フリートインディアン

和名:フリートインディアン

英名:Fleet Indian

2001年生

黒鹿

父:インディアンチャーリー

母:ハストリータ

母父:アフリート

破竹の9連勝で迎えたBCディスタフで待ち受けていたブリーダーズカップ史上稀に見る大波乱の結末

競走成績:3~5歳時に米で走り通算成績19戦13勝3着1回

誕生からデビュー前まで

米国ニューヨーク州においてベッキー・トーマス氏とルイス・レイキン氏の両名により生産され、1歳時のサラトガセールにおいて4万ドルで取引された。2歳時には23万ドルで取引され、スタン・フルトン氏の所有馬となり、米国ジェイムズ・トーナー調教師に預けられた。

競走生活(3歳時)

デビューは遅く、3歳4月にアケダクト競馬場で行われたダート6ハロンの未勝利戦となった。ジョン・ヴェラスケス騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ1.45倍で11頭立ての1番人気に支持された。レースではスタートから先頭争いに加わると、三角で単独先頭に立ってそのまま後続を引き離し、2着ブラッシーキトゥンに8馬身半差をつけて圧勝した。

翌月にはベルモントパーク競馬場ダート8ハロンの一般競走に出走。今回はエドガー・プラード騎手が騎乗した本馬は単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された。レースでは3番手を進むと、三角で先頭に立って直線を押し切り、2着ファビュロシティーに2馬身1/4差をつけて勝利した。

6月に出走したベルモントパーク競馬場ダート9ハロンの一般競走では、2度目のコンビとなるヴェラスケス騎手を鞍上に、単勝オッズ1.35倍の1番人気に支持された。ここでは2番手を先行すると、逃げる単勝オッズ6.7倍の3番人気馬ズッキーニキキを直線入り口でかわし、そのまま引き離して2着ズッキーニキキに6馬身1/4差をつけて圧勝した。

7月に出走したベルモントパーク競馬場ダート8.5ハロンの一般競走では、前月の未勝利戦を10馬身差で勝ち上がってきたばかりのスウィンギングという馬との対戦となった。ヴェラスケス騎手が騎乗したスウィンギングが単勝オッズ1.9倍の1番人気に支持され、プラード騎手と2度目のコンビを組んだ本馬は単勝オッズ3.1倍の2番人気となった。レースはスタートから先頭に立った本馬と、2番手で追いかけてきたスウィンギングのマッチレースの様相を呈した。しかしそれはレース中盤までで、スウィンギングは徐々に後退していき、代わりに3番手から2番手に上がってきた単勝オッズ5.1倍の3番人気馬マンボベルと本馬のマッチレースに切り代わった。2頭の争いは直線の間もずっと続いたが、最後に本馬が競り勝ち、半馬身差で勝利した(スウィンギングは結局6着最下位だった)。

翌8月にはサラトガ競馬場に移動して、アラバマS(GⅠ・D10F)に出走。対戦相手は、ケンタッキーオークス・CCAオークス・スピナウェイS・スカイラヴィルS・デモワゼルS・フェアグラウンズオークスの勝ち馬でBCジュヴェナイルフィリーズ・アッシュランドS・マザーグースS2着のアシャド、サンタイネスS・ブラックアイドスーザンS・デラウェアオークスなど4連勝中のイヤリーレポート、フリゼットS・テストSなどの勝ち馬でエイコーンS2着のソサエティセレクション、マザーグースSの勝ち馬でCCAオークス2着のステラージェーンなどだった。ヴェラスケス騎手が騎乗するアシャドが単勝オッズ1.6倍の1番人気に支持されたのに対して、プラード騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ22倍の5番人気だった。レースは当初出走全馬が一団となって進んだが、向こう正面から徐々に馬群がばらけ始めた。馬群の中団好位につけていた本馬は、三角までは前との差はそれほど無かったが、ここから上位人気馬勢に引き離されていった。レースは単勝オッズ6.7倍の3番人気馬ソサエティセレクションが快勝し、2着がステラージェーン、3着がアシャド、4着がイヤリーレポートで、本馬はソサエティセレクションから14馬身1/4差、イヤリーレポートからも6馬身差をつけられた5着と完敗した。

