ドリームウェル
和名:ドリームウェル |
英名:Dream Well |
1995年生 |
牡 |
鹿毛 |
父:サドラーズウェルズ |
母:ソウルドリーム |
母父:アレッジド |
||
オールドヴィック以来の仏ダービーと愛ダービーの連覇を達成しカルティエ賞年度代表馬に輝く |
||||
競走成績:2・3歳時に仏愛英米で走り通算成績14戦4勝2着4回3着4回 |
誕生からデビュー前まで
ニアルコスファミリーにより生産された仏国産馬で、ニアルコスファミリーのフラックスマン・ホールディングズ名義で、仏国パスカル・バリー調教師に預けられた。成長すると体高16ハンドと平均くらいの体格になった。その重厚な血統から中長距離向きと判断され、一貫して2000m以上の距離を使われた。そのため2歳戦では走らず、デビューは3歳4月になってからだった。
競走生活(3歳時)
デビュー戦はロンシャン競馬場で行われたフェリエール賞(T2000m)だった。主戦となるキャッシュ・アスムッセン騎手を鞍上に迎えた本馬は、ゴール前の追い上げ及ばず、後に本馬と仏ダービーで対戦する事になるマカルカから2馬身差の2着だった(やはり後に本馬と仏ダービーで対戦する事になるデイマルティは6着だった)。
次走は18日後に同じくロンシャン競馬場で行われたマロニエ賞(T2400m)となった。ここでは後の好敵手サガミックスとの初対戦となった。レースでは本馬とサガミックスの両方が先行して、直線でもこの2頭の争いになったが、本馬が首差敗れて2着だった。
3戦目は前走から3週間後にやはりロンシャン競馬場で行われたフォルス賞(仏GⅢ・T2400m)だった。ここでは、後にドーヴィル大賞・リス賞を勝利するエピストレールが一番の強敵だった。レースはヴェジンという馬が先頭を引っ張り、エピストレールが好位、本馬がその後方を進む展開となった。残り300m地点でエピストレールが先頭に立ったが、そこへ後方から追い上げてきた本馬が差し切り、エピストレールを1馬身半差の2着に破って初勝利を挙げた。
次走は17日後の仏ダービー(仏GⅠ・T2400m)となった。対戦相手は、ベレスフォードS・レーシングポストトロフィー・ダンテSと3連勝中のサラトガスプリングス、グレフュール賞・リュパン賞を連勝してきたクロコルージュ、フェリエール賞6着後にコンデ賞・クリテリウムドサンクルー3着・リュパン賞2着と上昇気配のデイマルティ、レーシングポストトロフィー2着馬ムーディアー、コンデ賞の勝ち馬シーフオブハーツ、オカール賞を勝ってきたサヤーシャン、同2着馬セスティノ、同3着馬マカルカ、ディーSの勝ち馬でロイヤルロッジS2着のプロリックス、ノアイユ賞2着馬ロリアビなどだった。サラトガスプリングスが単勝オッズ3.7倍の1番人気、クロコルージュが単勝オッズ4.2倍の2番人気、デイマルティが単勝オッズ6.4倍の3番人気と続く一方で、デビューからまだ2か月足らず、しかも前走で初勝利を挙げた本馬に対するファンの評価はあまり芳しくなく、単勝オッズ8.8倍で13頭立ての6番人気。しかも同厩馬サヤーシャンとのカップリングでの人気であり、実際の評価はもっと低かった。
スタートが切られると単勝オッズ31倍の10番人気馬マカルカが先頭に立ち、サラトガスプリングスやデイマルティは中団、クロコルージュは後方待機策を採った。本馬もまた後方待機策を選択し、直線入り口でもまだ10番手だった。しかしここから豪快な追い込みを見せ、ゴール前におけるクロコルージュとの競り合いを首差で制して優勝した。
次走は1か月後の愛ダービー(愛GⅠ・T12F)となった。対戦相手は、前走の英ダービーでハイライズの頭差2着に入ったダンテS2着馬シティオナーズ、リングフィールドダービートライアルSでハイライズの2着に入ったサディアン、仏ダービー4着の1週間後に英ダービーに参戦して10着に沈んでいたサラトガスプリングス、バリサックスS2着・ガリニュールS3着のリスクマテリアル、後に英セントレジャーで3着して米国でサンフアンカピストラーノ招待Hを勝つサンシャインストリート、ガリニュールS2着馬タカリアン、後にロイヤルホイップSなどを勝つメイクノーミステイクなどだった。本馬が単勝オッズ3倍の1番人気に支持され、シティオナーズとサディアンが並んで単勝オッズ5倍の2番人気、サラトガスプリングスが単勝オッズ9倍の4番人気となった。
