セントニコラスアビー
和名:セントニコラスアビー |
英名:St.Nicholas Abbey |
2007年生 |
牡 |
鹿毛 |
父:モンジュー |
母:リーピングウォーター |
母父:シュアブレード |
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カルティエ賞最優秀2歳牡馬に選ばれるも不調で3歳時を棒に振るがその後にコロネーションC3連覇・BCターフ・ドバイシーマクラシックを制覇した薄幸の名馬 |
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競走成績:2~6歳時に愛英仏米首で走り通算成績21戦9勝2着2回3着7回 |
誕生からデビュー前まで
愛国の世界的馬産団体クールモアグループの関連組織であるバートン・ブラッドストック&ザ・ヴィリアーズ・シンジケートにより生産された愛国産馬である。1歳10月にオークスファームスタッドに委託されて売却に出され、クールモアグループの代理人ダーモット・“デミ”・オバイアン氏により20万ギニーで購入され、エイダン・オブライエン調教師に預けられた。
馬名は西インド諸島の南部に位置する国家バルバドスにおいて17世紀中旬に建立された邸宅(現在は民宿として活用されている)の名前セント・ニコラス・アビーに由来する。名前が長いため、しばしば“St Nick(セントニック)”と簡略化されて呼ばれていた。ちなみにセント・ニコラス・アビーを直訳すると「聖ニコラス修道院」となるが、セント・ニコラス・アビーはキリスト教とは直接の関係は無いらしい。
競走生活(2歳時)
2歳8月にカラー競馬場で行われた芝8ハロンの未勝利戦で、ジョニー・ムルタ騎手を鞍上にデビューした。本馬が単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持され、前走の未勝利戦で本馬の同厩馬ジョシュアツリー(後に加国際Sを3勝する)の短首差2着してきたサージダーが単勝オッズ2.75倍の2番人気となった。重馬場で行われたレースでは馬群の中団につけると残り2ハロン地点でスパートを開始。残り1ハロン地点で先頭に立つと、そのまま後続を引き離し、2着サージダーに4馬身差をつけて圧勝した。
次走はベレスフォードS(愛GⅡ・T8F)となった。本馬が単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持され、クールモアの好敵手ゴドルフィンが送り込んできたパッションフォーゴールドが単勝オッズ8倍の2番人気と、本馬の1強状態だった。スタートしてすぐに下げて馬群の後方につけたムルタ騎手騎乗の本馬は、直線に入る前からスパートし、他馬を次々に追い抜いて残り1ハロン地点で先頭。後はゴールまで流して、2着ラヤリアルアンダルースに3/4馬身差をつけて勝利した。着差は小さかったが、内容的には楽勝であり、この段階で翌年の英ダービーの前売りオッズでは9倍の数値がついた。
その後は英国に向かい、レーシングポストトロフィー(英GⅠ・T8F)に出走。エイコムSを勝ってきたイルーシヴピムパーネル、いずれも圧勝で2戦2勝のゴドルフィン所属馬アルジルなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ2.625倍の1番人気、イルーシヴピムパーネルが単勝オッズ5倍の2番人気、アルジルが単勝オッズ5.5倍の3番人気となった。前走と同じくスタートしてすぐに馬群の後方につけたムルタ騎手騎乗の本馬は、残り2ハロン地点で満を持してスパート。一気に先行馬勢を飲み込むと、残り1ハロン地点では既に先頭。その勢いのままゴールまで駆け抜け、2着イルーシヴピムパーネルに3馬身3/4差、3着アルジルにはさらに2馬身半差をつけて圧勝した。
2歳時の成績は3戦3勝で、ミドルパークS・ミルリーフSなど4戦4勝のアウザーンと字面上の成績ではほぼ互角だったが、ベレスフォードSで本馬から2馬身1/4差の3着に敗れたパッションフォーゴールドが次走のクリテリウムドサンクルーを6馬身差で圧勝した事もあり、この年の2歳牡馬では本馬が一番強いと判断され、カルティエ賞最優秀2歳牡馬のタイトルを受賞した。
ちょうどこの時期に欧州競馬界で猛威を振るっていたシーザスターズが3歳限りで競走馬を引退しており、本馬はシーザスターズに代わって欧州競馬の中核となる馬であると評価された。レーシングポストトロフィー終了直後についた英ダービーの前売りオッズは4倍であり、出走するかどうかも定かではないこの時期としては非常に低い数値となった。
競走生活(3歳時)