翌9月にはベルモントパーク競馬場に戻って、ダート8.5ハロンの一般競走に出走した。ここでは前月の一般競走を快勝してきたスウィートリップスが単勝オッズ2.5倍の1番人気で、スウィートリップスより4ポンド斤量が重かった本馬は単勝オッズ2.7倍の2番人気となった。プラード騎手が騎乗する本馬は、今回はスタートから逃げを打った。本馬に競りかけてきたのは、前々月の一般競走最下位後に前月の一般競走を頭差で勝ってきた単勝オッズ15.8倍の最低人気馬スウィンギングだった。三角で本馬に振り切られたスウィンギングは今回も最下位まで落ちていったが、自分のペースで逃げられなかった本馬も、スウィートリップスと単勝オッズ9.8倍の5番人気馬オナーポイントという自身より4ポンド斤量が軽かった2頭にゴール前で差されて、スウィートリップスの半馬身差3着に惜敗した。

次走は翌10月にベルモントパーク競馬場で行われたイロコイH(D7F)となった。ユニオンアベニューS・スケネクタディHなど5連勝中のシュガーパンチが120ポンドのトップハンデでも単勝オッズ1.65倍の1番人気に支持され、ハビエル・カステリャーノ騎手が騎乗する本馬は113ポンドの軽量も評価されて単勝オッズ6.8倍の2番人気となった。しかし今回はスタートで出遅れて後方からの競馬となってしまい、直線でも伸びずに、勝ったシュガーパンチから6馬身3/4差の4着に敗退。3歳時はこれが最後のレースで、この年の成績は7戦4勝となった。

競走生活(4歳時)

9か月間の休養を経た本馬は、4歳8月にサラトガ競馬場で行われたダート6ハロンの一般競走で復帰した。前月の一般競走を快勝してきたリユナイテッドが単勝オッズ2.1倍の1番人気、GⅡ競走ナッソーカウンティBCSの3着馬エグジットトゥヘヴンが単勝オッズ4.35倍の2番人気で、ヴェラスケス騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ9.9倍の3番人気となった。しかしどうも実戦感覚が戻っていなかったようで、スタートからゴールまで一貫して最後尾のままで、勝ったリユナイテッドから18馬身1/4差をつけられた9着最下位と惨敗した。

次走は翌月にベルモントパーク競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走となった。既にクレーミング競走に10回も出走していたリラペイジ(前走もクレーミング競走だった)という馬が123ポンドのトップハンデで単勝オッズ2.6倍の1番人気に支持されるというレースのレベルだったが、プラード騎手騎乗の本馬は120ポンドの斤量で単勝オッズ3.85倍の3番人気に留まった。今回もスタートはそれほど良くなかったが、すぐに先頭争いに割って入ると、四角で後続馬を引き離して直線を押し切り、2着ネヴェアに2馬身1/4差をつけて勝利した。

次走は前年も出走したイロコイH(D7F)となった。ナッソーカウンティBCSの勝ち馬シーキングジアンテとニューヨークスタリオンパークアベニューSの勝ち馬アイハブアデートのカップリングが単勝オッズ3.15倍の1番人気、キャンディエクレアS・ウェストロングブランチSなどを勝っていたトラベレーターが単勝オッズ3.5倍の2番人気、ナッソーカウンティBCSの2着馬スルーモーションが単勝オッズ4.25倍の3番人気で、プラード騎手騎乗の本馬は単勝オッズ10.7倍の4番人気だった。今回もスタートで後手を踏んだ本馬は馬群の中団を進んだが、プラード騎手が合図を送っても反応せず、勝ったシーキングジアンテから7馬身3/4差の8着に敗れた。

