オペラハウス

和名:オペラハウス

英名:Opera House

1988年生

鹿毛

父:サドラーズウェルズ

母:カラースピン

母父:ハイトップ

5歳時に本格化してキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSなどGⅠ競走を3連勝したカルティエ賞最優秀古馬は日本で種牡馬として超大物競走馬を連発する

競走成績:2~5歳時に英愛仏米で走り通算成績18戦8勝2着4回3着3回

誕生からデビュー前まで

英国ハンプシャー州メオンヴァレースタッドの生産馬で、ドバイのシェイク・モハメド殿下の所有馬となり、英国マイケル・スタウト調教師に預けられた。

競走生活(2・3歳時)

2歳10月にレスター競馬場で行われた芝7ハロンの未勝利ステークスでデビュー。ウォルター・スウィンバーン騎手を鞍上に、単勝オッズ1.91倍の1番人気に支持された。そして先行して残り3ハロン地点で先頭に立ち、そのまま後続を引き離して、2着リヴァリオンに10馬身差をつけて圧勝した。この鮮烈な勝ち方により、一時的に翌年の英ダービーの前売りオッズで1番人気に挙げられたほどだった。しかしレース直後の調教中に躓いて繋ぎを故障してしまい、11か月間の長期療養を余儀なくされたため、英ダービーには出走できなかった。

3歳9月にノッティンガム競馬場で行われたグラデュエーションS(T9F213Y)で復帰した。僅か3頭立てのレースだった事もあって単勝オッズ1.73倍の1番人気に支持された。長期休養明けのためかレース序盤は行き脚が悪く最後方からの競馬となっていたが、残り4ハロン地点から走り方を思い出したのか急加速して残り1ハロン地点で先頭を奪取し、2着アイマームに1馬身半差で勝利した。このレースで騎乗したスティーブ・コーゼン騎手がしばらく本馬の主戦を務める事になる。

翌月のリステッド競走ファウンデーションS(T10F)では、単勝オッズ1.67倍の1番人気に支持された。ここでは2番手を先行したが、残り3ハロン地点で後方から来たダンテS3着馬パーペンディキュラー(後のプリンスオブウェールズS勝ち馬)にかわされると、そのまま最後まで追いつけずに、首差2着に惜敗した。

同月のセントサイモンS(英GⅢ・T10F5Y)では、後に香港国際ヴァーズ・クイーンエリザベスⅡ世C・サンフアンカピストラーノ招待Hを勝つレッドビショップ、後にジョッキークラブCを5連覇するファーザーフライト、英セントレジャーで3着してきたミケレッティ、独オークス馬フィリアアルドロスといった名うてのスタミナ自慢達が相手となった。レッドビショップが単勝オッズ3.5倍の1番人気で、本馬は単勝オッズ5.5倍の2番人気となった。ここでも先行すると残り5ハロン地点で早々に先頭に立った。しかし残り1ハロン地点から失速して、ファーザーフライトの3馬身差4着に敗退。3歳時は3戦して1勝するに留まった。

競走生活(4歳時)

4歳時は4月のゴードンリチャーズS(英GⅢ・T10F7Y)から始動した。前年のファウンデーションS以来の実戦となるパーペンディキュラー、前年のセントサイモンSでは5着だったが前走マグノリアSを勝ってきたレッドビショップ、前年のマンノウォーS・ターフクラシック招待Sで2着してきたジャンドショードネイ賞の勝ち馬ディアドクター、アールオブセフトンSの勝ち馬シュアシャープ、ムシドラSの勝ち馬でコロネーションS3着のガシーマーロウといった有力馬が対戦相手となったため、単勝オッズ9倍の6番人気まで評価を下げていた。しかもスタートで出遅れるわ、残り4ハロン地点で進路が塞がって失速するわという、スムーズさとは縁遠いレース内容となった。それでも残り2ハロン地点からは猛然と追い上げて、勝ったディアドクターから1馬身半差、2着レッドビショップから頭差の3着まで来たのだから、能力の一端は垣間見せたと言える。