3歳時は英2000ギニーを最初の目標として、3月にカラー競馬場で行われた非公式のトライアル競走から始動して、順調な仕上がりぶりを見せた。
そして迎えた英2000ギニー(英GⅠ・T8F)では、クレイヴンSを勝ってきたイルーシヴピムパーネル、前年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬を逃してしまったアウザーン、コヴェントリーS勝ち馬キャンフォードクリフス、デューハーストS2着馬フェンシングマスター、リッチモンドS・グリーナムSの勝ち馬ディックターピン、アルジル、ヴィンテージS勝ち馬エクステンション、ジェベル賞勝ち馬マクフィなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ2倍の1番人気、イルーシヴピムパーネルが単勝オッズ5.5倍の2番人気、アウザーンが単勝オッズ9倍の3番人気となった。
スタートが切られると、ムルタ騎手騎乗の本馬は意外にも5番手辺りの好位につけた。そして残り2ハロン地点で仕掛けるという、過去2戦とは異なる積極的な走りを見せた。馬が行きたがったのか、19頭立てのレースだけに後方から行って進路を失うことを恐れたのかは定かではない(オブライエン師はレース後にペースが本馬に合わなかった事を公言している)が、いずれにしてもこの走り方はこの段階における本馬には適していなかったようで、残り1ハロン地点からの伸びが明らかに悪く、マクフィの3馬身半差6着に敗れてしまった。
それでもオブライエン師は今回の走りには満足していますと語り、英ダービーに向けた調整を開始した。しかし本番前の調教を走った直後に、突如として英ダービーの回避が発表された。この調教における本馬の走りは非常にぎこちなかったらしく、こんな状態では英ダービーに出すことは出来ないと判断されたようである。
その後は秋シーズンの復帰が目標であるとされたが、準備が十分に整わなかったため結局この年にレースに復帰することは出来ず、3歳時の成績は1戦未勝利となってしまった。
競走生活(4歳時)
4歳時は4月にカラー競馬場で行われたリステッド競走アレッジドS(T10F)で復帰した。ほぼ1年ぶりの実戦だった上に、鞍上はムルタ騎手からシーミー・ヘファーナン騎手に乗り代わっていたが、単勝オッズ1.36倍という断然の1番人気に支持された。しかしレースでは馬群の後方を進むも直線に入ってからあまり伸びず、アンナコンペニードの6馬身半差3着に敗れてしまった。勝ったアンナコンペニードは平地競走馬ではなく障害競走馬で、確かに障害競走ではGⅠ競走スプリングジュヴェナイルハードルを勝つなど活躍していた一流馬だったが、平地競走においては本馬の敵になるような実績は皆無であり、本馬にとっては不名誉な敗戦だった。このレースは重馬場で行われており、本馬はこの後も湿った馬場におけるレースではあまり好走できなかったところを見ると、長期休養明けだけでなく馬場状態も敗因として挙げられそうである。
いずれにしても障害競走馬に負けてしまったために、次走のオーモンドS(英GⅢ・T13F89Y)では単勝オッズ2.375倍ながらも2番人気に留まった。単勝オッズ2倍の1番人気に支持されたのはハリスツイードという馬で、この段階ではグループ競走勝ちが無い(後にGⅢ競走ジョンポーターSを勝っている)普通の馬だった。しかしライアン・ムーア騎手騎乗の本馬は好位追走から残り1ハロン地点で先頭に立つと、まるで1番人気ではなくなった事に反発するかのような猛烈な脚を伸ばし続け、2着となったシャンティ大賞勝ち馬アライドパワーズに9馬身差をつけて大勝した。
この勝利で復活を印象付けた本馬は、次走のコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)では単勝オッズ2倍の1番人気に復帰した。対戦相手は4頭いたが、強敵になりそうな馬は2頭だけだった。それは、BCフィリー&メアターフ・ナッソーS2回・ヨークシャーオークス・ヴェルメイユ賞を勝っていたミッデイと、ジョッキークラブCを勝ってきたダンディノだった。対抗馬に指名されたのはミッデイで、単勝オッズ2.25倍の2番人気。ダンディノは単勝オッズ11倍の3番人気だった。
スタートが切られるとダンディノが先頭に立ち、本馬が2番手、他馬も一団となってその後についていった。そのままの態勢で直線に入ってきたのだが、内側のダンディノと外側のミッデイに挟まれる形となった本馬は上手く抜け出せなかった。その隙にミッデイが本馬の前に出て先頭に立ったが、本馬鞍上のムーア騎手は慌てずに本馬を外側に持ち出した。この段階ではミッデイの脚色のほうが良く、本馬は敗色濃厚に見えたが、残り1ハロン地点から豪脚を炸裂させて瞬く間にミッデイを抜き去り、1馬身差をつけて勝利した。レース後にオブライエン師は本馬を偉大な馬ですと賞賛した上で、前年の状態は完全に滅茶苦茶だった事を認めた。