次走は11月にアケダクト競馬場で行われたニューヨーク州産の牝馬限定戦モントークH(D9F)となった。対戦相手の層は非常に薄く、ヴェラスケス騎手が騎乗する本馬が単勝オッズ1.85倍の1番人気に支持された。ここではスタートから先頭に立つと後続馬を引き付けながら逃げ、直線に入ってから二の脚を使って後続との差を広げ、2着スターセレブリティに5馬身差をつけて圧勝した。

このレース後に本馬はクリフォード・サイズ・ジュニア調教師の元へと転厩した。

そして12月にフィラデルフィア競馬場で行われたダート8ハロン70ヤードの一般競走に出走した。これまた対戦相手の層が薄く、本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持された。ハリー・ヴェガ騎手が騎乗する本馬はスタートから2番手を進むと、四角で先頭に立って後続を引き離し、2着ジェイディーサファンに5馬身3/4差をつけて圧勝した。4歳時の成績は5戦3勝だった。

競走生活(5歳時)

5歳になった本馬は1月のキーンランドセールで売りに出され、ポール・セイラー氏により29万ドルで購入され、トッド・プレッチャー厩舎に転厩した。プレッチャー師の手腕の賜物か、新たに主戦となったホセ・サントス騎手との相性が良かったのか、それともようやく本格化したのかは不明だが、転厩後の本馬は前年までとは別馬のような快進撃を見せる事になる。

3月にアケダクト競馬場で行われたネクストムーヴH(GⅢ・D9F)が転厩初戦となった。3連勝中のノースリープが単勝オッズ2.4倍の1番人気、ストローリングベルSなど3連勝中のフレーミングハートが単勝オッズ2.8倍の2番人気、亜国のGⅢ競走アペルトゥーラコパ国民日記賞の勝ち馬で米国に移籍してレディーズHを勝っていたインディアヘイローと本馬が並んで単勝オッズ5倍の3番人気(4頭立てなので最低人気)となった。出走頭数が少ないために馬群はそれほどばらけず、本馬は先頭のノースリープの直後2番手を進んだ。そして四角でノースリープをかわして先頭に立つと、直線では3番手を追走していたフレーミングハートとの一騎打ちとなった。しかし本馬が押し切って1馬身差で勝利を収め、13戦目にしてグレード競走初勝利を挙げた。

次走は4月にホーソーン競馬場で行われたシックスティセイルズH(GⅢ・D9F)となった。本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気で、前走のアップルブロッサムHで4着してきたプラチナムバレットが単勝オッズ4.5倍の2番人気となった。本馬は好スタートから先頭に立ち、後続馬を引き付けながら逃げを打った。そして四角を回りながら加速すると、直線では見る見るうちに後続との差を広げ、最後は2着シルヴァーハイライトに12馬身半差をつけて大圧勝した。

その後はデラウェアパーク競馬場に向かい、6月のオベアH(D9F)に出走した。本馬が他馬より4~6ポンド重い123ポンドのトップハンデでも単勝オッズ1.3倍という断然の1番人気に支持され、メリーランドミリオンオークス・メリーランドレーシングメディアHの勝ち馬スティッキーとステークス競走の勝ちが無いテイクアチェックのカップリングが単勝オッズ5.9倍の2番人気となった。ここでもスタートから先頭に立つと、2番手以下に1馬身ほどの差を保ちながら逃げ続けた。そして三角に入ってから加速して後続馬を引き離し、直線ではサントス騎手が鞭を使う必要もなく、2着フリールズフォーリアルに7馬身3/4差をつけて圧勝した。

