェナイルフィリーズで本馬から35馬身差の6着に終わっていたティピカリーアイリッシュの姿もあった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気、ラローザが単勝オッズ3.9倍の2番人気、ティピカリーアイリッシュが単勝オッズ8倍の3番人気となった。今回も本馬は後方待機策を採ったが、極端な後方ではなく中団後方といった位置取りだった。そして直線入り口6番手から追い上げてきたが、カップリングで単勝オッズ11.9倍の4番人気となっていたアスタリタS2着馬プラムカントリーとレアブレンドの2頭に届かず、1位入線のプラムカントリーから1馬身半差、2位入線のレアブレンドから3/4馬身差の3位入線。レアブレンドが進路妨害で6着に降着となったため、本馬が繰り上がって2着となった。

次走のボニーミスS(米GⅡ・D8.5F)では、前走で本馬から鼻差の4位入線(3着に繰り上がり)だったラローザ、一般競走を4馬身半差で快勝してきたデモワゼルS3着馬エスシーナが主な対戦相手だった。本馬が単勝オッズ1.3倍の1番人気、ラローザが単勝オッズ4.8倍の2番人気、エスシーナが単勝オッズ5倍の3番人気となった。レースでは毎度お決まりの後方待機策を採り、向こう正面途中までは最後方だったが、三角から位置取りを上げて、直線入り口では既に先頭に並びかけていた。直線では同じく後方から追い上げてきたエスシーナが食い下がってきたが、最後は1馬身半差をつけて勝利した。

ケンタッキー州に移動して出走したアッシュランドS(米GⅠ・D8.5F)では、BCジュヴェナイルフィリーズ2着後にハリウッドスターレットSを勝ちラスヴァージネスS・サンタアニタオークスで2着してきたカララファエラ、ブッシャーSの勝ち馬でフェアグラウンズオークス2着のマッキーの2頭が有力な対戦相手だった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気、カララファエラが単勝オッズ3.1倍の2番人気、マッキーが単勝オッズ5.1倍の3番人気となった。今回は5頭立ての4番手を進んだ本馬は、三角手前でカララファエラが先頭に立つのを見計らってからスパートを開始。直線に入ってすぐにカララファエラに追いつくと瞬く間に突き放し、2着カララファエラに3馬身差、3着マッキーにさらに10馬身差をつけて快勝した。

そして迎えたケンタッキーオークス(米GⅠ・D9F)では、ボニーミスS2着後にファンタジーSを勝ってきたエスシーナ、カララファエラ、ラスヴァージネスS・サンタアニタオークスなど6連勝で迎えたファンタジーSで2着だったアンテスペンド、カリフォルニアダービーなど3連勝中のパイクプレースダンサーなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、エスシーナが単勝オッズ4倍の2番人気、アンテスペンドが単勝オッズ6.9倍の3番人気となった。今回もスタートから後方を進んだ本馬だったが、勝負どころでベイリー騎手が合図を送っても反応が無く、直線入り口では6頭立ての5番手。そしてここから全く順位を上げられずに、勝った単勝オッズ10.8倍の4番人気馬パイクプレースダンサーから8馬身差の5着と完敗してしまった。

常識的には次走はエイコーンSかマザーグースSあたりになるのだが、ケンタッキーオークスの汚名を返上するためか、それとも父イージーゴアが生涯で最も強い勝ち方をしたレースだったためか、ベルモントS(米GⅠ・D12F)に出走した。主な対戦相手は、サンタアニタダービーの勝ち馬でケンタッキーダービー2着のキャヴォニア、ケンタッキーCジュヴェナイルSの勝ち馬でフロリダダービー2着・BCジュヴェナイルとプリークネスS3着のエディターズノート、ピーターパンS・ベイショアSの勝ち馬でウィザーズS2着のジェイミーズファーストパンチ、プリークネスSの勝ち馬でホープフルS・ベルモントフューチュリティS2着のルイカトルズ、ケンタッキーダービー3着馬プリンスオブシーヴス、ブルーグラスSの勝ち馬でプリークネスS2着のスキップアウェイなどだった。キャヴォニアが単勝オッズ4倍の1番人気、エディターズノートが単勝オッズ6.8倍の2番人気、ジェイミーズファーストパンチが単勝オッズ6.9倍の3番人気、ルイカトルズが同厩馬サラトガダンディとのカップリングで単勝オッズ7.1倍の4番人気、プリンスオブシーヴスが単勝オッズ7.6倍の5番人気、本馬が単勝オッズ8.7倍の6番人気、スキップアウェイが単勝オッズ9倍の7番人気という混戦模様だった。