次走のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(英GⅠ・T12F)では、本馬が不参戦だった前年の英ダービーだけでなく凱旋門賞も勝利してカルティエ賞最優秀3歳牡馬に選ばれていたワークフォース、その英ダービーでは3着だったが、その後にグレートヴォルティジュールS・ドバイシーマクラシック・プリンスオブウェールズSを勝利していたリワイルディング、キングエドワードⅦ世Sを勝ってきた3歳馬ナサニエル、アーリントンミリオン・ユジェーヌアダム賞勝ち馬ドビュッシーの4頭だけが対戦相手となった。ムーア騎手がデビュー以来一貫して騎乗していたワークフォースを選択したため、本馬にはオブライエン師の息子ジョセフ・オブライエン騎手が騎乗した。ワークフォースが単勝オッズ2.2倍の1番人気、リワイルディングが単勝オッズ4倍の2番人気、本馬が単勝オッズ4.5倍の3番人気となった。
スタートが切られると、ナサニエルとドビュッシーが先頭を引っ張り、残り3頭はその後方を一団となって追走した。直線に入ったところでリワイルディングが故障を発生して競走を中止し、逃げるナサニエルを、ワークフォースと本馬が追いかける展開となった。しかし3歳馬故にワークフォースや本馬より12ポンド斤量が軽いナサニエルの逃げ脚は衰えず、そのまま逃げ切って勝利。2馬身3/4差の2着にワークフォースが入り、本馬はさらに1馬身1/4差の3着に敗れた(リワイルディングは予後不良となった)。
その後は凱旋門賞を目指して、前哨戦のフォワ賞(仏GⅡ・T2400m)へと向かった。対戦相手は3頭だけだったが、いずれもなかなかの強敵揃いだった。その内訳は、サンタラリ賞・仏オークス・サンクルー大賞・コリーダ賞の勝ち馬サラフィナ、日本から凱旋門賞を目指して遠征してきた天皇賞春・産経大阪杯勝ち馬で皐月賞2着のヒルノダムール、同じく日本から遠征してきた宝塚記念・セントライト記念勝ち馬で前年の凱旋門賞2着のナカヤマフェスタだった。サラフィナが単勝オッズ1.67倍の1番人気、クリストフ・スミヨン騎手騎乗の本馬が単勝オッズ4.33倍の2番人気、ナカヤマフェスタが単勝オッズ7倍の3番人気、ヒルノダムールが単勝オッズ10倍の4番人気だった。
スタートが切られるとナカヤマフェスタが先頭に押し出されてそのまま逃げを打ち、ヒルノダムール、本馬、サラフィナの順番で走っていった。しばらく走ったところで本馬が耐え切れなくなったかのように2番手に上がり、そのまま直線に入って残り300m地点で先頭に立った。しかしここからあまり伸びず、後方から来たサラフィナとヒルノダムールの2頭に差された。レースはサラフィナがヒルノダムールを短首差抑えて勝ち、本馬はさらに2馬身半差の3着、ナカヤマフェスタはさらに半馬身差の4着だった。
本番の凱旋門賞(仏GⅠ・T2400m)では、フォア賞で戦った3頭全てに加えて、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSから直行してきたワークフォース、コックスプレート2連覇・アンダーウッドS・ヤルンバS・マッキノンSと豪州でGⅠ競走を5勝した後にクールモアにトレードされてタタソールズ金杯・エクリプスS・愛チャンピオンSを勝っていた同厩馬ソーユーシンク、ヴェルメイユ賞・ギョームドルナノ賞などの勝ち馬で仏オークス2着のガリコヴァ、パリ大賞を勝ちニエル賞で2着してきたメオンドル、仏ダービー・ニエル賞を勝ってきたリライアブルマン、前年の英オークス・愛オークス・エリザベス女王杯・香港Cを勝っていたスノーフェアリー、英セントレジャーを勝ってきたマスクドマーヴェル、ベルリン大賞・バーデン大賞を連勝してきたデインドリーム、愛ダービー・セクレタリアトS勝ち馬でこの年の英ダービー2着馬トレジャービーチなどが対戦相手となった。サラフィナが単勝オッズ5倍の1番人気、ソーユーシンクが単勝オッズ5.5倍の2番人気、ガリコヴァが単勝オッズ8倍の3番人気と続き、オブライエン騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ34倍の13番人気まで評価を下げていた。
スタートが切られるとトレジャービーチが先頭に立ち、本馬は2番手につけた。そのままトレジャービーチを見るように走り、直線に入る手前で先頭を奪った。そして直線で並びかけてきた単勝オッズ67倍の伏兵シャレータと叩き合いを開始した。しかし残り200m地点で後方から来たデインドリームにシャレータ共々抜き去られてしまった。シャレータはその後も粘り続けて2着を確保したが、本馬はゴール前で押し寄せてきたスノーフェアリーやソーユーシンクにかわされ、勝ったデインドリームから6馬身差の5着に敗れた。