そのままデラウェアパーク競馬場に留まった本馬は翌月のデラウェアH(GⅡ・D10F)に出走した。他馬より4~6ポンド重い120ポンドのトップハンデを課された本馬が単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持され、115ポンドのモリーピッチャーBCHの勝ち馬ラリーズンが単勝オッズ4.3倍の2番人気、シャインアゲインSを勝ってきたダイナミックデピュティと前走3着のテイクアチェック、同4着のスティッキーの3頭カップリングが単勝オッズ8.3倍の3番人気となった。今回もスタートと同時に先頭に立った本馬は、テイクアチェックの圧力を受けながらも先頭をひた走った。そして三角から徐々に後続との差を広げ始め、直線では悠々とゴールまで走り抜け、2着ダイナミックデピュティに5馬身半差をつけて圧勝した。勝ちタイム2分02秒08はコースレコードだった。

翌月にはサラトガ競馬場に姿を現し、ちょうど2年前に惨敗したアラバマSと同コースで行われるパーソナルエンスンS(GⅠ・D10F)に参戦した。フリゼットSの勝ち馬でBCジュヴェナイルフィリーズ・メイトロンS・ゴーフォーワンドH2着のバレット、ガゼルS3着・コティリオンH2着のヨランダビートゥー、ネクストムーヴHで4着だったインディアヘイローなど4頭が対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.65倍の1番人気、バレットが単勝オッズ2.7倍の2番人気、ヨランダビートゥーが単勝オッズ9.2倍の3番人気であり、ほぼ本馬とバレットの一騎打ちムードだった。

スタートが切られると本馬が先頭に立ち、ヨランダビートゥーが1~2馬身ほど後方の2番手で、バレットがさらに1~2馬身ほど後方の3番手を進んだ。このレースは良馬場で行われていたが、最初の2ハロン通過が25秒62、半マイル通過は50秒67という超スローペースとなった。これで単騎逃げを打っていた本馬にはスタミナが有り余っており、三角でバレットが差を縮めようとしても全く縮まらなかった。直線でもバレットを寄せ付けず、4馬身1/4差をつけて完勝。2年前に初黒星を喫した同じ舞台でGⅠ競走初勝利を挙げた。

次走は10月のベルデイムS(GⅠ・D9F)となった。同じくパーソナルエンスンSから直行してきたバレットに加えて、エイコーンS・ファンタジーS・アゼリBCSの勝ち馬でデラウェアオークス・モリーピッチャーBCH2着のラウンドポンド、ボニーミスSの勝ち馬でアラバマS・ガゼルS2着のチームメイト、オグデンフィップスH・シュヴィーHの勝ち馬でラフィアンH2着のテイクドトゥアー、前年のアラバマSの勝ち馬スウィートシンフォニーの計5頭が対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.9倍の1番人気、バレットが単勝オッズ4.15倍の2番人気、ラウンドポンドが単勝オッズ5.1倍の3番人気となった。

スタートが切られるとテイクドトゥアーが強引に先頭を奪い、チームメイトやラウンドポンドも先行。本馬は無理に行かずにテイクドトゥアーから1馬身ほど後方の4番手を進んだ。四角に入ったところで前の3頭をかわして先頭に立ち、そのまま直線に突入してきた。しかし道中は本馬からかなり離れた5番手を進んでいたバレットが追い上げてきて、本馬との大激闘となった。3着ラウンドポンドを7馬身引き離す激戦の末に、本馬がバレットを頭差抑えて勝利した。

