イルーシヴクオリティ

和名:イルーシヴクオリティ

英名:Elusive Quality

1993年生

鹿毛

父:ゴーンウエスト

母:タッチオブグレートネス

母父:ヒーローズオナー

現役時代は芝1マイルの世界レコードを樹立したがGⅢ競走制覇止まり、しかし種牡馬としては北米首位種牡馬に輝くなど大活躍する

競走成績:3~5歳時に米加で走り通算成績20戦9勝2着3回3着2回

誕生からデビュー前まで

米国ケンタッキー州シルバースプリングスファームにおいてJ・コステロ夫人により生産され、ドバイのシェイク・マクトゥーム殿下の所有馬となり、米国ウィリアム・モット調教師に預けられた。

競走生活(3歳時)

3歳5月にベルモントパーク競馬場で行われたダート8.5ハロンの未勝利戦で、ラモン・ペレス騎手を鞍上にデビューした。単勝オッズ3.35倍の1番人気に支持された本馬は、沼地同然の不良馬場の中をスタートから逃げた。三角に入ったところでいったん後続馬を引き離そうとしたが、四角では再び差が詰まってきた。しかし先頭を維持したまま直線に入ると、どんどん後続を引き離した。ペレス騎手は直線半ばで既に本馬を全く追っていなかったが、それでも差を広げ続け、2着フェデラルシークレットに11馬身半差をつけて圧勝した。

次走は6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート8ハロンの一般競走となった。前走の壮絶な勝ち方が評価され、他馬勢より3~12ポンド重い120ポンドのトップハンデながらも、単勝オッズ1.35倍という断然の1番人気に支持された。しばらく主戦を務めるジェリー・ベイリー騎手が騎乗した本馬は今回もスタートから先頭を飛ばした。しかし今回は他馬勢も本馬をすんなりと逃がしてくれず、5ポンドのハンデを与えたシルヴァーファインダーに直線で並びかけられ、競り負けて頭差の2着に終わった。

次走はデビュー戦と同じベルモントパーク競馬場ダート8.5ハロンの一般競走となった。前走では本馬が他馬にハンデを与える立場だったが、今回は本馬が最大で8ポンドのハンデを貰う側になった。そのために単勝オッズ1.2倍という前走以上の評価を受けた。今回はスタートから後続を引き離して逃げ、最大で10馬身近い差をつける大逃げとなった。直線入り口では既に勝敗は決しており、その後は流して走ったために後続との差は縮まったが、それでも2着アクションに3馬身差をつけて勝利した。

この距離8.5ハロンが本馬の生涯最長距離となり、以降は短距離路線に向かう事になる。

まずは8月のキングズビショップH(米GⅡ・D7F)に出走。主な対戦相手は、メトロポリタンH・ブリーダーズフューチュリティ・サンラファエルSの勝ち馬でサンタアニタダービー2着のオナーアンドグローリー、スクリーンキングSを勝ってきた後の名種牡馬ディストーテッドユーモア、リヴァリッジSの勝ち馬でドワイヤーS2着のゴールドフィーバーなどだった。123ポンドのオナーアンドグローリーが単勝オッズ2倍の1番人気、115ポンドのディストーテッドユーモアが単勝オッズ3.45倍の2番人気、120ポンドのゴールドフィーバーが単勝オッズ6.5倍の3番人気、112ポンドの本馬が単勝オッズ7.3倍の4番人気だった。今回もスタートから逃げようとした本馬だったが、オナーアンドグローリーに競られたために単独で終始先頭に立つことは出来なかった。それでも直線には先頭で入ってきたが、ゴール前でオナーアンドグローリーに差されて、鼻差の2着に敗れた。

翌月のヴォスバーグS(米GⅠ・D7F)では、オナーアンドグローリー、前年のキングズビショップSの勝ち馬で前走フォアゴーH2着のトップアカウント、ジャージーショアBCSの勝ち馬で前年のキングズビショップS2着のフォートストックトン、フォアゴーHを勝ってきたラングフールなどが主な対戦相手となった。前走と異なり馬齢定量戦であり斤量面における優遇は無かったが、単勝オッズ2.45倍のオナーアンドグローリー、単勝オッズ4.35倍のトップアカウントに次ぐ3番人気(単勝オッズ7倍)に推された。しかし今回はスタート直後から後方に置かれてしまい、全く何の見せ場もないまま、勝った単勝オッズ15.3倍の7番人気馬ラングフールから17馬身3/4差をつけられた8着最下位と惨敗した。