スタートが切られると単勝オッズ13倍の6番人気馬リスクマテリアルが先頭に立ち、本馬は今回馬群の好位につけた。そして直線入り口6番手から残り2ハロン地点で加速して残り1ハロン地点で先頭に立ち、ここから一気に後続を突き放して、2着シティオナーズに4馬身半差をつけて勝利。1982年のアサート、1989年のオールドヴィックに次いで9年ぶり史上3頭目となる仏ダービー・愛ダービー連覇を達成した。
夏場は休養に充て、秋は凱旋門賞を目指してニエル賞(仏GⅡ・T2400m)から始動した。ここでは2戦2勝のサガミックス、仏ダービー2着後に出走したパリ大賞で3着だったクロコルージュ、グレートヴォルティジュールSの勝ち馬シーウェーブ、伊ダービー・オイロパ選手権・ヴィンテージSの勝ち馬でエクリプスS3着のセントラルパーク、フォルス賞で本馬の2着に敗れた後にドーヴィル大賞・リス賞を勝っていたエピストレールとの顔合わせとなった。本馬が単勝オッズ1.9倍の1番人気、シーウェーブとセントラルパークのカップリングが単勝オッズ3.7倍の2番人気、クロコルージュが単勝オッズ4.5倍の3番人気、サガミックスが単勝オッズ6.7倍の4番人気となった。スタートが切られるとセントラルパークが先頭に立ち、今回の本馬は馬群の最後方を追走した。そして直線の追い込みに勝負を賭けたが伸びを欠き、勝ったサガミックスから11馬身半差、2着クロコルージュからも10馬身差も離された3着に敗れた。
本番の凱旋門賞(仏GⅠ・T2400m)では、サガミックス、クロコルージュ、前走で落馬競走中止だったシーウェーブ、サンクルー大賞・ノアイユ賞・シャンティ大賞の勝ち馬フレグラントミックス、パリ大賞の勝ち馬リンピド、バーデン大賞・独2000ギニー・ミューラーブロート大賞の勝ち馬タイガーヒル、サンタラリ賞・仏オークス・ヴァントー賞・ノネット賞の勝ち馬ザインタ、ヴェルメイユ賞・ポモーヌ賞の勝ち馬レッジェーラ、アラルポカル・伊ジョッキークラブ大賞・ウニオンレネンの勝ち馬カイタノなどに加えて、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSで2着していた英ダービー馬ハイライズとの初対戦となった。しかしハイライズは単勝オッズ5倍の4番人気、本馬は単勝オッズ6.2倍の5番人気と、お互いにその年のダービー馬としてはやや低い評価だった。この年の凱旋門賞は本命馬不在であり、デビューから3戦無敗のサガミックスがフレグラントミックスとのカップリングで単勝オッズ3.5倍の1番人気、タイガーヒルが単勝オッズ4.2倍の2番人気、リンピドとドバイシティオブゴールドの勝ち馬ハッピーバレンタインのカップリングが単勝オッズ4.7倍の3番人気となっていた。
押し出されて1番人気となった形のサガミックスだったが、しかし過去3戦全て不良馬場で勝ってきたサガミックスにとってはもってこいの重馬場となった。レースはハッピーバレンタインが先頭を引っ張り、サガミックス、タイガーヒル、ハイライズといった有力馬勢は概ね馬群の中団につけ、本馬は馬群の最後方につけた。そのままの態勢で直線に入ると、サガミックスが8番手から抜け出し、ゴール前の攻防を制して優勝。一方の本馬は直線殿一気の追い込みを見せるも、ゴール前の攻防に加わる事が出来ず、サガミックスから3馬身差の8着に敗れた。
3歳時の成績は7戦3勝でGⅠ競走は2勝だったが、この年の欧州競馬は主役不在であり、結局カルティエ賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬のタイトルは仏ダービーと愛ダービーの連覇を評価された本馬の頭上に輝いた。
競走生活(4歳時)
