チーフズクラウン

和名:チーフズクラウン

英名:Chief's Crown

1982年生

鹿毛

父:ダンチヒ

母:シックスクラウンズ

母父:セクレタリアト

大種牡馬ダンチヒの初年度産駒として父の種牡馬としての評価を確固たるものにした記念すべきブリーダーズカップ最初の優勝馬

競走成績:2・3歳時に米で走り通算成績21戦12勝2着2回3着3回

誕生からデビュー前まで

祖母であるニューヨーク牝馬三冠馬クリスエヴァートや母シックスクラウンズの所有者だったカール・ローゼン氏により米国ケンタッキー州において生産された。ローゼン氏のスタークラウンステーブル名義で競走馬となり、ナンバードアカウントなどを手掛けたロジャー・ローリン調教師に預けられた。

競走生活(2歳時)

2歳6月にベルモントパーク競馬場で行われたダート5ハロンの未勝利戦で、アンヘル・コルデロ・ジュニア騎手を鞍上にデビューしたが、勝ったドントフールウィズミーに11馬身差をつけられた4着と完敗を喫した。次走ベルモントパーク競馬場ダート5.5ハロンの未勝利戦では、主戦となるドナルド・マクベス騎手とコンビを組み、セクレタリージェネラルの1馬身差2着と好走した。翌7月に同コースで出走した未勝利戦を、2着デザートウォーに5馬身差をつける圧勝で勝ち上がった。

翌8月のサラトガスペシャルS(GⅡ・D6F)では、デビュー戦で本馬を破ったドントフールウィズミー、トレモントSを勝ってきたビートミーダディ、ジュヴェナイルSを勝ってきたスカイコマンドなどが出走してきたが、本馬が2着ドゥイットアゲインダンに2馬身3/4差で勝利を収め、競走馬時代にはステークス競走競走に縁が無かった父ダンチヒに産駒のステークス競走初勝利をプレゼントした。

同月末に出走したホープフルS(GⅠ・D6.5F)では、サラトガスペシャルS2着後にサプリングSで3着してきたドゥイットアゲインダン、サラトガスペシャルS5着のビートミーダディに加えて、メイフラワーS・タイロS・サプリングSと3連勝してきたダブリークリア、サンフォードSを勝ってきたティファニーアイス、未勝利戦と一般競走を連勝してきたマグジーズルーラーなどが対戦相手となった。レースでは本馬が2着ティファニーアイスに3馬身3/4差をつけて快勝し、父ダンチヒに産駒のGⅠ競走初勝利もプレゼントした。

翌9月に出走したベルモントフューチュリティS(GⅠ・D7F)では、不良馬場に脚を取られてしまい、ハリウッドジュヴェナイルCSSで3着してきたスペクタキュラーラヴの1馬身差2着に敗れた。翌10月に出走したカウディンS(GⅠ・D8F)では良馬場となり、スペクタキュラーラヴ、サラトガスペシャルSで6着に終わっていたドントフールウィズミー、ホープフルSで7着に終わっていたドゥイットアゲインダン、前走ベルモントフューチュリティSで4着だったジュヴェナイルSの勝ち馬バイオニックライトなどを一蹴。2着バイオニックライトに6馬身差をつけて圧勝した。

この1984年からブリーダーズカップが創設され、その記念すべき第1回が米国西海岸のハリウッドパーク競馬場で行われることになっていた。本馬もそれに参戦するべく、西海岸へ移動。まずはノーフォークS(GⅠ・D8.5F)に出走して、サニースロープSを勝ってきたマシューティーパーカーを1馬身半差の2着に、アーリントンワシントンフューチュリティ3着馬ビバマキシを3着に抑えて勝利した。