ベイリー騎手がプリンスオブシーヴスに騎乗したため、本馬にはマイク・スミス騎手が騎乗した。本馬は例によって馬群の後方を進み、向こう正面から少しずつ順位を上げていった。そして三角から四角にかけて馬群の外側を通ってスパートし、スキップアウェイ、エディターズノート、ルイカトルズに次ぐ4番手で直線に入ってきた。残り1ハロン地点でルイカトルズは抜き去ったものの、他の2頭には届かず、2着スキップアウェイを競り落として1馬身差で勝ったエディターズノートから5馬身差の3着までだった。勝つことは出来なかったが、牝馬がベルモントSで入着したのは1980年に2着したジェニュインリスク以来16年ぶり(ジェニュインリスクの前は1927年に3着した米国三冠馬オマハの母フランビーノまで遡らないと見つからない)だったから、ケンタッキーオークスの汚名はある程度払拭されたと言える。

次走のCCAオークス(米GⅠ・D10F)では、ケンタッキーオークス上位組が揃って不在であり、アスタリタS・モンマスBCオークスの勝ち馬トップシークレットくらいしか目立つ対戦相手がいなかった。そのために本馬が単勝オッズ1.3倍という断然の1番人気に支持され、トップシークレットが単勝オッズ6.4倍の2番人気となった。レースはトップシークレットが大逃げを打ったが、本馬は焦らずにレース序盤は定位置の後方につけた。向こう正面でトップシークレットが失速すると入れ代わるように進出を開始して、三角では既に先頭に立っていた。後は普通に走りさえすればよく、2着ゴールデンデリシャスに4馬身1/4差をつけて完勝した。

次走のアラバマS(米GⅠ・D10F)ではCCAオークスよりも対戦相手の層が厚く、ハリウッドオークス・プリンセスSを連勝してきたリスニング、マザーグースSの勝ち馬でエイコーンS・モンマスオークス2着のヤンクスミュージック、マザーグースS2着・テストS5着だったエスシーナなどが出走してきた。本馬が単勝オッズ1.85倍の1番人気、リスニングが単勝オッズ4.4倍の2番人気、エスシーナが単勝オッズ4.75倍の3番人気、ヤンクスミュージックが単勝オッズ7.3倍の4番人気となった。本馬は珍しく馬群の中団辺りにつけたのだが、それが逆に良くなかったのか、直線で伸びを欠き、勝ったヤンクスミュージックから4馬身半差、2着エスシーナから半馬身差の3着に終わった。

次走のガゼルH(米GⅠ・D9F)では、エスシーナ、CCAオークスで7着最下位に終わっていたトップシークレット、ドッグウッドSの勝ち馬でコティリオンH2着のジニーリンなどが対戦相手となった。121ポンドの本馬が単勝オッズ1.75倍の1番人気、同じく121ポンドのエスシーナが単勝オッズ3.9倍の2番人気、117ポンドのトップシークレットが単勝オッズ6.9倍の3番人気となった。前走で中途半端に控えた反省からか、今回は単独最後方を進んだ。三角入り口でもまだ最後方だったが、ここからベイリー騎手が仕掛けると、ゴールまでに全馬を抜き去り、2着エスシーナに1馬身1/4差をつけて快勝した。