その後は米国に向かい、チャーチルダウンズ競馬場で行われたBCターフ(米GⅠ・T12F)に参戦した。凱旋門賞で7着に終わっていたサラフィナ、英セントレジャーで3着してきたグレートヴォルティジュールS勝ち馬シームーン、コロネーションC2着後にナッソーSでGⅠ競走6勝目を挙げていたミッデイ、ハードウィックSなどの勝ち馬で英国際S3着のアウェイトザドーン、レーンズエンドS勝ち馬でジョーハーシュターフクラシック国際S2着・アーリントンミリオン3着のディーンズキトゥン、ブルーグラスS勝ち馬でジャマイカH2着・ベルモントS3着のブリリアントスピード、ガルフストリームパークターフH・ユナイテッドネーションズSの勝ち馬ティークスノース、ブルーグラスS勝ち馬でパシフィッククラシックS3着のステイトリーヴィクターの計8頭が対戦相手となった。サラフィナが単勝オッズ3.1倍の1番人気、シームーンが単勝オッズ4.3倍の2番人気、ミッデイが単勝オッズ6.6倍の3番人気、アウェイトザドーンが単勝オッズ7.3倍の4番人気、前走に続いてオブライエン騎手が騎乗する本馬は単勝オッズ7.8倍の5番人気だった。
スタートが切られるとアウェイトザドーンが先頭に立ち、ディーンズキトゥンやミッデイが先行。本馬は4~5番手の好位につけ、サラフィナは中団後方からレースを進めた。向こう正面に差し掛かったところでサラフィナを始めとする後方馬勢が上がってきて、その中に飲み込まれた本馬は一時的に後方2番手の位置取りまで下がった。しかし事前にジェリー・ベイリー元騎手からアドバイスを受けていたオブライエン騎手は、その助言に従って我慢を続けていた。三角と四角を回って直線に入ってきてもまだ後方3番手。しかしここからオブライエン騎手が外側に持ち出して合図を送ると、本馬は鋭く伸びた。残り1ハロン地点で先頭に立つと、2着シームーンに2馬身1/4差をつけて快勝。当時18歳のオブライエン騎手は史上最年少のブリーダーズカップ優勝騎手となった。
4歳時の成績は7戦3勝だった。エクリプス賞最優秀芝牡馬の候補には挙がったが、この年に米国でマンノウォーS・アーリントンミリオン・ターフクラシック招待SとGⅠ競走3勝を挙げた同厩馬ケープブランコ(本馬とは同世代だが1度も対戦機会は無かった)に譲る事になった。
競走生活(5歳時)
5歳時も現役を続け、まずはドバイシーマクラシック(首GⅠ・T2410m)から始動した。英チャンピオンS・コンセイユドパリ賞・ドラール賞・ドーヴィル大賞などの勝ち馬で前年のカルティエ賞最優秀古馬に選ばれていたシリュスデゼーグル、セントサイモンS勝ち馬ビートゥンアップ、前年の凱旋門賞で14着に終わっていたトレジャービーチ、3年前のパリ大賞・ニエル賞勝ち馬で凱旋門賞3着の実績もあったカヴァルリーマン、南アフリカのGⅠ競走ダーバンジュライとマクトゥームチャレンジR2の勝ち馬ボールドシルヴァノ、南アフリカのGⅠ競走ゴールデンスリッパーの勝ち馬で前走バランシーンSを勝ってきたマーブーバ、ミラノ大賞の勝ち馬ジャッカルベリー、ユジェーヌアダム賞勝ち馬シムラーンなどが対戦相手となった。オブライエン騎手が主戦に固定された本馬が単勝オッズ3.25倍の1番人気、シリュスデゼーグルが単勝オッズ3.75倍の2番人気、ビートゥンアップが単勝オッズ4.5倍の3番人気だった。
スタートが切られるとボールドシルヴァノが先頭に立ち、シリュスデゼーグルがそれを追って先行、本馬は馬群の中団につけた。レース中盤でシリュスデゼーグルが先頭に立ってそのまま逃げ込みを図ったところに、残り500m地点で仕掛けた本馬が猛然と迫っていった。しかしシリュスデゼーグルが粘り切り、本馬は首差の2着に惜敗した。
本国に戻った本馬はムーアズブリッジS(愛GⅢ・T10F)に出走した。これといった対戦相手はいなかったため、単勝オッズ1.4倍の断然人気に支持された。スタートが切られると、ロビンフッドとウィンザーパレスの2頭が同厩である本馬のペースメーカー役として先頭に立ち、本馬は2頭から10馬身ほど後方の3番手を進んだ。そして直線に入ってからスパートしたのだが、馬場状態が湿っていたためか、仕掛けが遅すぎたためか、ペースメーカー役だったはずのウィンザーパレスを捕まえることに失敗し、1馬身差の2着に敗れてしまった。