次走が本番のBCジュヴェナイル(GⅠ・D8F)となった。対戦相手は、カウディンS5着から直行してきたスペクタキュラーラヴ、アーリントンワシントンフューチュリティの勝ち馬でヤングアメリカS2着のスペンドアバック、未勝利戦で本馬を破った後に一般競走を1戦だけして臨んできたセクレタリージェネラル、カウディンSで本馬の3着に敗れた後にヤングアメリカSを勝っていたスクリプトオハイオ、サマーS・グレイS・カップ&ソーサーS・コロネーションフューチュリティSと加国の最重要2歳競走全てに勝ちこの年のソヴリン賞年度代表馬・最優秀2歳牡馬に選ばれる加国調教馬ドーフェンファビュルー、ヤングアメリカS・シャンペンSで連続3着してきたタンクスプロスペクト、カウディンS2着後に出走したヤングアメリカSでは5着だったバイオニックライト、欧州から遠征してきた愛ナショナルS2着馬コンサートホールなど9頭だった。この粒揃いのメンバー構成の中で、単勝オッズ1.7倍という断然の1番人気に支持されたのは本馬だった。そしてスペクタキュラーラヴが単勝オッズ6.5倍の2番人気、スペンドアバックが単勝オッズ7.4倍の3番人気と続いていた。

初年度は7競走施行されたブリーダーズカップのトップを切って開始されたレースでは、スタートからスペンドアバック、スペクタキュラーラヴ、セクレタリージェネラル、プラウデストアワー、バイオニックライトの5頭が猛然と先頭争いを演じ、本馬は前の5頭を離れた位置から見るように好位を追走した。向こう正面で先頭馬群が分散して、スペンドアバックが単独で先頭に立ち、本馬も三角から四角にかけて外側から位置取りを上げて前に詰め寄っていった。そして直線に入ると、逃げ粘るスペンドアバック、外側から追いかける本馬、内側を突いたタンクスプロスペクトの3頭に勝ち馬が絞られた。この三つ巴の勝負を制したのは本馬で、3/4馬身差の2着にタンクスプロスペクト、さらに3/4馬身差の3着にスペンドアバックが入った。これで本馬は、記念すべきブリーダーズカップ史上初の優勝馬として歴史にその名を刻むことになった。

2歳時は9戦6勝、うちGⅠ競走4勝の成績で、エクリプス賞最優秀2歳牡馬のタイトルを受賞した。なお、BCジュヴェナイルの前に、本馬の権利の半分をスリーチムニーズファームが取得し、競走馬引退後はスリーチムニーズファームで種牡馬入りすることが決定している(スタークラウンステーブルが保持するままとなった権利のうちさらに半分は、ダンチヒを繋養していたクレイボーンファームが後に取得している)。

本馬の活躍により、翌1985年の繁殖シーズンには父ダンチヒの元に優秀な繁殖牝馬が集まり、このとき種付けして翌年産まれた世代からデインヒルポリッシュプレシデントが登場することになるのである。

競走生活(3歳前半)

翌3歳時は当然のようにケンタッキーダービーを目指すことになった。まずは3月にガルフストリームパーク競馬場で行われた新設競走スウェイルS(D7F)から始動して、ハッチソンSで2着してきたクレームフレーシュを3馬身1/4差の2着に破って完勝。

続いて出走したフラミンゴS(GⅠ・D9F)では、ファウンテンオブユースS・フロリダダービーを連勝してきたプラウドトゥルース、ハリウッドフューチュリティの勝ち馬でファウンテンオブユースS2着のステファンズオデッセイとの対戦となった。レースは本馬とプラウドトゥルースの接戦となり、本馬が首差だけ先着してトップゴールしたが、直線の攻防で本馬がプラウドトゥルースの進路を妨害したという裁定が下り、本馬は2位降着となり、プラウドトゥルースが繰り上がって勝利馬となった。ところが本馬陣営がこの裁定に関してハイアリアパーク競馬場側に猛抗議。レース11日後になって、本馬が進路妨害したという裁定は覆り、到達順位どおりに本馬が1着で、プラウドトゥルースが2着という結果となった。

その後はケンタッキーダービーを目指してケンタッキー州に向かい、ブルーグラスS(GⅠ・D9F)に出走。ハッチソンS・ジムビームSの勝ち馬バナーボブ、米国西海岸から遠征してきたサンタカタリナSの勝ち馬フローティングリザーブなどが対戦相手となったが、本馬が2着フローティングリザーブを5馬身半切り捨てて圧勝した。