4歳時はガネー賞(仏GⅠ・T2100m)から始動した。このレースは、サガミックス、凱旋門賞で4着だったクロコルージュのシーズン初戦でもあった。サガミックスが単勝オッズ1.6倍の1番人気、クロコルージュが単勝オッズ3.1倍の2番人気、アルクール賞を勝ってきたダークムーンダンサーが単勝オッズ5.3倍の3番人気で、本馬は単勝オッズ6.4倍の4番人気に留まった。レースはサガミックスのペースメーカー役ノーザンクエストが先頭を引っ張り、サガミックスが先行、本馬は今回も後方を追走した。そして直線入り口最後方から追い上げていった。好位から先に抜け出して勝ったダークムーンダンサーには頭差及ばなかったが2着となり、シーズン初戦にしては上出来の結果で、過去3戦全敗だったサガミックス(4着)にもようやく先着した。
次走のコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)では、前年の加国際S・キングエドワードⅦ世Sの勝ち馬でキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS3着のロイヤルアンセム、仏2000ギニー・エクリプスS・マンノウォーS・タタソールズ金杯・フォンテーヌブロー賞の勝ち馬デイラミ、一昨年の独ダービー・バーデン大賞を勝ちBCターフ2着・凱旋門賞3着の実績もあった名牝ボルジア、前年の同競走と英セントレジャー・伊ジョッキークラブ大賞・ジョッキークラブS・リングフィールドダービートライアルSの勝ち馬で英ダービー2着のシルヴァーペイトリアーク、プリンセスオブウェールズS・ドバイシーマクラシックの勝ち馬フルーツオブラヴ、前年のニエル賞5着後に伊共和国大統領賞を勝っていたセントラルパークが対戦相手となった。ロイヤルアンセムが単勝オッズ3倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.5倍の2番人気、デイラミとシルヴァーペイトリアークが並んで単勝オッズ5.5倍の3番人気となった。スタートが切られると単勝オッズ15倍の5番人気馬セントラルパークが先頭に立ち、今回も本馬は後方待機策を採った。そしてタッテナムコーナーを最後方で回ると直線殿一気の末脚を繰り出した。しかし残り1ハロン地点で左側によれてしまい、勝ったデイラミから1馬身1/4差、2着ロイヤルアンセムから半馬身差の3着に敗れた。
続くサンクルー大賞(仏GⅠ・T2400m)では、ガネー賞から直行してきたサガミックス、前年の凱旋門賞3着後にゲルリング賞を勝っていたタイガーヒル、モーリスドニュイユ賞・ジャンドショードネイ賞・ラクープの勝ち馬パブリックパース、コンセイユドパリ賞の勝ち馬ブラッシングリスク、前走5着のボルジア、そして日本から遠征してきたNHKマイルC・ジャパンC・ニュージーランドトロフィー四歳S・共同通信杯四歳Sの勝ち馬エルコンドルパサーなどとの対戦となった。サガミックスが単勝オッズ2.9倍の1番人気、前走イスパーン賞でクロコルージュの2着だったエルコンドルパサーが単勝オッズ3.2倍の2番人気、本馬が単勝オッズ3.5倍の3番人気となった。レースは本馬陣営が用意したレスジュディカータとタイガーヒル陣営が用意したソーガーティーズの2頭のペースメーカーが飛ばす縦長の展開となり、3番手をタイガーヒル、4番手をエルコンドルパサー、5番手を本馬が追走した。直線でタイガーヒルが先に抜け出し、それにエルコンドルパサーが並びかけていった。本馬も前の2頭を追撃したものの及ばず、勝ったエルコンドルパサーから5馬身差をつけられて3着に敗れた。
前年と異なり夏場も走り、8月にドーヴィル競馬場でゴントービロン賞(仏GⅢ・T2000m)に出走。このレースに限り本馬にはアスムッセン騎手ではなくS・ギヨ騎手が騎乗した。本馬以外にこれといった馬は出走しておらず、本馬がペースメーカー役レスジュディカータとのカップリングで単勝オッズ1.2倍という圧倒的な1番人気に支持された。ここではレスジュディカータを先に行かせて、珍しく先行。そして残り200m地点で悠々と先頭に立ち、2着となった単勝オッズ5.2倍の2番人気馬トレイトデジニーに2馬身半差をつけて、愛ダービー以来の勝利を手にした。
