コロナドズクエスト

和名:コロナドズクエスト

英名:Coronado's Quest

1995年生

栗毛

父:フォーティナイナー

母:ラフィングルック

母父:ダマスカス

父フォーティナイナーの後継として日本で種牡馬入りするも2年で他界したハスケル招待H・トラヴァーズSの勝ち馬

競走成績:2・3歳時に米で走り通算成績17戦10勝2着2回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州クレイボーンファームにおいて、米国の弁護士兼事業家兼馬産家だったスチュアート・S・ジャニーⅢ世氏により生産された。ジャニーⅢ世氏とストーナーサイドステーブルの共同名義で競走馬となり、米国クロード・“シャグ”・マゴーヒーⅢ世調教師に預けられた。

競走生活(2歳時)

2歳7月にサラトガ競馬場で行われたダート5.5ハロンの未勝利戦で、主戦となるマイク・スミス騎手を鞍上にデビュー。単勝オッズ9.3倍で7頭立ての5番人気という低評価だった。しかしスタートから積極的に先頭争いに参加すると、三角からは後続を大きく引き離し、そのまま直線を独走して、2着イフノットユーフーに7馬身3/4差をつけて圧勝した。

翌月にサラトガ競馬場で行われたダート6.5ハロンの一般競走では、後にベルモントフューチュリティS・シャンペンSと2歳GⅠ競走を2勝するグランドスラムという有力馬も出走してきた。グランドスラムが単勝オッズ2.25倍の1番人気に支持され、本馬は単勝オッズ2.45倍の2番人気だった。しかしレースではやはりスタート直後の先頭争いを制して先頭に立った本馬が、直後を追いかけてきたグランドスラムに最後まで抜かさせず、グランドスラムを1馬身半差の2着に下して勝利した。

次走のホープフルS(GⅠ・D7F)では、バッシュフォードマナーS・サラトガスペシャルSなどデビューから5戦無敗のフェイヴァリットトリック、ハリウッドジュヴェナイルCSSの勝ち馬ケーオーパンチとの顔合わせとなった。フェイヴァリットトリックが単勝オッズ1.45倍の1番人気に支持され、本馬が単勝オッズ4.65倍の2番人気、ケーオーパンチが単勝オッズ7.1倍の3番人気となった。レースではケーオーパンチが先頭に立ち、本馬は少し離れた3番手につけた。しかし本馬の手応えは悪く、四角では後方から来たフェイヴァリットトリックに瞬く間に置き去りにされてしまった。結局はフェイヴァリットトリックが2着ケーオーパンチに1馬身半差で勝利を収め、本馬はケーオーパンチから12馬身半差もつけられた4着に敗れた。この結果を受けて陣営は、2歳時の本馬を裏街道に進ませることにした。

まずは10月のカウディンS(GⅡ・D6.5F)に出走した。ここでは単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持されると、逃げる単勝オッズ15.7倍の6番人気馬ノットトリッキーを2番手で追走。直線入り口で並びかけて突き放し、2着ノットトリッキーに5馬身半差をつけて圧勝した。

次走のナシュアS(GⅢ・D8F)では、別定重量戦のため本馬には他馬勢より3~7ポンド重い斤量が課せられたのだが、それでも単勝オッズ1.15倍という圧倒的な1番人気に支持された。今回は単勝オッズ9.8倍の3番人気だったノットトリッキーが逃げを打ち、本馬は2番手を追走。そして四角でノットトリッキーに並びかけると直線で突き放すという、前走と同様のレースぶりで、2着ノットトリッキーに2馬身3/4差をつけて快勝した。

次走のレムセンS(GⅡ・D9F)では、前走のシャンペンSでグランドスラムの5馬身1/4差3着だったハロリーハンターという馬が出走してきた。グランドスラムに勝った事がある本馬とハロリーハンターとでは、その実力差は明らかだったのだが、本馬には他の出走全馬より7ポンド重い122ポンドの斤量が課せられた事もあり、本馬が単勝オッズ1.95倍の1番人気、ハロリーハンターが単勝オッズ2.55倍の2番人気と僅差の評価となった。しかし本馬は馬鹿にするなと言わんばかりの走りを披露。スタートからいきなり先頭に立つと、そのままレースを支配した。そして直線に入ると二の脚を使って後続を引き離し、2着ハロリーハンターに5馬身差をつけて完勝。2歳時を6戦5勝の成績で終えた。

競走生活(3歳前半)