次走のタタソールズ金杯(愛GⅡ・T10F)では、前年の同競走や愛国際Sを勝っていたゾーマンが単勝オッズ3倍の1番人気、本馬が単勝オッズ3.5倍の2番人気、アールオブセフトンSで2着してきたアダムスミスが単勝オッズ4倍の3番人気という、3強対決となった。スタートからゾーマンが逃げを打ち、本馬は好位を追走した。そして直線入り口3番手から先頭のゾーマンに並びかけて叩き合いに持ち込むと、ゴール前の一伸びで短頭差の勝利を収めた。

次走のブリガディアジェラードS(英GⅢ・T10F7Y)では、僅か3頭立てだった事もあって、単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。もっとも、他の2頭もドラール賞の勝ち馬ヴィオルノ、セプテンバーSの勝ち馬ヤングバスターであり、弱い相手ではなかった。ここではスタートから本馬が先頭に立ち、ヴィオルノが2番手、ヤングバスターが最後方を追走した。そして最後までこの順番のままであり、本馬が2着ヴィオルノに1馬身差で勝利した。

続くプリンスオブウェールズS(英GⅡ・T10F)では、前年に英国際Sを勝利してカルティエ賞最優秀古馬の座を射止めたテリモン、英2000ギニーとジャンプラ賞で2着していたラッキーリンディ、前年の英チャンピオンS勝ち馬テルクウェル、前年の愛1000ギニー・コロネーションSを制してカルティエ賞最優秀3歳牝馬に選ばれたクーヨンガ、ヤングバスターなどを抑えて、単勝オッズ3.5倍の1番人気に支持された。しかしここでは残り2ハロン地点から伸びを欠き、2位入線から繰り上がって勝ったパーペンディキュラーから6馬身差の6着と凡走した(1位入線3着降着のクーヨンガからは7馬身半差)。

次走はGⅠ競走初出走となるエクリプスS(英GⅠ・T10F7Y)となった。前走プリンスオブウェールズSで1位入線しながらヤングバスターの進路を妨害した咎で3着に降着となったクーヨンガ、ユジェーヌアダム賞の勝ち馬でイスパーン賞2着のアルカング、タタソールズ金杯2着後にイスパーン賞を勝ってきたゾーマン、ジョッキークラブS・ハードウィックS2回・プリンセスオブウェールズS・ヨークシャーCの勝ち馬ロックホッパー、前走で2着に繰り上がったヤングバスター、前走で4着だったテリモン、チェスターヴァーズの勝ち馬ツイストアンドターン、プリンセスオブウェールズS・ジョッキークラブSの勝ち馬サピエンスといった実力馬達が顔を連ねており、本馬は単勝オッズ9倍の4番人気だった。ここでは先行して直線入り口3番手から脚を伸ばし、いったんは先頭に立った。しかし直線入り口で後方2番手だった単勝オッズ4.5倍の1番人気馬クーヨンガが豪脚を繰り出して、残り1ハロン地点で本馬をかわして勝利。本馬は1馬身半差の2着だったが、多くの有力馬勢に先着して、前走凡走の汚名をある程度払拭した。

続くキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS(英GⅠ・T12F)では、愛ダービー・アングルシーS・愛フューチュリティS・デリンズタウンスタッドダービートライアルSの勝ち馬で英ダービー2着のセントジョヴァイト、ジョンポーターS・オーモンドS・コロネーションC・プリンスオブウェールズSと4連勝中のサドラーズホール、英ダービー3着馬シルヴァーウィスプ、キングエドワードⅦ世Sで2着してきた後のメルボルンC勝ち馬ジューン、前走で本馬から1馬身半差の3着だったサピエンス、前走9着のテリモンなどが対戦相手となった。前走の愛ダービーで、2着となった英ダービー馬ドクターデヴィアスに12馬身差という記録的大差で勝ってきたセントジョヴァイトが単勝オッズ1.8倍の1番人気に支持され、本馬は単勝オッズ15倍の5番人気だった。スタートからセントジョヴァイトが先頭に立ち、本馬はそれをマークするようにレースを進めたが、直線に入ると瞬く間にセントジョヴァイトに置き去りにされ、ゴール前でサドラーズホールにも半馬身かわされて、勝ったセントジョヴァイトから6馬身半差の3着に終わった。

