メドウスター

和名:メドウスター

英名:Meadow Star

1988年生

栗毛

父:メドウレイク

母:インリアリティスター

母父:インリアリティ

2歳時BCジュヴェナイルフィーズなど7戦無敗の成績を残し「史上最も偉大な2歳牝馬の1頭」と呼ばれ3歳時もニューヨーク牝馬三冠に王手をかける

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績20戦11勝2着1回3着2回

誕生からデビュー前まで

フロリダ州オカラにあるオークスファームにおいて、ジェイミー・キャリオン氏により生産された。1歳時のキーンランドセールに出品され、米国の有名な投資家で持株会社アイカーン・エンタープライズの代表者カール・アイカーン氏により9万ドルで購入された。ルロワ・ジョリー調教師に預けられた。

競走生活(2歳時)

2歳6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート5ハロンの未勝利戦で、主戦となるホセ・サントス騎手を鞍上にデビュー。2着となったウインクラフティレディ(後にGⅢ競走インターバラBCHを勝つ馬で、母としてもGⅠ競走バレリーナHを勝ったハーモニーロッジなど3頭のグレード競走の勝ち馬を輩出している)に5馬身1/4差をつけて、初戦を見事な勝利で飾った。

翌月に同じベルモントパーク競馬場で出走したアストリアBCS(GⅢ・D5.5F)では、2着となった後のナショナルジョッキークラブオークスの勝ち馬スウィートサリタに1馬身1/4差をつけて勝利した。翌8月にはサラトガ競馬場でスカイラヴィルS(GⅡ・D6F)に出走。このレースではサントス騎手ではなく、クリス・アントレー騎手が騎乗した。ランダルースSの勝ち馬で後にラスヴァージネスS・サンタアニタオークスなどで2着するガーデンギャルなどが対戦相手となった。単勝オッズ2倍の1番人気に支持された本馬は道中で馬群の中団を進み、4番手で直線に入ってきた。前方ではガーデンギャルが先頭に立って押し切ろうとしていたが、外側から来た本馬が瞬く間にガーデンギャルを差し切り、最後は3馬身差をつけて勝利した。

同月末に出走したスピナウェイS(GⅠ・D6F)では、単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持された。ここでも4番手追走から四角で大外に持ち出すと、先行馬勢をまとめて差し切り、ガーデンギャルを2馬身差の2着に、ソロリティSを勝ってきたグッドポテンシャルをさらに1馬身差の3着に破って、GⅠ競走初制覇を果たした。9月にはベルモントパーク競馬場でメイトロンS(GⅠ・D7F)に出走して、2着ヴァーバスルに6馬身差をつけて圧勝。

翌10月に出走したフリゼットS(GⅠ・D8F)では、前走メイトロンSで3着だったクラークコテージに加えて、ガーデニアSを勝ってきたフローレスリーも参戦してきた。しかしレースではもう何とも表現のしようがない快走を見せた本馬が直線を独走して、2着シャンパングロウに14馬身差をつける大圧勝劇を演じた。このレースの後、アイカーン氏は本馬が獲得した賞金全てを身寄りの無い子ども達を救済するための基金に充てる旨を表明した。

