ワイルドリスク

和名:ワイルドリスク

英名:Wild Risk

1940年生

鹿毛

父:リアルト

母:ワイルドヴァイオレット

母父:ブランドフォード

障害競走にも出走歴がある程度の競走成績ながら仏首位種牡馬に輝き、その卓越したスタミナを子孫達にも伝える

競走成績:2~5歳時に仏で走り通算成績36戦13勝(うち障害14戦9勝。入着回数は不明)

誕生からデビュー前まで

仏国産馬で、競走馬としても仏国で走った。

競走生活

デビュー当初からあまり期待されている馬ではなく、2歳時は5戦未勝利。初勝利となった売却競走ルクロズ賞は単勝オッズ101倍の超人気薄だった。その後は長距離戦を主に走り、サンシー賞(T2600m)・エドガーギロア賞(T4000m)・フォールド賞を勝利した。大レースの勝ち鞍は無かったが、4・5歳時のジャンプラ賞(T2000m)ではいずれもマーシャスの2着に入った実績がある。3歳時からは障害競走も走っており、3歳時は3戦全勝、4歳時は8戦4勝、5歳時は3戦2勝とかなりの活躍を見せ、仏チャンピオンハードル(T5100m)2回・トルワ賞・プランタン大障害などを勝利している。

血統

Rialto Rabelais St. Simon Galopin Vedette
Flying Duchess
St. Angela King Tom
Adeline
Satirical Satiety Isonomy
Wifey
Chaff Wild Oats
Celerrima
La Grelee Helicon Cyllene Bona Vista
Arcadia
Vain Duchess Isinglass
Sweet Duchess
Grignouse Kilglas Isinglass
Kilkenny 
Simper Sempronius
Value
Wild Violet Blandford Swynford John o'Gaunt Isinglass
La Fleche
Canterbury Pilgrim Tristan
Pilgrimage
Blanche White Eagle Gallinule
Merry Gal
Black Cherry Bendigo
Black Duchess
Wood Violet Ksar Bruleur Chouberski
Basse Terre
Kizil Kourgan Omnium
Kasbah
Pervencheres Maboul Perth
Mad
Poet's Star Chaucer
Lady Cynosure

父リアルトはラブレー産駒で、競走馬としては仏国とベルギーで走り37戦17勝。ドラール賞・イスパーン賞・ダフニ賞・オステンド大賞典を勝ち、5歳時の凱旋門賞ではカンタールの3/4馬身差2着だった。種牡馬としての成績もまずまずで、1937年の仏種牡馬ランキングで2位に入っている。繁殖牝馬の父としてはシカンブルを出している。

母ワイルドヴァイオレットは競走馬としては7戦ほどして1勝を挙げているようである。ワイルドヴァイオレットの母ウッドヴァイオレットの全妹バーベリーブッシュの孫には、ライトロイヤル【サラマンドル賞・仏グランクリテリウム・仏2000ギニー・リュパン賞・仏ダービー・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS】と本邦輸入種牡馬ネプテューヌス【仏グランクリテリウム・仏2000ギニー】の兄弟がいる。ウッドヴァイオレットの曾祖母レディサイノシュアーは大種牡馬ポリメラスの1歳年下の全妹。→牝系:F3号族③

母父ブランドフォードは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は仏国で種牡馬入りした。障害競走に出走していた経歴や、血統などから種牡馬としての期待は低いものであったようだが、3年目産駒のワードンが1953年のワシントンDC国際Sを勝つと、6年目産駒のヴィミーが1955年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSを勝ち、一躍注目種牡馬となった。この1955年に最初の仏首位種牡馬に輝いた(計算方法の違いでこの年の仏首位種牡馬はアドミラルドレイクとしている資料が多い)。その後も1961年にパリ大賞を勝ったバルトなどの活躍で2度目の仏首位種牡馬となり、1964年には仏ダービー馬ルファビュリューの大活躍で3度目の仏首位種牡馬となった。1973年に33歳という高齢で他界した。

後世に与えた影響

本馬の直系は、凱旋門賞馬ボンモーなどを出したワードン、欧州でも活躍馬を出して輸出先の日本でも一定の成功を収めたヴィミー、欧米で活躍馬を出したルファビュリュー、ブラジルで成功したヴァルトマイスターなど、多くの後継種牡馬が成功して、一時的に繁栄し、少し遅れて活躍を始めたリボーと共にセントサイモン直系を復活させる原動力となった。しかしあまりに長距離傾向が強かったためか、現在ではかなり衰退している。ヴァルトマイスターの直系が南米で20世紀末までは残っていたが、今世紀に入っての活躍は聞かない。しかし本馬のスタミナ豊富な血は母系に入って生きるようである。本馬自身も母父としてブラッシンググルームを出し、ワードンは母父としてディクタス、サンシー、グランディを、ヴィミーはバステッドを、ルファビュリューはマニラルグロリュージルザルアンブライドルド、フジキセキを出しており、本馬の血の影響力は現在も大きい。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1947

Wild Mec

ボイアール賞

1949

Worden

ワシントンDC国際S・ローマ賞・コンセイユミュニシパル賞・プランスドランジュ賞

1952

All Risk

ヴァントー賞・ロワイヨモン賞

1952

Rosati

ゴントービロン賞

1952

Vimy

キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS・ノアイユ賞

1952

Wild Miss

ヴェルメイユ賞

1955

Etwild

リューテス賞・ゴントービロン賞

1955

Wildfire

モーリスドニュイユ賞

1956

Toukaram

バルブヴィル賞

1957

Fils d'Eve

伊ダービー

1958

Balto

パリ大賞・アスコット金杯

1958

Wild Hun

ドラール賞

1961

Le Fabuleux

仏ダービー・リュパン賞・クリテリウムドサンクルー・コンデ賞・ノアイユ賞・プランスドランジュ賞

1961

Waldmeister

カドラン賞・エスペランス賞・ラクープ

1963

Bubunia

ロワイヨモン賞・クロエ賞・ノネット賞

1963

Tonnera

サンタラリ賞・グロット賞

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