次走のコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)では、ドバイシーマクラシックで6着だったビートゥンアップ、ヨークシャーCを勝ってきた前年のメルボルンC2着馬レッドカドー、前年の凱旋門賞で16着最下位に終わっていたマスクドマーヴェル、ジョッキークラブCで2着してきたカンバーランドロッジS勝ち馬クエストフォーピース、それにペースメーカー役のロビンフッドの5頭が対戦相手となった。本馬が単勝オッズ1.73倍の1番人気、ビートゥンアップが単勝オッズ4倍の2番人気、レッドカドーとマスクドマーヴェルが並んで単勝オッズ9倍の3番人気だった。
スタートが切られるとロビンフッドが後続を引き離して逃げを打ち、本馬は馬群の後方に陣取った。そして直線に入ると大外に持ち出して満を持してスパート。残り2ハロン地点で一気に先頭に踊り出た。ここでオブライエン騎手は鞭を落としてしまい、その後は手と足だけで本馬を追い続けたが、それでも本馬は後続との差を広げ続け、2着レッドカドーに4馬身半差をつけて圧勝。2004年のウォーサン以来8年ぶり史上6頭目(前身のエプソム金杯を含めると史上8頭目)のコロネーションC2連覇を達成した。
その後はキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(英GⅠ・T12F)へ向かった。前走ハードウィックSを完勝してきた前年のBCターフ2着馬シームーン、前走エクリプスSを勝ってきたナサニエル、前年のメルボルンC・香港ヴァーズ勝ち馬ドゥーナデン、前年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬に選ばれていたデインドリーム、前年の凱旋門賞で15着に終わっていたリライアブルマン、前年の英セントレジャー2着馬ブラウンパンサー、前走で本馬から7馬身3/4差の3着だったマスクドマーヴェル、ペースメーカー役のロビンフッド、それに東京優駿を勝って遠征してきた日本馬ディープブリランテの計9頭が対戦相手となった。シームーンが単勝オッズ3倍の1番人気、連覇を狙うナサニエルが単勝オッズ3.5倍の2番人気、本馬が単勝オッズ6倍の3番人気で、前走サンクルー大賞で4着に敗れていたデインドリームは単勝オッズ10倍の5番人気、ディープブリランテは単勝オッズ21倍の6番人気だった。
スタートが切られるとドゥーナデンが先頭に立ち、ロビンフッドがそれを追撃。本馬はシームーンと共に馬群の後方からレースを進めた。道中でロビンフッドがドゥーナデンを無理やりかわして先頭に立った以外は概ねそのままの体勢でレースが進み、直線に入ると本馬は外側に持ち出してスパートを開始。しかし先に抜け出して叩き合うデインドリームとナサニエルの2頭に届かず、デインドリームの1馬身半差3着に敗れた。
次走は英国際S(英GⅠ・T10F88Y)となった。今まで本馬が主戦場としてきた12ハロン路線からは対戦相手の面子ががらりと変わり、ペースメーカー役のウィンザーパレスとロビンフッドを除けば初顔合わせの馬ばかりとなった。エクリプスS・サセックスSと連続2着してきたファー、英チャンピオンS2連覇・エクリプスS・英国際S・ユジェーヌアダム賞・ヨークSを勝っていたトゥワイスオーヴァー、ギョームドルナノ賞勝ち馬でエクリプスS2着のスリプトラ、ガネー賞・ノアイユ賞・アルクール賞勝ち馬で仏ダービー・パリ大賞・イスパーン賞2着のプラントゥール、そしてデューハーストS・英2000ギニー・セントジェームズパレスS・サセックスS2回・クイーンエリザベスⅡ世S・ロッキンジS・クイーンアンSとGⅠ競走8勝を含む12戦全勝の成績を誇っていたフランケルと、フランケルの半兄で弟のペースメーカー役を務めていたブレットトレインが相手となった。フランケルがマイルを超える距離で走るのはこれが初めてだったが、既にサラブレッド史上最強馬の誉れ高かったフランケルには問題ないと判断されて単勝オッズ1.1倍の1番人気。本馬は単勝オッズ6倍の2番人気だった。
スタートが切られると3頭のペースメーカーが先頭争いを展開し、スタートで出遅れたフランケルは後方からの競馬となった。本馬はフランケルの存在を意識したのか、ペースメーカーを除く馬では先頭となる4番手につけた。そして残り2ハロン地点でペースメーカー達をかわして先頭に立ったのだが、次の瞬間に後方から来たフランケルに並ぶ間もなく抜き去られてしまった。そしてゴール直前でファーに鼻差かわされて3着に落ち、勝ったフランケルから7馬身後方でゴールインした。
その後は愛チャンピオンS(愛GⅠ・T10F)へと向かった。対戦相手は、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSから直行してきたナサニエル、前年の凱旋門賞3着後にエリザベス女王杯の2連覇を果たしていたスノーフェアリー、愛ダービー2着馬ボーントゥシー、ロイヤルロッジS・UAEダービーの勝ち馬ダディロングレッグス、バリサックスS・デリンズタウンスタッドダービートライアルS勝ち馬で愛ダービー3着のライトヘビーの5頭だった。ナサニエルが単勝オッズ2.625倍の1番人気、スノーフェアリーが単勝オッズ2.875倍の2番人気、本馬が単勝オッズ4倍の3番人気となった。