そして迎えたBCジュヴェナイルフィリーズ(GⅠ・D8.5F)。対戦相手は、ソレントS・オークリーフSを勝ってきたライトライト、ナタルマSを勝ってきた加国調教馬ダンススマートリー、マザリンS・プリンセスエリザベスSを勝ってきた加国調教馬ウィルダネスソング、デルマーデビュータントSの勝ち馬でソレントS2着のビヨンドパーフェクション、アーリントンワシントンラッシーSの勝ち馬でアルキビアデスS2着のスルーフライト、ガーデニアS・マイディアガールSの勝ち馬ドラドラドラ、アルキビアデスS・マーメイドSの勝ち馬プライヴェートトレジャー、メイトロンS2着から直行してきたヴァーバスル、シャンパングロウ、フリゼットSで3着だったフローレスリー、アーリントンワシントンラッシーS3着馬ワイルドフォートレイシー、アストリアBCS2着後にソロチティS・スピナウェイS4着・ガーデニアS2着だったスウィートサリタの計12頭だった。この年のブリーダーズカップは本馬が勝手知ったるベルモントパーク競馬場で施行された事もあり、単勝オッズ1.2倍というブリーダーズカップ史上最高の単勝支持率を得た(それまでの最高記録は1988年のBCジュヴェナイルにおけるイージーゴアの単勝オッズ1.3倍)。2番人気のライトライトが単勝オッズ10倍で、カップリングで3番人気となったダンススマートリーとウィルダネスソングの2頭が単勝オッズ14.5倍だったから、まさしく本馬VSその他大勢の構図だった。

レースではサントス騎手を鞍上に、先頭を争う逃げ馬勢を見るように好位を追走。レース中盤で仕掛けると外側からまくるように逃げ馬勢に並びかけた。そして直線入り口で先頭に立ち、そのまま2着プライヴェートトレジャーに5馬身差をつけて圧勝。このレースに出走した後の米国顕彰馬2頭、ダンススマートリーとフローレスリーはそれぞれ3着と7着に敗れている。ブリーダーズカップの運営法人をして「史上最も偉大な2歳牝馬の1頭」と言わしめた本馬は、この年7戦全勝の完璧な成績で、文句なしにエクリプス賞最優秀2歳牝馬を受賞した。

競走生活(3歳時)

3歳時はサントス騎手に代わってアントレー騎手を主戦として、3月にアケダクト競馬場で行われたクイーンオブザステージS(D7F)から始動した。121ポンドの本馬が単勝オッズ1.1倍の1番人気、デザートヴィクスンS・ドールインアSを勝っていた118ポンドのナニーズアピールが単勝オッズ9.1倍の2番人気となった。レースは本馬とナニーズアピールの2頭がスタートから先頭を争ったが、四角で抜け出した本馬が、2着ナニーズアピールに4馬身3/4差で難なく勝利を収めた。

2週間後のカムリーS(GⅡ・D8F)では、121ポンドの本馬が単勝オッズ1.3倍の1番人気、GⅢ競走ブッシャーBCSなど3連勝中だった118ポンドのアイムアスリラーが単勝オッズ4.9倍の2番人気、ゴールドフィンチSなど4連勝していた114ポンドのドゥーイットウィズスタイルが単勝オッズ7.3倍の3番人気となった。レースではドゥーイットウィズスタイルを先に行かせて本馬は2番手を追走。直線に入ってすぐにドゥーイットウィズスタイルが二の脚を使い、本馬との差が一瞬開いた。しかし本馬が瞬く間にその差を詰めるとあっさりと逆転し、2着ドゥーイットウィズスタイルに1馬身3/4差をつけて勝利した。

その後はケンタッキーダービー参戦も見据えて、初の牡馬相手のレースとなるウッドメモリアル招待S(GⅠ・D9F)に出走した。名馬アンブライドルドの全弟ケイヒルロード、ナシュアS・ゴーサムSの勝ち馬カイルズアワーマン、ゴーサムS3着馬アナザーレビュー、BCジュヴェナイル3着馬ロストマウンテン、シャンペンS2着馬ハッピージャズバンドなどが対戦相手となった。本馬とケイヒルロードが並んで単勝オッズ3倍の1番人気に支持され、カイルズアワーマンが単勝オッズ3.8倍の3番人気、アナザーレビューが単勝オッズ8.9倍の4番人気となった。レースはカイルズアワーマンが逃げて、ケイヒルロードが2番手を先行。本馬は4番手を追走するという得意戦法に出た。そしてやはり4番手で直線に入ってきたのだが、ここから伸びずに、勝ったケイヒルロードから10馬身1/4差をつけられた4着と完敗を喫してしまい、無敗記録は9で止まった。この敗戦によりケンタッキーダービー出走の話は無かった事になり、ニューヨーク牝馬三冠路線に駒を進めた。

