アシャド

和名:アシャド

英名:Ashado

2001年生

黒鹿

父:セイントバラード

母:グーラッシュ

母父:マリズブック

エクリプス賞最優秀3歳牝馬とエクリプス賞最優秀古馬牝馬を受賞し、繁殖牝馬として史上最高額となる900万ドルの値で取引される

競走成績:2~4歳時に米で走り通算成績21戦12勝2着4回3着3回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州において馬産家エアロン・U・ジョーンズ氏とマリー・D・ジョーンズ女史の両名により生産され、1歳時のセリにおいて17万ドル(当時の為替レートで約2250万円)で共同馬主団体ストレートステーブルにより購買され、米国トッド・A・プレッチャー調教師に預けられた。

テキサス州ダラス出身のプレッチャー師は、ダレル・ウェイン・ルーカス調教師やチャールズ・ウィッテンガム調教師といった米国有数の名伯楽の下で修行した。特にルーカス師の下では調教助手としてサンダーガルチセレナズソングなど多くの名馬の育成に携わった。1995年の暮れに28歳で調教師として開業してしばらくはそれほど目立つ存在ではなかったが、21世紀に入ってから頭角を現し始め、米国のトップ調教師の1人に数えられるようになった。プレッチャー師が飛躍したのは本馬の活躍によるところが大きい。

競走生活(2歳時)

2歳6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート5.5ハロンの未勝利戦で、後に主戦となるジョン・ヴェラスケス騎手を鞍上にデビュー。単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持されると、プリーズテイクミーアウトと競り合いながら逃げを打ち、直線手前でプリーズテイクミーアウトを突き放して、最後は7馬身差をつけて圧勝した。

次走のスカイラヴィルS(GⅡ・D6F)では、単勝オッズ3.55倍の1番人気となった。しかしヴェラスケス騎手が単勝オッズ3.65倍の2番人気馬ハーミオンズマジックに騎乗したため、本馬にはエドガー・プラード騎手が騎乗した。スタートからハーミオンズマジックが逃げを打ち、本馬は4番手の好位を先行。そして直線入り口で先頭に立つと、そのまま3馬身差で楽勝した。

3戦目のスピナウェイS(GⅠ・D7F)では、未勝利戦を圧勝してきたヴェラスケス騎手騎乗のデイドリーミングが単勝オッズ2.25倍の1番人気、アディロンダックS2着馬アンブライドルドビューティが単勝オッズ3.5倍の2番人気で、プラード騎手騎乗の本馬は単勝オッズ4.1倍の3番人気だった。しかしスタートで出遅れたデイドリーミングを尻目に快調に先頭を飛ばした。四角でチャーチルダウンズデビュータントS勝ち馬ビージェントルに迫られたが直線で二の脚を使い、2着ビージェントルに1馬身1/4差で快勝した。2着のビージェントルはこの後にアルキビアデスSやゴールデンロッドSを勝利している。

4戦目のフリゼットS(GⅠ・D8.5F)では、ヴェラスケス騎手騎乗のデイドリーミング(単勝オッズ2.95倍)、デルマーデビュータントS3着馬ヴィクトリーユーエスエー(単勝オッズ3.65倍)との3強対決と目され、本馬は3番人気ながらも単勝オッズ3.8倍の支持を集めた。しかしレースでは単勝オッズ9.2倍の4番人気馬ソサエティセレクションが最後方からの四角まくり戦法で勝利を収め、好位を追走した本馬はデイドリーミングには大きく先着したものの、逃げたヴィクトリーユーエスエーにも届かず、ソサエティセレクションの4馬身差3着に敗退した。このソサエティセレクションは本馬にとって生涯最大の好敵手となる。

その後は米国西海岸に向かい、サンタアニタパーク競馬場で行われたBCジュヴェナイルフィリーズ(GⅠ・D8.5F)に参戦。デルマーデビュータントS・オークリーフSなど3戦全て圧勝してきたハーフブライドルド、ソサエティセレクション、ケンタッキーカップジュヴェナイルフィリーズSを勝ってきたクラスアバヴ、未勝利戦を圧勝してきたフォレストミュージック、ヴィクトリーユーエスエー、デルマーデビュータントS2着馬ハリウッドストーリー、アーリントンワシントンラッシーS勝ち馬ゾシマ、オークリーフS2着馬ターロウ、ビージェントルなどが出走しており、ヴェラスケス騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ14.3倍の6番人気だった。レースではフォレストミュージックが逃げを打ち、ヴィクトリーユーエスエーが2番手、本馬が3番手を追走。直線に入ると後方から上がってきたハーフブライドルドが先に抜け出し、それをヴィクトリーユーエスエーと共に追撃した。結局ハーフブライドルドには届かずに2馬身半差2着に敗れたが、3着ヴィクトリーユーエスエーは首差で抑え込んだ(4着ハリウッドストーリーは本馬から10馬身後方)。