3歳時は1月にガルフストリームパーク競馬場で行われたハッチソンS(GⅡ・D8.5F)から始動した。このレースでは、前走スペクタキュラービッドSを5馬身1/4差で圧勝し、ブリーダースフューチュリティなどでも2着の実績があったタイムリミットという強敵が対戦相手となった。122ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持され、119ポンドのタイムリミットが単勝オッズ2.6倍の2番人気となった。しかし本馬にはこのレースにおいて、スタート前に鞍上のスミス騎手を振り落とすという問題行動が見られた。スタートしてからも今ひとつやる気が感じられず、道中は馬群の後方を走った。それでも直線に入ると追い上げてはきたが、結局タイムリミットに届かずに首差2着に敗れた。

次走のファウンテンオブユースS(GⅡ・D8.5F)では、シャンペンSでグランドスラムに3/4馬身差まで迫る2着だったリルズラッド、ケンタッキージョッキークラブS・ホーリーブルSを連勝してきたケープタウン、ハロリーハンターの3頭のみが対戦相手となった。112ポンドの最軽量だったリルズラッドが単勝オッズ1.9倍の1番人気に支持され、119ポンドの本馬が単勝オッズ2.4倍の2番人気、同じく119ポンドのケープタウンが単勝オッズ5.2倍の3番人気となった。ここではリルズラッドが先頭を飛ばし、本馬は少し離れた2番手を追走した。そして四角ではいったんリルズラッドに迫ったのだが、斤量差が響いたのか追いつけず、リルズラッドの2馬身1/4差2着に敗れた。

次走のフロリダダービー(GⅠ・D9F)では、リルズラッド、前走で本馬から3/4馬身差の3着だったハロリーハンター、前走最下位のケープタウン、他2頭が出走してきた。今回は全馬同斤量だったが、勢いが買われたリルズラッドが単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、別のレース中に肩を負傷して療養中だったスミス騎手に代わってロビー・デーヴィス騎手が騎乗した本馬が単勝オッズ3倍の2番人気となった。レースではリルズラッドが先頭をひた走り、本馬は2番手を追走。他の馬は遥か後方に置かれてしまい、この2頭が一時は10馬身ほどの差を後続につけた。そのまま2頭が先頭で直線に入ってきたのだが、本馬はここから走る気を無くしたかのように失速して、7馬身半差の5着に敗退。レースはリルズラッドがケープタウンの追撃を鼻差抑えてトップゴールしたが、直線の進路妨害を取られたリルズラッドは2着に降着となり、ケープタウンが繰り上がって勝利馬となった。

これで本馬はフロリダ州では3戦全敗に終わってしまったが、特にハッチソンSとフロリダダービーの2戦は気性の悪さを見せて敗れたような内容だった。実際にこの時期における本馬の問題行動はマゴーヒーⅢ世師をおおいに悩ませており、本馬の渾名が“The Bad Boy of Racing(競馬の悪童)”となるほどだった。もっとも、これらの敗因は気性難だけが原因ではなく、喉頭蓋エントラップメント(喉頭蓋包埋)を発症していたこともあったようである。これは嚥下時に食物が食道に向かうように気管を塞ぐ働きがある喉頭蓋を、その基部にある披裂ヒダが覆うために喘鳴症状が出る病気であるが、致命的なものではなく外科的治療で完治し予後も良好である。

本馬も手術を受けて劇的に治癒し、ケンタッキーダービーの前哨戦ウッドメモリアルS(GⅡ・D9F)に出走した。これと言って目立つ対戦相手はいなかったため、デーヴィス騎手騎乗の本馬が単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持された。そしてスタートから着実に先頭を走り続け、そのまま押し切って2着ダイスダンサーに2馬身半差で勝利した。

しかし本馬の気性難を懸念した陣営はケンタッキーダービー出走を自重した。プリークネスSには出走する予定であり、前評判はケンタッキーダービー馬リアルクワイエットより高かったのだが、レース前調教において右後脚を打撲してしまったために直前で回避となってしまった。ウッドメモリアルS以来レースに出ていなかった事を憂慮した陣営は、ベルモントSにも本馬を出走させなかった。

その代わりにベルモントSと同日に同じベルモントパーク競馬場で行われたリヴァリッジS(GⅡ・D7F)に本馬を向かわせた。ここにもこれと言った対戦相手はおらず、スミス騎手が鞍上に戻ってきた本馬が、ダイスダンサー以下を抑えて単勝オッズ1.4倍という断然の1番人気に支持された。今回は2番手を追走し、四角で先頭に立ってそのまま押し切るという横綱相撲で、10ポンドのハンデを与えた2着メロウロールに3馬身半差をつけて完勝した。マゴーヒーⅢ世師によると、この頃には本馬の気性難はかなり良化していたようである。