そして迎えたケンタッキーダービー(GⅠ・D10F)では、チェリーヒルマイルH・ガーデンステートSを連続圧勝してきた前年のBCジュヴェナイル3着馬スペンドアバック、フラミンゴSで結局2着が確定してしまった後にウッドメモリアル招待Sでも2着してきたプラウドトゥルース、エヴァーグレイズSの勝ち馬でウッドメモリアルS・ローレルフューチュリティ3着のローマンルール、ゴーサムS・ウッドメモリアル招待Sを連勝してきたエターナルプリンス、エルカミノリアルダービー・アーカンソーダービーを勝ってきた前年のBCジュヴェナイル2着馬タンクスプロスペクト、フラミンゴS3着後にレキシントンSを勝ってきたステファンズオデッセイ、サンタアニタダービーの勝ち馬でサンフェリペH2着のスカイウォーカー、ルイジアナダービー・アーカンソーダービーで連続3着してきたアイリッシュファイター、サンタアニタダービー・ダービートライアルSで連続2着してきたファストアカウント、チェリーヒルマイルH・ガーデンステートSで連続2着してきたアイアムザゲームなどが対戦相手となった。本馬が単勝オッズ2.2倍の1番人気に支持され、スペンドアバックが単勝オッズ5倍の2番人気となった。

スタートが切られるとスペンドアバックが一気に先頭を奪い、本馬がその直後2番手につけた。しかし最初のコーナーを回る途中からスペンドアバックが本馬との差を広げ始め、かなりの大逃げとなった。スペンドアバックのペースはかなり速かったためか、本馬は無理に追いかけようとせずに離れた2番手を追走した。しかしスペンドアバックの勢いは四角を回って直線に入っても衰えることはなく、そのまま逃げ切って圧勝。本馬は直線でスペンドアバックとの差を縮めることが出来ず、ステファンズオデッセイとの2着争いにも半馬身後れを取り、勝ったスペンドアバックから5馬身3/4差の3着に敗退した。

次走のプリークネスS(GⅠ・D9.5F)にはスペンドアバックの姿は無かった。ガーデンステート競馬場が集客目的のために、チェリーヒルマイルH・ガーデンステートS・ケンタッキーダービー・ジャージーダービーの4競走を全て制した馬に200万ドルのボーナスを出すと表明しており、この高額賞金に目が眩んだスペンドアバック陣営はプリークネスSを蹴ってジャージーダービーに向かってしまったのである。ステファンズオデッセイもベルモントSに狙いを絞るためにプリークネスSは回避したため、対戦相手は、前走7着のタンクスプロスペクト、同12着のエターナルプリンス、同13着最下位のアイアムザゲーム、一般競走3連勝中の上がり馬スキップトライアル、カリフォルニアダービーを勝ってきたハジズトレジャー、ローレルフューチュリティ2着馬カットラスリアリティなどだった。このメンバー構成なら本馬の実績が群を抜いており、単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。

レースはエターナルプリンスが非常に速いペースで逃げを打ち、本馬は4番手を追走した。そして三角で仕掛けて四角途中で先頭に立ち、そのまま直線へと突入。直線半ばではこのまま勝つかと思われたが、猛追してきたタンクスプロスペクトにゴール寸前で差されてしまい、頭差2着に惜敗した。

次走のベルモントS(GⅠ・D12F)では、マクベス騎手に代わってデビュー戦以来となるコルデロ・ジュニア騎手とコンビを組んだ。対戦相手は、タンクスプロスペクト、ケンタッキーダービー2着後に出走したピーターパンSでは4着だったステファンズオデッセイ、スウェイルSで本馬の2着に敗れた後にダービートライアルSを勝ちエヴァーグレイズS・ルイジアナダービーで2着・ジャージーダービーでもスペンドアバックの首差2着してきたクレームフレーシュ、ウィザーズSの勝ち馬エルバスコ、イリノイダービーの勝ち馬インポータントビジネス、ケンタッキーダービーで4着だったファストアカウント、前走3着のエターナルプリンス、同5着のカットラスリアリティなどだった。ここでも本馬は単勝オッズ3倍の1番人気に支持された。