その後は9月のカンバーランドロッジS(英GⅢ・T12F)に向かった。ゴードンリチャーズS2着後にセプテンバーSでも2着していたレッドビショップ、ゴードンS・グレートヴォルティジュールSを連勝した後に挑んだ英セントレジャーでユーザーフレンドリーの3着していたボニースコット、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSで本馬から半馬身差の4着だったサピエンスなどを抑えて、単勝オッズ3.25倍の1番人気に支持された。ここではサピエンスが逃げを打ち、本馬はレッドビショップと共に2~3番手を追走した。そして残り2ハロン地点で先頭に立つと、追いすがる2着レッドビショップに1馬身半差をつけて勝利した。

その後はBCターフに遠征する計画もあったが、この年は実現せず、7戦3勝で4歳時を終えた。

競走生活(5歳前半)

5歳になった本馬は5月のガネー賞(仏GⅠ・T2100m)から始動した。対戦相手はなかなか手強く、モーリスドニュイユ賞の勝ち馬ヴェールタマンド、伊2000ギニー・ローマ賞などの勝ち馬ミシル、前年のゴードンリチャーズS勝利後にジャンドショードネイ賞・アーリントンミリオンを勝ちジャパンCでも3着していたディアドクター、アルクール賞勝ち馬で翌年のガネー賞に勝利するマリルド、前年のエクリプスS8着後にプランスドランジュ賞を勝っていたアルカングなどが出走していた。このレースから本馬の主戦はマイケル・ロバーツ騎手が務める事になった。レースでは先行して残り400m地点で先頭に立つも、ゴール寸前でヴェールタマンドに差されて短首差2着に惜敗した。

次走のコロネーションC(英GⅠ・T12F10Y)では、前年に英オークス・愛オークス・ヨークシャーオークス・英セントレジャーを勝ち凱旋門賞でも2着してカルティエ賞年度代表馬に選ばれたユーザーフレンドリー、オイロパ賞・グレフュール賞の勝ち馬アップルツリー、ジョッキークラブSの勝ち馬ジナード、前年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSでは7着に終わっていたシルヴァーウィスプ、ジョンポーターS2着馬スプリング、一昨年のエクリプスS勝ち馬で愛チャンピオンS2着のエンヴァイロンメントフレンドとの対戦となった。本馬とユーザーフレンドリーが並んで単勝オッズ3.25倍の1番人気に支持され、アップルツリーが単勝オッズ6.5倍の3番人気、ジナードが単勝オッズ9倍の4番人気となった。

スタートからユーザーフレンドリーが先頭に立ち、本馬は最後方に陣取るという状況となり、1番人気馬2頭が前後で大きく離れる展開となった。残り3ハロン地点から満を持して追い上げてきた本馬は、ゴール前でエンヴァイロンメントフレンド、アップルツリーとの際どい勝負になったが、2位入線のアップルツリーに頭差、3位入線のエンヴァイロンメントフレンドにさらに短頭差(レース後の審議でアップルツリーの進路妨害が取られ、エンヴァイロンメントフレンドが2着、アップルツリーが3着と順位が入れ代わっている)で競り勝ち、GⅠ競走初勝利を挙げた(ユーザーフレンドリーはさらに5馬身差の4着だった)。

続くエクリプスS(英GⅠ・T10F7Y)では、愛2000ギニーの勝ち馬で英2000ギニー2着のバラシア(単勝オッズ3.5倍)、英ダービーで1番人気に支持されながら10着に敗れた雪辱を期すテンビー(単勝オッズ3.75倍)の2頭の3歳馬が人気を集め、バラシアにロバーツ騎手を取られたためにマイケル・キネーン騎手が初騎乗した本馬は単勝オッズ5.5倍の3番人気だった。他にも、ガネー賞7着後にイスパーン賞を勝ってきたアルカング、エンヴァイロンメントフレンド、ガネー賞3着後にイスパーン賞で2着してきたミシルなどの実力馬が参戦していた。ここでは馬群の中団につけると、残り2ハロン地点で先頭に立って押し切りを図った。そこへ本馬をマークするように走っていたミシルが並びかけてきたが、その追撃を短頭差で抑えて勝ち、前年2着の雪辱を果たした。

競走生活(5歳後半)