10月に出走したベルモントパーク競馬場ダート6ハロンの一般競走では、単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された。レースでは2~3番手を進み、直線入り口でいったんは先頭に立ったが、本馬と一緒に先行していた単勝オッズ3.6倍の2番人気馬レイジに競り負けて首差の2着に敗れた。

その後はチャーチルダウンズ競馬場に向かい、11月のダート6ハロンの一般競走に出走。このレースからしばらく本馬の主戦はパット・デイ騎手が務めることになった。単勝オッズ1.6倍の1番人気に支持された本馬は、スタートから他馬に競られながらも先頭を走り、直線では差を広げて、2着レシーバーに3馬身半差をつけて勝利した。

次走のチャーチルダウンズ競馬場ダート7ハロンの一般競走では、単勝オッズ1.5倍の1番人気となった。ここでは単勝オッズ5.9倍の2番人気馬ハーディフワンがハナを主張したために3番手に控える形となった。しかし直線に入るとハーディフワンをあっさりとかわして、2着ハーディフワンに3馬身半差で勝利した。3歳時の成績は8戦4勝だった。

競走生活(4歳時)

4歳時は2月にガルフストリームパーク競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走から始動した。ヴォスバーグSで6着に終わっていたフォートストックトン、トロピカルパークH・ブラワードHの勝ち馬ヘイローズイメージといったGⅢ競走勝ち馬が出走していたが、119ポンドのトップハンデだった本馬が単勝オッズ1.9倍の1番人気に支持された。レースではスタートからハイペースで先頭を飛ばし、追いかけてきた後続馬勢を粉砕。2番手追走から2着に粘ったヘイローズイメージに5馬身差をつけて圧勝した。

その後はしばらくレースに出ず、5月のカーターH(米GⅠ・D7F)に出走した。ヴォスバーグS勝利後に出走したBCスプリントでは8着に終わっていたラングフール、前年のBCマイルで4着と健闘していた加国調教のキングエドワードBCHの勝ち馬キリダシ、コモンウェルスBCSで2年連続2着してきたウェスタンウィンターなどが主な対戦相手となった。115ポンドの本馬が単勝オッズ1.8倍の1番人気、122ポンドのラングフールが単勝オッズ4.65倍の2番人気、122ポンドのキリダシが単勝オッズ9.6倍の3番人気となった。しかしスタートから先手を取れずに馬群の中団を進んだ本馬は、直線でも伸びずに、追い込んで勝ったラングフールから8馬身1/4差の5着と完敗した。

翌月のトゥルーノースH(米GⅡ・D6F)では、ボールドルーラーHを勝ってきたパンチライン、ガルフストリームパークBCスプリントCSSの勝ち馬フリスコビューとの対戦となった。115ポンドの本馬が単勝オッズ2.45倍の1番人気、122ポンドのパンチラインが単勝オッズ2.8倍の2番人気、116ポンドのフリスコビューが単勝オッズ4.9倍の3番人気となった。今回はスタートから先頭に立つことに成功した本馬だが、四角で失速してしまい、勝ったパンチラインから8馬身差の4着に敗れた。

2週間後に出たベルモントパーク競馬場ダート7ハロンの一般競走からは、再びベイリー騎手が主戦に戻った。単勝オッズ1.85倍の1番人気に支持された本馬はスタートから後続馬を引き離して単騎逃げを打った。そして直線で逃げ込もうとしたが、ゴール直前でリッチモンドランナーと、エルティッシュ(ロイヤルロッジS・ヴィンテージSの勝ち馬でBCジュヴェナイル2着の実績もあった)の2頭に差されて、リッチモンドランナーの3/4馬身差3着に敗れた。

7月に出走したトムフールH(米GⅡ・D7F)では、本馬が単勝オッズ2.95倍の1番人気に支持され、一般競走を勝ってきたシエラグランデが単勝オッズ3.7倍の2番人気、チャーチルダウンズHの勝ち馬でシャンペンS・NYRAマイルH2着のディリジェンスが単勝オッズ4.9倍の3番人気となった。スタートから単騎の逃げに持ち込んだ本馬だったが、残り1ハロン地点で失速。勝ったディリジェンスから4馬身差の3着に敗れた。4歳時の出走はこれが最後で、この年の成績は5戦1勝に終わった。