スタートが切られると本馬の同厩馬ダディロングレッグスがペースメーカー役となって後続を大きく引き離す逃げを打ち、ナサニエルが2番手、スノーフェアリーが4番手、本馬が5番手を進んだ。残り3ハロン地点でスノーフェアリーが仕掛けると、本馬もそれを追って上がっていったが、スノーフェアリーの背中は少しずつ遠くなっていった。粘ったナサニエルを捕まえることにも失敗し、勝ったスノーフェアリーから2馬身差の3着に敗退した。
次走は凱旋門賞(仏GⅠ・T2400m)となった。日本から参戦してきた皐月賞・東京優駿・菊花賞・有馬記念・宝塚記念の五冠馬オルフェーヴル、英2000ギニー・英ダービー・愛ダービー・レーシングポストトロフィーの勝ち馬で、前走英セントレジャーで2着に敗れて42年ぶりの英国三冠馬を逃した同厩馬キャメロット、前年の凱旋門賞2着馬でこの年はヨークシャーオークス・ヴェルメイユ賞を制して前年の好走がフロックではないところを見せていたシャレータなどが出走しており、本馬は単勝オッズ15倍で7番人気止まりだった。極悪不良馬場で行われたレースでは馬群の中団を追走し、直線に入ると同時に仕掛けたが、進路が塞がってしまいどんどん順位を落としていき、ゴール直前で先頭のオルフェーヴルを差し返して勝った単勝オッズ34倍の伏兵ソレミアから15馬身半差の11着に沈んだ。
その後は米国サンタアニタパーク競馬場に向かい、連覇を目指してBCターフ(米GⅠ・T12F)に参戦した。マンノウォーS・ソードダンサー招待S・ターフクラシック招待S・エルクホーンSなど目下5連勝中のポイントオブエントリー、2度目の凱旋門賞では9着と実力を発揮できなかったシャレータ、日本から遠征してきて前走アロヨセコマイルSで2着していたアルゼンチン共和国杯・京都記念勝ち馬トレイルブレイザー、ブリーダーズフューチュリティ・ブルーグラスS・パシフィッククラシックSの勝ち馬でケンタッキーダービー3着のデュラハン、ターフクラシックS・アーリントンミリオンの勝ち馬リトルマイク、ドバイシーマクラシック4着後に勝ち星から見放されていたトレジャービーチ、サンマルコスS・ジョンヘンリーターフCSの勝ち馬スリムシェイディ、ユナイテッドネーションズS勝ち馬ターボコンプレッサーなどが対戦相手となった。ポイントオブエントリーが単勝オッズ3.4倍の1番人気、本馬が単勝オッズ4.4倍の2番人気、シャレータが単勝オッズ5.3倍の3番人気、トレイルブレイザーが単勝オッズ7倍の4番人気となった。
スタートが切られるとターボコンプレッサーが先頭に立ち、リトルマイクなどを含めた3頭で先頭集団を形成。トレイルブレイザーが少し離れた4~5番手で、本馬とポイントオブエントリーは馬群の中団、シャレータはさらに後方からレースを進めた。ダートコースを横切って周回コースに入ってきた頃にはターボコンプレッサーの単騎逃げとなっていたが、各馬の順番はそれほど変わらないままレースが進行した。レースが動いたのは三角に入ってからで、トレイルブレイザーが外側から仕掛けて先頭集団に並びかけ、さらに後方からは本馬、ポイントオブエントリー、シャレータも上がってきた。四角に入ると先頭集団の中から単勝オッズ18.3倍の伏兵リトルマイクが抜け出し、そのまま直線に入って押し切りを図った。外側を駆け上がってきた本馬は4番手で直線に入ると、先頭のリトルマイク、内側を掬ったポイントオブエントリー、それにトレイルブレイザーの追撃を開始。しかしゴール前でトレイルブレイザーを捕らえるのが精一杯で、勝ったリトルマイクから1馬身1/4差の3着に敗退した。5歳時の成績は8戦1勝だった。
競走生活(6歳時)
6歳時も現役を続け、前年同様にドバイシーマクラシック(首GⅠ・T2410m)から始動した。前年のBCターフで追い上げ届かず5着だったシャレータ、前年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSでは6着だったが、その後に遠征先の豪州でコーフィールドCを勝ってGⅠ競走3勝目を挙げていたドゥーナデン、一昨年のBCターフで本馬の7着に敗れた後は順調さを欠いていたがドバイシティオブゴールドで2着など復調してきたアウェイトザドーン、コンセイユドパリ賞勝ち馬で2年後のドバイワールドCを制覇するプリンスビショップ、前年の愛セントレジャー馬ロイヤルダイアモンド、オイロパ賞勝ち馬ジローラモ、カタールのGⅠ競走カタールダービー・アパレントトロフィー・HHエミールズトロフィーの3勝を含む5連勝中のベリーナイスネーム、それに日本からも、前年に桜花賞・優駿牝馬・秋華賞を制して史上4頭目の中央競馬牝馬三冠馬になったばかりかジャパンCではフランス帰りのオルフェーヴルを競り落として勝ち、3歳牝馬として史上初めて中央競馬年度代表馬に選ばれたジェンティルドンナ、前年のBCターフで本馬から1馬身差の4着と健闘したトレイルブレイザーの2頭が参戦してきた。ジェンティルドンナが単勝オッズ2.375倍の1番人気に支持され、本馬が単勝オッズ3.75倍の2番人気、シャレータが単勝オッズ7倍の3番人気となった。