米国西海岸に戻って出走したシーズン最後のデモワゼルS(GⅡ・D9F)では、テンプテッドSを勝ってきたラリーナとの対戦となった。本馬が単勝オッズ1.55倍の1番人気、ラリーナが単勝オッズ2.9倍の2番人気で、完全な2強対決となった。レースはラリーナが2番手、本馬がそれをマークするように3番手を進む展開となり、直線に入るとやはりこの2頭が抜け出して、後続を10馬身も引き離す一騎打ちを演じた。そして最後は本馬が首差で競り勝ち、2歳時を6戦4勝の好成績で締めくくった。

競走生活(3歳時)

3歳時は3月のフェアグラウンズオークス(GⅡ・D8.5F)から始動。シルヴァービュレットデイSを勝ってきたシャドウキャスト、ヴィクトリーユーエスエーなどを抑えて、単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。レースではヴィクトリーユーエスエーを見るように3番手の好位を追走。そして直線に入ると悠々とヴィクトリーユーエスエーを抜き去り、最後は3馬身3/4差をつけて楽勝した。

次走のアッシュランドS(GⅠ・D8.5F)は僅か4頭立てとなったが、オールドハットS・フォワードギャルSなど過去3戦全て圧勝してきたマッドキャップエスカペイド、ラリーナ、ボニーミスSを勝ってきたラストソングと強豪揃いとなった。マッドキャップエスカペイドが単勝オッズ1.7倍の1番人気で、本馬が単勝オッズ2.7倍の2番人気となった。スタートが切られるとマッドキャップエスカペイドが先頭に立ち、本馬はラリーナと共に2~3番手を追走した。そして直線に入ると、先頭のマッドキャップエスカペイドを追撃したが、惜しくも半馬身差届かなかった。しかしこのレースにおける斤量は、マッドキャップエスカペイドよりも本馬のほうが5ポンド重く、内容的には互角以上だった。

そのために次走のケンタッキーオークス(GⅠ・D9F)では、マッドキャップエスカペイドを押しのけて、単勝オッズ3.3倍の1番人気に支持された。他の対戦相手は、ラスヴァージネスS勝ち馬エーピーアドヴェンチャー、サンタアニタオークス馬サイレントサイズ、ファンタジーSを勝ってきたハウスオブフォーチュン、ヴィクトリーユーエスエー、ラストソング、ファンタジーS2着馬アイランドサンド、ハリウッドスターレットSを勝っていたハリウッドストーリーなどだった。今回もマッドキャップエスカペイドがスタートから逃げを打ち、本馬はヴィクトリーユーエスエーと共に2~3番手を追走した。そのうちにヴィクトリーユーエスエーが後退して本馬が単独2番手となり、四角で先頭のマッドキャップエスカペイドに詰め寄った状態で直線を向いた。すぐにマッドキャップエスカペイドをかわして先頭に立ったところに、後方から単勝オッズ17.8倍の伏兵アイランドサンドが追い上げてきたが、最後は1馬身1/4差をつけて勝利した。

そのままニューヨーク牝馬三冠路線に向かう予定だったが、その第1戦であるエイコーンSは熱発のために回避となってしまった。そのため、次走はマザーグースS(GⅠ・D9F)となった。本馬不在のエイコーンSを勝ってきたアイランドサンド、カムリーSを勝ってきたソサエティセレクション、デイドリーミングなど、既に勝負付けが済んだ馬ばかりが対戦相手となり、熱発明けではあったが単勝オッズ1.9倍の1番人気に支持された。レースではこれといった逃げ馬がいなかった影響もあり、全馬が一団となって進んだ。その中でも本馬は先頭に立つ時間が最も長かった。そのまま馬群から抜け出して後続を引き離そうとしたが、本馬を徹底的にマークしていたステラージェーンに直線で差されて2馬身半差の2着に敗れてしまった。ステラージェーンは本馬が勝利したケンタッキーオークスにも出走していたが、単勝オッズ41.8倍の最低人気で7着に敗れていた。その後にドッグウッドBCS勝利を挟んで、このマザーグースSに臨んできていたのだが、それでも単勝オッズ30.75倍の最低人気だった。しかしステラージェーンは典型的な上がり馬であり、このマザーグースS勝利をきっかけに米国牝馬路線のトップホースとなり、本馬とも幾度も顔を合わせることになる。