重馬場で行われたレースではパープルマウンテンが逃げを打ち、本馬は4番手の好位を追走、タンクスプロスペクトはその直後、カップリングで単勝オッズ3.5倍の2番人気になっていたステファンズオデッセイとクレームフレーシュの2頭は後方待機策を採った。レースは実況が「とても速い」と言うほどのハイペースとなった。それでも本馬は三角で仕掛けて四角で先頭に並びかけていったが、さらに後方から来たステファンズオデッセイとクレームフレーシュの2頭に直線入り口で差されると後は付いていくことが出来なかった。そしてクレームフレーシュが2着ステファンズオデッセイに半馬身差で勝利し、本馬はステファンズオデッセイから4馬身半差の3着に終わった。

結局本馬は米国三冠競走全てで1番人気に支持されながら無冠という結果になってしまった。これは本馬以外には、1954年のコリレーション(着順はそれぞれ6着・2着・5着)と1970年のマイダッドジョージ(着順はそれぞれ2着・2着・5着)の2頭しかいないという不名誉な記録である。

競走生活(3歳後半)

悪い事は続くもので、気を取り直して8月にサラトガ競馬場で出走したテルS(T8F)では、サラナクSの勝ち馬エクワライズなどを抑えて1位入線したものの、4位入線のエクワライズの進路を妨害した咎で4着に降着となった。2位入線のレキシントンS3着馬エクスクルシヴパートナーが繰り上がって勝利馬となり、そしてフラミンゴSと異なり裁定が覆るようなことも無かった。

2週間後のトラヴァーズS(GⅠ・D10F)では、ベルモントS2着後にドワイヤーS・ジムダンディSを連勝していたステファンズオデッセイ、プリークネスS9着後にオハイオダービー・ハスケル招待Hを勝っていたスキップトライアル、スワップスSで2着してきた翌年のエクリプス賞最優秀古馬牡馬ターコマンなどが出走してきたが、米国三冠競走の勝ち馬3頭は全て不在だった(ベルモントSで故障したタンクスプロスペクトは既に引退種牡馬入りしていた)。レースはスキップトライアルやターコマンが逃げを打ち、本馬は4番手を追走。そして直線に入ってから鮮やかに差し切り、2着ターコマンに2馬身1/4差をつけて完勝した。

次走は古馬相手のウッドワードS(GⅠ・D9F)となった。対戦相手は、ドワイヤーS・ヴォスバーグS・ホイットニーH・トムフールSなどを勝ちホイットニーH・ジェロームHで2着していた4歳馬トラックバロン、サバーバンHの勝ち馬でホイットニーH3着のヴァンランディンガム、前走3着のスキップトライアルなどだった。ここではトラックバロンが2着ヴァンランディンガムに4馬身差をつけて完勝し、本馬はさらに1馬身半差の3着に敗れた。

次走は引き続き古馬相手のレースとなるマールボロCH(GⅠ・D10F)となった。対戦相手は、トラックバロン、ヴァンランディンガム、カリフォルニアンS・ハリウッド金杯・サンバーナーディノHの勝ち馬でサンフェルナンドS・チャールズHストラブS・サンタアニタH・サンセットH・バドワイザーミリオン2着のグレイントン、前年のプリークネスS・スーパーダービーなどの勝ち馬でBCクラシック2位入線3着降着・アーカンソーダービー・サンフェルナンドS・チャールズHストラブS・サンタアニタH3着のゲートダンサーなどだった。ここでは、プリークネスS以来のコンビとなったマクベス騎手とコンビを組み、2着ゲートダンサーを首差抑えて優勝した(ヴァンランディンガムは3着、グレイントンは4着、トラックバロンは8着だった)。