競走生活(5歳時)

5歳時は前年と同じく2月にガルフストリームパーク競馬場で行われたダート7ハロンの一般競走から始動した。単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された本馬はスタートから大逃げを打ち、道中でつけた差をそのままゴールまで維持して、2着シーホースに7馬身差をつけて圧勝した。

次走は4月にチャーチルダウンズ競馬場で行われたダート6.5ハロンの一般競走となった。ここでは単勝オッズ1.3倍の1番人気に支持されると、前走と異なり後続を引き付けて逃げた。そして直線に入ってから二の脚を使い、2着チャーリーチャンに3馬身半差をつけて快勝した。

次走は久々のマイル戦となるメトロポリタンH(米GⅠ・D8F)となった。一昨年のキングズビショップS3着後に地道に走り続けてコモンウェルスBCS・チャーチルダウンズHを連勝してきたディストーテッドユーモア、カーターH・イリノイダービーの勝ち馬ワイルドラッシュ、ハッチソンS・オハイオダービー・フラミンゴS・ペンシルヴァニアダービー・ワイドナーHの勝ち馬で前走オークローンH2着のフリスクミーナウ、5か月後のジョッキークラブ金杯でスキップアウェイジェントルメンをまとめて破って世間をあっと言わせることになるウエストチェスターHの勝ち馬ワゴンリミットなどが出走していた。121ポンドのディストーテッドユーモアが単勝オッズ2.25倍の1番人気に支持されたのに対して、ベイリー騎手がワイルドラッシュに騎乗したためにリチャード・ミグリオーレ騎手に乗り代わった115ポンドの本馬は単勝オッズ19.8倍の8番人気だった。下手に控えずに本馬の競馬に徹する覚悟だったらしいミグリオーレ騎手はスタートから本馬を先頭に立たせた。しかしマイル戦ではやはりスタミナが持たず、三角では既に失速。勝ったワイルドラッシュから23馬身半差の8着と玉砕した。

メトロポリタンHの僅か6日後には、初の芝競走となるジャイプールH(米GⅢ・T7F)に出走した。英国でミルリーフSを勝った後に米国に移籍してきて前走チャーチルダウンズターフスプリントSを勝っていたインディアンロケットが119ポンドのトップハンデでも単勝オッズ2.45倍の1番人気に支持され、ベイリー騎手が鞍上に戻ってきた115ポンドの本馬が単勝オッズ4.3倍の2番人気となった。スタートが切られると、単勝オッズ36.75倍の7番人気馬ブリストリングが111ポンドの軽量を活かして逃げ、本馬は2~3番手を進んだ。直線に入ってもインディアンロケットは後方のままであり、勝負は逃げ粘るブリストリングと追い詰める本馬の2頭に絞られた。そしてゴール前で本馬が僅かに前に出て頭差で勝利。デビュー17戦目での遅いグレード競走初勝利となった。

この結果により芝路線に専念することになり、次走は7月にベルモントパーク競馬場で行われたポーカーH(米GⅢ・T8F)となった。ターフクラシック招待S・香港国際Cの勝ち馬でマンノウォーS2着のヴァルズプリンス、欧州から移籍してきて一般競走を2連勝してきたウルフマウンテン、ベルモントBCHの勝ち馬フォーティチュードなどが主な対戦相手となった。本馬はヴァルズプリンスと共に117ポンドのトップハンデが課せられたが、勢いが買われたのか単勝オッズ3.25倍の1番人気に支持され、実績最上位のヴァルズプリンスは単勝オッズ3.9倍の2番人気、114ポンドのウルフマウンテンが単勝オッズ3.95倍の3番人気となった。

スタートが切られると本馬は即座に先頭に立って逃げた。当初は後続を引き付けながら逃げていたが、向こう正面から徐々に差を広げていった。その差は直線に入っても縮まることは無く、2着ザイムに6馬身差をつけて圧勝。勝ちタイム1分31秒63は、前年9月の一般競走でラッキーコインが計時した1分32秒17を更新するコースレコードであったばかりでなく、1997年にサンタアニタパーク競馬場で行われたアーケイディアHでアティキャスが計時した1分31秒89を更新する芝1マイルの世界レコードだった。