秋は愛チャンピオンS(愛GⅠ・T10F)に出走した。コロネーションCの次走キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSも勝ってきたデイラミ、コロネーションC2着後に英国際Sを8馬身差で圧勝してきたロイヤルアンセム、愛メイトロンSを勝ってきた愛1000ギニー3着馬ダズリングパーク、前年の愛ダービーでは本馬の9着だったサンシャインストリートなど6頭が対戦相手となった。ロイヤルアンセムが単勝オッズ2.375倍の1番人気、デイラミが単勝オッズ2.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ4.5倍の3番人気となった。レースはロイヤルアンセムが先頭を引っ張り、デイラミが4番手の好位、本馬は5番手を追走した。しかし本馬は直線に入っても今ひとつ伸びず、2着ダズリングパークに9馬身差をつけて圧勝したデイラミから11馬身半差をつけられた3着に敗退した。前年の愛ダービーで一蹴した4着サンシャインストリートに半馬身、5着ロイヤルアンセムに2馬身先着したのがせめてもの意地だった。
その後の凱旋門賞は諦めて、新天地を求めて米国に旅立った。米国初戦のターフクラシック招待S(米GⅠ・T12F)では、ガルフストリームパークBCターフS・マンハッタンH・ユナイテッドネーションズH・ディキシーH・バーナードバルークH・ハイアリアターフカップHの勝ち馬で前年のBCターフ・ハリウッドターフカップS2着のヤグリ、一昨年の同競走とマンノウォーS・香港国際Cを勝ちマンノウォーS・ソードダンサー招待H2回2着のヴァルズプリンス、伊ダービー・サンフアンカピストラーノ招待H・サンルイレイSの勝ち馬で前走マンノウォーS2着のシングルエンパイア、セレクトSの勝ち馬ファーリス、サンシャインストリートなどとの対戦となった。ヤグリが単勝オッズ2.75倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.9倍の2番人気、ヴァルズプリンスが単勝オッズ4.05倍の3番人気、シングルエンパイアが単勝オッズ4.55倍の4番人気となった。スタートが切られると単勝オッズ41.25倍の6番人気馬サンシャインストリートが先頭に立ち、本馬は馬群の好位4番手につけた。そして直線入り口3番手から、先に抜け出したヴァルズプリンスを追撃したが、1馬身及ばずに2着に敗れた。
その後はガルフストリームパーク競馬場に移動して、BCターフ(米GⅠ・T12F)に出走した。愛チャンピオンS勝利後に出走した凱旋門賞で不良馬場に泣いて9着に終わった雪辱を期するデイラミ、ヴァルズプリンス、前走3着のファーリス、同4着のヤグリ、前年のBCターフ・ターフクラシック招待S・パンアメリカンHを勝ってエクリプス賞最優秀芝牡馬に選ばれたバックスボーイ、愛チャンピオンS5着から直行してきたロイヤルアンセム、アーリントンクラシックS・アメリカンダービー・セクレタリアトS・ボーリンググリーンH・ソードダンサー招待Hの勝ち馬オナーグライド、ガネー賞で本馬を破った後にミラノ大賞を勝っていたダークムーンダンサーなどが対戦相手となった。デイラミが単勝オッズ2.6倍の1番人気、ヴァルズプリンスが単勝オッズ6.2倍の2番人気、バックスボーイが単勝オッズ7.4倍の3番人気となる一方で、本馬は単勝オッズ12.9倍の6番人気に留まった。スタートが切られるとバックスボーイが逃げを打ち、本馬は最後方につけた。そして徐々に位置取りを上げて三角手前では7番手までやってきたが、ここから他馬勢も加速したために、これ以上位置取りを上げる事は出来なかった。それでも直線ではそれなりに末脚を伸ばしたものの、勝ったデイラミから9馬身1/4差をつけられて5着に完敗した。
この後は来日してジャパンCに出走する予定だったが、体調不良のために回避し、そのまま4歳時7戦1勝の成績で競走馬引退となった。
血統
Sadler's Wells | Northern Dancer | Nearctic | Nearco | Pharos |
Nogara | ||||
Lady Angela | Hyperion | |||
Sister Sarah | ||||
Natalma | Native Dancer | Polynesian | ||
Geisha | ||||
Almahmoud | Mahmoud | |||
Arbitrator | ||||