スタートが切られるとシャレータが先頭に立ち、ジェンティルドンナがそれを追って先行。そして本馬もジェンティルドンナと一緒になって先行した。基本的に後方待機策が多かった本馬がここで戦法転換を図った理由は、レース前に本馬の共同馬主の1人デリック・スミス氏とオブライエン騎手が打ち合わせを行い、敗戦が続いている今の本馬にとっては後方待機策よりも先行して抜け出す走法のほうが望ましいだろうという結論が出ていたためだった。最内のシャレータ、すぐ外側の本馬、さらにその外側のジェンティルドンナの3頭が先頭集団を形成してレースが進行し、そして四角で本馬が最初に仕掛けて先頭に立った状態で、メイダン競馬場の450mある長い直線に入ってきた。シャレータには伸びが無く徐々に引き離され、本馬に追いすがってきたのはジェンティルドンナのみだった。しかしそのジェンティルドンナも本馬を捕まえられそうで捕まえられなかった。そして最後までしっかりと脚を伸ばした本馬が、翌年の同競走を勝つ2着ジェンティルドンナに2馬身1/4差、追い込んで3着に入ったベリーナイスネームにはさらに1馬身1/4差をつけて勝利を収め、前年2着の雪辱を果たした。
愛国に戻ってきた本馬は、そのまま史上初の3連覇を目指してコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)に出走した。対戦相手は、ドバイシーマクラシックで4着だったドゥーナデン、加国際S2回・ケルゴルレイ賞を勝っていた元同厩馬ジョシュアツリーなど4頭だった。本馬が単勝オッズ1.3倍の断然人気に支持され、ドゥーナデンが単勝オッズ5倍の2番人気、ジョシュアツリーが単勝オッズ11倍の3番人気だった。
オブライエン師は本馬のためにシャモニーというペースメーカーを用意していたのだが、そのシャモニーがスタートで出遅れ。その代わりに単勝オッズ51倍の最低人気馬チャプターセブンが先頭に立ち、シャモニーがそれを追撃。ジョシュアツリーが3番手、本馬が4番手、ドゥーナデンが最後方でレースを進めた。上り坂の途中でシャモニーがチャプターセブンに並びかけて2頭が先頭を併走。そして全馬がタッテナムコーナーの下り坂で加速しながら直線へと入ってきた。逃げた2頭は残り3ハロン地点でスタミナが切れて失速。その代わりに外側から伸びてきた本馬が残り2ハロン地点手前で先頭を奪った。ジョシュアツリーには伸びは無く、本馬を追いかけてきたのはドゥーナデンのみだった。しかし本馬の脚色は非常に伸び伸びとしており、ドゥーナデンはその差を縮めることが出来なかった。そして本馬が2着ドゥーナデンに3馬身3/4差をつけて勝ち、1810年にエプソム金杯として創設(1902年にコロネーションCと改名)された同競走史上初の3連覇という大偉業を達成した。
その後は2年連続3着だったキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSを目標として調整が行われていた。事前の予想では上位人気の1頭に名を連ねており、3度目の正直が期待されていた。
闘病生活と死
ところがレース4日前の調教中に右前脚に重度の故障を発生(故障内容の詳細は当初明らかにされなかったが、繋ぎ部分の骨折だった)。生命に関わる大怪我であり、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS出走どころか現役続行自体が不可能になり、6歳時2戦2勝の成績で現役引退となった。
クールモアの関係者達はすぐに本馬をフェサード馬病院に担ぎ込むと、米国ペンシルヴァニア大学のニューボルトンセンターの外科部長ディーン・W・リチャードソン博士(2006年のケンタッキーダービー馬バーバロの手術と治療に当たった人物)に連絡を取って助言を仰いだ上で、故障翌日に20本ものボルトを患部に埋め込み、患部への血液供給のために腰の骨を採取して移植するという手術を行った。手術翌日にクールモアから「危険な状態は脱しました」との発表があったが、その発表直後に腸閉塞に伴う疝痛を発症したために2度目の手術が行われた。2度目の手術もひとまず成功し、その後は長い闘病生活に入ることになった。