次走のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS(英GⅠ・T12F)ではさらに対戦相手が強化され、英ダービー・愛ダービーなど5戦無敗のコマンダーインチーフを筆頭に、サンクルー大賞を勝ってきたユーザーフレンドリー、伊ダービーなど5連勝中のホワイトマズル、メルフィンク銀行賞・ミラノ大賞・独2000ギニー・バーデン経済大賞などの勝ち馬プラティニ、アスコット金杯を2連覇してきた前年のカルティエ賞最優秀長距離馬ドラムタップス、エクリプスSで3着だったテンビー、同7着だったエンヴァイロンメントフレンド、前年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSで8着最下位後にセプテンバーS・ハードウィックSを勝っていたジューンなどが出走していた。コマンダーインチーフが単勝オッズ2.75倍の1番人気、ユーザーフレンドリーが単勝オッズ3.75倍の2番人気で、本馬はテンビーと並んで単勝オッズ9倍の3番人気だった。

レースはスタートから馬群が固まって進み、ロバーツ騎手が鞍上に戻ってきた本馬は馬群の中団好位の外側を追走した。直線に入ると優勝争いは内側で粘るコマンダーインチーフ、真ん中から追い上げる本馬、さらに外側から追い上げるホワイトマズルの3頭に絞られたが、真っ先に抜け出した本馬が他2頭の競り合いを尻目に先頭でゴールを駆け抜け、2着ホワイトマズルに1馬身半差をつけて勝利した。

秋は愛チャンピオンS(愛GⅠ・T10F)に出走した。前走の独GⅠ競走ダルマイヤー大賞を勝ってきたマーケットブースター、リステッド競走2連勝中の上がり馬ムータラムなどが対戦相手となったが、本馬が単勝オッズ2倍の1番人気に支持された。ここでも馬群の中団を進み、直線に入ってから仕掛けて残り1ハロン半地点で先頭に立った。そこへ本馬をマークするように走っていたムータラムが並びかけてきた。そして今回は最後に後れを取り、ムータラムの半馬身差2着に敗れた。

次走の凱旋門賞(仏GⅠ・T2400m)では、リュパン賞・仏ダービー・ニエル賞の勝ち馬エルナンド、サンタラリ賞・英オークス・ヴェルメイユ賞の勝ち馬でこの年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬に選ばれるイントレピディティ、レーシングポストトロフィーの勝ち馬で英セントレジャー2着のアーミジャー、愛オークスの勝ち馬でヴェルメイユ賞2着のウィームズバイト、仏オークス馬シェマカ、エクリプスS2着後にフェデリコテシオ賞を勝ってきたミシル、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS4着後にヨークシャーオークスで3着してきたユーザーフレンドリー、グレートヴォルティジュールS・英セントレジャーを連勝してきたボブズリターン、ヨークシャーオークス・フォワ賞を連勝してきたオンリーロワイヤル、ガネー賞で本馬を破った後は3戦未勝利だったヴェールタマンド、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS10着後にバーデン大賞で2着してきたプラティニ、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDS2着後の英国際Sで5着に終わっていたホワイトマズル、英国際Sを勝ってきたエズードなどが対戦相手となった。エルナンドが単勝オッズ4.7倍の1番人気に支持され、本馬は同馬主のイントレピディティとのカップリングで単勝オッズ4.9倍の2番人気、アーミジャーとウィームズバイトのカップリングが単勝オッズ5倍の3番人気だった。

レースはかなりの不良馬場で行われた。本馬は馬群の中団でレースを進め、3番手で直線に入ると、直線ではいったん先頭に立つかと思われる場面もあったが、内側から来た単勝オッズ38倍の11番人気馬アーバンシーと外側から来た単勝オッズ55倍の15番人気馬ホワイトマズルの2頭に差されて、勝ったアーバンシーから3/4馬身差の3着と惜敗。本馬はそれほど重馬場が不得手では無かったが、得意というわけでもなく(稍重以上の馬場では過去5戦2勝)、あまりの不良馬場が本馬にはあまり適さなかったのではないかという見解をロバーツ騎手は示した。