その後は9月のウッドバインマイルS(加GⅠ・T8F)に向かった。主な対戦相手は、ハリウッドダービー・アメリカンH・エルリンコンH・シューメーカーBCマイルSなどを勝っていたラビーブ、仏国でミュゲ賞・クインシー賞・エドモンブラン賞を勝っていたマラソン、前走のモーリスドギース賞でシーキングザパールの2着してきたジムアンドトニック、オークツリーダービー・メイカーズマークマイルSの勝ち馬ラスティングアプルーヴァルなどだった。本馬が単勝オッズ2.4倍の1番人気に支持され、ラビーブが単勝オッズ3.3倍の2番人気、マラソンが単勝オッズ8.85倍の3番人気となった。スタートが切られるとファントゥランやキリダシといった人気薄の馬達が先頭を奪い、本馬は3番手を進んだ。そして直線入り口でキリダシに並びかけたが、この段階では既にジムアンドトニックやラビーブが直後まで迫っていた。そして直線で粘れなかった本馬は、勝ったラビーブから5馬身半差の4着に敗れた。

その後はケルソH(米GⅡ・T8F)に出走した。ジャージーダービー・米国競馬名誉の殿堂博物館Sの勝ち馬ロブンジン、クリフハンガーHの勝ち馬ディキシーバイユーなどが対戦相手となったが。本馬が単勝オッズ1.6倍の1番人気に支持された。今回はスタートから先頭に立ったものの、三角では既に馬群に飲み込まれてしまい、勝った単勝オッズ5.3倍の3番人気馬ディキシーバイユーから13馬身1/4差をつけられた6着最下位に惨敗。

このレースの結果如何によっては3週間後にチャーチルダウンズ競馬場で行われるBCマイルに向かう予定だったはずだが、この内容では勝ち負けにならないと判断されたらしく回避となり、そのまま5歳時7戦4勝の成績で引退となった。

競走馬としては世界レコードを樹立したのが目立つが、ひたすら先頭を飛ばす以外の戦法が採れなかった事もあり、GⅠ競走では力不足と言わざるを得ない成績に終わった。

血統

Gone West Mr. Prospector Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Gold Digger Nashua Nasrullah
Segula
Sequence Count Fleet
Miss Dogwood
Secrettame Secretariat Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Somethingroyal Princequillo
Imperatrice
Tamerett Tim Tam Tom Fool
Two Lea
Mixed Marriage Tudor Minstrel
Persian Maid
Touch of Greatness Hero's Honor Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Glowing Tribute Graustark Ribot
Flower Bowl
Admiring Hail to Reason
Searching
Ivory Wand Sir Ivor Sir Gaylord Turn-to
Somethingroyal
Attica Mr. Trouble
Athenia
Natashka Dedicate Princequillo
Dini
Natasha Nasrullah
Vagrancy

ゴーンウエストは当馬の項を参照。

母タッチオブグレートネスは不出走馬。母としては本馬の半弟ロッシーニ(父ミスワキ)【ロベールパパン賞(仏GⅡ)・アングルシーS(愛GⅢ)】も産んでいる。タッチオブグレートネスの半兄にはゴールドアンドアイヴォリー(父キートゥザミント)【オイロパ賞(独GⅠ)・伊ジョッキークラブ大賞(伊GⅠ)・バーデン大賞(独GⅠ)・ロイヤルロッジS(英GⅡ)】が、タッチオブグレートネスの半姉レディエント(父フーリッシュプレジャー)の子にはホームオブザフリー【ジャイプールH(米GⅢ)・ローレルダッシュ(米GⅢ)】、プーレスタ 【インターボローH(米GⅢ)・アフェクショネイトリーH(米GⅢ)】、孫にはグランドクチュリエ【ソードダンサー招待S(米GⅠ)2回・ジョーハーシュターフクラシック招待S(米GⅠ)】が、タッチオブグレートネスの半姉ランドオブアイヴォリー(父ザミンストレル)の子にはハートオブダークネス【愛ナショナルS(愛GⅠ)】が、タッチオブグレートネスの半姉アイヴォリーアイドル(父アリダー)の子にはアニーズ【BCジュヴェナイル(米GⅠ)】がいる。