次走は古馬相手のベルデイムS(米GⅠ・D9F)となった。有力な相手は、オークリーフS・ハリウッドスターレットS・ラスヴァージネスS・サンタアニタオークス・マザーグースS・ハスケル招待H・ガゼルH・ベルデイムS・サンタモニカH・サンタマリアH・ヘンプステッドHとGⅠ競走11勝を挙げていた現役最強古馬牝馬セレナズソングと、そのセレナズソングを前走ラフィアンHで首差2着に破っていたヤンクスミュージックの2頭だった。セレナズソングが単勝オッズ1.95倍の1番人気に支持され、ヤンクスミュージックが単勝オッズ3.3倍の2番人気、本馬は単勝オッズ3.55倍の3番人気だった。今回もスタートから最後方につけた本馬だったが、前走で披露した三角以降の爆発的な末脚が今回は見られず、単勝オッズ31倍の5番人気だったシュヴィーH・コティリオンHの勝ち馬クリアマンデートを捕まえることにも失敗し、2着セレナズソングを3/4馬身抑えて勝ったヤンクスミュージックから4馬身3/4差の4着に敗れた。

次走はカナダのウッドバイン競馬場で行われたBCディスタフ(加GⅠ・D9F)となった。ヤンクスミュージックは不在だったが、セレナズソング、亜国でエストレージャス大賞ジュヴェナイルフィリーズ・コパデプラタ大賞とGⅠ競走を2勝した後に米国に移籍してビヴァリーヒルズH・スピンスターS・チュラヴィスタHを勝っていたディフェレント、ヴァニティ招待H・エルエンシノS・ラカナダS・ルイビルBCHなどを勝っていたジュエルプリンセス、ガゼルH3着後にスピンスターSで2着してきたトップシークレット、クリアマンデートの5頭が参戦してきた。ディフェレントが単勝オッズ2.3倍の1番人気、ジュエルプリンセスが単勝オッズ3.4倍の2番人気、セレナズソングが単勝オッズ3.7倍の3番人気と4歳牝馬勢が人気を集め、本馬は単勝オッズ8.6倍の4番人気に留まった。レースでは徹底した後方待機策を採り、直線入り口5番手からの追い込みに賭けた。しかし末脚が不発に終わり、勝ったジュエルプリンセスから8馬身半差の4着に敗退。上位人気3頭には全く届かなかった。

3歳時10戦4勝(うちGⅠ競走3勝)の成績を挙げた本馬だが、古馬相手のレースも含むGⅠ競走4勝を挙げた7戦5勝のヤンクスミュージックの評価の方が上回り、エクリプス賞最優秀3歳牝馬のタイトルを逃す結果となった。

競走生活(4歳時)

4歳時は4月にアケダクト競馬場で行われたダート8ハロンの一般競走から始動した。単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持された本馬は、やはり後方からレースを進め、直線に入ってから追い上げてきた。しかし先行して先に抜け出した単勝オッズ7.5倍の3番人気馬サイレントグリーティングに僅かに届かず、頭差の2着に敗れた。

次走のシュヴィーH(米GⅡ・D8F)では、ルイビルBCHで2着してきたエスシーナ、テストS・プライオレスS・ヒューマナディスタフHの勝ち馬カポウティベル、ランパートH・ファーストレディH・シャーリージョーンズHを勝ってきたチップ、BCジュヴェナイルフィリーズで本馬の7着に敗れた後は短距離路線に進みトップフライトHを勝っていたフラットフリートフィート、ラブレアSの勝ち馬ヒドゥンレイクなどが対戦相手となった。本馬は単勝オッズ3.25倍の1番人気に支持された。しかしレースではスタートからゴールまで後方のまま何の見せ場もなく、勝った単勝オッズ9.8倍の6番人気馬ヒドゥンレイクから14馬身差の6着と惨敗。2着フラットフリートフィートや3着エスシーナからも大差をつけられてしまった。

次走のゴーフォーワンドS(米GⅠ・D9F)では、シュヴィーHの勝利後に出走したヘンプステッドHでGⅠ競走初勝利を飾ってきたヒドゥンレイクが123ポンドのトップハンデにも関わらず単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、113ポンドの本馬は単勝オッズ5倍の2番人気、120ポンドのフラットフリートフィートが単勝オッズ6.7倍の3番人気、一般競走を6馬身1/4差で勝ってきた115ポンドのフィジビリティスタディが単勝オッズ7.5倍の4番人気、前年のBCディスタフで6着だった113ポンドのクリアマンデートが単勝オッズ12.2倍の5番人気となった。レースは逃げたヒドゥンレイクと2番手でそれを追いかけたフラットフリートフィートのマッチレースとなり、ヒドゥンレイクが頭差で逃げ切って勝利。一方の本馬は今回も全く見せ場が無く、ヒドゥンレイクから10馬身半差の6着に敗れた。