まずはエイコーンS(GⅠ・D8F)に、新たに主戦となったジェリー・ベイリー騎手を鞍上に出走。フォワードギャルBCS・ボニーミスSの勝ち馬でケンタッキーオークス・ファンタジーS2着のウィズオールプロバビリティ、デビューから5戦3勝2着2回のボーモントS2着馬ヴェルサイユトリーティなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.6倍の1番人気、ウィズオールプロバビリティが単勝オッズ3倍の2番人気、ヴェルサイユトリーティが単勝オッズ6.3倍の3番人気となった、スタートが切られると単勝オッズ11.1倍の4番人気馬ダジルミージョリエ(後に日本に繁殖牝馬として輸入されている)が先頭に立ち、本馬は6頭立ての4~5番手で様子を見た。しかしペースが遅いことを見切ったベイリー騎手は向こう正面で本馬を先頭に立たせた。そしてそのまま着実に後続馬との差を広げ続け、最後は2着ヴェルサイユトリーティに6馬身差をつける圧勝劇を見せた。

次走のマザーグースS(GⅠ・D9F)では、対戦相手は僅か3頭だった。そのうち強敵と言えるのは、BCジュヴェナイルフィリーズで2番人気に推されながら12着と惨敗していたが、3歳になってラスヴァージネスS・サンタアニタオークス・ファンタジーS・ケンタッキーオークスを次々に制覇してきたライトライトのみだった。3歳になって4戦全勝のライトライトが単勝オッズ1.5倍の1番人気に支持され、単勝オッズ1.8倍の2番人気となった本馬は、初めて他馬に1番人気の座を譲った。レースは本馬がスタートから先頭を奪い、他馬がそれを追う展開。最終コーナーでライトライトが外から本馬に並びかけ、直線では圧倒的人気を背負ったこの2頭の壮絶なマッチレースとなり、3着馬を15馬身半も引き離して殆ど同時にゴール。6分間の写真判定の結果、本馬がライトライトを鼻差抑えて優勝した。

そして1989年のオープンマインド以来2年ぶり史上8頭目のニューヨーク牝馬三冠を懸けてCCAオークス(GⅠ・D10F)に出走した。対戦相手はライトライト、グレード競走初出走ながら4戦無敗のシェアードインタレスト(キングズビショップSの勝ち馬フォレストリー、BCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬キャッシュランの母)、一般競走を2連勝してきたカーギャルなど5頭だった。今回も単勝オッズ1.9倍の1番人気はライトライトで、本馬は単勝オッズ2.2倍の2番人気、シェアードインタレストとカーギャルのカップリングが単勝オッズ5.6倍の3番人気となった。スタートが切られるとカーギャルが先頭に立ち、前走と異なり他馬に先手を取られた本馬は2番手を追走。最終コーナー手前で先頭に並びかけたが、ほぼ同時にインコースからライトライトも進出。そして直線入り口で先頭に立ったライトライトが独走してレースレコードで圧勝し、本馬は7馬身差の2着に敗退。初めて牝馬相手に黒星を喫し、ニューヨーク牝馬三冠達成の偉業も逃した。敗因は距離が長すぎたためだとも言われている。