タッチオブグレートネスの母アイヴォリーワンドはテストS(米GⅢ)の勝ち馬で、スピンスターS(米GⅠ)で2着と3着している。アイヴォリーワンドの母ナタシュカはモンマスオークス・アラバマS・ラスフローレスH・サンタマリアHを勝って1966年の米最優秀3歳牝馬に選ばれた名牝で、繁殖牝馬としても、アイヴォリーワンドの半兄ブラッドロイヤル【クイーンズヴァーズ(英GⅢ)・ジョッキークラブC(英GⅢ)】、半弟グレゴリアン【ジョーマクグラス記念S(愛GⅠ)・ゴードンリチャーズS(英GⅢ)・ブリガディアジェラードS(英GⅢ)】、半妹トゥルーリーバウンド【アーリントンワシントンラッシーS(米GⅡ)・アッシュランドS(米GⅡ)・コティリオンH(米GⅢ)】と活躍馬を続出させ、1981年のケンタッキー州最優秀繁殖牝馬にも選ばれた。アイヴォリーワンドの半姉アルカディナの子にはダークロモンド【愛セントレジャー(愛GⅠ)】、孫には日本で走ったヘヴンリーロマンス【天皇賞秋(GⅠ)】が、アイヴォリーワンドの半姉マイルドディセプションの孫にはマルガルラ【愛オークス(愛GⅠ)】が、アイヴォリーワンドの半妹グレイスフルギャルの孫にはカポウティベル【テストS(米GⅠ)】が、アイヴォリーワンドの半妹タッシュの曾孫にはスイッチ【ラブレアS(米GⅠ)・サンタモニカS(米GⅠ)】、 クエスティング【CCAオークス(米GⅠ)・アラバマS(米GⅠ)】が、トゥルーリーバウンドの孫には日本で走ったシルクプリマドンナ【優駿牝馬(GⅠ)】がいる。ナタシュカの祖母は名牝ヴェイグランシーで、母系は世界的名牝系の始祖フリゼットの子孫である。→牝系:F13号族②

母父ヒーローズオナーはノーザンダンサー直子で現役成績18戦8勝、ユナイテッドネーションズH(米GⅠ)・ボーリンググリーンH(米GⅠ)・レッドスミスH(米GⅡ)・フォートマーシーH(米GⅢ)を勝っている。種牡馬としては大物種牡馬が多いノーザンダンサー産駒の中では今ひとつの成績で、当初は米国ケンタッキー州レーンズエンドファームで種牡馬入りしていたが、後に仏国ロワヴィル牧場に移動してその地で生涯を終えている。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬はマクトゥーム殿下所有の米国ケンタッキー州ゲインズボローファームで種牡馬入りした。初年度産駒からイルーシヴシティなど複数のステークスウイナーを出して注目されたが、本馬の名を一躍高めたのは2年目産駒のスマーティジョーンズの大活躍である。2004年にはスマーティジョーンズなどの活躍により北米首位種牡馬に輝いた。この年に本馬の産駒が獲得した賞金総額は1075万6659ドルに達し、1999年のストームキャットの1035万5446ドルを更新する北米史上最多年間賞金総額となった。それに伴い初年度1万ドルだった種付け料は急上昇し、2005年には10万ドルに達した。

現在はダーレーグループがケンタッキー州に所有するジョナベルファームで種牡馬生活を続けており、2009年にはブラジルにもシャトルされるなど世界的に活躍の場を広げ、2009年に他界した父ゴーンウエストの後継種牡馬として頑張っている。産駒のステークスウイナーは58頭以上となっている。自身の競走成績と同じく芝とダート両方で活躍馬を出している。距離は短いほうが良いが、10ハロンまでなら許容範囲である。産駒は世界各国で活躍しているが、日本における活躍馬はいない。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

2000

Chimichurri

テンプテッドS(米GⅢ)

2000

Elusive City

モルニ賞(仏GⅠ)

2000

Omega Code

サンミゲルS(米GⅢ)

2001

Elusive Diva

レイルバードS(米GⅢ)・ラスシエネガスH(米GⅢ)・セネターケンマディH(米GⅢ)・フェニックスBCS(米GⅢ)

2001

Girl Warrior

エルエンシノS(米GⅡ)

2001

Maryfield

バレリーナS(米GⅠ)・ディスタフBCH(米GⅡ)・BCフィリー&メアスプリント

2001

Smarty Jones

ケンタッキーダービー(米GⅠ)・プリークネスS(米GⅠ)・アーカンソーダービー(米GⅡ)

2004

Camarilla

サイアーズプロデュースS(豪GⅠ)

2004

Dynamic Blitz

アルシンダガスプリント(首GⅢ)

2004

Elusive Warning

バージナハール(首GⅢ)

2005

Elusive Touch

オーリーズスターH(豪GⅢ)