BCディスタフ

そして翌11月、チャーチルダウンズ競馬場で行われたBCディスタフ(GⅠ・D9F)に参戦した。対戦相手は、バレット、ラウンドポンドの他に、アラバマS・ガゼルSの勝ち馬でマザーグースS・CCAオークス2着のパインアイランド、スピンスターSを勝ってきたアシシエンプレ、アップルブロッサムH・ゴーフォーワンドH・ブラックアイドスーザンSの勝ち馬で前年のマザーグースS・アラバマS2着のスパンシュガー、ラフィアンHを勝ってきたプールランド、バレリーナS・フルールドリスHの勝ち馬で前年のベルデイムS2着馬ハッピーチケット、サンタマルガリータ招待H・レディーズシークレットH2回・クレメントLハーシュHの勝ち馬でヴァニティ招待H2着のヘルシーアディクション、この年のケンタッキーオークス馬レモンズフォーエヴァー、アッシュランドS・エイコーンS・マザーグースSの勝ち馬ブッシュファイヤー、ラスヴァージネスS・サンタイネスS・サンタバーバラSの勝ち馬でハリウッドスターレットS2着のシャープリサ、シルヴァービュレットデイS・アイオワオークス・インディアナBCオークスの勝ち馬バグダリア、ハリウッドスターレットS・ヴァニティ招待H・バヤコアHの勝ち馬でデルマーデビュータントS・ラスヴァージネスS2着のハリウッドストーリーの合計13頭で、バグダリアを除く全馬がGⅠ競走勝ち馬というハイレベルな争いとなった。本馬が単勝オッズ3.7倍の1番人気に支持され、アラバマS・ガゼルSを連勝してきた勢いとデビューから3着以下無しという安定感が買われたパインアイランドが単勝オッズ3.9倍の2番人気となった。3番人気のバレットは単勝オッズ9.9倍、4番人気のアシシエンプレは単勝オッズ12.3倍であり、ほぼ本馬とパインアイランドの2強ムードだった。

スタートが切られると、ヘルシーアディクション、シャープリサ、プールランドの3頭が先頭争いを開始し、本馬は中団好位、パインアイランドは本馬の後方を追走した。しかし向こう正面に入ったところでパインアイランドが故障を発生して落馬競走中止。そして最終コーナーに入る手前で本馬も突然失速し、そのまま競走中止となった(落馬はしなかった)。レースは本馬の少し前を走った単勝オッズ14.9倍の7番人気馬ラウンドポンドが、直線で追い込んできた2位入線のアシシエンプレに5馬身半差をつけて勝利。しかもアシシエンプレは直線で蛇行したため進路妨害で4着に降着となり、単勝オッズ15.8倍の8番人気馬ハッピーチケットが繰り上がって2着、バレットが繰り上がり3着となった。人気が集中していた2頭がいずれも競走中止し、2位入線馬が降着となり、人気薄の2頭で決着するという、ブリーダーズカップ史上稀に見る大波乱の結末となった。

パインアイランドは右前脚球節を脱臼しており、予後不良と診断され安楽死となった。本馬は左前脚球節を骨折していたが、パインアイランドより怪我の程度が軽く、辛うじて一命は取り留めた。しかし本馬の競走馬生命は連勝記録9と共にここで絶たれた。それでも5歳時7戦6勝の成績で、この年のエクリプス賞最優秀古馬牝馬に選ばれている。

血統

Indian Charlie In Excess Siberian Express Caro フォルティノ
Chambord
Indian Call Warfare
La Morlaye
Kantado Saulingo Sing Sing
Saulisa
Vi Vilmorin
Dotterel
Soviet Sojourn Leo Castelli Sovereign Dancer Northern Dancer
Bold Princess
Suspicious Native Raise a Native
Be Suspicious
Political Parfait Diplomat Way Nashua
Jandy
Peach Butter Creme dela Creme
Slipping Round
Hustleeta アフリート Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Polite Lady Venetian Jester Tom Fool
Venice
Friendly Ways Green Ticket
Ways to Learn
Bravo Native Restless Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Next Move Bull Lea
Now What
Bravissimo Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Batter Up Tom Fool
Striking