競走生活(3歳後半)

次走はドワイヤーS(GⅡ・D8.5F)となった。ここにもこれと言った強敵はおらず、かつて本馬が勝ったカウディンSで5馬身半差2着だったノットトリッキーからさらに鼻差の3着だったレオナルドリチャーズS勝ち馬スキャットマンデュがいる程度だった。単勝オッズ1.45倍の1番人気に支持された本馬は、スタート直後は2番手、道中は先頭を走り、四角で後続を引き離すと、12ポンドのハンデを与えた2着イアンズサンダーに5馬身差をつけて圧勝した。

本格化を感じた陣営はようやくここで本馬をトップクラスのレースに進める事にして、まずはハスケル招待H(GⅠ・D9F)に向かわせた。ここでは、前走ベルモントSでリアルクワイエットの米国三冠達成を阻止したヴィクトリーギャロップと、BCジュヴェナイルで負傷して競走中止となった後に不振に陥りながらもピーターパンS勝利・スワップスS2着と復調気味だったグランドスラムの2頭が強敵だった。124ポンドの本馬が単勝オッズ1.7倍の1番人気に支持され、125ポンドのヴィクトリーギャロップが単勝オッズ2.2倍の2番人気、118ポンドのグランドスラムが単勝オッズ6.8倍の3番人気となった。

スタートが切られると、単勝オッズ77.1倍の最低人気馬アークティックスウィープが先頭に立ち、本馬は2番手につけた。四角でアークティックスウィープが失速すると本馬が代わりに先頭に立ち、そのまま直線へ入ってきた。直線では、3番手につけていたグランドスラムと、最後方から追い込んできたヴィクトリーギャロップの2頭が必死に本馬を追いかけてきた。しかし本馬が2着ヴィクトリーギャロップに1馬身1/4差、3着グランドスラムにはさらに半馬身差をつけて勝利した。

続くトラヴァーズS(GⅠ・D10F)でも、ヴィクトリーギャロップ、グランドスラムとの対戦となった。ここではヴィクトリーギャロップが単勝オッズ2.2倍の1番人気、本馬が単勝オッズ2.45倍の2番人気で、単勝オッズ11.5倍の3番人気は前走ジムダンディSでフェイヴァリットトリックの2着してきたデピュティダイヤモンド、単勝オッズ12.5倍の4番人気がジムダンディSで3着してきたラフィーズマジェスティーで、ハスケル招待Hで既に上位2頭との勝負付けが終わったと判断されたグランドスラムが単勝オッズ12.6倍の5番人気となった。

スタートからダイスダンサーが逃げ、それにグランドスラムと本馬も加わった3頭が先行争いを演じた。三角で本馬が外側から一気に仕掛けて先頭に立ち、そこへ後方からヴィクトリーギャロップも上がってきた。直線では逃げる本馬と追い上げるヴィクトリーギャロップ、さらに後方から追い込んできたラフィーズマジェスティーとの三つ巴の勝負になったが、ゴール時横一線の勝負を制した本馬がヴィクトリーギャロップを鼻差の2着に退けて勝利した。このときの本馬のレースぶりは、ちょうど10年前の同レースでシーキングザゴールドブライアンズタイムを下して勝利した父フォーティナイナーのそれと非常によく似ていたと言われている。しかし10年前の同レースは、最初に逃げたシーキングザゴールドを向こう正面でフォーティナイナーがかわして先頭に立ち、そのまま逃げ込みを図ったところにシーキングザゴールドとブライアンズタイムの2頭が差してきたというもので、似ていないことも無いが非常によく似ていたというほどのものでもないと筆者は思うのだが。

次走のウッドワードS(GⅠ・D9F)が古馬との初対戦となった。僅か5頭立てながらも、前年のBCクラシックを筆頭にハスケル招待H・ウッドバインミリオンS・ジョッキークラブ金杯2回・ドンH・ガルフストリームパークH・ピムリコスペシャルH・ハリウッド金杯とGⅠ競走9勝を挙げていた現役米国最強馬スキップアウェイ、パシフィッククラシックS・サンタアニタダービー・ノーフォークS・サンフェリペS・スワップスS・ベルエアHなどの勝ち馬で前年の米国三冠競走でも全て3着以内に入っていたフリーハウス、この年はGⅠ競走未勝利ながら常にトップクラスで戦ってきたピムリコスペシャルH・ハリウッド金杯・パシフィッククラシックS・サンアントニオH2回などの勝ち馬ジェントルメンといった古馬の強豪が顔を揃えた。3歳馬は本馬のみであり、この年の3歳馬のレベルが問われる一戦となった。目下8連勝中のスキップアウェイが単勝オッズ2.1倍の1番人気、フリーハウスが単勝オッズ2.55倍の2番人気、本馬が単勝オッズ5.7倍の3番人気となった。