次走のジョンAモリスH(米GⅠ・D10F)では、前年のCCAオークスで本馬の2着だったフルールドリスHの勝ち馬ゴールデンデリシャスが単勝オッズ3.6倍の1番人気、前走3着のクリアマンデートが単勝オッズ4.05倍の2番人気、一昨年のCCAオークス馬ゴールデンブリが単勝オッズ4.3倍の3番人気、本馬は単勝オッズ4.55倍の4番人気となった。ベイリー騎手がゴールデンブリに騎乗したため、本馬にはシェーン・セラーズ騎手が騎乗した。しかしレースではスタートからゴールまで1度も最後方を脱することが出来ず、勝ったクリアマンデートから13馬身1/4差の6着最下位と惨敗。このレースを最後に4歳時4戦未勝利で引退した。

古馬になっても大活躍した母パーソナルエンスンと対照的に本馬は古馬になってからは活躍できなかったが、パーソナルエンスンが例外なのであり、2歳戦から活躍した牝馬は古馬になると能力が衰える事が多い。もっとも、本馬の4歳時における不振は脚首を痛めていたためでもあるらしい。

血統

Easy Goer Alydar Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Sweet Tooth On-and-On Nasrullah
Two Lea
Plum Cake Ponder
Real Delight
Relaxing Buckpasser Tom Fool Menow
Gaga
Busanda War Admiral
Businesslike
Marking Time To Market Market Wise
Pretty Does
Allemande Counterpoint
Big Hurry
Personal Ensign Private Account Damascus Sword Dancer Sunglow
Highland Fling
Kerala My Babu
Blade of Time
Numbered Account Buckpasser Tom Fool
Busanda
Intriguing Swaps
Glamour
Grecian Banner Hoist the Flag Tom Rolfe Ribot
Pocahontas
Wavy Navy War Admiral
Triomphe
Dorine Aristophanes Hyperion
Commotion
Doria Advocate
Donatila

イージーゴアは当馬の項を参照。

パーソナルエンスンは当馬の項を参照。→牝系:F6号族①

母父プライヴェートアカウントは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はクレイボーンファームに戻って繁殖牝馬となった。7歳時に産んだ2番子のストームフラッグフライング(父ストームキャット)が、2歳時にメイトロンS(米GⅠ)、フリゼットS(米GⅠ)、そしてBCジュヴェナイルフィリーズ(米GⅠ)を制して母子2代のBCジュヴェナイルフィリーズ制覇と母子3代のブリーダーズカップ制覇の偉業を成し遂げた。ストームフラッグフライングは本馬が獲得できなかったエクリプス賞最優秀2歳牝馬のタイトルも獲得し、古馬になってもパーソナルエンスンH(米GⅠ)・シュヴィーH(米GⅡ)を勝つなど、本馬とは違って古馬になっても活躍した(詳細は当馬の項を参照)。

本馬は2014年4月、バーナーディニ牡駒を産んだ直後に合併症を発症したために21歳で安楽死の措置が執られ、クレイボーンファームに埋葬された。

本馬の産駒は10頭おり、そのうち7頭が牝馬である。2015年時点で勝ち上がった子は5頭いる。今のところグレード競走を勝った産駒はストームフラッグフライングのみであるが、ストームフラッグフライングの1歳上の全姉で本馬の初子である4戦1勝馬オンパレードの息子パレーディングがディキシーS(米GⅡ)・ベンアリS(米GⅢ)を勝っている。また、3番子の牡駒リーディングザパレード(父エーピーインディ)は18戦2勝だったが、血統が評価されてフロリダ州で種牡馬入りした(現在は南米のチリに移動している)。

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