その後、前年は実現しなかった北米遠征に旅立ち、サンタアニタパーク競馬場で行われたBCターフ(米GⅠ・T12F)に参戦した。サンルイレイS・サンフアンカピストラーノH・エディリードH・オークツリー招待Hとこの年の北米芝GⅠ競走で4勝を挙げていたコタシャーン、ハリウッドターフC・ハリウッドターフHと北米芝GⅠ競走2勝を挙げ、コタシャーンとも好勝負を展開していたビエンビエン、前年のBCターフを筆頭にソードダンサー招待H・パンアメリカンHなどを勝っていたフレイズ、デルマー招待Hの勝ち馬ルアズーといった地元米国の強豪芝馬勢に加えて、凱旋門賞13着のイントレピディティ、同16着のエルナンド、同21着のウィームズバイトといった凱旋門賞大敗汚名返上希望組、英1000ギニー・EPテイラーS・英チャンピオンSなどの勝ち馬ハトゥーフ、一足先に米国に遠征してターフクラシック招待Sを勝ってきたアップルツリーなどの欧州調教馬勢も大挙して出走してきた。コタシャーンが単勝オッズ2.5倍の1番人気に支持され、本馬はイントレピディティとのカップリングで単勝オッズ5.1倍の2番人気、ビエンビエンが単勝オッズ5.3倍の3番人気となった。

スタートが切られると本馬は逃げるルアズーを見るように2番手を進み、そのままの位置取りで直線を向いたが、外側からまくってきたコタシャーンとビエンビエンに一気に置き去りにされるとそのまま伸びずに、勝ったコタシャーンから5馬身差の6着と完敗。

その後はジャパンCに出走する予定もあったが、結局出走せずにそのまま競走馬を引退。5歳時の成績は前年と同じ7戦3勝だったが、その内容は桁違いに濃くなっており、同年のカルティエ賞最優秀古馬を受賞した。

血統

Sadler's Wells Northern Dancer Nearctic Nearco Pharos
Nogara
Lady Angela Hyperion
Sister Sarah
Natalma Native Dancer Polynesian
Geisha
Almahmoud Mahmoud
Arbitrator
Fairy Bridge Bold Reason Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Lalun Djeddah
Be Faithful
Special Forli Aristophanes
Trevisa
Thong Nantallah
Rough Shod
Colorspin High Top Derring-Do Darius Dante
Yasna
Sipsey Bridge Abernant
Claudette
Camenae ヴィミー Wild Risk
Mimi
Madrilene Court Martial
Marmite
Reprocolor Jimmy Reppin Midsummer Night Djeddah
Night Sound
Sweet Molly シャミエ
Cockles and Mussels
Blue Queen Majority Blue Major Portion
Gorm Abu
Hill Queen Djebe
Home Rule

サドラーズウェルズは当馬の項を参照。

母カラースピンは現役成績7戦3勝、愛オークス(愛GⅠ)を勝ち、英オークス(英GⅠ)とヨークシャーオークス(英GⅠ)では共に4着だった。繁殖牝馬としては超一流で、本馬の全弟カイフタラ【アスコット金杯(英GⅠ)2回・愛セントレジャー(愛GⅠ)2回・ヴィコンテスヴィジェ賞(仏GⅡ)・グッドウッドC(英GⅡ)・ケルゴルレイ賞(仏GⅡ)・ヨークシャーC(英GⅡ)】、半妹ジージートップ(父ザフォニック)【オペラ賞(仏GⅠ)・ミドルトンS(英GⅢ)】も産んでいる。また、本馬の半妹スピニングザヤーン(父バラシア)の子にはネックレス【モイグレアスタッドS(愛GⅠ)・デビュータントS(愛GⅢ)】、孫にはグッドオールドボーイルーキー【スーパーレイティヴS(英GⅡ)】がいる。ジージートップの子にもイジートップ【プリティポリーS(愛GⅠ)・ミドルトンS(英GⅡ)・フロール賞(仏GⅢ)・ダリアS(英GⅢ)】がいる。カラースピンは2012年に心臓麻痺のため29歳で他界している。