次走のCCAオークス(GⅠ・D10F)では、早速ステラージェーンとのリターンマッチとなった。しかしステラージェーンのマザーグースS勝ちはまだフロック視されており単勝オッズ4.6倍の3番人気止まり。本馬が単勝オッズ1.75倍の1番人気に支持された。今回はステラージェーンを先頭に押し出して、本馬が2番手を走る展開となった。そして三角でステラージェーンをかわして先頭に立つと、ステラージェーンを4馬身半差の2着に下して前走の借りを返した。

次走のアラバマS(GⅠ・D10F)には、ステラージェーン、マザーグースSでは6着最下位だったがその後にテストSを勝ってきたソサエティセレクションの他に、本馬とは初対戦となるサンタイネスS・ブラックアイドスーザンS・デラウェアオークス勝ち馬イヤリーレポート、この当時は殆ど無名だった2年後のエクリプス賞最優秀古馬牝馬フリートインディアンも出走しており、後から見れば非常に高レベルな一戦となった。その中で本馬が単勝オッズ1.6倍という断然の1番人気に支持された。そして本馬が2~3番手追走から直線で抜け出した時には、そのまま独壇場になると思われた。ところがここから伸びずに、後方から来たソサエティセレクションに差された上に、先行していたステラージェーンには差し返され、結局ソサエティセレクションの3馬身差3着に負けてしまった。

その後はフィラデルフィア競馬場に向かい、コティリオンH(GⅡ・D8.5F)に出走。これといった対戦相手はおらず、他馬より7~9ポンド多い124ポンドのトップハンデだけが問題だった。単勝オッズ1.2倍の1番人気に支持された本馬は、3番人気のフロリダオークス馬エンダーズシスターを先に行かせて2番手を追走。そして直線入り口で先頭に立つと、2着エンダーズシスターに2馬身3/4差で勝利した。

その後はローンスターパーク競馬場に向かい、暮れの大一番BCディスタフ(GⅠ・D9F)に参戦した。対戦相手は、2年前のエクリプス賞最優秀2歳牝馬で、この年もパーソナルエンスンHを勝っていた超良血馬ストームフラッグフライング、ベルデイムSで2着してきたソサエティセレクション、前年のアラバマS・ラブレアSの勝ち馬で、この年もサンタモニカH・レディーズシークレットBCHを勝ち、牡馬相手のサンタアニタHで2着していたアイランドファッション、前年の仏オークス・ムーランドロンシャン賞の勝ち馬で、古馬になっても堅実に走っていた仏国調教馬ネブラスカトルネード、アーリントンメイトロンH・スピンスターSで連続2着してきたタムウィール、ガゼルHでGⅠ競走2勝目を挙げていたステラージェーン、ハリウッドスターレットS・アッシュランドSの勝ち馬で、前年のBCディスタフ2着馬エローラヴ、ハリウッドストーリーなどだった。本馬が単勝オッズ3倍の1番人気に支持され、ストームフラッグフライングが単勝オッズ5.6倍の2番人気、ソサエティセレクションが単勝オッズ6.1倍の3番人気となった。

スタートが切られるとタムウィールが逃げを打ち、ネブラスカトルネードが2番手、本馬は4番手の好位を追走した。やがて本馬の外側を走っていたアイランドファッションが先に仕掛けて上がっていったが、本馬鞍上のヴェラスケス騎手はあせらずに構え、四角で仕掛けて3番手で直線入り口を向くと、すぐさま先頭に立った。後方からストームフラッグフライングが追い上げてきたが、その追撃を1馬身1/4差で完封し、米国牝馬の頂点に立った。

この年8戦5勝の成績で、エクリプス賞最優秀3歳牝馬のタイトルを獲得した。

競走生活(4歳時)