父インディアンチャーリーは現役成績5戦4勝。サンタアニタダービー(米GⅠ)など4戦無敗で挑んだケンタッキーダービーでは1番人気に推されるもリアルクワイエットの3着に敗れてそのまま引退している。種牡馬としては本馬の他に、インディアンブレッシング【BCジュヴェナイルフィリーズ(米GⅠ)・フリゼットS(米GⅠ)・プライオレスS(米GⅠ)・テストS(米GⅠ)・ラブレアS(米GⅠ)】、アンクルモー【BCジュヴェナイル(米GⅠ)・シャンペンS(米GⅠ)】、パンパードプリンセス【スピンスターS(米GⅠ)】、リエゾン【キャッシュコールフューチュリティ(米GⅠ)】を出して活躍したが、惜しくも癌のため2011年に16歳で他界している。

インディアンチャーリーの父インエクセスは現役成績25戦11勝。4歳時にメトロポリタンH(米GⅠ)・サバーバンH(米GⅠ)・ホイットニーH(米GⅠ)・ウッドワードS(米GⅠ)のGⅠ競走4連勝を達成したほか、サンフェルナンドS(米GⅡ)・ヴォランテH(米GⅢ)・サンガブリエルH(米GⅢ)を勝っている。他界したのはインディアンチャーリーより後の2013年で、享年26歳だった。

インエクセスの父シベリアンエクスプレスはカロ産駒で、現役成績は11戦3勝、仏2000ギニー(仏GⅠ)・モルニ賞(仏GⅠ)を勝っている。

母ハストリータは現役成績3戦未勝利で、本馬を産んで間もなく6歳の若さで他界している。ハストリータの半姉チェロキーワンダー(父チェロキーコロニー)の子にはチェロキーズボーイ【サルヴェイターマイルH(米GⅢ)】がいる。ハストリータの従姉妹にはブレイヴリー【クイーンズランドオークス(豪GⅠ)・クイーンズランドダービー(豪GⅠ)】がいる。ハストリータの曾祖母バターアップはソロリティS・ブラックアイドスーザンSの勝ち馬。バターアップの半兄には本邦輸入種牡馬ヒッティングアウェー【ウィザーズS・ドワイヤーH】がいる。バターアップやヒッティングアウェーの母ストライキングは、米国の歴史的名牝ブッシャーの5歳年下の全妹で、ストライキングの母ベビーリーグは米国最高の名牝系の始祖ラトロワンヌの4番子である。→牝系:F1号族②

母父アフリートは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、6歳時の2007年にストームキャットを交配されて受胎した状態で同年のキーンランド11月セールに出品された(当初はBCディスタフ出走直後に出品される予定だったが、怪我のため1年遅れになった)。このセリにおいて本馬には390万ドルの値がついたが、それでも最低落札価格に届かなかったようで主取りとなった。その後にプライベートで取引され、フランク・リオン・ジュニア氏が所有するケンタッキー州サマーウインドファームで繁殖牝馬になった。

なお、本馬が引退した翌2007年から、本馬の名を冠したフリートインディアンSがサラトガ競馬場で施行されている。また、馬産界で働こうとする子ども達に対して、本馬の名を冠したフリートインディアン奨学金が支払われるようになった(奨学金のプレゼンテーションはフリートインディアンSのレース後に行われている)。これに情熱を傾けたのは本馬の所有者だったセイラー氏の娘オリヴィア・セイラー嬢だったが、彼女は2011年の元日に22歳の若さで死去してしまった。この年からフリートインディアンSはオリヴィア・セイラー&フリートインディアンSと、フリートインディアン奨学金はオリヴィア・セイラー&フリートインディアン奨学金と改名されている。

本馬は繁殖牝馬として4頭の子を産んだが、2011年10月、オリヴィア嬢の後を追うかのように、疝痛に伴う合併症のため10歳の若さで他界した。自身の娘と愛馬を同じ年に亡くしたセイラー氏は、両者の名前を冠した奨学金とレースを毎年継続する事を誓ったという。本馬の産駒は良くて1勝止まりであり、特筆できる活躍をした馬はいないが、牝駒が3頭いるため、ラトロワンヌ系に相応しく牝系が発展していく事が期待されている。

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