その後は短期休養を経て、9月のマスケットS(GⅠ・D8F)に出走した。フォールズシティHの勝ち馬でテストS2着のスクリーンプロスペクト、バレリーナS・ファーストフライトH・ヴェイグランシーHの勝ち馬クイーナ、ジョンAモリスH・ラカナダS・サンタイネスS・アクサーベンオークスの勝ち馬でヘンプステッドH・ヴァニティ招待H2着のフィットトゥスカウトなどが対戦相手となった。118ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気、116ポンドのスクリーンプロスペクトが単勝オッズ3.2倍の2番人気、123ポンドのクイーナが単勝オッズ4.7倍の3番人気、123ポンドのフィットトゥスカウトが単勝オッズ9.5倍の4番人気となった。しかし本馬はスタートで後手を踏んでしまい、道中は最後方を走る羽目になった。直線入り口でもまだ最後方。ここから差し切るのは無理であり、フィットトゥスカウト、スクリーンプロスペクトとの大接戦を制して勝ったクイーナから7馬身3/4差の4着に敗退した。

次走のラフィアンH(GⅠ・D8.5F)では、クイーナ、ミレイディH・ヴァニティ招待H・ホーソーンH・セニョリータBCS・ラブレアSの勝ち馬ブロートツウマインドの2頭が強敵だった。122ポンドのブロートツウマインドが単勝オッズ2.5倍の1番人気、120ポンドのクイーナが単勝オッズ3.1倍の2番人気、117ポンドの本馬が単勝オッズ3.9倍の3番人気となった。ここでは4番手を追走したが、三角でベイリー騎手が仕掛けても反応が無く、勝ったクイーナから7馬身半差の6着に敗れ去った。

この年はチャーチルダウンズ競馬場で行われたBCディスタフには出走せずに、3歳時8戦4勝の成績で休養入りとなった。結局この年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬の座はそのBCディスタフを制したダンススマートリーの手に渡った。

競走生活(4歳時)

4歳時は4月にキーンランド競馬場で行われたサラブレッドクラブオブアメリカS(GⅢ・D6F)から始動した。久々にサントス騎手とコンビを組んだ123ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持され、120ポンドのボーモントSの勝ち馬でテストS2着・サンタアニタオークス・サンタモニカS3着のイフユークッドシーミーナウと、117ポンドのアスタリタSの勝ち馬デヴィリッシュタッチが並んで単勝オッズ6.1倍の2番人気となった。トップハンデでも断然の1番人気となったところに本馬の復活を期待するファンが多かった事が伺えるが、しかし結果は最初から最後まで後方のまま全く何の見せ場も無く、勝ったイフユークッドシーミーナウから6馬身1/4差をつけられた7着と惨敗した。

翌月にベルモントパーク競馬場で出走したダート6.5ハロンの一般競走でもサントス騎手とコンビを組み、単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。しかし逃げた単勝オッズ3.2倍の2番人気馬マキンフェイセズと、2番手を進んだ単勝オッズ3.5倍の3番人気馬パペットショーを捕まえられずに、勝ったマキンフェイセズから2馬身3/4差の3着に終わった。

その後は4か月間の調整期間を経て、9月のラフィアンH(GⅠ・D8.5F)でベイリー騎手を鞍上に復帰した。このレースでは、かつてエイコーンSで本馬に6馬身差をつけられた2着だった後にテストS・アラバマS・ガゼルH・モリーピッチャーHを勝ちベルデイムS・BCディスタフ・ジョンAモリスHで2着していたヴェルサイユトリーティが120ポンドのトップハンデでも単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持されており、CCAオークス4着後にモンマスオークス2着・ジョンAモリスH3着のシェアードインタレストが、ディスタフH・ベッドオローゼズH・シャーリージョーンズH・ヴェイグランシーHの勝ち馬ナナールとのカップリングで単勝オッズ3.6倍の2番人気、ラフィアンH・ジョンAモリスHの勝ち馬クイックミスチーフが単勝オッズ3.8倍の3番人気で、112ポンドの本馬は単勝オッズ5.6倍の4番人気だった。レースでは4~5番手を進むも直線で全く伸びず、勝ったヴェルサイユトリーティに8馬身3/4差をつけられて5着に敗れた。