5か月間の休養を経て4歳時は4月のアップルブロッサムH(GⅠ・D8.5F)で復帰。アグリーム招待Hなどの勝ち馬ドリームオブサマー、BCディスタフ5着のアイランドファッション、エイコーンS以降は勝ち星を挙げられていなかったアイランドサンド、バヤコアH・サンタマリアH・ミレイディHなどを勝っていた亜国出身馬スターパレードなどが対戦相手となったが、本馬が121ポンドのトップハンデにも関わらず単勝オッズ1.5倍の断然人気に支持された。レースではドリームオブサマーがスタートから先頭に立ち、本馬は2番手を追走。そして直線に入ってドリームオブサマーを捕らえようとしたが、ここではいつもの走りが見られずに後続馬に次々と差されて、ドリームオブサマーの1馬身3/4差5着に敗れ、初めて着外になってしまった。

続くピムリコBCディスタフH(GⅢ・D8.5F)では、ベッドオローゼズBCHを勝ってきたプレザントホームくらいしか目立つ対戦相手はいなかったため、他馬より7~9ポンド多い123ポンドのトップハンデと前走敗戦にも関わらず、単勝オッズ1.3倍の断然人気に支持された。ここではスタートから単騎で先頭を走り続けたが、ゴール前で単勝オッズ8.6倍の最低人気馬シルマリルに差されて3/4馬身差の2着に敗北してしまい、行く手に暗雲が立ち込めた。

次走のオグデンフィップスH(GⅠ・D8.5F)では、2歳時から戦ってきたソサエティセレクションとデイドリーミングの2頭が改めて本馬の前に立ち塞がった。デイドリーミングは一般競走では勝てるがステークス競走では勝てない日々が続いていたが3歳暮れにようやく本格化して、インディアナBCオークス・トップフライトH・ネクストムーヴHなどを勝って臨んできた。実績的には本馬が他2頭の遥か上を行っていたのだが、近走の成績から、ハンデ競走にも関わらず斤量は3頭ともあまり変わらなかった(一応は本馬が120ポンドのトップハンデだった)。しかし単勝オッズ1.85倍の1番人気に推された本馬がスタートからゴールまで先頭を走り抜き、2着ソサエティセレクションを3馬身切って捨てた。

次走のゴーフォーワンドH(GⅠ・D9F)では、ソサエティセレクションと、オグデンフィップスHで4着だったデイドリーミングの2頭に加えて、ミレイディHを勝ってきたアンドゥーハルも参戦してきた。本馬は121ポンドのトップハンデながら単勝オッズ2.15倍の1番人気に支持された。レースではアンドゥーハルがまずは先頭に立ち、本馬は2番手を追走した。そして四角でアンドゥーハルをかわして先頭に踊り出ると、そのまま後続馬をぐんぐん引き離し、最後は2着に突っ込んできた単勝オッズ23.3倍の最低人気馬ベンディングストリングズに9馬身半差をつけて圧勝した。

次走のパーソナルエンスンS(GⅠ・D10F)では、アイランドサンドくらいしか目立つ対戦相手はいなかったため、本馬が単勝オッズ1.45倍の断然人気に支持された。ところがここでは2番手を追走するも三角の辺りで既に手応えが怪しくなり、最後方から追い上げて勝ったシャドウキャストから15馬身差の4着と惨敗してしまった。

それでもベルデイムS(GⅠ・D9F)では、アラバマSなど4戦無敗のスイートシンフォニー、ラフィアンHで2着してきたソサエティセレクション、ドリームオブサマー、バレリーナS勝ちなどデビューから11戦10勝2着1回のハッピーチケットなどを抑えて、単勝オッズ2.7倍の1番人気に支持された。ここでも本馬は2番手を追走。そして四角でドリームオブサマーをかわして先頭に立つと、ハッピーチケットの追撃を半馬身差で封じて勝利した。

そしてベルモントパーク競馬場で行われたBCディスタフ(GⅠ・D9F)に連覇を目指して参戦。前年のBCディスタフ後にしばらく休養していたが、復帰後にミスティギャロアS・ラフィアンHを連勝してきたステラージェーン、ハッピーチケット、スイートシンフォニー、ガゼルSを勝ってきたインザゴールド、ソサエティセレクション、レディーズシークレットHを勝ってきたヘルシーアディクション、アイランドファッション、ハリウッドストーリー、バレリーナS・スピンスターSを連続2着してきたプレザントホームなどが対戦相手となった。出走馬の大半は既に本馬が戦ってきた馬であり、概ね勝負付けは終わっていた。そのため本馬が単勝オッズ3.25倍の1番人気に支持され、ステラージェーンとハッピーチケットが並んで単勝オッズ5.5倍の2番人気となった。