カラースピンの母リプロカラーは現役成績9戦3勝、ランカシャーオークス(英GⅢ)・リングフィールドオークストライアルS(英GⅢ)を勝ち、ヨークシャーオークス(英GⅠ)で3着している。リプロカラーもまた優れた繁殖牝馬で、カラースピンの半姉ベラコロラ(父ベリファ)【オペラ賞(仏GⅡ)・カンデラブラS(英GⅢ)】、半弟セザンヌ(父アジュダル)【愛チャンピオンS(愛GⅠ)・シュプレティレネン(独GⅢ)】を産み、英国サラブレッド生産者協会により1986年の最優秀繁殖牝馬に選ばれている。リプロカラーは2008年に32歳の高齢で他界している。カラースピンの半姉ラッパタップタップ(父タップオンウッド)の曾孫にはザフィシオ【クリテリウム国際(仏GⅠ)】が、ベラコロラの子にはステージクラフト【プリンスオブウェールズS(英GⅡ)・カナディアンターフH(米GⅡ)・ガルフストリームパークBCターフS(米GⅡ)・ブリガディアジェラードS(英GⅢ)】、ミュリンズベイ【ストレンソールS(英GⅢ)】が、カラースピンの半妹シスタベル(父ベリファ)の子にはトーチルージュ【ベルリンブランデンブルクトロフィー(独GⅡ)・アーリントンH(米GⅡ)・ローレンスアーマーH(米GⅢ)】が、カラースピンの半妹リピートウォーニング(父ウォーニング)の孫にはリリックオブライト【フィリーズマイル(英GⅠ)】がいるなど、牝系は優秀であると言える。母系を遡るとファロスフェアウェイの全妹である英1000ギニー馬フェアアイルに行きつく。→牝系:F13号族①

母父ハイトップはトップヴィルの項を参照。

競走馬引退後

競走馬を引退した本馬は日本中央競馬会に購入されて来日し、日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬入りした。種牡馬入り初年度の1994年は50頭の繁殖牝馬を集めた。2年目は78頭、3年目も78頭、4年目は83頭と交配するなど順調に交配数が確保されていたが、2年目産駒がデビューする直前だった5年目の1998年は50頭に減少した。しかし翌1999年に2年目産駒のテイエムオペラオーが皐月賞を勝ったためにこの年は急遽繁殖牝馬が集まり、過去最多となる99頭と交配した。

その後のテイエムオペラオーの大活躍により、7年目の2000年は93頭、8年目は96頭、9年目も96頭、10年目は86頭の繁殖牝馬が集まった。テイエムオペラオーの競走馬引退後はしばらく産駒成績が伸び悩み、11年目の2004年は27頭、2005年は28頭まで交配数が減少したが、2006年にメイショウサムソンが皐月賞と東京優駿を制すると再び人気が上昇、種牡馬生活13年目となったこの年には157頭の繁殖牝馬を集めた。

しかしその後のメイショウサムソンの活躍にも関わらず、寄る年波には勝てずに翌2007年は66頭、2008年は46頭、2009年は26頭と再び交配数が減少傾向に転じた。2010年は、春先にトーセンクラウン、テイエムアンコールの2頭がGⅡ競走を勝ったために、交配数が54頭まで回復したが、2011年は25頭、2012年は16頭となった。この2012年に高齢のため19年に及んだ種牡馬生活に終止符を打って引退、現在は日本軽種馬協会静内種馬場で余生を送っている。

全日本種牡馬ランキングではテイエムオペラオーが猛威を振るった2000年の4位が最高。2001年が8位、2006年が10位で、ベストテン入りはこの3回だった。

産駒の特徴

日本軽種馬協会繋養種牡馬の常として、配合される繁殖牝馬の大半が中小規模の牧場が所有する繁殖牝馬だったということもあり、勝ち上がり率はそれほど高くないが、勝ち上がった馬は出世する確率が高い。持続力ある末脚と接戦に強い闘争心が武器である。また、スタミナ豊富、気性が素直、身体が頑丈などの長所もあり、それ故に障害競走で活躍する産駒も多いのも特徴である。しかし切れ味にやや欠ける事と、長距離色が強い事、晩成傾向も強い事などが最近の日本競馬界の流行からは離れているために、種牡馬としての人気が不安定だったのが残念である。また、ダート競走で活躍する産駒は皆無ではないが少数派で、中央のダート競走や地方競馬の種牡馬ランキングでは20位以内に入ったことが無い。なお、これらの産駒の特徴は競走馬時代における本馬の特徴と概ね共通しているようである。