Fairy Bridge | Bold Reason | Hail to Reason | Turn-to | |
Nothirdchance | ||||
Lalun | Djeddah | |||
Be Faithful | ||||
Special | Forli | Aristophanes | ||
Trevisa | ||||
Thong | Nantallah | |||
Rough Shod | ||||
Soul Dream | Alleged | Hoist the Flag | Tom Rolfe | Ribot |
Pocahontas | ||||
Wavy Navy | War Admiral | |||
Triomphe | ||||
Princess Pout | Prince John | Princequillo | ||
Not Afraid | ||||
Determined Lady | Determine | |||
Tumbling | ||||
Normia | Northfields | Northern Dancer | Nearctic | |
Natalma | ||||
Little Hut | Occupy | |||
Savage Beauty | ||||
Mia Pola | Relko | Tanerko | ||
Relance | ||||
Polamia | Mahmoud | |||
Ampola |
父サドラーズウェルズは当馬の項を参照。
母ソウルドリームは現役時代6戦1勝だが、本馬の半弟スラマニ(父エルナンド)【仏ダービー(仏GⅠ)・ドバイシーマクラシック(首GⅠ)・アーリントンミリオン(米GⅠ)・ターフクラシック招待S(米GⅠ)・英国際S(英GⅠ)・加国際S(加GⅠ)・ニエル賞(仏GⅡ)】も産んだ名繁殖牝馬。ソウルドリームの半姉にはメタモルフォース(父ロードエイヴィー)【ゲイムリーS(米GⅠ)】がいる他、ソウルドリームの母ノルミアの半姉ターコイズブルーの孫にはテュズラ【ラモナH(米GⅠ)】が、同じくノルミアの半姉ミッドナイトレディの玄孫には2012年のエクリプス賞最優秀芝牝馬ザゴラ【BCフィリー&メアターフ(米GⅠ)・ダイアナS(米GⅠ)】がいる。シーバードに生涯唯一の黒星をつけたグレイドーン【モルニ賞・サラマンドル賞・仏グランクリテリウム】、スライポーラ【ロベールパパン賞・アベイドロンシャン賞】、グリーンダンサー【オブザーヴァー金杯(英GⅠ)・仏2000ギニー(仏GⅠ)・リュパン賞(仏GⅠ)】、アルハース【デューハーストS(英GⅠ)】、オカワンゴ【仏グランクリテリウム(仏GⅠ)】、オーソライズド【英ダービー(英GⅠ)・レーシングポストトロフィー(英GⅠ)・英国際S(英GⅠ)】、マクフィ【英2000ギニー(英GⅠ)・ジャックルマロワ賞(仏GⅠ)】、ソレミア【凱旋門賞(仏GⅠ)】、キジャーノ【バーデン大賞(独GⅠ)・ミラノ大賞(伊GⅠ)2回】なども同じ牝系。→牝系:F16号族①
母父アレッジドは当馬の項を参照。
競走馬引退後
競走馬を引退した本馬は、社台グループに購入されて、2000年から社台スタリオンステーションで種牡馬生活を開始した。翌2001年から2年連続で新国ハウヌイファームにもシャトルされている。初年度は100頭の繁殖牝馬が集まったが、2年目は55頭、3年目は40頭、4年目の2003年は23頭と、交配数は右肩下がりとなった。そしてこの2003年にデビューした初年度産駒の成績が思わしくなかったため、翌2004年の繁殖シーズン前に仏国に輸出された。現在はフレスネイ・ル・ビュファール牧場(かつてはマルセル・ブサック氏の所有で、トウルビヨンやジェベルが繋養され、その後ニアルコスファミリーが購入していた)で繋養されている。
輸出後4年経ってようやく初年度産駒のアドマイヤモナークが重賞を勝利したが、他には国内外共に活躍馬は皆無の状態である。全日本種牡馬ランキングではアドマイヤモナークが重賞を2勝して有馬記念で2着に突っ込んだ2008年の82位が最高だった。
主な産駒一覧
生年 |
産駒名 |
勝ち鞍 |
2001 |
アドマイヤモナーク |
日経新春杯(GⅡ)・ダイヤモンドS(GⅢ) |