次走のスピンスターS(GⅠ・D9F)では、亜国のGⅠ競走エンリケアセバル大賞を勝った後に米国に移籍してサンタマリアH・サンタマルガリータ招待H・アップルブロッサムH・ミレイディH・ヴァニティH・シルヴァーベルズH・サンゴルゴニオHを勝っていた後の米国顕彰馬パセアナ、ハリウッドオークス・モンマスオークス・ルイビルBCHの勝ち馬でヴァニティH2着のフォウダ、前年のCCAオークスで本馬を圧倒した後はやはり燃え尽きたかのように振るわなかったライトライトなどが対戦相手となった。パセアナが単勝オッズ1.5倍の1番人気、フォウダが単勝オッズ7.4倍の2番人気、ライトライトが単勝オッズ8倍の3番人気、パット・デイ騎手と初コンビを組んだ本馬は単勝オッズ11.7倍の4番人気だった。ここでは10頭立ての7番手を追走。そして直線入り口4番手から現状では精一杯と思われる頑張りを見せて、勝ったフォウダから8馬身1/4差、2着パセアナから6馬身差の3着に入った。

その後はガルフストリームパーク競馬場で行われたBCディスタフ(GⅠ・D9F)に出走した。ヴェルサイユトリーティ、フォウダ、パセアナ、ライトライトなどに加えて、ガゼルH・ベルデイムS・カムリーSの勝ち馬でアラバマS2着のサラトガデュー、エルエンシノS・ラカナダS・チュラヴィスタHの勝ち馬エクスチェンジ、ハリウッドスターレットS・ラスヴァージネスS・リンダヴィスタBCHの勝ち馬でサンタアニタオークス2着のマジカルメイデン、英国から参戦してきたチェヴァリーパークS・愛1000ギニー・コロネーションS・サセックスSの勝ち馬で英1000ギニー2着のマーリング、フィリーズマイル・マルセルブサック賞・仏1000ギニー・ロウザーSの勝ち馬でコロネーションS2着のカルチャーヴァルチャーなどが参戦しており、もはや誰の目にも全盛期を過ぎていたのが明白だった本馬は単勝オッズ38.1倍で14頭立ての9番人気の低評価。デイ騎手は本馬を14頭立ての13番手で進ませて、直線の追い込みに全てを賭ける一か八かの作戦を採ったが、やはり上手くはいかず、勝ったパセアナから7馬身3/4差の7着に敗退。

このレースを最後に4歳時5戦未勝利の成績で競走馬を引退した。それでも、BCジュヴェナイルフィリーズ以降に本馬が稼いだ賞金は90万ドル以上に上り、全額が児童救済基金に充てられた。

血統

Meadowlake Hold Your Peace Speak John Prince John Princequillo
Not Afraid
Nuit de Folies Tornado
Folle Nuit
Blue Moon Eight Thirty Pilate
Dinner Time
Blue Grail Blue Larkspur
Ample
Suspicious Native Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Be Suspicious Porterhouse Endeavour
Red Stamp
Nothirdchance Blue Swords
Galla Colors
Inreality Star In Reality Intentionally Intent War Relic
Liz F.
My Recipe Discovery
Perlette
My Dear Girl Rough'n Tumble Free for All
Roused
Iltis War Relic
We Hail
Imanative Native Dancer Polynesian Unbreakable
Black Polly
Geisha Discovery
Miyako
Flolou My Babu Djebel
Perfume
Fleece Revoked
Pelt

父メドウレイクは現役成績3戦全勝。デビュー戦は2着馬に22馬身差をつけるという衝撃的なレースを披露。次走アーリントンワシントンフーチュリティ(米GⅠ)も8馬身3/4差で圧勝してみせた。2歳時はその後レース出走が無く、3歳時は一般競走に出走して順当に勝利。ところが直後に脚の故障を発生、そのまま現役引退となってしまった。引退後はフロリダ州ワーナートンファームで種牡馬入り。種牡馬としては当初あまり期待されていなかったが、初年度産駒である本馬の活躍で一躍脚光を浴び、ケンタッキー州ダービーダンファームに移動した。大物競走馬はその後出ていないものの、産駒の勝ち上がり率は極めて優秀で、競走馬になった子のうち実に8割近くの子が勝ち上がったという。2005年に小腸破裂のために22歳で他界している。