なお、日本の資料だけでなく海外の資料にも「オペラハウスは世界賞金王テイエムオペラオーを輩出した」と記載されている場合がある。日本国内でしか走っていないテイエムオペラオーは海外の獲得賞金ランキングで対象外になっている事が殆どである(日本競馬は賞金水準が高すぎるという理由で、海外においては日本における獲得賞金は無視されている事が多いため)が、このような海外のご都合主義にそのまま従う必要はなく、テイエムオペラオーが稼いだ18億3518万9000円(天皇賞秋・ジャパンC・有馬記念の3競走同一年制覇のボーナス1億円などを加算すればさらに増える)という額は、テイエムオペラオーが一番賞金を稼いだ2000年の平均為替レートである1ドル108円で計算すると1700万ドルほどになり、これは一般的に世界賞金王とされているカーリンの1050万1800ドルを遥かに上回るものであるから、本馬は紛れも無く世界賞金王の父であり、海外にもそれを理解している人はいるという事である。

日本に輸入されたサドラーズウェルズ直系種牡馬としては唯一GⅠ競走勝ち馬を出しているのが本馬である(他のサドラーズウェルズ直系種牡馬がGⅠ競走勝ち馬を出していないわけではなく、シングスピールとその子アサクサデンエン、シングスピールの息子である日本調教馬ローエングリンの子ロゴタイプがGⅠ競走を勝っているが、いずれも本邦輸入種牡馬の子ではない)。

主な産駒一覧

生年

産駒名

勝ち鞍

1995

ニホンピロジュピタ

マイルCS南部杯(GⅠ)・エルムS(GⅢ)

1996

オペラハット

東京王冠賞(南関GⅠ)

1996

テイエムオペラオー

皐月賞(GⅠ)・天皇賞春(GⅠ)2回・宝塚記念(GⅠ)・天皇賞秋(GⅠ)・ジャパンC(GⅠ)・有馬記念(GⅠ)・京都記念(GⅡ)・阪神大賞典(GⅡ)・京都大賞典(GⅡ)2回・毎日杯(GⅢ)

1997

アクティブバイオ

日経賞(GⅡ)・アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

1997

カリスマサンオペラ

中山金杯(GⅢ)

1997

ミラクルオペラ

マーキュリーC(GⅢ)・白山大賞典(GⅢ)

1999

ブラボーオペラ

ばん阿賞(北関GⅢ)

2000

スプリングゲント

中山グランドジャンプ(JGⅠ)・東京ハイジャンプ(JGⅡ)・京都ハイジャンプ(JGⅡ)・京都ジャンプS(JGⅢ)

2000

バローネフォンテン

東京オータムジャンプ(JGⅢ)

2001

オペラシチー

目黒記念(GⅡ)

2001

コウエイトライ

小倉サマージャンプ(JGⅢ)2回・阪神ジャンプS(JGⅢ)4回・東京オータムジャンプ(JGⅢ)・新潟ジャンプS(JGⅢ)

2003

スリーオペレーター

阪神スプリングジャンプ(JGⅢ)

2003

ミヤビランベリ

目黒記念(GⅡ)・アルゼンチン共和国杯(GⅡ)・七夕賞(GⅢ)2回

2003

メイショウサムソン

皐月賞(GⅠ)・東京優駿(GⅠ)・天皇賞春(GⅠ)・天皇賞秋(GⅠ)・スプリングS(GⅡ)・大阪杯(GⅡ)

2003

ヤマトマリオン

フローラS(GⅡ)・東海S(GⅡ)・クイーン賞(GⅢ)・TCK女王盃(GⅢ)

2004

テイエムアンコール

大阪杯(GⅡ)

2004

トーセンクラウン

中山記念(GⅡ)

2006

ヒビケジンダイコ

せきれい賞(盛岡)

2007

マジェスティバイオ

中山大障害(JGⅠ)・中山グランドジャンプ(JGⅠ)・東京ハイジャンプ(JGⅡ)・東京ジャンプS(JGⅢ)

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