その後は調教代わりに出走したベルモントパーク競馬場芝8ハロンのハンデ競走を2着インテンシファイに2馬身半差で楽勝。そしてアケダクト競馬場で行われたBCクラシック(GⅠ・D10F)に参戦した。対戦相手は、マールボロCH2着後に出走したジョッキークラブ金杯でも2着だったゲートダンサー、そのジョッキークラブ金杯を勝ってきたヴァンランディンガム(次走のワシントンDC国際Sを勝ち、この年のエクリプス賞最優秀古馬牡馬に選出)、マールボロCH8着後に一般競走を勝って立て直してきたトラックバロン、トラヴァーズS2着後に一般競走を勝っていたターコマン、ケンタッキーダービー5着後に裏路線を進みピーターパンS・ディスカヴァリーHと3連勝してきたプラウドトゥルース、ウッドメモリアルS・ブルックリンH・メドウランズCH・マサチューセッツH・ジャマイカHの勝ち馬でジョッキークラブ金杯3着のバウンディングバスク、加国三冠競走第2戦のプリンスオブウェールズSを勝ちクイーンズプレートとブリーダーズSで2着してこの年のソヴリン賞年度代表馬・最優秀3歳牡馬に選ばれるインペリアルチョイスの7頭だった。本馬が単勝オッズ2.8倍の1番人気、ゲートダンサーが単勝オッズ4.2倍の2番人気、ヴァンランディンガムが単勝オッズ5.5倍の3番人気、トラックバロンが単勝オッズ7.4倍の4番人気となった。

スタートが切られるとトラックバロンが先手を取り、ヴァンランディンガムが2番手、本馬は3番手、他馬勢は本馬の後方に集結した。三角に入って前の2頭が失速すると、本馬とインペリアルチョイスの2頭が最初に仕掛けて先頭に立った。しかし直線に入るとこの2頭も伸びず、さらに後方から来たプラウドトゥルース、ゲートダンサー、ターコマンなどに次々と差された。結局、プラウドトゥルースがゲートダンサーとの叩き合いを頭差制して優勝。ゲートダンサーから4馬身離れた3着にターコマンが入り、本馬はターコマンから5馬身3/4差の4着と完敗した。

このレースを最後に、3歳時12戦6勝の成績で競走馬を引退した。この年の3歳牡馬の主役は間違いなく本馬だったのだが、エクリプス賞最優秀3歳牡馬のタイトルは、ケンタッキーダービー以降に本馬とは別路線を進み、ジャージーダービー・モンマスHと2勝を上積みしたスペンドアバックが、ケンタッキーダービーの勝ち方を評価されて受賞した(さらに年度代表馬にも選出された)。

血統

Danzig Northern Dancer Nearctic Nearco Pharos
Nogara
Lady Angela Hyperion
Sister Sarah
Natalma Native Dancer Polynesian
Geisha
Almahmoud Mahmoud
Arbitrator
Pas de Nom Admiral's Voyage Crafty Admiral Fighting Fox
Admiral's Lady
Olympia Lou Olympia
Louisiana Lou
Petitioner Petition Fair Trial
Art Paper
Steady Aim Felstead
Quick Arrow
Six Crowns Secretariat Bold Ruler Nasrullah Nearco
Mumtaz Begum
Miss Disco Discovery
Outdone
Somethingroyal Princequillo Prince Rose
Cosquilla
Imperatrice Caruso
Cinquepace
Chris Evert Swoon's Son The Doge Bull Dog
My Auntie
Swoon Sweep Like
Sadie Greenock
Miss Carmie T. V. Lark Indian Hemp
Miss Larksfly
Twice Over Ponder
Twosy

ダンチヒは当馬の項を参照。

母シックスクラウンズは、米国三冠馬セクレタリアトと、ニューヨーク牝馬三冠馬クリスエヴァートの間に産まれた超良血馬であり、両親合わせて六冠だからその名が付けられたと思われる。両親を髣髴とさせるほどの競走成績は残せなかったが、それでも15戦してメドウクイーンSなど5勝を挙げている。繁殖牝馬としては競走馬時代を大きく上回る好成績を残しており、本馬の半妹クラシッククラウン(父ミスタープロスペクター)【フリゼットS(米GⅠ)・ガゼルH(米GⅠ)】も産んだ他に、クラシッククラウンの孫であるリーチザクラウン【マイラーズC(GⅡ)・きさらぎ賞(GⅢ)・2着東京優駿(GⅠ)】、エーシンエフダンズ【東海桜花賞・白銀争覇・いろは丸賞】、エーシンジーライン【小倉大賞典(GⅢ)】や、本馬の半妹ジュエルドクラウン(父シアトルスルー)の子であるシルクフェニックス【エンプレス杯(GⅡ)2回】など、日本における活躍馬を子孫から出している。また、本馬の全妹シスタークラウンの孫にはバーボンカレッジ【スーパーダービー(米GⅡ)】がいる。シックスクラウンズの半妹ニジンスキースター(父ニジンスキー)もかなり優れた牝系を構築しており、近親には活躍馬が多数いるが、その詳細はクリスエヴァートの項を参照してほしい。→牝系:F23号族②