メドウレイクの父ホールドユアピースは息子と同じくアーリントンワシントンフューチュリティを優勝、他にもフラミンゴSを勝ち、ケンタッキーダービーで3着するなど39戦11勝の成績を残した。遡ると、デルマーダービーの勝ち馬スピークジョン、プリンスジョンプリンスキロへと繋がる。ホールドユアピースは今では殆ど見かけなくなったプリンスキロ系を後世に伝えるべく奮闘し、メドウレイクの他にもBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬サクセスエクスプレスやラカナダSの勝ち馬ミッテランなども出した(ちなみにミッテランはクロフネの父フレンチデピュティの母)。

母インリアリティスターは現役成績3戦1勝。本馬の半弟オプティックナーヴ(父マジェスティックライト)【ヒルプリンスS(米GⅢ)】なども産んでいる。また、本馬の全妹レティーロパークの子にはスノーター【バークリーBCH(米GⅢ)】がいる。インリアリティスターの半兄にはマッスル(父コーニッシュプリンス)【ドーバーS(米GⅢ)】、フェアウェイファントム(父ワットアプレジャー)【アーリントンクラシックS(米GⅠ)・ブリーダーズフューチュリティS(米GⅡ)】、全弟にはパーフライト【ワシントンパークH(米GⅡ)】が、インリアリティスターの半姉フェアウェイスター(父プリンスジョン)の子にはウォールストリートダンサー【パンアメリカンH(米GⅡ)・ボーリンググリーンH(米GⅡ)】がいる。

母系は無敗の英国三冠馬オーモンドの母リリーアグネスの全妹タイガーリリーからの流れだが、それほど繁栄している牝系ではない。インリアリティスターの4代母ペルトの半姉ペルーレの8代子孫である米国顕彰馬アシャド【BCディスタフ(米GⅠ)・スピナウェイS(米GⅠ)・ケンタッキーオークス(米GⅠ)・CCAオークス(米GⅠ)・オグデンフィップスH(米GⅠ)・ゴーフォーワンドH(米GⅠ)・ベルデイムS(米GⅠ)】が最も近い著名馬である。→牝系:F16号族②

母父インリアリティは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はケンタッキー州トラックサイドファームで繁殖入りした。6歳時に産んだ初子の牝駒フィールドオブヴィジョン(父デピュティミニスター)は12戦4勝。7歳時に産んだ2番子の牝駒グレッチェル(父デピュティミニスター)は7戦2勝、ゴールデンロッドS(米GⅢ)で3着。8歳時に産んだ3番子の牡駒ジョンマイケル(父デピュティミニスター)は49戦6勝。10歳時に産んだ4番子の牝駒リフトヴァレー(父ガルチ)は18戦3勝。12歳時に産んだ5番子の牝駒ヴィンテージシャンパン(父エーピーインディ)は1戦未勝利だった。2002年4月、フサイチペガサスとの間に受胎した産駒共々、合併症のため入院先のケンタッキー州ハギャード馬診療センターにおいて14歳で他界した。

本馬の産駒5頭はいずれも競走馬にはなったが、それほどの活躍は出来なかった。牝系子孫からもしばらく活躍馬が出なかった。しかしフィールドオブヴィジョンの孫ベルギャランティが2014年のデラウェアH(米GⅠ)・ベルデイムS(米GⅠ)を勝つ活躍を見せ、曾孫世代になってようやく本馬の競走能力を受け継ぐ馬が出てくれた。なお、本馬の所有者だったアイカーン氏は2004年に所有馬全てを売却して競馬事業からは撤退したが、彼が創設した基金は現在も存続し、恵まれない子ども達の福祉のために活用されている。

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