最大の不安要素は、相棒のスミス騎手がレース中の事故で椎骨を骨折して半年間の負傷療養に入っていた事だった。スタートが切られると、パット・デイ騎手騎乗の本馬が先頭を伺ったが、スキップアウェイがすかさず並びかけてきて、この2頭が先頭を引っ張った。しかし最強馬スキップアウェイの壁はあまりにも厚く、競り潰された本馬は四角から大失速。勝ったスキップアウェイから17馬身差も離された5着最下位に終わってしまった。

それでも、チャーチルダウンズ競馬場で行われたBCクラシック(GⅠ・D10F)に向かった。ここには、スキップアウェイを筆頭に、前年のケンタッキーダービー・プリークネスSとこの年のドバイワールドC・サンフェルナンドBCS・ストラブS・グッドウッドBCHを勝っていたシルバーチャーム、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS2回・コロネーションCの勝ち馬でドバイワールドC2着の実績もあったこの年のカルティエ賞最優秀古馬スウェイン、スティーヴンフォスターH・ホイットニーH・サラトガBCH・ホーソーン金杯など5連勝中のオーサムアゲイン、前年のベルモントS・ハスケル招待Hの勝ち馬タッチゴールド、トラヴァーズSから直行してきたヴィクトリーギャロップ、ウッドワードSで2着だったジェントルメン、同3着だったランニングスタッグ、スーパーダービーの勝ち馬アーチなど、国内外の強豪馬が綺羅星のごとく顔を連ねた。2連覇がかかるスキップアウェイが単勝オッズ2.9倍の1番人気、シルバーチャームが単勝オッズ3.5倍の2番人気で、ケント・デザーモ騎手騎乗の本馬はオーサムアゲインとタッチゴールドとの3頭カップリングでようやく単勝オッズ5.7倍の3番人気という評価だった。

スタートが切られると、本馬が積極的に先頭を飛ばしてレースを先導した。前走では本馬にすぐに並びかけてきたスキップアウェイは、今回は大人しく2~3番手を追走した。そのまま本馬が先頭で直線に入ってきた。スキップアウェイには本馬に追いつくような勢いは無かったが、代わりにシルバーチャームがやってきて本馬に並びかけてきた。しばらく2頭の叩き合いが続いたが、シルバーチャームが大外から来たスウェインに並びかけようと本馬から離れた瞬間に、本馬とシルバーチャームの間からオーサムアゲインとヴィクトリーギャロップが差してきた。ゴール直前では以上に記載した5頭の争いになったが、結局本馬は5頭の中で1番遅れてしまい、勝ったオーサムアゲインから2馬身差の5着に終わった(6着スキップアウェイには2馬身先着した)。

その後はマイル路線に活路を見出すべく、シガーマイルH(GⅠ・D8F)に出走した。スポートページHの勝ち馬でサルヴェイターマイルH・フィリップHアイズリンH・ヴォスバーグH2着のストーミンフィーヴァー、フォアゴーH・ヴォスバーグSの勝ち馬アファームドサクセス、ブラワードH・エクセルシオールBCHの勝ち馬でブルックリンH2着・ドンH・サバーバンH・メドウランズCH3着のサーベアといった馬達が対戦相手となったが、デザーモ騎手騎乗の本馬が121ポンドのトップハンデながらも単勝オッズ1.85倍の1番人気に支持された。しかし9~10ハロン戦では先頭に立てるスピードを持っていた本馬も、マイル戦では少々足りなかったのか、道中は4番手の好位を走ることになった。いったんは2番手まで上がったのだが、直線で伸びを欠いて、サーベアの2馬身1/4差4着に敗退。これを最後に、3歳時11戦5勝の成績で競走馬を引退した。

血統

フォーティナイナー Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Gold Digger Nashua Nasrullah
Segula
Sequence Count Fleet
Miss Dogwood
File Tom Rolfe Ribot Tenerani
Romanella
Pocahontas Roman
How
Continue Double Jay Balladier
Broomshot
Courtesy Nasrullah
Highway Code
Laughing Look Damascus Sword Dancer Sunglow Sun Again
Rosern 
Highland Fling By Jimminy
Swing Time
Kerala My Babu Djebel
Perfume
Blade of Time Sickle
Bar Nothing
Laughter Bold Ruler Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Miss Disco Discovery
Outdone
Shenanigans Native Dancer Polynesian
Geisha
Bold Irish Fighting Fox
Erin