8月にはギプスと一緒に患部に埋め込まれていたピンが折れていることが判明し、除去のために3度目の手術が行われた。10月には蹄葉炎を発症して、予断を許さない状態となったが、強靭な生命力と精神力によりこれは辛うじて克服した。
その後も蹄葉炎の再発に細心の注意を払いながら闘病生活を送り、完治も夢ではないと思われた矢先の翌2014年1月14日の朝、腸捻転に伴う重度の疝痛を発症。もはや手の施しようが無いと診断されたために、安楽死の措置が執られ、クールモアスタッドがある愛国ティペラリー州の墓地に埋葬された。
かつて本馬がデビューした当初の4戦だけに騎乗したムルタ騎手は「彼は私が乗った馬の中で最高の馬だったかもしれません」と、相棒のオブライエン騎手は「彼は誰にとっても忘れられない馬でしょう」と追悼の弁を述べた。
本馬の獲得賞金総額は495万4590ポンドで、欧州調教馬としては過去最高クラスの金額だった(為替レートの関係があるので、過去最高と断定する事は出来ないが、最高クラスである事はほぼ間違いない)。
本馬の死から5か月後に行われたコロネーションCは、本馬の追悼競走「セントニコラスアビー記念」として施行され、かつてドバイシーマクラシックで本馬を2着に破ったシリュスデゼーグルが1番人気に応えて快勝した。
血統
Montjeu | Sadler's Wells | Northern Dancer | Nearctic | Nearco |
Lady Angela | ||||
Natalma | Native Dancer | |||
Almahmoud | ||||
Fairy Bridge | Bold Reason | Hail to Reason | ||
Lalun | ||||
Special | Forli | |||
Thong | ||||
Floripedes | Top Ville | High Top | Derring-Do | |
Camenae | ||||
Sega Ville | Charlottesville | |||
La Sega | ||||
Toute Cy | Tennyson | Val de Loir | ||
Tidra | ||||
Adele Toumignon | ゼダーン | |||
Alvorada | ||||
Leaping Water | Sure Blade | Kris | Sharpen Up | エタン |
Rocchetta | ||||
Doubly Sure | Reliance | |||
Soft Angels | ||||
Double Lock | Home Guard | Forli | ||
Stay at Home | ||||
St. Padina | St. Paddy | |||
Rose of Medina | ||||
Flamenco Wave | Desert Wine | Damascus | Sword Dancer | |
Kerala | ||||
Anne Campbell | Never Bend | |||
Repercussion | ||||
Armada Way | Sadair | Petare | ||
Blue Missy | ||||
Hurry Call | Nasrullah | |||
Fleet Flight |
父モンジューは当馬の項を参照。
母リーピングウォーターは不出走馬。本馬の半兄グラマリアン(父デフィニットアーティクル)【サンセットH(米GⅡ)・サンガブリエルH(米GⅡ)】も産んでいる。リーピングウォーターの母フラメンコウェーヴはモイグレアスタッドS(愛GⅠ)を勝っただけでなく繁殖牝馬としても優秀で、リーピングウォーターの半妹スパニッシュフォールズ(父ベルメッツ)【ロワイヨモン賞(仏GⅢ)】、半弟スターボロー(父ソヴィエトスター)【ジャンプラ賞(仏GⅠ)・セントジェームズパレスS(英GⅠ)】、半弟アリストル(父サドラーズウェルズ)【レーシングポストトロフィー(英GⅠ)】、半弟バリンガリー(父サドラーズウェルズ)【クリテリウムドサンクルー(仏GⅠ)・加国際S(加GⅠ)・ノアイユ賞(仏GⅡ)・スターズ&ストライプスS(米GⅢ)2回】と活躍馬を続出させた。同じ牝系にはホワイトマズルやアルムタワケルの名前も見られる。→牝系:F16号族②
母父シュアブレードはクリス産駒で、現役成績9戦6勝、英シャンペンS(英GⅡ)・セントジェームズパレスS(英GⅡ)・クイーンエリザベスⅡ世S(英GⅡ)・コヴェントリーS(英GⅢ)を勝ったマイラーだった。