母父セクレタリアトは当馬の項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は、父ダンチヒ初めての後継種牡馬として、スリーチムニーズファームで繋養された。1990年代には豪州でも2シーズンほど種牡馬生活を送っている。本馬は種牡馬としてもかなりの成功を収め、父の直系発展に貢献した。もっとも産駒は芝の中長距離で活躍する傾向があり、父ダンチヒより母父セクレタリアトの影響のほうが強く出ている雰囲気がある。産駒のステークスウイナーは北米では53頭以上、豪州では11頭以上となっている。1997年4月に骨折のため15歳で他界した。

最近は繁殖牝馬の父としての活躍も目立っており、アグネスデジタル、ディープスカイ、ゴールドティアラなどを送り出している(余談だがディープスカイの曾祖母はクリスエヴァートの半妹であるから、本馬とディープスカイは近親である)。直系はグランドロッジからシンダーが出て現在に繋がっており、日本に輸入されたチーフベアハートもそれなりの成功を収めた。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1987

Azzaam

AJCシドニーC(豪GⅠ)

1987

Be My Chief

レーシングポストトロフィー(英GⅠ)・ヴィンテージS(英GⅢ)・ソラリオS(英GⅢ)

1987

Chief Honcho

ブルックリンH(米GⅠ)・ジムダンディS(米GⅡ)・エクセルシオールH(米GⅡ)

1987

Crowned

デラウェアH(米GⅡ)

1987

Dr. Somerville

コンデ賞(仏GⅢ)・ラクープドメゾンラフィット(仏GⅢ)

1988

Provins

ウイリアムPキーンH(米GⅢ)

1988

Siddharta

バグッタ賞(伊GⅢ)

1988

Ski Chief

プティクヴェール賞(仏GⅢ)

1989

Halesia

ロワイヤリュー賞(仏GⅡ)・フィユドレール賞(仏GⅢ)

1991

Ampulla

ロングアイランドH(米GⅡ)・ラプレヴォヤンテH(米GⅡ)

1991

Coronation Cup

ニジャナS(米GⅢ)

1991

Erhaab

英ダービー(英GⅠ)・ダンテS(英GⅡ)

1991

Grand Lodge

デューハーストS(英GⅠ)・セントジェームズパレスS(英GⅠ)

1991

Key of Luck

アランベール賞(仏GⅢ)・ドバイデューティーフリー

1992

Istidaad

オーストラリアンC(豪GⅠ)

1993

Three Fanfares

ガーデニアH(米GⅢ)

1993

Chief Bearhart

BCターフ(米GⅠ)・加国際S(加GⅠ)・マンハッタンH(米GⅠ)・加ブリーダーズS・ナイアガラBCS(加GⅡ)・エルクホーンS(米GⅢ)・キングエドワードH(加GⅢ)

1994

Concerto

ジムビームS(米GⅡ)・ケンタッキージョッキークラブS(米GⅢ)・フェデリコテシオS(米GⅢ)・クラークH(米GⅢ)

1994

Regal Thunder

パットオブライエンH(米GⅡ)

1996

Cardinal Colours

パースC(豪GⅡ)

1996

Charming City

香港クラシックマイル・チェアマンズスプリント

1997

Shawnee Country

テンプテッドS(米GⅢ)・ダヴォナデイルS(米GⅢ)・フェアグラウンズオークス(米GⅢ)

TOP