スタートが切られると、本馬をすんなりと前に行かせまいとしたのか、ステラージェーンが積極的に先頭を伺い、それに人気薄の馬達が絡んで、やや速い流れになった。そのために本馬は6番手の好位を走るという、いつもとはやや異なる位置取りとなった。それでも三角で仕掛けて四角途中では先頭に並びかけ、直線入り口では一緒に上がってきたソサエティセレクションと共に先頭に立った。ところがそこへ道中は最後方を走っていた単勝オッズ31.75倍の伏兵プレザントホームが外側から襲い掛かってきて、瞬く間に本馬を抜き去っていった。そして先頭を爆走するプレザントホームと、2番手で叩き合う本馬とソサエティセレクションの差は開く一方となってしまった。最後に本馬はソサエティセレクションに首差競り負けてしまい、プレザントホームの9馬身半差3着に敗れた。

これが現役最後のレースとなったが、4歳時7戦3勝の成績で、エクリプス賞最優秀古馬牝馬のタイトルを獲得した。なお、ソサエティセレクションとの対戦成績は本馬の6勝3敗だった。

血統

Saint Ballado Halo Hail to Reason Turn-to Royal Charger
Source Sucree
Nothirdchance Blue Swords
Galla Colors
Cosmah Cosmic Bomb Pharamond
Banish Fear
Almahmoud Mahmoud
Arbitrator
Ballade Herbager Vandale Plassy
Vanille
Flagette Escamillo
Fidgette
Miss Swapsco Cohoes Mahmoud
Belle of Troy
Soaring Swaps
Skylarking
Goulash Mari's Book Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Mari Her Maribeau Ribot
Cosmah
Hem and Haw Double Jay
Royal Fan
Wise Bride Blushing Groom Red God Nasrullah
Spring Run
Runaway Bride Wild Risk
Aimee
Wising Up Smarten Cyane
Smartaire
Hardly Rock Talk
Softly

父セイントバラードはセイントリアムの項を参照。

母グーラッシュは現役成績12戦6勝、ラスニアスSの勝ち馬。繁殖牝馬としては優秀で、本馬の全兄セントスティーブン【ネイティヴダイヴァーH(米GⅢ)】、全弟サンリヴァー【ハリウッドターフCS(米GⅠ)・ピーターパンS(米GⅡ)・ボーリンググリーンH(米GⅡ)】なども産んでいる。グーラッシュの半妹にはクワイトアブライド(父ストーミーアトランティック)【ボイリングスプリングスS(米GⅢ)・ミントジュレップH(米GⅢ)】がいる。近親には本馬と現役時代に何度か戦ったヴィクトリーユーエスエー【ボーモントS(米GⅡ)】の名も見られる(ヴィクトリーユーエスエーの母と本馬の祖母が従姉妹)し、グレード競走勝ち馬は複数いるが、GⅠ競走勝ち馬は本馬とサンリヴァーの2頭しか見当たらず、それほど優秀な牝系と言うわけでもない。→牝系:F16号族②

母父マリズブックはコンガリーの項を参照。

競走馬引退後

本馬は現役最後のレースとなったBCディスタフの直後に行われたキーンランドの繁殖牝馬セールに出品された。そしてドバイのシェイク・モハメド殿下の代理人を務めるジョン・ファーガソン氏と、クールモアグループによる激しい入札競争の結果、900万ドル(当時の為替レートで約10億6000万円)でファーガソン氏により落札された。この価格は繁殖牝馬としては、2003年の同セールにおいてクールモアグループにより710万ドルで落札されたBCジュヴェナイルフィリーズ勝ち馬キャッシュランの記録を上回る世界最高額となった。

シェイク・モハメド殿下の所有馬となった本馬は、モハメド殿下が保持するケンタッキー州ジョナベルファームで繁殖入りした。ストームキャットストリートクライといった一流種牡馬との間に子を産んでいるが、現在のところ特筆できる活躍を示した産駒はいない。初子のストームキャット牡駒はスターキャットと命名されたが不出走に終わり、後にインドで種牡馬入りしている。

本馬は2012・13・14年に3年連続で米国競馬名誉の殿堂入り選考における最終候補に名が挙がった。最初の2年間は選出されなかったが、三度目の正直で2014年に米国競馬の殿堂入りを果たした。

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