2005

Raven's Pass

BCクラシック(米GⅠ)・クイーンエリザベスⅡ世S(英GⅠ)・セレブレーションマイル(英GⅡ)・ソラリオS(英GⅢ)

2005

Royale Michele

バーバラフリッチーH(米GⅡ)

2005

True Quality

ジェネラルジョージH(米GⅡ)

2006

Elusive Bluff

ピリグリムS(米GⅢ)

2006

Evasive

ホーリスヒルS(英GⅢ)

2006

Invisible Man

ロイヤルハントC

2006

Quality Road

フロリダダービー(米GⅠ)・ドンH(米GⅠ)・メトロポリタンH(米GⅠ)・ウッドワードS(米GⅠ)・ファウンテンオブユースS(米GⅡ)・アムステルダムS(米GⅡ)・ハルズホープS(米GⅢ)

2007

Bullbars

CSヘイズS(豪GⅢ)

2007

Demonstrative

米グランドナショナル(米GⅠ)

2007

Elusive Pimpernel

エイコムS(英GⅢ)・クレイヴンS(英GⅢ)

2007

Roan Inish

加オークス

2007

Time Prisoner

リゾランジ賞(仏GⅢ)

2008

Merhee

セニョールサンタS(南GⅡ)・ポストマーチャンツ(南GⅡ)

2008

Questioning

アールオブセフトンS(英GⅢ)

2008

Sepoy

ブルーダイヤモンドS(豪GⅠ)・ゴールデンスリッパー(豪GⅠ)・MVRCマニカトS(豪GⅠ)・クールモアスタッドS(豪GⅠ)・デインヒルS(豪GⅡ)・コーフィールドスプリント(豪GⅡ)・ブルーダイヤモンドプレリュード(豪GⅢ)

2009

Elusive Kate

マルセルブサック賞(仏GⅠ)・ロートシルト賞(仏GⅠ)2回・ファルマスS(英GⅠ)・カルヴァドス賞(仏GⅢ)

2009

Real Stolle

マリビアノングプレート(豪GⅢ)

2010

Ainda Melhor

1月25日大賞(伯GⅡ)

2010

Ana Luisa

ギリェルメエリス会長大賞(伯GⅡ)・エメラルドヒル大賞(伯GⅢ)

2010

Anger

オーガストS(南GⅢ)

2010

Avenger of Light

リネアヂパウラマシャド大賞(伯GⅠ)・アンテノールララカンポス大賞(伯GⅡ)

2010

Certify

フィリーズマイル(英GⅠ)・メイヒルS(英GⅡ)・ケープヴェルディS(首GⅡ)・スウィートソレラS(英GⅢ)

2010

Sai de Baixo

共和国宣言大賞(伯GⅡ)・インデペンデンシア大賞(伯GⅢ)

2010

Shuruq

マクトゥームチャレンジR1(首GⅡ)・UAEオークス(首GⅢ)・バージナハール(首GⅢ)・イスタンブールトロフィー(土GⅢ)・スカイラヴィルS(米GⅢ)

2011

Beauty Parlor

オーキッドS(米GⅢ)

2011

Birkin Bag

ジアナ大賞(シダーヂジャルヂン)(伯GⅠ)

2011

Bonaparte

ダービーパウリスタ大賞(伯GⅠ)

2011

Caligrafo

ガヴェア競馬場大賞(伯GⅢ)

2011

Caritzia

エンリケデトレドララ大賞(伯GⅢ)

2011

Carrocel Encantado

サルガドフィルホ大賞(伯GⅡ)・ジュリオカプア大賞(伯GⅢ)

2011

Chronnos

ガヴェア競馬場大賞(伯GⅢ)

2011

Colorado Girl

ホベルト&ネウソングリマウジセアブラ大賞(伯GⅠ)

2011

Desejado Magee

コルデイロダグラサ大賞(伯GⅡ)

2011

Desert Dream

カルロステリスイカルロスジルベルトダローシャファリア大賞(伯GⅡ)

2011

Enterprising

ラホヤH(米GⅢ)

2011

Great White Eagle

ラウンドタワーS(愛GⅢ)

2011

Last Kiss

エンリケデトレドララ大賞(伯GⅠ)

2011

Maverick Wave

ハクスレイS(英GⅢ)

2012

Eh Cumpari

パームビーチS(米GⅢ)

2012

Seduire

サンタイネスS(米GⅡ)

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