フォーティナイナーは当馬の項を参照。

母ラフィングルックは不出走馬。その産駒には、本馬の半兄ウォーニンググランス(父カヴィート)【フォートマーシーH(米GⅢ)】がおり、本馬の半妹ゲイズ(父ダンチヒ)の子にはエアサポート【ヴァージニアダービー(米GⅡ)・ボーリンググリーンH(米GⅡ)・ピルグリムS(米GⅢ)・トランシルバニアS(米GⅢ)】がいる。ラフィングルックの母ラフターは優れた繁殖牝馬であり、ラフィングルックの半兄ブルーエンスン(父ホイストザフラッグ)【ウッドローンS(米GⅢ)】、半兄ライトスピリッツ(父マジェスティックライト)【ランプライターH(米GⅢ)】、半兄プライヴェートタームズ(父プライヴェートアカウント)【ウッドメモリアルS(米GⅠ)・ゴーサムS(米GⅡ)・マサチューセッツH(米GⅡ)・フェデリコテシオS(米GⅢ)】を産んだ。また、ラフィングルックの半姉スティールメイデン(父ダマスカス)の子にはメサビメイデン【ブラックアイドスーザンS(米GⅡ)】、曾孫にはオーブ【ケンタッキーダービー(米GⅠ)・フロリダダービー(米GⅠ)】、サジェスティヴボーイ【ラウル&ラウルEチェバリエル大賞(亜GⅠ)・エストレージャス大賞ジュヴェナイル(亜GⅠ)・ドスミルギネアス大賞(亜GⅠ)・亜ジョッキークラブ大賞(亜GⅠ)・フランクEキルローマイルS(米GⅠ)】がいる。ラフターの半兄には名種牡馬アイスカペイド、半妹には悲劇の名牝ラフィアンがおり、優秀な牝系であると言える。→牝系:F8号族③

母父ダマスカスは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は生まれ故郷のクレイボーンファームで種牡馬入りした。初年度の種付け料は6万ドル、2年目は7万5千ドルとかなり高額に設定されており、血統面から来る種牡馬としての期待はかなり高かったようである。しかし米国ではGⅠ競走勝ち馬を含む10頭のステークスウイナーを輩出したものの、期待通りの種牡馬成績というわけではなかったようである。

そのため2003年に日本中央競馬会により購入され、翌2004年から日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬供用された。同じく日本に輸入されて静内種馬場で供用されていた父フォーティナイナーが既に高齢だったため、その後継種牡馬として注目を集め、2004年は134頭、2005年は122頭の繁殖牝馬を集める人気種牡馬となった。しかし2006年3月の繁殖シーズン開始直後、4頭の繁殖牝馬と交配した後に、心臓麻痺を起こして11歳で急死した。

本馬は日米通算で17頭のステークスウイナーを出したが、種牡馬生活が短すぎたために日本でも期待に添えるだけの成功を収めることは出来なかった。全日本種牡馬ランキングでは2008年の35位が最高だった。芝で走る産駒もいたが、どちらかと言えばダート向きであり、2008年には中央競馬のダート競走限定ランキングで11位に入っている。

繁殖牝馬の父としては、カーターH・ヴォスバーグS・シガーマイルHの勝ち馬で2009年のエクリプス賞最優秀短距離馬に選ばれたコディアクカウボーイ、スピナウェイSの勝ち馬マニバーヴァン、ホープフルSの勝ち馬ボーイズアットトスコノヴァなどのGⅠ競走勝ち馬を出しており、父としてよりも母父として結果を残している。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2000

Al Jadeed

ロイヤルロッジS(英GⅡ)

2000

Allspice

シックスティセイルズH(米GⅢ)

2001

Miss Coronado

ダヴォナデイルS(米GⅡ)

2001

Society Selection

フリゼットS(米GⅠ)・テストS(米GⅠ)・アラバマS(米GⅠ)・シュヴィーH(米GⅡ)・カムリーS(米GⅢ)

2003

Gottcha Gold

サルヴェイターマイルH(米GⅢ)・フィリップHアイズリンBCH(米GⅢ)・スキップアウェイH(米GⅢ)

2003

Hunting

スタイヴァサントH(米GⅢ)

2005

カシノヨウスケ

霧島賞(佐賀)

2005

セレスハント

サマーチャンピオン(GⅢ)・東京スプリント(GⅢ)・北海道スプリントC(GⅢ)2回

2005

トウショウクエスト

白銀争覇(SPⅢ)

2006

ワンダフルクエスト

ブリーダーズゴールドジュニアC(H1)・イノセントC(H3)

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